ISKA世界王者ブアフフ(右のパネルの人物)との王座統一戦へ挑む武尊
2020年3月22日(日)さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナで開催されるK-1年間最大のビッグマッチ『K'FESTA.3』の記者会見が、1月18日(土)都内にて行われた。
出場が発表されていたK-1スーパー・フェザー級王者・武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)の対戦相手は、ISKAオリエンタルルール世界ライト級王者アダム・ブアフフ(モロッコ/Multi Fight Boxing Academy/TEAM Samchaoui)に決定。この試合は武尊のK-1王座とブアフフのISKA王座の両方を懸けたダブルタイトルマッチとして行われる。K-1とISKAのダブルタイトルマッチは史上初。
ブアフフはISKAヨーロッパ代表からの推薦選手で、身長171cm、15勝(9KO)無敗の戦績を持つ28歳。オーソドックス。ISKA王座以外にもWKU世界スーパー・フェザー級王座、TAKEDOWN FCスーパー・フェザー級王座の三冠を保持する。テコンドーやアマチュアボクシングの大会でも活躍し、フルスイングのパンチと変則的な蹴り技を得意としているという。
中村拓己K-1プロデューサーは「映像を見てもパンチの威力があって多彩な蹴り技を持つ。何より試合がアグレッシブでガンガン行く。武尊選手とやったら間違いなくかみ合うファイターだと思った。実績もあり、ヨーロッパで注目されている選手で防衛戦の相手にふさわしいと思った」と、対戦相手に決定した理由を話した。
会見に出席した武尊は「今回こうしてダブルタイトルマッチを組んでもらえて光栄です。僕はK-1王者である以上は世界一の選手にならないといけないと思うので、それを証明する試合をしていきたい。世界の選手と戦えることを嬉しく思います。ダブルタイトルマッチと言うことで、もし僕が負けたらK-1のベルトが海外に流出してしまう。だから僕が2本のベルトを巻いて3月22日、最後にリングの上に立っていたいと思います」と、K-1王座を守ると共にISKA王座奪取を誓う。
前回は昨年11月に村越と対戦した武尊
すでにブアフフの映像は見たと言い、「アグレッシブで攻撃の一発一発が強い。海外の選手とやってきた経験から、映像を見るのと実際に戦うのとでは強さの違いがあることが多いです。気を引き締めていきますし、気合いが入っています」とすでに気合いが入っているとする。
ISKAのタイトルマッチはこれまで日本でも多く行われており、日本のファンにも馴染みのあるタイトル。武尊は「魔裟斗さん、ジェロム・レ・バンナ、卜部兄弟…みんながISKAの世界タイトルに挑戦して獲ったベルトなのでそれに続きたいのはあります。K-1の世界王者として、それ以外の世界王者がいてはいけないと思っています。僕は現役の中で守る試合よりかは、海外でK-1の強さを証明していきたいとの気持ちが大きかった。海外でも試合をやりたいというのがあったので、ヨーロッパでチャレンジしてISKAを獲りに行きたいという気持ちがありました。だから今回ダブルタイトルマッチで挑戦できるのは嬉しいですね」と、以前からISKAのタイトルには興味があったという。
では、ISKA王者になったら海外で防衛戦をやりたいかとの質問には「それもしたい。防衛戦は大事だと思っています。僕の格闘技人生、あと何試合か分からないので、挑戦する試合、ベルトを獲る試合をしていきたいです。世界チャンピオンがたくさんいるので、そういう選手たちと、日本でも他にいると思うので、K-1の世界王者のベルトの価値を高める試合をしていきたい。K-1が立ち技の世界一なので、それを僕が証明できる試合ができればと思います」と、数多くある世界と名の付くタイトルを“統一”したいとぶち上げた。
年明けからアメリカへ渡り、昨日の夕方に帰って来たばかり。「充実した合宿が出来ました。行ったのは体作りが一番で、もうひとつは新しい技術を取り入れること。同じジムにはあまり行かないようにしています。世界王者と認識してもらっているところに行くと新しい技術を吸収できないので。一から新しい技術を教えてもらうために世界王者と名乗らずに行って、こういう選手と戦うから教えてと言うと、みんな惜しみなく教えてくれるので、いい技術も習得できました。精神的な状態も向こうで練習するとよくなるので、気持ちの部分で充実した合宿ができたと思います」と、上々の成果があったようだ。
「毎回K-1で使っていなかった動きを学習に行っています。今回もMMAのステップや、ボクシングジムも新しいジムに行きました。トータルですね。パンチの技術だったりを自分がどう防御するか、今までもらったことない攻撃にも耐えられるように、攻撃だけでなくディフェンスでもいい勉強になりました」と、新しい技術を身に着けてきた。3月はそのお披露目となりそうだ。
なお、ブアフフが保持しているタイトルはライト級(-61kg)だが、中村プロデューサーは「(K-1スーパー・フェザー級の)60kgのリミットに合わせる形で試合を組みたいと言って、ISKAに認めてもらいました。ルールはラウンド数の違いや蹴り足キャッチなどがありますがK-1ルールにほぼ近い。過去Krushのリングでもオリエンタルルールでのタイトルマッチが多く、K-1ルールでやることをISKAにお願いして認可してもらいました」と、3分3R延長1RのK-1ルールで、60kg契約で行うことを認可してもらったと説明。
また、武尊が海外でも試合をしたいと発言したことには「武尊選手からやりたいという話は聞いていました。スケジュールを考えつつ、その可能性があればあるのかなと思います」と前向きに考えていきたいとしている。
◆アダム・ブアフフのコメント
「今回のダブルタイトルマッチが決まって、自分のファイターとしての価値を認めて貰えたと思った。K-1は世界トップレベルの選手が集まるリングだが、自分もISKAの世界王者としてプライドを持っている。武尊は3月22日にK-1で初めての敗北を味わうことになるだろう。モロッコから日本に来て手ぶらで帰るつもりはない。二つのベルトを持って帰る」
◆ポール・ヘネシー(ISKAヨーロッパ代表)のコメント
「過去にK-1やKrushのイベントにおいてISKAのタイトルマッチを行った実績はあるが、K-1とISKAのダブルタイトルマッチを認可をするのは歴史上初の試みであり、大変光栄に思っている。ISKAには様々な選手がいるが、そのなかでもアダムは間違いなく武尊にとって脅威となる存在だろう。私も試合当日はリングサイドで勝負の行方を見届けたい。勝者がK-1・ISKAの二つのベルトを手にして、伝説を創る瞬間を楽しみにしている」
<決定対戦カード>
▼K-1 WORLD GP&ISKAダブルタイトルマッチ 3分3R+延長1R
武尊(日本/K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者)
アダム・ブアフフ(モロッコ/Multi Fight Boxing Academy/TEAM Samchaoui/ISKAオリエンタルルール世界ライト級王者)