MMA
インタビュー

【DEEP】平田樹の兄・直樹がアゴ骨折のなか、FKT優勝「樹を追い越さないといけない」&樹「追い抜かれないように走り抜くだけ」

2020/03/02 16:03
【DEEP】平田樹の兄・直樹がアゴ骨折のなか、FKT優勝「樹を追い越さないといけない」&樹「追い抜かれないように走り抜くだけ」

2020年2月24日、東京・ニューピアホールにて、「DEEPフューチャーキングトーナメント2019」が行われ、ONE Championshipで3連勝中の平田樹の兄・平田直樹(K-clann)がフェザー級で優勝した。

直樹は1回戦で、渡辺純(リバーサルジム立川ALPHA)の打撃を受けてアゴを骨折しながらも、得意の柔道の内股でテイクダウン、腕十字で一本勝ちを極めると、準決勝では日大レスリング部で活躍した岩永翔吾(MAXI GYM)を三角絞めにとらえるなど判定勝ち。決勝戦は日比野純也(ISHITSUKA MMA)が棄権したため、優勝を決めた。

ケージサイドからは、兄の試合を妹の平田樹が見守り、大きな声でアドバイスを送っていた。もともと小学生のときに、講道館・春日柔道クラブに入門した兄・直樹を追って、妹の樹も柔道を始めている。

1回戦でアゴ骨折の重傷を負いながらもピンチを凌いだのは、柔道の投げだった。

「初戦の最初でいきなりいいのをもらっちゃって、ちょっとグラついて、その後、ヒザも入って、アゴがメチャクチャ痛くて、テイクダウンして後、これを逃したらまずいなと感じていました」

国士舘高校時代に柔道で体重別で団体戦に出場するなど活躍。その後も名門・国士舘大学柔道部に進んだ。

内股は「練習の時からやっていた技が出ました。柔道時代から寝技が好きで、最近は柔術も初めて、寝技だったら誰にも負けないという気持ちでやっています」と直樹は言う。

樹も、「1試合目はほんとうに死んだかと思いました(苦笑)。マジに1発ジャブをもらったときに、アゴが上がって『ヤバイ、死ぬ』と思って、心配しました。その後、蹴りもヒザももらって、ドキドキして、『寝技に行け』と思っていました。兄の寝技は自分も教えてもらうことが多いです。打撃をもらって以降は、自分のペースで試合が運べているなと感じていました」と、激戦を振り返る。

初戦を「一本で勝ててよかったです」と言う直樹は、「1試合目を終えたら、樹が笑っていて、こっちはそれでどころじゃないよって」と苦笑する。

2試合目は、2010年全日本学生選手権 男子フリースタイル66kg準優勝などの実績を持つ岩永翔吾のテイクダウンに三角絞め、腕十字を合わせるなど判定勝ち。

「2試合目は、右のアゴだけガードしていました。大きなアンコのグローブでちょっと寝技もやり辛かったです。三角絞めがいいところに入っていたのですが、相手も結構こらえていて、ちょっとケージの場所が悪かったのと、決勝戦のことも考えて、(力を使いすぎず)このままいこうかなと思いました」と、負傷のなかで、しっかり得意の寝技で勝利を掴んだ。

DEEPのフューチャーキングトーナメントは、これまで青木真也、菊野克紀、北田俊亮、中村大介、大塚隆史ら、多くの強豪選手を生み出したアマチュア大会。今後は本戦での活躍が期待される。

直樹は、「これから打撃も頑張っていきます」と課題を語り、『格闘代理戦争』を経て、先にONEでプロデビューを果たした樹について、「もちろん応援していますけど、負けられないと思いますし、追いついて、いつか追い越さないといけないなと思います。互いに切磋琢磨して頑張っていきたいです」と語った。

兄の優勝を見届けた樹も、「練習も朝から晩までずっと一緒にやっています。兄に追い抜かれないように、走り抜くだけです」と嬉しそうに語った。

直樹と樹は、世界で活躍するMMA兄妹ファイターとなるか。今後に注目だ。

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント