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2019年大晦日『RIZIN.20』の「RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級(71kg)トーナメント」ベスト4のファイターそれぞれに動きがあるようだ。
決勝でパトリッキー・“ピッドブル”・フレイレ(ブラジル)を判定で下し優勝したトフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)は、国営放送が試合を生中継した母国に凱旋後、空港到着時から多くの報道陣、ファンに囲まれ祝福を受けるなど、国民的英雄として帰国している。
Tofiq Musayev, ganador del Grand Prix de peso pluma de Rizin es una estrella en su natal Azerbaiyán. Se rumora que UFC ya le ofreció un contrato pero que esta esperando que Rizin iguale la oferta. pic.twitter.com/ziZb36pToQ
— Fanáticos del MMA GT (@fanaticosMMAGT) January 7, 2020
試合後はパトリッキーとともに、利き腕である右手を骨折していたことを明かし、今後について、「怪我をしっかり直して再びRIZINに戻ってきて素晴らしい戦いをしたい」と語っていたムサエフだが、同時に、「パトリッキーとの試合は本当にタフじゃないと出来なかった。RIZINに出るようになってから、対戦相手の誰一人として簡単な相手はいなかった。みんな強かった。勝利のために大変なトレーニングを重ねてきて、やっとその成果が出て今日の勝利を掴むことができた。今後についてはトレーナーと十分に相談をして決めていきたい。私がこれから望んでいるのはやはり強い相手。本当に戦い甲斐のある相手との対戦です。それによって自分の実力をはかり、世界で一番強い男であると言いたい」と、さらなる強敵との試合を望んでいた。
10月の『RIZIN.19』の試合前、ムサエフは現地メディアに「UFCから3試合契約のオファーを受けた」ことを語っており、それを「GP後に交渉します」としていた。「私はUFCで“普通のファイター”になりたくありません。チャンピオンとしてUFCと契約すれば、トップ10人ファイターと戦うことができる」と展望を語っており、今回の『RIZIN.20』の前には、恒例となっている米国サクラメントのチーム・アルファメールでの出稽古も敢行。「トレーニングを助けてくれたユライア・フェイバーに感謝したい。良いコンディションを保つことが出来て勝利に結びついた」と、米国での経験を振り返っている。
Tofiq Musayev: Artıq mənə UFC-dən təkliflər var https://t.co/QFymMaDUIL #Azərbaycan #xəbər #oxuaz
— Azərbaycan Xəbərləri (@oxuaz) January 7, 2020
「12月でRIZINとの契約が満了」というムサエフは大晦日の試合後に「UFCからのオファーがあった」ことをあらためて明かしている。果たして、RIZIN残留か新天地UFCを目指すか。
現在、UFCのライト級王者はダゲスタンのハビブ・ヌルマゴメドフ、ランキングでは1位にトニー・ファーガソン、2位にダスティン・ポイエー、3位にジャスティン・ゲイジー、4位にコナー・マクレガー、5位にドナルド・セラーニ(※マクレガーとセラーニは1月19日の「UFC 246」でウェルター級で対戦)が名を連ねており、そのうちムサエフは、「ハビブ、トニー、ジャスティン・ゲイジーとは合同キャンプに共に参加し、彼らが何ができるかを見ました。私たちはお互いをよく知っています」と証言し、特にヌルマゴメドフとは「数年前、私はダゲスタンのトレーニングキャンプにいました。年に一度彼らは山奥でキャンプを張るのですが、そこで出会っています。彼は何年も怠ることなく練習を続けているから誰でも倒せるのだと思います」と印象を語っている。
また、準決勝でルイス・グスタボを1R28秒でTKOに沈めながらも右手を痛め、ムサエフとの決勝では15分ノンストップの激闘を繰り広げて準優勝となったパトリッキー・“ピッドブル”・フレイレは、「日本で試合ができたことは説明できないくらいの気持ちです。日本のファンは熱心で、また今までの試合で新しいファンを獲得できたと思っています。今後も今回のような歴史に残るような試合をしたい」と、怪我を治して5連勝中のBellatorでの復活を期した。
RIZINでは『ドラゴンボール』の「CHA-LA HEAD-CHA-LA」で入場し、かめはめ波のポーズも披露したパトリッキーは、帰国後、SNSで、「日本のファンの皆さんの愛とサポートは本当に素晴らしいです。日本愛してる!」とツィートでメッセージを送っている。
日本のファンの皆さんの愛とサポートは本当に素晴らしいです。日本愛してる!🇯🇵
— Patricky Freire (@PatrickyPitbull) January 3, 2020
Art: @ryokkes_draw2
The love and support from the Japanese fans is truly incredible! I love you, Japan! pic.twitter.com/PiF56vE7dl
トーナメント準決勝で、ムサエフに1R TKO負けを喫したジョニー・ケース(米国)は、試合後、「ジャブに右のオーバーハンドを合わせられた。グラウンドに持ち込めず、その後は記憶がない。ムサエフが素晴らしいファイターというのは分かっていたし、いろんなテクニックを持っているのも分かっていた。いろんな方法で彼に勝つチャンスがあったけど、今日は彼の方が上回っていました。彼に敬意を表したい」と勝者を称えると、今後について、「去年の年末からRIZINに参戦し4勝1敗。RIZINに1年間参戦し、自分の成長を感じた。ただ、残念ながらRIZINとの契約は今回で最後なので、次からはフリーエージェントになりますが、またここに戻れるなら戻りたい」と話していたが、帰国後、ケースはPFLの2020年シーズンでライト級に参戦することを認めている。
2017年6月のオクタゴンでの試合後、UFCをリリースされたケースは、2018年10月の「PFL 9: 2018 Season PFL Playoffs 2」でナタン・シュルチとドロー後、RIZINで矢地祐介、北岡悟、ホベルト・サトシ・ソウザをいずれもTKOで下し、準決勝でトフィック・ムサエフに敗れていた。大晦日の試合後、ケースは、「宝石は研磨なしで磨くことも、試練なしで完成させることもできない」とラスベガスのことわざを引用している。
そして、1回戦で上迫博仁を下しながらも、大晦日にパトリッキーの右フック&サッカーキックの前に沈んだルイス・グスタボ(ブラジル)は試合後、「試合前のプランを実行できず、正反対の結果になりとても残念です。しかし、私のキャリアプランの中では影響ありません。これからは次に向けて取り組みたい。今日は残念ながら負けましたが、勝てる日もあります。また日本で闘いたいです。次に向けて準備します」と、前向きな言葉でさいたまスーパーアリーナを後にしている。
2020年は、2月22日の『RIZIN.21』静岡・浜松アリーナ大会から開幕し、7大会を予定しているというRIZIN。フェデレーションとして他団体と提携しながらも、2019年はマネル・ケイプ(アンゴラ)やイリー・プロハースカ(チェコ)、トフィック・ムサエフといった、RIZINが発掘した海外選手たちが花開き活躍した年となった。2020年は、そうした選手のさらなる成長が見られるか。そして新たな強豪選手の参戦にも注目だ。