2020年2月22日(土)静岡・浜松アリーナにて『RIZIN.21』が開催され、第6試合でバンタム級相当の61.0kg契約で、金太郎(パンクラス大阪稲垣組)が、地元・浜松の加藤ケンジ(K.O.SHOOTO GYM/3POUND)と対戦。1R 4分21秒、リアネイキドチョークで一本勝ちした。
レスリングシューズを履いてリングインした金太郎は、加藤の打撃をさばいて大き目の左右を振ってコーナーに詰めると、いきなりダブルレッグ(両足タックル)でテイクダウン。あえてハーフガードで固定し、ヒジや鉄槌で削ると、足を効かせてきた加藤の三角絞め狙いをかついでパスガード。亀になって立とうとした加藤のバックを奪い、半ば強引にリアネイキドチョークを極めて、加藤を絞め落とした。
キックボクシングから、18歳でMMA(総合格闘技)に転向し、「THE OUTSIDER」で頭角を現した金太郎は、2019年7月のパンクラスではバンタム王者のハファエル・シウバをあと一歩のところまで追い込んだハードパンチャーだ。
それが、まさかの一本勝ち。
リング上で「大阪から来ました金太郎です。ちょっと試合自体、硬くなってしまって、みんなが見たい試合が出来なかったのが悔いが残るんですけど、7月に大阪大会あるみたいなので、バンタム級盛り上がってるし、ビッグネームとやらせてください。次はみんなが見たい試合をします」とマイクアピールしていた金太郎は、試合後の会見で、リングシューズを履いてきた理由を怪我していたと説明。さらに、戦いたい「ビッグネーム」の名前を、具体的に同じ「THE OUTSIDER」出身の朝倉海、と語った。
金太郎「東京vs大阪みたいなくくりができる相手とやりたい」
──試合を終えた率直な感想をお聞かせください。
「勝ったことはすごく嬉しいですね」
──対戦相手の加藤選手の印象は?
「だいぶ違いましたね。向こうはすごい刺し違える覚悟だったというか……僕はちょっと油断ではないけど、相手のことを舐めてたかもしれないですね」
──試合前に「殺傷能力を見せたい」と言っていましたが?
「殺傷能力は今回はあんまり見せれてないですけど、ただ、危険な物は持ってる、倒しにいけるんじゃないかというのは見せられたんじゃないかと。打撃になろうが寝技になろうが、判定は狙っていないし、常にフィニッシュを意識しているので」
──フォロワーがまた増えますね。
「今日の勝ち方で増えますかね?」
──今後の展望は?
「今後もRIZINにどんどん出て行きたいというか、みんな僕のことを、ファンが推してくれたから出られたと思っているし、世間の人が僕をを応援してくれるから、ここに出られたと思っています。だから、そういった世間の人、ファンの人が見たいカードをどんどんやっていきたいです」
──今回レスリングシューズを履いてきたのは、最初からテイクダウンを狙っていたからでしょうか。
「終わってからだから言えるんですけど、左足をちょっと痛めてしまっていて、試合2、3週間前からちょっと左足首をやっちゃって、練習があんまりできていない状況でした。足を保護する意味でレスリングシューズを履きました」
──リアネイキドチョークの体勢になって、首には腕を巻けてもいったん後ろ手を剥がされて充分に組めませんでしたが、最後は極め切りました。あのときは?
「組み方とかはあんまりこだわってなかったので。もう首に入った時点で、足(のフック)も入っていたので、どんなにしてもどんだけ雑に行っても、もう絞めたら落とせると思って、綺麗に行くより、強引に絞り上げた方が勝てると思ってやりました。技術を見せることよりも、相手を失神させるためにやったというか。十分に技術がある絞め方ではないけど、倒せるってわかったから絞めました」
──「ファンの人が見たいカード」というのは、誰を想定していますか。
「やっぱり(7月の)大阪で盛り上がる選手。僕が大阪(出身)なんで、東京vs大阪みたいなくくりができる相手とやりたい。朝倉海選手とか。マネル・ケイプ選手はチャンピオンですぐには出来ないと思うので、尊敬を込めて朝倉選手や、今日のこの階級のなかで一番目立っている選手とやりたいです」
──ところで、試合前に「甘いものを食べたい」と。いま何を食べたいですか。
「いつも計量が終わってから、何も考えずにお菓子とか食べるんですが、今回から『お菓子は止めろ』と言われて止めた。でも帰りにお菓子を大量に買って、ホテルで“菓子パ”しようと思います(笑)」