2020年2月16日(日)東京竹芝のニューピアホールにて「プロフェッショナル修斗公式戦」が開催される。
メインでは、フェザー級環太平洋7位の青井人(BLOWS)とノーランカーの久保村ヨシTERU(飛翔塾コンドル)が対戦する。2015年6月のプロデビュー戦から1分を挟み6連勝した青井だが、現在3連敗中。しかし、そのポテンシャルと格闘センスは抜群のものを持っているのは周知の事実だ。
そんな22歳の青井と対するのは、2019年に4連勝し波に乗る長野在住シューター・37歳の久保村ヨシTERUだ。
3月にほしのゆたかを2R KOに下すと、2019年6月には新宿FACEのリングで木下タケアキの反則のヒザ蹴りを受け白星となるも、9月のケージでの再戦では木下を右ストレート&左フックで1R 58秒、きっちりKO。2019年11月には小川将貴も2R KOに下している。今回、青井に勝って念願のランクインを目指す。
4連勝、しかもKOでフィニッシュが3試合と好調の理由は、「攻め時が自分で分かるようになりました。“効いたな、疲れたな”とか。(強打者の木下戦は)一発当たったので、距離が合ってきたなというところで行きました」と、勝負所を逃さない嗅覚が研ぎ澄まされてきたところにあると久保村はいう。
柔道やレスリングなど、格闘技のバックボーンが無かった久保村が格闘技を志したとき、「当時、長野には柔術だけやるところが無くて」、パラエストラ松戸、柏で柔術から始めた。
長野市青木島の「飛翔塾コンドル」は、もともと地元で柔術を「ひとりで誰も練習相手がいないときに集まったサークル」だったという。現在は、小林元和代表のもとキックボクシング、総合格闘技も行うジムとなった。
「ふだんは柔術家とグラップリングをやることが多いです。柔術はブラジルに4年修行をされた小林元和先生と行い、打撃などは専門の指導者はいないので、ミットを持ってもらって自分で練りこんでいます。相手を見て、自分の引き出しからどれがあてはまるかなという感じです」
東京や大阪など大都市の選手と比べ、試合機会が多いとは言えず、環境が整っているとも言い難い地域で、自身で工夫を凝らし、強さを獲得してきた。
試合決定時、久保村は「地方で連勝してる葛西(達)選手、野瀬(翔平)選手、國頭(武)選手らもいるなか、今回の試合に選んでもらった気持ちはしっかり持ってます」と、その決意をSNSに記している。
しかし、対戦相手の青井人は、プロデビューから6連勝を果たした超新星だ。
「相手が若手とか関係なく、ランカーの相手なので、勝っていれば当たる相手だと思っていました。相手の方が勝っているところは多いんですけど、俺が勝っているところもあるのでそこを出せば──という感じです。それは全局面に置いてあると思います」と、青井に対して自身の強みを活かして戦うという。
「相手の自信にものまれないように戦います。“来る”相手なので、こっちも行くところは行きたいなという感じですね。お互い勝負所は違うと思うので、どっちが先にその勝負所で倒すか。独特の感性、思い切りのある攻撃型ファイター青井選手に何で勝負するか観に来てください」
37歳、円熟味を増したコンドルが飛翔する日が来た。久保村ヨシTERUの勝負に注目だ。