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インタビュー

【RIZIN】山本美憂、KIDが教えてくれたこと「いかに怖れに打ち克つか」

2020/04/01 17:04
【RIZIN】山本美憂、KIDが教えてくれたこと「いかに怖れに打ち克つか」

(C)ABARTH/KEI OGATA

 レスリング全日本4連覇、史上最年少17歳で世界選手権50kg級優勝。2018年からRIZIN5勝1敗──山本美憂が、「アバルト」の特設サイト「The SCORPION SPIRIT“挑戦”」に登場。MMAに取り組むきっかけとなった弟・山本“KID”徳郁への想いと、「それでも、挑み続ける」理由について語っている。

 2019年12月31日、タイの強豪アム・ザ・ロケットに判定勝利した美憂。2カ月前のハム・ソヒ(現RIZIN女子スーパーアトム級王者)戦の敗北を払拭する完勝劇だった。

 小学校から学んだレスリングから、四十代にしてMMA(総合格闘技)へ。
 公開された動画では、「一番自分を表現できるのが格闘技だと思います。情熱を懸けられることが嬉しい。トレーニングの最中はほんとうに集中していますね」と、人生を通して取り組んでいる格闘技について「一番自分を表現できる」と、美憂は語る。

「自分がこうしたいと思ったときに、無視し続けることはできなかった。やっぱり気持ちが無いといつまでもやり続けることはできないし、挫折してもそこで落ち込んで止まっていたら意味が無い。やりたいことはすべてやっていこうと思います」と、“何でもあり”のMMAも、挑戦したい気持ちに素直に従った結果だという。

 3年間で10試合とハイペースで試合経験を積んできた。その理由のひとつに、実弟である山本“KID”徳郁のがんとの闘病が影響していたという。

「弟の病気が発覚して(MMAをやることで)できるだけ彼のそばに居たいという想いもありました。弟のためにドンドン試合をしようと思っていました。自分が試合をすることで、本人が病気のことを少しでも忘れてくれるかなと思っていたんです」

「彼が亡くなったその日も、試合が近かったのでトレーニングをしていました。休むと、彼が怒ると思ったので。自分で決めて飛び込んだこの世界だけど、弟を巻き込んで……やっぱり期待に応えたかった。彼がいなかったら今の私はいないし、弟だけどいろんなことを教えてくれました」

 KIDが生涯をかけて取り組んだMMA。その深淵にいま姉の美憂は触れることで、KIDの強さを感じている。

「弟が小さい身体で大きい選手と闘ったり、いろんな挑戦をするのを見てきました。そのマインド、彼が教えてくれたものが、確かに私の中に在ると思います。それは、怖れを表に出さないということ。試合前、どれだけ臆病になったとしても、格闘家ならみんなが経験していることだから、いかにその怖れを自分で倒すか。打ち克って行け、ということだと思います。弟が亡くなったり、そういうことを経験しているうちに、自分がやらなきゃいけないことは、100%頑張らなきゃいけないって。いまはほんとうに弟に恩返しするために戦っています。どんな挑戦でも0%じゃない。1%でも(成功の)可能性があると思って挑戦しています」

 100%格闘技を頑張ることで、1%の可能性は、大きく広がってきた。MMAデビューから1年は1勝3敗と一本負けを繰り返してきた美憂は、その後の連勝、そしてアムに完勝したことで、MMAでもワールドクラスの一人として認められつつある。

「MMAを始めてまだ4年目。昨日の自分よりも、常に少しでも強くなっていたい。自分を諦めたくない。諦めるということは、自分が本当にやりたいことをストップしなければいけないということ。それは後悔することになる。その場には止まっていたくないですね。私にとって挑戦とは、自分らしく生き続けること」。

「それでも、挑み続ける」──山本美憂の挑戦する姿に迫った特別動画「ABARTHブランドムービー」は現在、公開中だ。

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