MMA
レポート

【UFC】無観客試合でオリベイラが体重超過のケビン・リーをギロチン葬。バーンズが“レジェンド”マイアをパウンドアウト、痛み分けヤヒーラが引退示唆=選手コメント

2020/03/16 12:03
【UFC】無観客試合でオリベイラが体重超過のケビン・リーをギロチン葬。バーンズが“レジェンド”マイアをパウンドアウト、痛み分けヤヒーラが引退示唆=選手コメント

(C)Buda Mendes/Zuffa LLC/UFC

2020年3月14日(日本時間15日)、ブラジル・ブラジリアのニルソン・ネルソン・ジムナジウムにて「UFCファイトナイト・ブラジリア」が、新型コロナウイルス感染拡大の状況とブラジル政府の要請により、無観客大会として行われた。

メインでは、ライト級から体重超過で158.5ポンド(71.89キロ)契約で試合に臨んだケビン・リー(米国)に対し、地元ブラジルのシャーウス・オリベイラは3R、ギロチンチョークで一本勝ち。7試合連続フィニッシュ勝利を決め、ベルト挑戦をアピールした。

セミでは、デミアン・マイアとギルバート・バーンズの実力者2人によるウェルター級のブラジル対決が行われ、バーンズが1R半ばで、レジェンドファイターのマイアをカウンターの左フックでダウンを奪い、パウンドアウトしている。

▼ファイト・オブ・ザ・ナイト
マリーナ・モロズ vs. マイラ・ブエノ・シウバ

▼パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト
シャーウス・オリヴェイラ、ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ

次回、UFCは日本時間3月22日(日)に英国ロンドンのO2アリーナにて、「UFCファイトナイト・ロンドン」を開催予定。メインイベントは元ウェルター級王者のタイロン・ウッドリーがレオン・エドワーズを迎え撃つ一戦が予定されている。

現時点(3月16日)でUFCファイトナイト・ロンドンは予定通り、観客を入れて開催することになっているが、英国政府は3月22日の週から大規模集会を禁止することを発表しており、UFCは「状況が日々、変化していることもあり、変更等が生じた場合はUFC公式サイトならびにソーシャルメディアを通して発表する」としている。

また、UFCは「ネバダ州アスレチック・コミッションのエグゼクティブディレクターであるボブ・ベネット氏と直接的に連絡を取り合い、出場するアスリートの健康と安全を確実にするため、出場選手に新型コロナウイルスの検査を実施すべく取り組んでいます」と、発表している。

UFCファイトナイト・ブラジリア 結果&勝者コメント

現地時間2020年3月14日(土)、日本時間15日(日)
ブラジル・ブラジリア
ニルソン・ネルソン・ジムナジウム

【メインイベント】

▼ライト級→158.5ポンド契約 5分5R
○シャーウス・オリベイラ(ブラジル)
[3R 0分28秒 ギロチンチョーク]
×ケビン・リー(米国)※体重超過

◆オリベイラ「貧しいヤツでも欲しいものを追いかけていれば手に入るということを示したくてやっている」

「20日間、自分が戦えるのかどうか分からなかったんだ。肩を痛めていたんだけど、でもチームは違っていて、試合に出て勝てると言われた。今週ほど重い状態だったことはない。ずっとやばかったんだ。体重を作れなかったときはプロじゃないとみんなに言われた。今週はみんながそれをケビン・リーに言っている。でも、俺は彼がプロだと思っている。試合が行われるのかどうか、ずっと分からずに1週間を過ごしたんだ。

俺は再び歴史を作るためにやってきたし、今回は誰の声援もなかったけど、チームが言っていたようになった。こうなるためにやってきたんだ。もちろん、みんなにいてもらいたかったと思っているけど、まだ俺のことを知らなかった人たちはこれで俺のことを分かってくれたはずだ。チームは絶対に、俺が記録保持者だってことを思わせなかった。これはこれ、だ。俺は常にショーを見せたくてやっている。一本を取りにいっているわけでもノックアウトを狙っているわけでも、ましてボーナスを狙っているわけでもない。俺は自分の仕事をするためにやっているし、貧しいヤツでも欲しいものを追いかけていれば手に入るということを示したくてやっている。とてもハッピーだ」

【セミメインイベント】

▼ウェルター級 5分3R
○ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ(ブラジル)
[1R 2分34秒 TKO]
×デミアン・マイア(ブラジル)

◆バーンズ「最後はかなりショックだった。デミアンに対する愛情も称賛もリスペクトもある。コビントンとやりたい」

「レジェンドになりたければレジェンドを倒す必要がある。デミアンはレジェンドだし、自分にはノックアウトもできるし、一本も取れると思っていた。自分の強みは分かっている。誰のことも過小評価しているつもりはなくて、自分のポテンシャルを分かっているだけ。いろんな人がやらなかったことをやったんだ。試合に臨んで、1ラウンドを戦いきらずに仕事を終えた。とても興奮しているし、自分のパフォーマンスには大満足だ。彼の試合はすべて練られている。相手のいいポジションから何とか抜け出して、ノックアウトできた。

試合の最後はかなりショックだった。彼がフロアに強く頭をぶつけたのが分かったから、レフェリーが止めに入るべきだと思っていた。止めにこなかったから、俺は自分の仕事を果たすしかなかったけど、それをやらなきゃいけないことにショックだったんだ。こんなふうに感じたことはない。でも、デミアンに対する愛情も称賛もリスペクトもある。最後、あんなふうにしないといけなかったことは本当に悪かったと思っている。これでトップ5に入れると思う。コルビー・コビントンとやりたい。あいつはサンパウロに来て、言いたい放題だった。あのとき、俺はライト級で、あまり話せなかったけど、今はウェルター級だし、どこでも相手になる」

【メインカード】

▼ライト級 5分3R
○ヘナート・モイカノ(ブラジル)
[1R 0分44秒 リアネイキドチョーク]
×ダミア・ハゾビック(ボスニア)

◆モイカノ「息子が病院で2日過ごしている。原因は分からない」

「今週はこれでおしまい。息子が病院で2日過ごしている。原因は分からない。本当にきつかった。試合を終えることだけを考えていた。戦えないくらいの気分だったけど、妻が冷静で、俺を落ち着かせてくれたし、すべてうまくいった。息子は無事だ。この勝利を2人に捧げる。トップのやつと戦いたい。いつもそう言っているようにな。コリアンゾンビと再戦したいけど、ライト級が自分の階級だと思うから、ポール・フェルダーと戦ってみたい。ボーナスを取りたいね。できれば2つとも。まだ残っている家のローンにぴったりだ」

▼ライトヘビー級 5分3R
○ニキータ・クリロフ(ウクライナ)
×ジョニー・ウォーカー(ブラジル)
[判定3-0] ※29-28×2、30-28

◆クリロフ「第2ラウンドでものすごく疲れた。とにかく休みたい」

「ハードな試合だった。ジョニーはタフな相手だ。彼には素晴らしいストライキングゲームがある。俺のプランは彼をテイクダウンしてパンチをコントロールすることだったけど、何が起きたのかは分からない。第2ラウンドでものすごく疲れた。もしかしたら、何発か食らったからかもしれないけど、その後はプランしていたことができたし、試合に勝てた。今は家に帰りたい。2カ月半も家族に会っていないし、UFCの今後については考えたくない。とにかく休みたい」

▼ライト級 5分3R
○フランシスコ・トリナウド(ブラジル)
[判定3-0] ※29-28、30-27、30-27
×ジョン・マクデッシ(カナダ)

◆トリナウド「ケビン・リーと戦って打ち負かしたい」

「話すことはたくさんあるんだ。ブラジルで一番多く試合をしているアスリートの1人という以外にも、無観客イベントで戦った1人になった。ものすごくクールだよ。密室のジムで戦っている気分だった。ジョン・マクデッシがもっとアグレッシブにくると思っていた。前進してくると思っていたけど、来なかった。前回の結果があったから、もちろん自分が勝ったと思っているけど、できるだけ早くフィニッシュするつもりで挑まないといけなかった。それは果たせなかったけれど、最初から最後まで圧倒できたと思っている。このカテゴリーでトップのランカーと戦いたい。ケビン・リーと戦って彼を打ち負かしたい」

【プレリム】

▼フライ級 5分3R
○ブランドン・モレノ(メキシコ)
[判定3-0] ※29-28、29-28、30-27
×ジュシー・フォルミーガ(ブラジル)

◆モレノ「フィゲイレードに勝っているフォルミーガを打ち負かしたんだ。次はタイトルをかけて戦いたい」

「信じられない。タフな試合だったし、UFCのトップで戦ってきたベテランが相手だったんだ。勝ったなんて信じられない。興奮している。今後がすごいことになりそうだね。頂点にたどり着きたい。頂点はもちろんタイトルだ。勝ちたいし、自分にはふさわしいと思っている。フォルミーガを打ち負かしたんだ。デイブソン(フィゲイレード)に勝っている人だよ。総合格闘技ならではの計算だけど、ある人がこの人に勝って、この人はあの人に勝つ。すごいよね。フォルミーガはすごい人だし、トップ中のトップでやっている人。たくさん勝ってきたし、活躍もしている。今日の勝利で、フィゲイレード戦に向けて最高の経験を担った気がする。UFCがフィゲイレードとベナビデスとの再戦を決めてくれるのを待ちたいけど、次はタイトルをかけて戦いたいとも思っている。でも、そうじゃなければ、誰か、いい相手と戦いたい」

▼女子ストロー級 5分3R
○アマンダ・ヒバス(ブラジル)
[判定3-0] ※30-25、30-25、30-26
×ランダ・マルコス(カナダ)

◆ヒバス「私がただの柔道家や柔術家じゃなくて、ムエタイがうまいだけでもないってことを証明できたと思う。イジ・ヴァンザントとやりたい。エスパルザとウォーターソンの勝った方とも」

「対戦相手としてラマンダ・マルコスのことを研究し始めてから、彼女が相手の思い通りにさせない、とても強いファイターだと分かった。でも、今回、私がただの柔道家や柔術家じゃなくて、ムエタイがうまいだけでもないってことを証明できたと思う。私はMMAの選手。スタンドでもグラウンドでも戦った。もちろん、ノックアウトか一本勝ちを狙っていたけど、勝利は勝利だし、それが大事。これから2週間はこの勝利を楽しむわ。そうしたら、ペイジ・ヴァンザントとやりたい。WWEが予定されていたけど、それでも私は彼女とやりたい。彼女がフライ級で戦ってみたいと言うなら、私が相手になるわ。でも、私は野心を持っている。カーラ・エスパルザとミシェル・ウォーターソンの勝った方ともやりたい。きっと最高の試合になるわ」

▼ウェルター級 5分3R
○エリゼウ・ドス・サントス(ブラジル)
[判定3-0] ※29-28、29-28、29-28
×アレクセイ・クンチェンコ(ロシア)

◆“カポエイラ”ドス・サントス「俺に必要なものの60%はチームメイト」

「もちろん、前回の試合はミスがあったし、負けてしまった。今回の試合にはかなり集中していたんだ。とにかく勝ちたくて。チームや家族を代表してやってきたし、最高の形で締めくくりたかった。今回はそれができた。勝てる試合はちゃんと取らないとな。勝利するということが一番大事だ。チームの全員がそろうことになって、それは最高だったと思っている。俺に必要なものの60%は彼らだからね。オクタゴンの中の俺は走らないといけないマシンだから。今回の試合はもっと賢い戦略を用意して、それを実行できた。過去には相手を指名したこともあるけど、今は1週間、休む予定。UFCに呼ばれたら、試合の準備に入る。最高の相手とやりたい。そのためにやってきたんだ。自分が最高の1人になれる力を持っていることを示したい」

▼バンタム級 5分3R
△ハニ・ヤヒーラ(ブラジル)
[判定0-1] ※28-29、28-28、28-28
△エンリケ・バルソラ(ペルー)

◆ヤヒーラ「いろいろと考え直させられた。年齢もそうだし、UFCでの時間もね」

「最初の2ラウンドは俺が取った。かなりプッシュしたけど、その後、何かが変わってしまった。第3ラウンドは取れなかったと思う。体がもう言うことを聞かなかったんだ。それに関しては少しがっかりしている。あと少しできていれば、きっと俺が勝っていた。でも、勝てなかった。第3ラウンドは戦えていなかった。2人ともかなり疲れていたしね。ハードにプッシュしすぎた。そのせいでドローになったんだと思う。向こうは第3ラウンドでかなり攻めてきたし、俺よりもうまく準備できていた。今は自分の頭を冷やしたい。今回の試合はいろいろと考え直させられた。年齢もそうだし、UFCでの時間もね。この後、チームと話してどうするか決める。地元で戦えるっていうのはいつだってうれしい。もう一度、ここで戦えればと思っていたんだ。たとえ、ファンの前でなくてもね。結果に変わりはない」

◆バルソラ「俺にはレスリングがある。作戦は相手のテイクダウンに慎重に対応し、疲れさせることだった」

「第1ラウンドはたぶん向こうが勝っていた。俺の戦略は相手のテイクダウンに慎重に対応し、疲れさせることだったけど、それがうまくできなかった。理由は分からない。もしかしたら自分のせいかもしれない。あまりアグレッシブに行けなかったから。向こうは出だしから作戦通りにできていた。相手が少し試合をコントロールしていたから、最初のラウンドは向こうが少し上だった。第2ラウンドは巻き返して取れたと思う。第2ラウンドで、自分のレスリングの方が強いと分かった。ラウンドの終盤にそれに気づいたから、第3ラウンドは完全に圧倒できたけど、こういうこともあるから、もっと自信を持たないとね。

ヤニはすごいハートを持っていると思う。とても経験豊富なファイターでベテランだし、彼の試合は疲れ知らずだ。俺も疲れを知らないファイターだと思っている。攻め続けるのが好きなんだ。向こうは柔術がうまいけど、俺にはレスリングがある。俺の方が若くて強い。自分の強みとレスリングにもっと自信を持たないといけない。この階級でもう一度戦いたい。キャンプは最高だったし、チームも最高で、最高の気分だ。今日は良いテストだった。この階級でもっと力を見せられるはずだ」

▼女子フライ級 5分3R
○マリナ・モロズ(ウクライナ)
[判定3-0] ※29-28×3
×マイラ・ブエノ・シウバ(ブラジル)

※マリナ・モロズはコメントできる状態にないため、コメントなし

▼フライ級 5分3R
○ダビッド・ドボジャーク(チェコ)
[判定3-0] ※29-28×3
×ブルーノ・シウバ (ブラジル)

◆ドボジャーク「最高の勝利だ。環境的には難しかったけどね」

「自分にとってもチームにとっても最高の勝利だ。環境的には難しかったけどね。直前のオファーだったし、ファンがまったくいない。UFCで次に何がやってくるのか楽しみだ。それに、今度はきっとファンがいてくれるだろうから、はるかにいいパフォーマンスができるはずだ。100%でいく。最初のラウンドの序盤はわりとイーブンだったと思う。終盤にフロントキックを決められたから、あれをブルーノが食らったってこと。第2ラウンドは明らかに俺が勝っていて、第3ラウンドのポジションは俺の方が圧倒的だった。もしブルーノがもっとハードにやれば、俺が負けていたかもしれない。でも、ペースを上げて勝利を手にしたのは俺だ。母国ではこの勝利をお祝いしてくれているはず。本当にサポートしてもらったし、このあと祝杯だな。その前に、チェコ共和国の大使館で小さめのお祝いだ」

▼女子バンタム級 5分3R
○ベア・マレッキ(スウェーデン)
[判定3-0] ※29-28×3
×ヴェロニカ・マセド(ヴェネズエラ)

◆マレッキ「デイナが『最高のオープニングだ』と言ってくれた」

「少し変な感じね。アリーナにファンがいないなんて。でも、コーチが言ってくれている言葉がすべて聞こえたから、それは良かった。かなりうるさいこともあるからね。すごい1週間だった。試合ができるのかどうか分からなかったけど、私たちはプラン通りにやってきた。かなり感情的になっている気がするわ。第1ラウンドと第2ラウンドの間にセコンドがかなり助けてくれた。この数カ月、彼女がパートナーになってくれていて、今日は彼女のおかげよ。ヴェロニカがテイクダウンを狙ってくると思っていたんだけど、実際はかなりいいパンチを持っている。試合中に何度か笑みがこぼれてしまったのは打ち合いが楽しかったから。本当にうれしい。ミック・メイナードがデイナ・ホワイトからのメッセージを見せてくれたところなんだけど、“最高のオープニングだね!”って言ってくれたの」

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.334
2024年9月21日発売
UFCデビューの朝倉海をビリー&エリーHCと共にインタビュー。またUFC6連勝で1位ロイヴァルと戦う平良達郎、DJの引退インタビュー、期待のプロスペクト、格闘技の新しいミカタを特集!
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア