2020年2月28日(金)、シンガポール・インドアスタジアムにて、ONE Championship「ONE:KING OF THE JUNGLE」が開催され、同大会を日本から「AbemaTV」で解説した青木真也が、ONE初勝利を挙げた秋山成勲に対して、試合直後、対戦を打診。秋山もそれに呼応する場面が見られた。
同大会は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて無観客試合で行われ、日本から秋山成勲、三浦彩佳、山口芽生(V.V Mei)、江藤公洋の4選手が出場。秋山がKO勝利、江藤が一本勝ちを決めたものの、三浦がTKO負け、山口が判定負けと王座挑戦を照準に定めていた女子2選手が難敵相手に敗れる波乱があった。
同大会を生中継した「AbemaTV」では、青木真也と那須川天心が特別解説、また、SKE48からの卒業を発表した松井珠理奈がスペシャルゲストとして出演。日本のスタジオから4選手らの試合を見守った。
試合後、2014年9月のUFC日本大会での判定勝ち以来、5年5カ月ぶりの勝利を挙げた秋山が、現地からの中継に登場。
無観客試合を戦った感想を「我々アスリートとして、言葉ではなく身体を持って示したのではないかと思います。正直、リングの上に上がると、観客がいるとかいないとか、大きく差は感じなかったのですが、終わった後にあたりを見回して正直、寂しかった。ライブで見てくれる人のことを考えると、(観客が)たくさんいてくれると嬉しいですね」と語った。
その後、放送席の青木真也から「秋山さん、めちゃくちゃ仕上がってましたね」と労いの言葉を掛けられると、現地の秋山は「ごめんなさい、何言っているか分からない」と練習で潰れ気味の青木の声に苦笑して返答。
すると、青木はいきなり、「色も黒くなっていて。僕が色が白いから、リング上で対峙したらオセロみたいで面白いんじゃないかな」と、対戦を呼び掛けた。青木の言葉に、秋山も「そうですよね。そういう未来があったら嬉しいと思います」と呼応してみせた。
青木は秋山の前戦アギラン・タニ(マレーシア)との激闘も解説を務めており、秋山のなりふり構わず戦う姿勢を高く評価していた。そのことについて秋山は、「ちゃんとお礼を言っていなかったんですけど、前回の上海大会の復帰戦ですごく感情を込めて解説してくれて……」と話すと、すかさず青木は「そりゃそうですよ、俺たちはファミリーですから」と、いつもの決めゼリフで混ぜ返すと、秋山も「そこでソレを使うか」と再び苦笑。
噛み合っているようで噛み合わない、両者のやりとりは、現実のものとなるか。青木は放送席であたらめて秋山戦について問われ、「組まれたらやります」と答えている。
ONE Championshipは当初、2020年4月5日(日)に開催を予定していた日本大会を、「東京オリンピック開催を考慮」し、2020年下半期に延期することを発表。その後、2020年10月25日に、東京大会を新ブランドのメガイベント「ONE INFINITY SERIES」として開催することを発表している。
また、秋山は今回の勝利後、ケージの中で韓国語で「これが私のマーシャルアーツの旅の始まりです」と語り、続けて英語で、「可能ならば、ONE Championship韓国大会に出たいです」とアピールもしてる。
試合前には、階級について、「自分、正直、どっちでもいけるように身体を作ってるんですよね。84(ONEウェルター級)か77(ONEライト級)かどっちでもいけるように。ちょっと軽いけど、動きやすくてそうしてる」と、2階級を行き来できるようにしていることを告白し、ライト級の大物選手との対戦を問われ、「僕がライト(級)に本当に行くんであれば、青木くんとやる時も、もしかしたら来るのかも分からないですよね」と、かねてから対戦のうわさがあった青木真也との対戦の可能性についても語っていた。
果たして秋山vs青木は実現するのか。今後の動向が注目される。