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【RIZIN】朝倉未来がKO勝利、4.19 横浜で朴光哲と対戦へ。バンタム級はヘンリーが金原をTKO、井上が接戦制し、金太郎は一本勝ち

2020/02/22 12:02
「RIZIN.21」2020年2月22日(土)静岡・浜松アリーナ▼第10試合 68.0kg契約 RIZIN MMAルール 5分3R ※ヒジあり○朝倉未来(日本/トライフォース赤坂)67.95kg[2R 2分34秒 KO]×ダニエル・サラス(メキシコ/BONEBREAKERS TEAM)67.30kg未来は大晦日「Bellator×RIZIN 対抗戦」に続く連戦となる。同対抗戦の大将戦で未来は、Bellatorファイターのジョン・テイシェイラ・マカパ(ブラジル)と対戦。マカパの強打をかわし、テイクダウン狙いも切ると、サウスポー構えから左のカウンター攻撃を当てて判定勝利を収めている。 左ミドルが武器のサラスに対し、未来は、「もともと右利きで、右ストレートがノーモーションになっているので、結構、一撃で倒せる、練習でも倒せたので、今回から両方使う」とサウスポーに加え、オーソドックス構えでも戦うことを予告。「今年は勝負の年じゃないですけど4試合くらいやって、強いやつともやって証明していきたい」と4月19日(日)横浜アリーナ大会にも出場の名乗りを挙げている。 サラスはMMA16勝6敗1分、8歳からカンフーを始め、ストリートファイトで腕を磨き、MMAを戦ってきた。 基本はオーソドックス構えながら時折スイッチしての後ろ廻し蹴り、右の関節蹴り、踵蹴りの足払いテイクダウン、ダブルレッグテイクダウンなどを得意とする組み技寄りのオールラウンダーだ。4つのリアネイキドチョーク、2つの三角絞めでの一本勝ちもマークしている。 2015年にはTUFのメキシコ版『The Ultimate Fighter Latin America Season 2』でライト級トーナメントに参加し、ホラシオ・グティエレスを相手に判定負け。しかしそのホラシオはTUFで決勝に進出している。 サラスは、「メキシコシティの非常に貧しい地域で、常に学校や路上で喧嘩をしているような環境だった」と、未来と同じようにストリートで培ったメンタルの強さと「俺は強いアゴを持っている。非常に打たれ強い」と身体の強さも誇る。「この千載一遇のチャンスを必ずモノにする」とアップセットを狙う。 1R、オーソドックス構えの未来、サウスポー構えのサラス。右の前蹴りを腹に突くサラス。さらに右インロー。未来も左ミドルを腹に返す。右ミドルで前に出るサラス。さらに右ストレートは見切り左を狙う未来。 左の関節蹴りを狙うサラス。廻し蹴りは間合いで外す未来は、サラスの右ミドルの打ち終わりに右ボディから左フックをヒット! さらに同じ蹴りにボディを入れる。さらに詰めて左ボディ! スイッチしたサラスは右ジャブで牽制。未来もサウスポー構えとなり左ストレートを当てる。 サラスの左の入りに右を合わせる未来。サラスは構わず右の跳びヒザ。ブロックする未来は左ロー! サラスの蹴り足を掴んでのパンチを狙う。さらに軌道を変えた左ハイ! もらいながらも右を返してシングルレッグに行くサラスだが出血。未来の左から右に右ミドルを返しに行く。 2R、サラスの出血のチェックから再開。サウスポー構えから入るサラスだが、未来の左を浴びる。オーソドックス構えに戻すサラス。そこに未来は左ハイをブロック上に当てる。右ボディストレートを狙うサラス。さらに左もかわす未来。ジャブの打ち終わりに未来は右を狙う。 インローを当てるサラスだが打ち終わりに左ローを当てる未来。オーソドックス構えのサラスに右のフェイントから左ミドル! 上半身をくの字に曲げるサラス。詰める未来は左ハイ! 食らったサラスは後方にダウン! 未来は中腰のままパウンドを連打し、もらい続けるサラスの首が後方に倒れ、未来は拳をストップ。レフェリーが間に入った。 未来は、リング上で「初めての浜松大会、結構、相手強かったんでKO出来て良かったです。ちょっと今日、怪我も無いんで4月(19日)も出ようかな。みなさん横浜アリーナで会いましょう」と、連続参戦を宣言。そこで、リングサイドで試合を見ていたKRAZY BEEの朴光哲がリングイン。「いま朝倉選手、横浜でやると言ったんですけど、誰の挑戦でも受けるっていうんで自分、立候補してもいいでしょうか。どうでしょうか」と未来に対戦を要求。さらに、「ぜひ、やらせてもらいたい。まあ未来選手とは同じジムの矢地君も負けているし、KRAZY BEEとも因縁もあるし……でもそれも過ぎたことだし、矢地もよろしくやってるんで(笑)、純粋にいちファイターとして、いま一番勢いがあり稼いでいる未来選手と、ファイターとしての進退を賭けて戦いたい。負けたら辞めます」と引退を賭けての対戦を要求した。 未来も「まあ、やるならやります」と承諾し、榊原信行CEO立ち合いのもと、4.19 横浜大会での対戦が決定。朴は最後に「一言いいスか、しっかり練習しとけよ、クソガキ!」と笑顔で語った。 未来は、2019年7月28日「RIZIN.17」で、KRAZY BEEの矢地祐介と1階級上のライト級に近い70kg契約で対戦。左フックでダウンを奪うなど終始、試合をコントロールし判定勝ちを収めていた。 朴は元修斗環太平洋ライト級王者&元ONE FC世界ライト級王者。ボクシング仕込みの打撃を武器とし、2012年10月の「ONE FC 6」で、ゾロバベル・モレイラを3R TKOに下し、ONE FC初代ライト級王座を獲得している。 [nextpage] ▼第9試合 61.0kg契約 RIZIN MMAルール 5分3R ※ヒジあり○ビクター・ヘンリー(米国/UWF USA)60.40kg[2R 4分45秒 TKO]×金原正徳(日本/リバーサルジム立川ALPHA)60.65kg 元SRCフェザー級王者の金原はMMA25勝13敗5分。2016年1月の「UFC 195」で強豪マイケル・マクドナルド(米国)と対戦し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞する激闘も、肩固めを凌がれた金原がリアネイキドチョークで一本負け。マクドナルドのケージ掴みが問題視された試合でもあったが、UFCをリリースとなり、2016年12月のDEEPでチャーリー・アランツに1R TKO勝利。その後、立ち技のKNOCKOUTにも参戦し、2017年7月に中尾満を5R TKOに下すと、同年12月には不可思と5R判定まで持ち込んでいる(0-3で不可思が勝利)。2018年4月にはDEEPでジョムホット・チュワタナを1R 肩固めで仕留めており、今回は1年10カ月ぶりのMMA復帰戦となる。 和術慧舟會HEARTSなどで練習を続けていた金原は、朝倉未来・海ともスパーリングをしており、現在のRIZINのバンタム級戦線を把握した上での参戦となる。今回のRIZIN参戦に向け、プーケットのタイガームエタイでトレント・ガーダム、トップノーイ、UFCのケビン・リーらと合宿を積んできた。 対戦相手のビクター・ヘンリー(米国)は、ジョシュ・バーネットを師に持つ現DEEPバンタム級王者。2014年7月に初来日し、GRAND SLAM旗揚げ大会で所英男を2R TKOに沈めると、15年5月に主戦場をパンクラスに移し2連勝。同年12月にバンタム級キング・オブ・パンクラスタイトルマッチで王者・石渡伸太郎に挑むが、フルラウンドを戦い抜いた末に判定負け。18年8月にDEEPへ参戦し、DEEP二階級を制した大塚隆史をKOで沈め、19年3月には第7第王者の元谷友貴も判定で下し、DEEPバンタム級王座を獲得した。2019年8月のRIZIN初参戦では、トレント・ガーダムに3R、後ろ三角絞めで一本勝ちしている。 金原とはDEEPでの接点は無いものの、2018年6月の「QUINTET FIGHT NIGHT in TOKYO」でグラップリングマッチで対戦。金原がストレートフットロックで一本勝ちしている。金原はMMAの試合勘がどこまで戻るか。金原はいつものように黄色の柔術衣姿で入場。ヘンリーのセコンドにはジョシュ・バーネットがつく。 1R、ともにオーソドックス構え。ヘンリーは右の前蹴り。蹴り足をつかむ金原。前足でサイドキックを放つヘンリー。細かいステップを踏む金原。フェイントを入れながら圧力をかけるとヘンリーは間合いを外すと右ローを当てる。徐々に圧力をかける金原。左ジャブを刺す金原。ローにジャブを当てると、ヘンリーは頭を傾けて左を振る。その刹那、シングルレッグから腰を抱いてテイクダウンは金原! 下からオモプラッタ狙いはヘンリー。外す金原はかみつきパスからまたごうとするが、そこに亀になるヘンリー。バックを奪う金原は4の字ロックに。背後からチョークを狙いつつパウンドを入れる。 2R、右ストレート、右の蹴りで圧力をかけるヘンリー。回る金原に詰めるヘンリーは左の蹴りを出して、そこに打ち返してきた金原の右の打ち終わりに右をダブルでヒット! テンプルにもらった金原はダウン! シングルレッグに入り上体を立てにいくが、そこを潰して固定したヘンリーは左のパウンド連打! レフェリーが間に入った。 試合後、ヘンリーは「カネハラは自分が力をつけていく上でレジェンドだった。彼と戦えたことは栄誉だ。これで2戦目。1戦目で一本勝ち。2戦目はヒーローのカネハラに一本勝ちした。次はタイトルマッチをお願いしたい」とマネル・ケイプが持つベルト挑戦をアピールした。 【試合後会見】金原正徳が引退を表明「思った通り強かったなと。実力がこれだけだったということ」 [nextpage] ▼第8試合 120.0kg契約 RIZIN MMAルール 5分3R○ロッキー・マルティネス(グアム/スパイク22)112.75kg[1R TKO] ※サッカーキック×関根シュレック秀樹(日本/ボンサイブルテリア)113.55kg 関根は、山梨学院柔道部出身。卒業後、静岡県警で機動隊や暴力団担当の刑事を務め、ボンサイブルテリアジムでブラジリアン柔術を習得。2009年にMMAデビュー後、7連勝で2016年12月にONE Championshipに参戦。世界ヘビー級王者ブランドン・ベラとの試合に向け、43歳にして警察官という安定した職を捨て、プロ格闘家に転向した。柔術、グラップリングでも実績を残しながら、プロレスのリングでも活躍。全日本、ハードヒット、リアルジャパンといったリングでも人気を博している。マルティネス戦に向け、封印していたスープレックスを狙う。 対するマルティネスはRIZINには4度目の参戦となるDEEPメガトン級王者。RIZINではジェロム・レ・バンナに袈裟固めで勝利、侍マーク・ハントとは殴り合いの末にTKO勝ちを収めたが、ミルコ・クロコップにはTKO負け。ジェイク・ヒューンにも僅差の判定で敗れてRIZINで連敗を喫すると、ホームのDEEPに戻って2019年12月に誠悟をTKOに破りDEEP王座2度目の防衛に成功している。関根のスープレックス狙いに対し「投げられるものなら投げてみろ」と、スープレックス潰しに自信を見せている。 1R、ともにオーソドックス構え。先に圧力をかけるマルティネスは左ジャブ。関根はシングルレッグを押し込みダブルレッグへ。ロープ際でボディロックするとスープレックス狙いへ。大内刈も狙いクラッチは組むが、ダブルオーバーフックで差し上げるマルティネス。 ブレーク。左右で前に出る関根。押し返してきたマルティネスに足払いテイクダウンは関根! マルティネスはヒザを着きながら、そのままダブルレッグへ。コーナーに押し込むが体を入れ替える関根が押し込む。 ブレーク。マルティネスの左右に後退する関根はガードを固め右ローを返す。しかしそのローに右フックをカウンターで当てたマルティネス! ダウンした関根は足関節狙いも外したマルティネスは右のサッカーキック、そして左のサッカーキック! 再びダウンした関根の上半身がロープ最下段から出てしまい、レフェリーがいったん試合を止めたが、顔を押さえた関根は立ち上がれず。レフェリーはあらためて試合を止めた。 試合後、マルティネスは、「ハママツ、ニホン、アイシテル! RIZIN、素晴らしい戦いに愛を。今日の勝利を祖父に捧げます」と挨拶した。 ▼第7試合 79.0kg RIZIN MMAルール 5分3R○マルコス・ヨシオ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術)78.65kg[1R 1分27秒 TKO] ※パウンド×ファルコ・ネト(ポルトガル/Kleber Team)78.65kg “マルキーニョス”ことマルコス・ソウザは、MMA8勝1敗1ノーコンテスト。RIZINで活躍するボンサイ柔術のサトシの兄である。柔術では、コパブルテリア2013優勝、ワールドプロ柔術2013世界大会優勝、ヒクソン・グレイシー杯優勝などの実績を持ち、ノーギ(道衣無し)でもQUINTETなどの大会で活躍するなど、高いグラップリング力を持つ。 RIZIN初参戦となった2019年10月では中村K太郎と対戦し、1R1分18秒、中村の打撃の猛攻によりTKO負けを喫している。「減量に苦しんだ」という前戦の敗北から、今回が地元での再起戦となる。生徒の前で「戦うのはここ(腕)じゃない。ハートを見せたい」と意気込む。 1R、会場から地元ボンサイ柔術の道衣を着た一団から大声援を受けたマルキーニョス。ネトにはケイプが見守る。ともにオーソドックス構えで慎重な入り。大きな右ストレートで前に出るマルキーニョス。しかし両脇を差すネトに引き込みはマルキーニョス。下からめくったマルキーニョスはパウンド! 足を効かすネトに鉄槌連打。さらに立ち上がったネトにマルキーニョスは右フック! ネトはダウン。マルキーニョスはパウンドを連打し、試合を決めた。 試合後、マルキーニョスは、「ありがとうございました。すごく嬉しい。弟、私の家族、RIZIN、ありがとうございました。ウォーッ!」と咆哮。「ボンサイ」コールの中、リングを後にした。 [nextpage] ▼第6試合 61.0kg契約 RIZIN MMAルール 5分3R ※ヒジあり○金太郎(パンクラス大阪稲垣組)60.65kg[1R 4分21秒 リアネイキドチョーク]×加藤ケンジ(K.O.SHOOTO GYM/3POUND)60.65kg 金太郎は『THE OUTSIDER』で活躍し、2019年7月のパンクラスではバンタム王者のハファエル・シウバをあと一歩のところまで追い込んだハードパンチャー(逆転の肩固めで一本負け)。2019年12月の『PANCRASE 311』でサイモン・オリベイラ(ブラジル)を相手に再起戦に臨む予定だったが、ギックリ腰により欠場。今回が7カ月ぶりの試合でRIZIN初参戦。現在パンクラス・バンタム級3位につけている。 地元・浜松で練習する加藤は修斗を主戦場にする強打者。修斗では2019年10月と12月大会で続いてメインを張った。加藤は倒れされずに打撃で相手を仕留めるストライカータイプで昨年新人王のガッツ天斗(パラエストラ綾瀬)との試合でもその戦法をいかんなく発揮、フルマークの判定で退けると、12月大会でもかつて世界王者・佐藤将光に完封勝利している“ギロチン”齊藤曜を3R 1分51秒 TKOに下している。 1R、レスリングシューズを履いてサウスポー構えの金太郎。オーソドックス構えの加藤もサウスポー構えに変えて右から左で前に。しかし、さばいた金太郎は左右を振り、コーナーに詰めてダブルレッグテイクダウン! 右で差す金太郎。ハーフガードに固定するのは上の金太郎。加藤はフルガードに戻すと、上の金太郎はヒジ! 鉄槌。しかし加藤も足を効かせて三角絞め狙い。すぐに頭を抜く金太郎はかつぎパスへ。加藤は亀から立とうとするが、その際で金太郎がバックへ。いったんは後ろ手をはがした金太郎だが、最後は金太郎が手首で組んでリアネイキドチョークを極めた。「落ちてる」とレフェリーに伝えた金太郎。加藤は一瞬、失神。 まさかの一本勝ちを極めた金太郎は、リング上で「大阪から来ました金太郎です。ちょっと試合が硬くなってしまって。みんなが見たい試合か悔いが残るけど、7月か大阪大会があるらしいんで、みんなが見たいカードをやりたいと思います。応援、ありがとうございました」と、大阪大会参戦を希望した。 [nextpage] ▼第5試合 柔術エキシビションイリミネーションマッチ(1対5)10分○ホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)5-0×木村由菜(ラバンカ柔術アカデミー)×重水浩次(トラスト柔術アカデミー鹿児島)×エジソン篭原(OverLimit Jiu Jitsu Association)×品川 祐(ボンサイ柔術)×中井祐樹(パラエストラ) 「柔術エキシビションイリミネーションマッチ」として、ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術)が、中井祐樹率いる5選手による「チーム中井」と“抜き勝負”を行う。 ルールは、試合時間内にサトシが「チーム中井」の5選手全員から一本取れば、サトシの勝ち。「チーム中井」の5選手のうち誰かがサトシから一本取るか、もしくは1人でも残ればサトシの負け。サトシに一本取られた選手は順に抜けていく形式だ。 サトシは、浜松在住で柔術、MMAで活躍するソウザ兄弟の三男。RIZINでは、北岡悟、廣田瑞人にKO・TKO勝ちし、2019年10月のライト級GP1回戦でジョニー・ケースに敗れキャリア初黒星を喫した。今回は、柔術でのエキシビションマッチで復帰となる。 対する「チーム中井」は5選手でサトシに挑む。 中井祐樹は日本ブラジリアン柔術連盟(JBJJF)会長。ヒクソン・グレイシーとも戦うなど、日本の総合格闘技の礎を築いた。今回は「チーム中井」のキャプテンとして、“柔術界の至宝”ホベルト・サトシ・ソウザに挑む。 エジソン篭原はアジアスポーツ柔術連盟(ASJJF)会長。IBJJFワールドマスター、SJJIFワールドの2大世界大会で優勝した実績を持つ。柔術を普及させるべく、アジアを含む世界中で活動を行っている。 重水浩次は、左腕に分娩麻痺という障害を持つパラ柔術家。2017年、2018年のアブダビワールド柔術パラの部優勝、2017年SJJIF世界柔術選手権パラの部フェザー級、パラの部無差別級ニ階級優勝などの実績を持つ。テコンドーでもパラリンピック出場を目指していた。 木村由菜は中学生の女子柔術家。3歳から柔術を始め、キャリア10年以上。2018年ヒクソングレイシーカップで優勝。19年4月にUAE(アラブ首長国連邦)で行われた、アブダビワールドプロ柔術世界大会キッズ部門に出場し、優勝を果たした。 そして、品川祐は、品川庄司のコンビ名で活躍するお笑いタレント。お笑い以外にも映画、小説などマルチな才能を発揮し、柔術を愛することでも知られている。サトシやマルキーニョスから柔術の指導を受けており、マルキーニョスと柔術エキシビションマッチの経験もある。2018年6月には東日本柔術選手権にBONSAI表参道所属で出場している。 今回の柔術エキシビション出場に向け、「一流のサトシ先生とたくさんの観客の前でエキシビションマッチをさせていただけるなんて光栄過ぎる。柔術を始めるのに年齢なんて関係ない。僕みたいな47歳の白帯でも動けるところを見せたいです」とのコメントを発表している。試合時間10分の1対5の変則マッチ。「チーム中井」はどんな順番でサトシに挑むのかも注目だ。 先鋒は“天才柔術中学生”木村由菜。引き込みから草刈を狙う木村。しかしサイドからバック、チョークを極めるサトシ。 次鋒はパラ柔術家の重水浩次。先にシングルレッグも切るサトシはベリンボロからバックテイクへ。腕十字を極めた。左手麻痺を持つ重水は足でタップ。 中堅はASJJF会長の篭原。シングルレッグを切るサトシはバックへ。送り襟締めで足をかけてタップを奪った。 副将は“おしゃべり柔術野郎”品川祐。アームドラッグを狙う品川に。逆にサトシが引き込みへ。腕十字を狙うサトシ。かついだ品川をかわすサトシは側転パス狙う。跳びつき十字からマウントを奪い三角絞めでタップを奪った。 大将は中井祐樹。ガードを取るサトシは帯取り返し狙い。中井はトップに立つサトシ。スタンドバックに回る中井はロープに押し込むが正対するサトシはスイッチから上に。ディープハーフガードの中井にヒザ十字を狙うサトシ。それを防ぐサトシはまたぐ。 ガードに入れたサトシは三角絞めへ。襟を持ってヒジを立てて凌ぐ中井だが、サトシはキムラに変化。角度がつき自ら離すが、最後は腕を流して三角絞めへ。中井はタップし、大きな笑顔を見せた。 試合後、サトシは観客に、「柔術は面白い。誰でもできる。パラ、レジェンド……今日は生徒たちもいる。いつも応援ありがとう。10月、負けかったんね。試合良くなかったから悲しい。いまRIZINのベルト、日本に無い。でも、私は諦めない。もっと強くなる。絶対、RIZINのベルト日本に戻る。ありがとう」と、復活することを宣言した。 [nextpage] ▼第4試合 61.0kg契約 RIZIN MMAルール 5分3R ※ヒジあり×トレント・ガーダム(豪州/Tiger Muay Thai&MMA)60.65kg[判定0-3]〇井上直樹(日本/Serra Longo Fight Team)60.20kg ガーダムは、2019年8月の名古屋大会でビクター・ヘンリーに後ろ三角絞めで敗れたものの、RIZIN初参戦でタイガームエタイジム仕込みの首相撲&ヒジ打ち、変則的なバックスピンキック、強い四つ組みからテイクダウンを奪うなど、DEEP王者に肉薄しており、独特の打撃を持つガーダムと、組み技の井上の対照的な戦いとなる。 RIZINでの雪辱を期すガーダムは井上について、「イノウエはフライ級に戻した方がいい。バンタムでは身体が弱すぎるし、俺の方がレスリング力が高い」とフィジカルで自身が優位であることを語り、「バイオレンス(暴力)を見せたい。ヒジを当ててイノウエを流血させてね。イノウエを倒して、RIZINのバンタム級で通用する事を証明してみせるよ」と、豪語している。 井上は、MMA戦績12勝2敗の井上。2014年の「DEEPフューチャーキングトーナメント」で優勝するなどプロ10戦全勝でUFC参戦。2017年6月にカールス・ジョン・デ・トーマスに判定勝ち後、2018年6月にマット・シュネル(※現在UFC4連勝中)にスプリット判定負け。 その後、フライ級戦線を縮小したUFCからリリースとなり、2019年2月に米国『CageFury FC 72』に出場。ショーン・サンテラに判定負けも、2019年12月の『DEEP 93 IMPACT』で強豪・北田俊亮に1R 2分41秒、リアネイキドチョークで一本勝ちし、日本復帰戦を白星で飾っている。井上のセコンドには佐々木憂流迦。ガーダムのセコンドにはクレベル・コイケがつく。 1R、サウスポー構えのガーダムに、オーソドックス構えの井上はリードジャブ。左を突く井上に右をひっかけるガーダム。さらに今度は左フック。左ジャブを突く井上。返しの左はかわす。井上の入りにアッパーを狙うガーダムは左ミドルをヒット。 井上のインローが金的に。再開。圧力をかける井上。左ジャブを当てて前進し右も振る井上! ガーダムの大きな左はかわす。しっかり頭を振って前に出る井上。左を振って組み付いた井上はダブルレッグテイクダウン。その立ち際にバックに回る井上だが、腕十字狙いに正対するガーダムが今度はバックへ。そこも回させない井上はシングルレッグから立ち上がるとワンツーをガード上に当てる。終了間際、ダブルレッグテイクダウンはガーダム! しかしすぐに立つ井上にガーダムはバック狙いもゴング。 2R、左ミドルを蹴るガーダム。左フックはダックでかわす井上。今度はガーダムの左の蹴りがローブローに。再開。 やはり圧力をかけるのは井上。両脇を差して小外を狙う井上。そこでロープに腕をかける反則のガーダム。ならばと井上は引き込みバックへ! 4の字ロックでチョークを狙う井上。喉元は取るが後ろ手をはがすガーダムは正対を狙う。正対する際をギリギリで脇潜りバックについていく井上! ガーダムも脇を潜ろうとするがバックをキープする井上。ガーダムも背後の井上にヒジを狙う。 3R、中央を取るガーダム。しかし回る井上も左を突く。左ハイを打つガーダムは前へ。距離を取る井上も押し返し。ガーダムのワンツーをかわし、右を当てる。インローを返すガーダム。ヒジはかわす井上はシングルレッグも切るガーダム。井上の入りに左フックを当てる。 ガーダムのワンツーを下がりながらかわす井上。ボディを打つガーダム。井上は右ジャブを縦拳で突く。軸がぶれるようになってきた井上。ダブルレッグテイクダウンも亀から立つガーダム。離れ際に右を側頭部に打つガーダム。前に出る井上。右ミドルも蹴り足をつかんだガーダムがテイクダウン。井上もガードを取って決定打は許さず。ゴングへ。 判定は3-0で井上が接戦を勝利。22歳の新星対決を制した。 [nextpage] ▼第3試合 66.0kg RIZIN MMAルール 5分3R ※ヒジあり〇ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン/ORION FIGHT CLUB)65.70kg[判定3-0]×カイル・アグォン(グアム/スパイク22)65.60kgケラモフは、「RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級(71kg)トーナメント」優勝のトフィック・ムサエフと同門のファイター。トフィック同様に体幹の優れたフィジカルと、豪快な打撃を武器としており、これまでに14勝3敗の好成績を残している。特にここ10戦は15年1月から19年11月まで約4年にわたり、土付かずの10連勝を挙げており、「アゼルバイジャンに2つ目のチャンピオンベルトをもたらしたい」と静かに語っている。 アグォンは元PXCバンタム級王者。RIZINには初参戦だが、パンクラスやDEEPでも試合をしており、山本美憂のコーチとしてもお馴染み。前戦2019年10月のパンクラスでは、かつて判定勝ちしているISAOとの再戦に臨みスプリット判定負けを喫した。今回が再起戦。 1R、サウスポー構えのアグォンに、オーソドックス構えのケラモフ。右ジャブを突くアグォン。ケラモフが大きな右を側頭部に当てて前進すると、アグォンはダブルレッグへ。両足をロープ外に出してがぶるケラモフは、足を戻すとシングルレッグへ。軸足を払って強い鉄槌連打はケラモフ! 立つアグォンは離れる。 右ハイを狙うケラモフ。避けるアグォンに右ローはケラモフ。さらに右ミドルも重い音を立てる。アグォンは右ジャブをダブルで振ってダブルレッグへ。しかし足を抜くケラモフ。右の強打で詰めるとリングを回るアグォン。右ミドルで圧力をかけるケラモフ。アグォンの詰めにシングルレッグもそこは切るアグォンだが、体を入れ替えるケラモフは大きな左右を見せる。かわすアグォンは距離をつかんだか。 2R、右ローを突くアグォンにパンチを狙うケラモフ。詰めるアグォンにダブルレッグテイクダウンはケラモフ。ヒザ立ちから立つアグォン。ケラモフは続けてシングルレッグも、そこを引き込んだアグォンは三角絞め! 腕は流せず、逆側へ腕ひしぎ三角固めへ。ひねって抜いてかついだパスしたケラモフはレッグドラッグへ。そこに足を戻したアグォンはフックガードからシングルレッグで立ち上がり押し込む。突き放すケラモフは右ハイ。ブロックするアグォン。耳から出血はアグォン。ケラモフも鼻血。大きな右はアグォンがかわす。 3R、左ジャブを突くケラモフ。さらに大きな左からコーナー詰めてダブルレッグ、そしてシングルレッグへ。差し上げて体を入れ替え、ヒザを突くアグォン! ケラモフは右目尻をカット。左ローを当てるケラモフ。左が交錯。 ケラモフの右にカウンターのダブルレッグはアグォン! 差し上げるケラモフはリストコントロールでクラッチ取らせず。右足にシングルレッグに切り替えるアグォン。右で小手に巻くケラモフだが、コーナーに押し込まれる。さらにダブルレッグはアグォンもコーナー背に凌ぐケラモフ。引き出すアグォンだがケラモフは一瞬ロープを掴み倒れず。 遠間からシングルレッグはケラモフ。コーナーまで押し込むが差し上げるアグォン。詰めるケラモフに押し戻すアグォンだが手数が出ない。ケラモフは右ミドルを繰り出してゴング。 1Rはケラモフ、2Rはアグォン、3Rは接戦だが……タフファイトの判定は3-0で最後まで攻め込んだケラモフが勝利。フェザー級戦線で強い印象を残した。 [nextpage] ▼第2試合 120.0kg契約 RIZINキックボクシングルール 3分3R○実方宏介(日本/真樹ジムAICHI)117.85kg[1R 1分28秒 KO]×酒井リョウ(日本/レンジャージム)100.65kg実方は日本人では数少ないヘビー級ファイターとして、Bigbangを主戦場として活躍している。巨体に似合わずムエタイスタイルを器用にこなし左ミドルを得意とする。昨年12月29日にはそのBigbangのリングで訓-NORI-との王座決定戦に挑み、見事KOで下し、第2代Bigbangヘビー級王者に輝いている。 酒井はDEEPのメガトン級で活躍するヘビー級ファイター。これまでにシュレック関根、シビサイ頌真、誠吾といったファイター達と激闘を演じている。昨年3月にはRIZINでも活躍するロッキー・マルティネスと対戦し、敗れるもパンチでぐらつかせ、あわやという場面を見せた。本職はMMAだが、かつてキックを学んだ経験を活かし、Bigbangヘビー級王者に立ち向かう。 1R、ともにオーソドックス構え。左右を振り回す酒井。右ローから入る実方に右フックを狙う酒井。さらに押し込んで左ロー。左ボディと出だしは酒井が攻勢に。 さらに酒井は左右で飛び込むが、その打ち終わりに顔が開いたところに実方は右フックでダウンを奪取! 立ち上がった酒井をロープに詰めると打ち返してきた酒井に豪快な右フックでKO。実方は得意のムエタイを出すまでもなく酒井をマットに沈めた。▼第1試合 57.0kg契約 RIZINキックボクシングルール 3分3R○竹内賢一(日本/TenCloverGym世田谷)56.45kg[判定3-0] ※30-27,30-26×2×直也(日本/VERSUS)56.95kg竹内は、アマチュア時代はJ-NETWORKアマチュア全日本選手権において当時の最年少記録となる中学1年でバンタム級にて優勝を飾ると、翌年は中学2年でフェザー級も制し、2年連続の優勝を飾る。アマチュアでは50戦以上のキャリアを積み、中学3年にホーストカップにてプロデビューを果たすとその後は新日本キック、J-NET、Krush、SB、RISE、NJKFとルールを問わず様々なリングに上がりこれまでに34戦22勝8KOの戦績を残す。ここ2年はチャンピオンクラスとの試合が続くが、誰が相手でも変わらぬ激闘スタイルに「竹内の試合に外れなし」の評価を受けている。 直也は、INNOVATIONを主戦場としながらシュートボクシングにも出場し、17年3月西日本フェザー級王者、4月には中国で行われたWMCI-1-58kg級タイトルを奪取。7月にはINNOVATION愛媛大会で、WMAF世界スーパーフェザー級王者に輝いている。RIZINデビュー戦となったRIZIN.12では、Ryukiのテクニックの前に完封されてしまったが、約1年半振りに巡ってきたチャンスでRIZIN初勝利を掴みたい。 リングサイドで大雅が見守るなかゴング。 1R、ともにオーソドックス構え。スイッチしながら左右ミドルは直也。そこにガードを低く出入りの竹内は長い左前蹴りを当てて直也をこかす。直也の入りに右のテンカオを腹に突く竹内。ヒザ蹴りを効かせて左ミドルの連打から左ハイも狙う。近い距離で左右をまとめる直也だが、ガード固めで防御する竹内は右の蹴りで押し戻す。 2R、左の前蹴り、サイドキックをジャブのように使う竹内。コーナーに詰めて直也の打ち終わりにバックフィスト狙い。前に詰めてきた直也にコーナーを背にした竹内は高い右ヒザ! ダウンから立ち上がる直也はワンツーで押し戻すが、右ボディも突く竹内は懐が深い。直也のパンチをかわし、高い打点の右ヒザを突く。そこにフックを狙う直也。 3R、ワンツーアッパーで詰める直也。そこにヒザを狙う竹内。しかし直也も詰めて右ローをカーフキックで当てる。しかし竹内はタイミングよく前蹴りで直也をこかす。右のローキックをこつこつと当てる直也。左足の前足を効かされた竹内だが、右のヒザ、ハイで反撃。さらにパンチ勝負にも応戦。互いに右が交錯するなか、かわして後ろ廻し蹴り。ゴング 判定は3-0(30-27,30-26×2)で2Rに右ヒザでダウンを奪った22歳の竹内が地元で白星を挙げた。 [nextpage] ▼OPファイト第3試合 60.0kg契約 RIZINキックボクシングルール 3分3R○ヘンリー・セハス(ボリビア/ブラジリアン・タイ)59.60kg[判定3-0] ※30-28×2, 29-28×SEIDO(日本/LARA TOKYO)59.90kg1R、ともにオーソドックス構え。SEIDOは左ミドルをヒット。セハスは得意のローキックから右の強打を狙う。右ローの連打に下がるSEIDO。セハスはスーパーマンパンチからロープに詰める。 2R、押し返すSEIDO。しかし右ローを軸に上下に散らしてSEIDOを下がらせるセハス。ローでガードを下げさせ顔面も狙う。ワンツー&ローで押し込むSEIDO。セハスは下がりながらも右ロー。SEIDOは前足の左足を赤く腫らせる。 3R、蹴られる前に先に出るSEIDO。若干疲れの見えるセハスを押し返すが、セハスも跳びヒザ狙い。しかし、詰めるSEIDOも首相撲的に押さえてヒザ蹴り。左ジャブ&右ローのセハス。しかしSEIDOも下がらず。残り1分のコールにSEIDOは左右で押し返す。互いに右ロー! SEIDOの右ボディストレートにセハスも後退。しかし最後の拍子木にセハスも前進。SEIDOが後ろ廻し蹴りを見せてゴング。 互いに強い気持ちを見せた両者。判定は3-0(30-28×2, 29-28)で右ローを効かせたセハスが勝利した。 ▼OPファイト第2試合 70.0kg契約 RIZINキックボクシングルール 3分3R○憂也(日本/魁塾)70.00kg[1R 2分30秒 KO]×康輝(日本/キングムエ)69.60kg 1R、長いリーチで左を当てる康輝だが、回転早い憂也は右ストレートを当てるとロープに詰めてラッシュ、KO。 ▼OPファイト第1試合 59.0kg契約 RIZINキックボクシングルール 3分3R△戸塚昌司(日本/C'rush)58.80kg[判定1-0] ※30-29,29-29,30-30△大澤匡弘(日本/STRIKEs GYM)58.95kg 【RIZIN.21 放送・配信概要】 フジテレビ■ 放送日:2月29日(土)26時15分~27時45分■ フジテレビ※関東ローカル スカパー! ■ 放送日:2020年2月22日(土) 13:00~21:00※オープニングファイト3試合は無料配信!■ 放送チャンネル:スカチャン1(CS 801ch/581ch)■ 料金(PPS/PPV):3,000円(税別)■ 販売期間:1月25日(土)~3月12日(木)■ 再放送 多数予定 GYAO!■ 配信日:2020年2月22日(土) 13:00~※オープニングファイト3試合は無料配信!■ 料金:2,000円(税別)■ 販売期間:2020年2月14日(金)13:00~2020年2月22日(土)18:00■ 生配信:2020年2月22日(土)13:00~アンコール配信:2020年2月28日(金)13:00~2020年3月2日(月)13:00FITE TV■ 配信日:2020年2月22日(土) 14:00~■ 料金:US$19.99 ライブストリーミング(日本を除く全世界)
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