2019年12月31日(火)さいたまスーパーアリーナにて『RIZIN.20』が開催された。
▼第15試合 RIZINバンタム級(61kg)王座決定戦 5分3R(※ヒジ有り)×朝倉 海(60.90kg/トライフォース赤坂)[2R 0分38秒 TKO]〇マネル・ケイプ(60.45kg/アンゴラ)※ケイプが新王者に
当初、堀口恭司とのRIZINバンタム級タイトルマッチが決まっていた朝倉の対戦相手はケイプに。この試合は堀口の王座返上を受け、第2代RIZINバンタム級王座決定戦として行われる。
ケイプは2017年10月にRIZIN初参戦。バンタム級トーナメント1回戦で山本アーセンを1Rわずか1分11秒でハイキック葬し、衝撃日本デビューを果たした。続く2回戦では元UFCトップファイターのイアン・マッコールをヒザ蹴りでTKOに破る番狂わせを演じ、準決勝では堀口恭司に肩固めで一本負けを喫するも堀口に「やりにくかった」と言わしめた。
そして2018年5月には朝倉海と対戦。朝倉を苦しめ、判定2-1の接戦で敗れたが、判定に納得がいかず事あるごとに朝倉との再戦をアピールしてきた。海戦以降、2018年9月には中村優作にリアネイキドチョークで一本勝ちするなど、寝技の進化も見せ、MMAファイターらしさを増したケイプだが、同年の大晦日にはUFCから参戦した佐々木憂流迦に判定負け。しかし、2019年4月に伊藤盛一郎を、同年8月に水垣偉弥をいずれも2R KO・TKOに下すなど、現在は2連勝中だ。
特筆すべきは“RIZINの門番”として元UFCファイターの水垣を迎え撃った8月の試合。レスリングシューズを履いたケイプは、水垣の組みを切り、コーナーに詰めると、右に沈んでの右アッパーをクリーンヒット。さらに右に回り込み、振り向いてきた水垣を右フックでマットに沈めている。
第15試合、メインイベント。海のセコンドには第12試合目に勝利した未来がつく。王座戦の認定宣言後、ベルトを見せられたケイプは、ベルトを触りキスをした。
1R、オーソドックス構えの海。サウスポー構えのケイプはレスリングシューズを着用。先に軽く左ローは海。ケイプはフェイントを入れながら、左跳びひざで近づく。オーソドックス構えから再びスイッチしたケイプ。ダブルレッグに入るが切る海。近づき右を当てるケイプ! さらに左ハイも! ブロックする海。互いにサウスポー構え。組み付きヒザはケイプも離れる。
上下のレベルチェンジ、左右のステップと軽快なケイプの右に左を狙う海。しかし細かい左右のケイプに海はコーナー背にしながら右ストレートをヒット! 海は右を突く。左ジャブの刺し合い。左インローは海。詰めるケイプ。海の右はかわすとさらに左の跳びヒザから左右を突くケイプ。組みは海がしっかり切る。オーソドックス構えとなり、バックフィストから組んでいくケイプは右のオープンハンドブローも。ゴング。
2R、オーソドックス構えから入るケイプ。海のワンツーをかわすケイプ。細かく左右を打つケイプに海は右を当てて、接近戦で左フックを打ちに行くが、そこにケイプは右ストレート! 尻餅をついてダウンした海は、上体を立てにいくが、そこにケイプはパウンド、ヒジの連打! 海はシングルレッグから何とか立つが、すぐにケイプの連打の圧力にダウン。再び上体を起こそうとするがケイプに剥がされパウンドラッシュに海が背中を向けたところで、ケイプは脇下からパンチ。レフェリーが間に入った。TKO勝利にケイプはリングを駆け降りると、リングサイドの堀口恭司にハグして、キス。
リングに戻ると、「ミナサン、ナンダヨー、オマエ!」と日本語でファンに語りかけると、続けて「なんて幸せなんだろう。絶対に王者を獲れると思っていました。俺は世界王者だ。皆さんの応援があったから勝つことが出来ました。日本が大好きです。もう心は日本人です。アリガトウゴザイマシタ!」と歓喜の言葉を語った。
放送席でケイプから思わぬ祝福を受けた堀口は、「おでこにチューされた」と苦笑すると、今後について、「自分はしっかりと朝倉君とやってリベンジするだけです」と語り、ケイプの勝利については、「やることが増えたな、ナンダヨー! 最後は俺がチャンピオンになると思ってるので、まあ、面白くしてくれてありがとう」と試合を楽しみにしていることを語った。
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▼第14試合 RIZIN キックボクシング特別ルール 3分3R延長1R(56.0kg)〇那須川天心(55.90kg/TARGET/Cygames/RISE世界フェザー級王者)[1R 2分46秒 TKO] ※3ノックダウン×江幡 塁(55.70kg/伊原道場/WKBA世界スーパーバンタム級王者、KNOCK OUT同級王者)
キックボクシングファンが待ち望んでいた一戦が大晦日の大舞台でついに実現。
2019年はフロイド・メイウェザーとメインイベントでボクシングマッチで対戦し、主役となった那須川。キックの「RISE WORLD SERIES」では、3月の開幕戦でフェデリコ・ローマを片手倒立の“天心キック”でKO、7月の準決勝ではスアキム・PKセンチャイムエタイジムの額を胴廻し回転蹴りで切り裂いてのTKO勝ちで決勝進出。決勝では志朗を判定で下し、-58kgトーナメントで優勝した。
今回の相手はKNOCK OUTスーパーバンタム級王者・江幡塁。塁は双子の兄・睦とともに江幡ツインズとして知られ、新日本キックボクシング協会のエースとして活躍。軽量級日本最強との呼び声も高く、新日本キックボクシング協会日本バンタム級王座とWKBA世界スーパーバンタム級王座に続き、今年8月にはKING OF KNOCK OUTスーパーバンタム級初代王座決定トーナメント優勝で3本目のベルトを巻くことになった。兄弟揃ってワンツー&ローキックを主軸とした高い攻撃力を持ち、戦績は40勝(21KO)1敗3分。
1R、サウスポー構えの天心はワンツーの左。オーソドックス構えの塁はその打ち終わりに右の攻撃を狙う。右ジャブを縦に振る天心。サイドに回る塁。塁のローにはすぐに天心も左ローを返す。
左ハイをガードの上に当てる塁。天心は左ボディフック、さらに強烈な左前蹴りで塁のマウスピースを吹き飛ばす。外れたことを軽く合図する塁。レフェリーは拾いに行くが、構わず詰める天心はワンツーの左ストレートを当ててコーナーに詰めるとヒザ蹴りもボディに突く。コーナーを出る塁を追いかける天心はサウスポー構えから左足を前に出しながらのスーパーマンパンチ気味の左ストレートをクリーンヒット! さらに右フックにダウンする塁!
立ち上がる塁。マウスピースをはめるレフェリー。詰められた塁は右を狙うが、天心のワンツーの左を被弾。左ハイはブロックするが、さらに右フック、左ボディからの左ストレートに2度目のダウンを喫する塁。あぐらから立とうとする塁だが足元がふらつく。残り30秒。
さらに立ち上がった塁に、走りこんだ天心はいったん背中を向けてから回転しての左ハイ=予告通りのアクセルキック! かろうじて右手でブロックする塁だが、ロープに詰まり、さらに左ストレート、左ミドル、右フックのラッシュで塁はダウン! 1R 2分40秒、天心がTKO勝ちを決めた。
実力者相手に衝撃的なKOを見せた天心は、リング上で「メチャクチャ気持ちよかったですね。大晦日絶対にKOで決めると決めていたので、力むと思ったけど、気持ちがバラバラになってたけど、倒せてよかったです。初めて右のフックで倒せて成長できたかなと思います。(試合後の挨拶は)お互いにいがみあって戦っているわけじゃないのでありがとうございますと伝えました。2020年オリンピックよりも面白いことをしようじゃないかと思っています。自分でもどういう風に成長するかわかりませんが、江幡選手にRISEのWORLD SERIESに出てもらって再戦して世界一を決めてもいいですし、皆さんどうですか? 僕は皆さんに強くさせてもらっていて、ここで立っている間だけ活躍できます。もっともっと僕を強くしてください。2020年もっといい年になるように応援よろしくお願いします」と、元気よく語った。
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▼第13試合 RIZIN女子スーパーアトム級(49kg)タイトルマッチ5分3R ※ヒジ有り ×浜崎朱加(48.85kg/王者/AACC)[判定1-2]〇ハム・ソヒ(48.90kg/挑戦者/韓国)※ハムが新王者に。浜崎は2度目の防衛に失敗
両者は2010年12月(JEWELS初代ライト級女王決定トーナメント決勝戦)と2011年12月(同王座防衛戦)の2度対戦し、1度目は浜崎が判定3-0で勝利、2度目は浜崎が相手セコンドのタオル投入(腰を負傷していたソヒが棄権)によるTKO勝ちと2連勝している。
浜崎は6月にInvicta FC世界アトム級王者ジン・ユ・フレイを破って初防衛に成功、今回が2度目の参戦となる。ソヒはUFC参戦を経て2017年6月に初代ROAD FC女子アトム級王座に君臨。初防衛戦ではフレイを1Rで仕留めている。2019年7月にRIZIN初参戦を果たし、DEEP JEWELSアトム級王者・前澤智をTKOで破り、10月には山本美憂を下して浜崎への挑戦権を得た。
リラックスした表情で軽く踊りながら入場するハム。対する浜崎は、笑顔で花道を歩き、観客に手を振ると、AACCの阿部代表から背中を叩かれ、送り出される。
1R、ともにサウスポー構え。ゴングと同時にいきなり中央に出て行くハム。左右で一気に詰めるが、浜崎も右から左ストレート! 打ち返して落ち着きを取り戻す。浜崎は右ジャブ、ロー、右ミドルも。詰めるハムは、ジャブで前手を触りながら右から左へ、しかし浜崎は右アッパー! 打ち返しではハムの被弾が若干多い。
しかしコーナーに詰めての右から左ストレートはハム! コーナーを出る浜崎。ワンツーをスウェイでかわす浜崎。右ジャブもしっかり当てて回りハムの左から遠ざかる。右から左はハム! しかし下がらない浜崎は前蹴り。前手を触り合いハムが左を伸ばしたところで1Rゴング。
2R、左頬から少し出血するハム。右ジャブ・ミドルはハム。浜崎はオーソドックス構えにスイッチ。ハムは右ミドルもそれをつかんだ浜崎がテイクダウン! 中腰から強いパウンドを入れるが、その腕をつかみハムは三角絞めへ! 頭を手前に引き寄せるハム。左腕を流されている浜崎。ハムはヒザ裏で両足をロックできている。ヒザをマットに着いた浜崎だが、下からハムはヒジ! しかし浜崎もコーナーまで詰めて動きを止めるとハムは頭をロープ下段から出す。
頭頂部にヒジを突くハム。レフェリーに中央に頭を回され再開。下からハムはなおもヒジ、パウンドを連打。ゴング。ハムも両足の力をかなり使ったか、少し足を引いてコーナーに戻る。
3R、グローブタッチ。中央を取るハム。左ストレートはハム! 鼻血を出す浜崎も左を返す。コーナーに詰めるハムは組むが、ボディロックからスタンドバックに。正対する浜崎。四つから右を差すハム。一度目の首投げは耐えるハム。
しかし、右で差したハムの手をしっかり引き手で掴んで首投げ払い腰! テイクダウン! 袈裟固めに入る浜崎は引き手を両足で挟もうとするが、それを防ぐハム。浜崎は右足をしっかりハムの右腕下に入れて左手でパウンド連打! ときおりアームロックを狙うが、ハムも許さず。顔を隠すハムだが、終了間際、浜崎は外してサッカーキックへ! ゴング。
判定を待つ両者はともに顔を腫らせている。ラウンドマストではないトータルでの判定。2Rの浜崎のダメージ、3Rのハムのダメージをどう取るか。コールは先に浜崎。2人目はハム。そして、3人目もハム。2-1でハムが勝利! 新王者が誕生した。試合後、ハムはリング上で、すべて日本語で、「アリガトウゴザイマス! RIZINとROAD FC代表にありがとうございます。チームメイトと家族、監督ありがとうございます。そして応援してくれたみんなのおかげで勝つことができました。これからももっともっとずっと大きな選手になりたいです。努力してます。応援よろしくお願いします。皆さん、2020年明けましておめでとうございます! ありがとうございます」とあいさつした。
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▼第12試合 Bellator×RIZIN 対抗戦 大将戦 RIZIN MMAルール 66kg契約 5分3R ※ヒジあり〇朝倉未来(66.00kg/トライフォース赤坂)[判定3-0]×ジョン・テイシェイラ・マカパ(65.70kg/ブラジル) 朝倉は2012年にDEEP浜松大会でデビューすると、THE OUTSIDERとROAD FCを経て2018年4月にDEEP参戦。COROを破り、8月からRIZIN参戦を果たして日沖発、カルシャガ・ダウトベック、リオン武、ルイス・グスタボ、矢地祐介を次々と撃破。一躍RIZINの主役の一人に躍り出た。
ノヴァ・ウニオン所属のマカパは地元ブラジルのマカパで行われた「ドラゴン・ファイト・チャンピオンシップ」でプロデビュー。4戦連続で腕十字で一本勝ち。8連勝でUFCと契約もオクタゴンデビュー戦で体重超過しスプリット判定負けで、わずか1試合でリリースされた。修斗ブラジル大会などで4勝1分後、Bellatorで6勝3敗。ジャスティン・ローレンス、トニーニョ・フリア、ファブリシオ・ゲヘイロらに勝利し、AJ・マッキーJr、パット・カーラン、ダニエル・ヴェイケルら上位陣には跳ね返されているものの、パトリシオ・フレイレを追い込んでいるダニエル・ヴェイケルにはスプリット判定の惜敗。朝倉未来の世界での立ち位置が見えてくる好カードだ。
対抗戦はここまでRIZINの1勝3敗となっており、大将戦を待たずBellator勢が勝利。両者はひとつの試合として対戦が可能だ。
1R、サウスポー構えの未来。オーソドックス構えのマカパ。先に左ローは未来。右を振りながら両手で未来の手を手繰りに引き込もうとするマカパ。切る未来。未来は相手の動きをしっかり見ながら、マカパの蹴りに左! さらにマカパの右の飛び込みに左をカウンターで合わせる。
右ハイで牽制するマカパ。しかし未来も左の蹴り。すぐにマカパも蹴りを打ち返す。未来の右の打ち終わりに右を狙うマカパ。しかし未来は左ミドル! 効かされたかマカパは少し前傾となる。右ローは、左の跳びヒザは未来! ブロックするマカパは前足にローをこつこつ蹴る。右ジャブを突く未来。右ローを掴んで持ち上げるが抜くマカパ。未来の左ミドル! しかしマカパは前足に右ローをしっかり打ち返す。さらに左ローもを外から打つ。
2R、マカパのワンツーは遠い。さらに右前蹴りも未来はかわす。未来の蹴りをつかんで右ローはマカパ。右ジャブは未来。左ローはマカパ。未来は近くなるとスーパーマンパンチ狙い。左ボディストレート。さらに顔面へ。パーリングするマカパは大きな右を振る。左ローを返す未来。右の打ち終わりに左を狙う。
右ハイはマカパ。かわす未来は左を内側で狙うが、右のフックはマカパ! 右ストレートに未来は一瞬グラつくが、未来も左を打ち返す! マカパの打ち終わりにカウンターを狙う未来。前に出るマカパはシングルレッグも切る未来。マカパの頭が下がると、カウンターの右のヒザを当てる!
3R、いきなりダブルレッグに入るマカパ。足を最下段から出そうとする未来だが、サバ折りで引き出すマカパはボディロックからスタンドバックに回ると引き込みへ。それを耐える未来。バックに回ろうとするマカパだが、片ヒザ立ちから立ち上がり正対する未来! 圧力をかけていく未来はショートレンジの左! ラウンドを重ねるにつれ振りが大きくなるマカパの内側を左ストレートで突く未来。さらに左右フックも。しかし打たれ強いマカパは前へ。
前蹴りを放つ未来。マカパはシングルレッグも右で小手に巻く未来は正対し、左を差し返して突き放す。詰める未来は、マカパの頭が右に下がるところに左のヒザ! カウンターでもらったマカパだが右を振り前へ。しかし、未来も右の前蹴り、左の跳び蹴りで押し返してゴング。マカパの右をかわしての右ボディ、左ストレートなどカウンターで次々と有効打を当てた未来。両者は笑顔で握手。
判定は3-0で勝利した未来は、リング上で、「(2万人の「未来」コールだったが?)結構いいのを入れたと思ったんですけど相手は頑丈でした。勝ててよかったです。今年全勝で勝てて、今日も歓声がすごかったんで日本の格闘技を盛り上げられてよかったです。テレビで見てくれている皆さん。大晦日に格闘技を見てくれてありがとうございます。いろいろあると思いますけど、いっしょに盛り上げましょう。あと、YouTube、登録してください(笑)。この後、弟の試合、バンタム級のタイトルマッチあります。チャンネルを変えずに見てください」と笑顔で話した。
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▼第11試合 RIZIN MMAルール 女子50.8kg契約 5分3R(※ヒジ有り)×リンジー・ヴァンザント(49.85kg/米国)[3R 4分42秒 TKO]※マウントからのパウンドでコーナーストップ〇RENA(50.65kg/シーザージム)両者は6月14日に米国ニューヨーク州マジソンスクエアガーデンで開催された『Bellator 222』で初対戦。1R4分04秒、リアネイキドチョークでRENAが失神一本負けを喫している。今回はRENAが自ら望んでのリベンジマッチ。
リンジーはRENA戦後、8月にInvicta FCでジェシカ・デルポニ戦でスプリットの判定負けで連勝は3でストップ。しかし、10月の同大会では1Rにローキックでキックボクサーのシノ・ヴァンフーズを撃破している。
RENAは2015年大晦日にMMAデビューし、RIZINで6連勝を飾ったが浅倉カンナに敗れて初黒星。再戦でも敗れたが2019年4月にサマンサ・ジャン=フランソワを破り復帰。そして6月のリンジー戦で敗れて以来の試合に臨む。
RENAの入場時に現在活動休止中のエイジアエンジニアが一夜限りの再結成。『絶対負けない!』をライブで歌い、RENAをリングに送り出す。セコンドに浜崎はつけないが、AACCの阿部代表、アミバ、杉本恵らがつく。青コーナーだが赤のコスチューム。対する赤コーナーのリンジーはいつもの青のコスチュームで登場。
1R、ともにオーソドックス構え。いきなり跳びヒザを仕掛けるリンジー。RENAもじりじり詰めると、右ローを二度当てるリンジー。それをつかんで右を振るRENA。かわすリンジーはダブルレッグテイクダウン! 落ち着いてガードの中に入れるRENAは右でオーバーフック。しかしリンジーも細かくパウンド。オープンガードに足を解くRENA。
リンジーは細かく鉄槌。腰に足を置くRENA。リンジーはパスガード狙い。さらに鉄槌にRENAは下から腕十字へ。しかしパスされるとそこでブリッジから巻き込んでリバーサル! RENAが上になる。片足を戻してハーフにするとRENAは体を離す。前蹴りから右、さらに得意の左ボディで詰めるRENA。リンジーはダブルレッグもRENAががぶるところでゴング。
2R、左ミドルを放つリンジー。しかしRENAは左右からヒザを突き前に。右から得意の左ボディで詰めていく。テイクダウントライを途中で止めるリンジー。RENAの距離に。スイッチしての左ミドルはリンジー。しかし詰めるRENAは頭を下げたリンジーのダブルレッグはしっかり切るとがぶりからヒザ! ワンツーから左ハイをブロック上に返すリンジー。しかし詰めるRENAは左、右ストレート。
それを嫌ったリンジーはダブルレッグに入るがRENAは切る。コーナーに詰めるRENAは自らシングルレッグへ! しかしそれをかわしたリンジーはバックテイクへ。それを落とされそうになるとリンジーは三角絞めへ! 下からヒジを突き、三角を絞め、アームバーへ。厳しい状況になるが何とかまたいでポイントを外す。
3R、ジャブ&ローはリンジー。しかしかわして詰めるRENAにシングルレッグはリンジー。頭を脇下に出そうとするところを潰してリンジーをガードにさせると、RENAはサイドを奪取! 上四方に回り、頭を押さえキムラロックに! 亀になるリンジーは腕をクラッチ。脇を潜り立ち上がるが、ここもテイクダウン奪うのはRENA! サイドを奪うRNAは再び上四方に。リンジーを立たせると、左右からボディ! リンジーはバックフィストもかわしたRENAはバックへ!
崩してリアネイキドチョークを狙うと正対してかわすリンジーからマウントを奪取! 鉄槌を連打するRENA。後ろを向くリンジーはガードも、再び仰向けになり、ガードの上から一方的に殴られると、コーナーストップでレフェリーが間に入った。ストップに号泣するRENA。
阿部代表らと抱き合って歓喜したRENAは、マイクを持つと、「まずは大晦日のお忙しい中、会場で観戦し、テレビを見てくださってありがとうございます。リヴェンジマッチと、大晦日はいいことなくて辛かったですし、29日、友人ががんで亡くなり、今日も告別式に行ってからここに来ました。絶対に負けたくない気持ちでここに来ました。見ててくれるかな……。もう一日一日を大切に、胸を張って、その人が笑顔が素敵な人だったので、一日でも多く笑って勝てるように頑張ります。応援、よろしくお願いします」と涙ながらに語ると、最後は笑顔でいつもの「1、2、3、シュート!」で締めた。
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▼第10試合 RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級(71kg)トーナメント決勝 5分3R〇トフィック・ムサエフ(70.70kg/アゼルバイジャン)[判定3-0]×パトリッキー・“ピッドブル”・フレイレ(70.95kg/ブラジル)
ライト級(71kg)GP決勝。RIZINで矢地祐介、北岡悟、ホベルト・サトシ・ソウザ、そしてGP準決勝でジョニー・ケースに勝利してきたムサエフ。対するパトリッキーはBellatorで2階級を同時制覇したパトリシオ“ピットブル”フレイレの実兄。Bellatorで5連勝中と波に乗っている強打者は、RIZINで川尻達也、さらに準決勝でグスタボをいずれもマットに沈めている。
1R、ムサエフ、パトリッキーともにオーソドックス構え。ともにノーダメージで決勝に進出してきた。慎重な出だし。右フックを振るパトリッキーをかわすムサエフ。今度は右ストレートで軌道を変えて打つ。右ローで牽制するムサエフ。さらにワンツーも深追いはしないパトリッキー。ムサエフは右に回りながら、左を振り、右ローをかすめる。
サウスポー構えから右足前にスイッチするムサエフ。左から右のワンツーはパトリッキー。しかし、ムサエフも右から左を打ち込んでいく。ガードの上に左右はムサエフ! 足をふらつけせたパトリッキーにボディロックからテイクダウン狙いはムサエフも、パトリッキーは首をつかんでの投げでテイクダウン! インサイドに入れるムサエフが立つとすぐにサッカーキックを入れるパトリッキー。しかし、ムサエフはダブルレッグテイクダウン! 足を効かせるパトリッキーにムサエフは中腰からパウンドする!
2R、左アッパーはパトリッキー、さらに跳びヒザもそこにムサエフは左ストレートを突く。左ミドルを突くパトリッキーをつかむムサエフ! スタンドバックについてテイクダウンを狙うが、バックヒジから正対し離れるパトリッキーが圧力をかけていく。細かくスイッチするムサエフの左にカウンターの右はパトリッキー! ムサエフはダブルレッグに入るが、そこに手押し車の形で両手でエスケープするパトリッキーはロープの外に。
リングから落ちたパトリッキーにムサエフのセコンドがリングに戻そうとしてイエローカードが出される。再開。ともにオーソドックス構え。ワンツー、跳びヒザはパトリッキー。ムサエフが詰めるとその場跳びでカウンターの跳びヒザを狙うパトリッキー。ムサエフは左ミドルも掴むパトリッキー。今度はパトリッキーがミドルもそれを待っていたムサエフは掴むとスタンドバックからテイクダウン! すぐに立つパトリッキーはコーナーまで歩き、ムサエフのクラッチを切る。しかし、ムサエフもすぐに背後から左足をかけて崩すと、背後からパウンド。パトリッキーが立って正対し、突き放して圧力をかけてゴング。
3R、サウスポー構えのムサエフ。パトリッキーはテイクダウンのフェイントも行かない。ムサエフは右から左をヒット! ここで打ち合うパトリッキーに、スタンドバックを取るムサエフ。正対するパトリッキー。スタンドに。ムサエフは左から右。パトリッキーが左構えになると右ハイを打つ。パトリッキーの左の打ち終わりにシングルレッグに入るムサエフ。しかし片足を抜くパトリッキー。互いに苦しい3R。
右ハイはムサエフ。かわすパトリッキーはスイッチし右足前にする。オーソドックス構えに戻すパトリッキーに左右から左を当てるムサエフ! 下がるパトリッキーを左でなぎ倒したムサエフ! ガードのパトリッキーは下から蹴り上げ! しかし背中を着いたパトリッキー。ムサエフは立たせるとスタンドに。右で飛び込むパトリッキー。ヒジを入れ、怒涛の左右の前進はムサエフ! 倒れないパトリッキーは組み付いて押し込むが、コーナーを背に倒れないムサエフ。トップロープとセカンドロープの間から頭を出して耐えるムサエフ。ボディクラッチするパトリッキーだが、崩しにはヒジをロープにかけるムサエフ。
試合は判定へ。3-0でムサエフが勝利。悲願のGP制覇で初代ライト級王者に輝いた。アゼルバイジャンの旗を背負ったムサエフは歓喜し、マットにひざまづくとベルトを腰に。12月31日は「全アゼルバイジャン人連帯の日」。
国営放送で母国で生中継される中、ベルトを巻いたムサエフは、リング上で、「アリガトウゴザイマシタ、RIZINフェデレーションナンバーワン。この勝利をアゼルバイジャンの国と国民に捧げたいと思います。今日は特別な日なんです。大統領の誕生日でもあります。同時にファンや関係者に心から感謝します。日本の皆さん、アゼルバイジャンの皆さんを愛しています。サポートに感謝しています」とマイク。
30歳でベルトを腰に巻いたムサエフは、リング中央であらためてひざまづき頭をマットにつけて、リングを後にした。
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▼第9試合 RIZINライトヘビー級(93kg)タイトルマッチ 5分3R(※ヒジ有り)〇イリー・プロハースカ(93.00kg/王者/チェコ/ジェットサーム・ジム・ブルーノ)[1R 1分55秒 KO]×C.B.ダラウェイ(92.80kg/挑戦者/米国/パワーMMA)※初防衛に成功
“チェコの怪鳥”プロハースカは、2015年年末のRIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015 さいたま3DAYSのヘビー級トーナメントで石井慧、ワジム・ネムコフを破り、決勝進出。キング・モーに敗れ準優勝に。その後、脅威の9連勝を遂げていた。
2019年1月には、UFCからチェコ大会のオファーを受けていたが、RIZINでの王座獲得を目指すことを優先し、2019年4月21日、RIZIN.15のライトヘビー級タイトルマッチでキング・モーと再戦。3R TKO勝ちで初代王座獲得に成功した。
対するCB・ダラウェイは元UFCファイター。アリゾナ州立大学時代はNCAAディビジョン1でレスリングに励み、オールアメリカンに選出されるなど多くのタイトルを獲得。バッド・ボーイ・ボクシングでも優勝経験を持つなどスタンド技術にも長けている。
2008年、リアリティ番組「The Ultimate Fighter」のシーズン7で準優勝以降、UFCで11勝9敗を挙げた。前戦は2018年9月のUFCでのハリド・ムルタザリエフ戦。2R終了時に試合続行不可能でTKO負けを喫しており、今回が1年3カ月ぶりの試合となる。
2018年9月の試合後、全米アンチドーピング機関(USADA)はダラウェイについて、2018年12月19日と2019年2月9日に実施した抜き打ち検査で陽性反応が出たこと。また、2018年12月13日に制限を超える静脈内(IV)点滴を受けていたことを発表。米国では2018年12月13日から2年間の出場停止処分が下されていた。
ダラウェイは、レスリング&ボクシングの巧者ながら、ペルヴィアン・ネクタイ、ダースチョークの使い手としても知られており、寝技の展開をあまり見せていないプロハースカにとって、難しい相手であることは間違いない。
キング・モーやネムコフを破るなど、かねてからワールドクラスと呼ばれていたプロハースカの真価が問われるカードだ。
リング上でのタイトルマッチ認定宣言後、ゴング。
1R、ともにオーソドックス構え。ダラウェイはレスリングシューズを着用。右ローを蹴るダラウェイ。さらに右ロー。じりじりと詰めるプロハースカに、ダラウェイは左右に回る。
ダラウェイの右ローにつかんでテイクダウンしたプロハースカ。しかし亀からすぐに立つダラウェイ。左ジャブの突き合いから、レスリングシューズを着用した右のローを当てるダラウェイ。しかし詰めるプロハースカはダラウェイの左に右アッパー! さらに左フックでダラウェイは後方にダウン! すぐにレフェリーが間に入った。
ベルトを腰に巻いたプロハースカは、試合後、マイクを手に「日本の皆さんこんにちは。毎回、この場所で試合をする度に、この会場に来るたびに幸せを感じますが、勝利を分かち合えてさらに幸せを感じます。この機会を借りて関係者に心よりの感謝を述べたい。ここで(RIZINの)キャリアをスタートさせ、精神的にも成長しました。もう一度、ありがとうございました! 日本でファンのみんなに戦いを見せられて嬉しいです。RIZINダイスキ、ニホンダイスキ、ビクトリー!」と歓喜の挨拶。
UFCからのオファーをいったんは断ったことを明かしているプロハースカだが、28日の会見では「今後については考えたい」としている。今後はどのような選択をしていくか。
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▼第8試合 RIZIN MMAルール ライトヘビー級(93kg)5分3R(※ヒジ有り)×ビタリー・シュメトフ(92.70kg/ロシア)[2R 0分58秒 タップアウト] ※パウンド〇シモン・ビヨン(91.60kg/カメルーン) 熱烈な参戦アピールが身を結び2019年7月の『RIZIN.17』で初参戦を果たしたシュメトフ(MMA23勝10敗)だが、ジェイク・ヒューンにレフェリーストップ負けを喫した。
今回はカメルーンのビヨン(MMA6勝1敗)と対戦。ビヨンは現EFCライトヘビー級王者で、2019年9月の前戦ではEFCでクイントン・ロソを2R、ハーフガードからのヒジ打ちで失神TKOに下し、ベルトを巻いている。美術を学ぶためイタリアに渡り、MMAを学んだ。
NBAプレイヤーを思わせる2メートル近い身長と長いリーチ・コンパス。筋骨隆々の肉体を誇るシモンはキックボクシングで活躍後、2017年にMMA転向。プロ4戦目で初黒星をつけられた(RNCで一本負け)ものの、以降3試合連続でKO勝利を収めている。
2階から振り下ろされるようなパンチ、首相撲からのヒザ蹴りを武器としており、ニックネームの「ライオン・ハート」、持ち前の勝負強さ・強心臓も見逃せない。
1R、ともにオーソドックス構え。右ストレートを当て、左ボディから右フックの対角線攻撃はビタリー。じりじりと詰めると左構えになるシモン。左で差していくシモンはボデイロックテイクダウン! ビタリーは三本目のロープにヒジをかけるが下に。しかしビタリーは腕をつかみ下から素早く腰を切り腕十字へ! 腕を抜いたシモンはハーフからヒザを突く。フルガードに戻すビタリー。インサイドからパウンドを連打するシモンにビタリーは右目尻から出血する。
2R、詰めるビタリーは左を振りヒザ蹴りも、そこにダブルレッグテイクダウンを合わせるシモン。すぐにパスガードするシモンはマウントに! 鉄槌を突くシモンにブリッジするビタリーだが動きが止まるとレフェリーが間に入った。
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▼第7試合 RIZINバンタム級(61kg)王座挑戦者決定戦 5分3R(※ヒジ有り)×石渡伸太郎(61.00kg/CAVE)[判定1-2]〇扇久保博正(60.60kg/パラエストラ松戸)第7試合では「バンタム級(61kg)王座挑戦者決定戦」5分3R(※ヒジ有り)として、石渡伸太郎(CAVE)と扇久保博正(パラエストラ松戸)が対戦。
“バンタム級四天王”と呼ばれた4人だが、石渡が佐々木憂流迦に、扇久保が元谷友貴に勝利しているため、この一戦でバンタム級の序列が決まると言っていい。
また、この試合の勝者は2020年上半期に朝倉海vsマネル・ケイプの勝者(第2代王者)への挑戦権を得ることが決まっている。
扇久保の印象を聞かれると「タフでグラップリングが強い選手。実力差があるかというと拮抗していると思うけど、試合としては差が出る」という。
扇久保が「フルラウンド戦う」と宣言していることについては「彼はフルラウンド戦わないと勝てない。フィニッシュ力が無いから。それはそう思うんじゃないですか」と語っている。
対する扇久保は、「常に自分のぺースで戦えればいい。際と集中力が重要。15分間切らさないこと。石渡選手はたまに集中が切れるところが見られるので、そこを突いていく。3Rでも僕が勝ちます。チャンスがあれば極めにいく」と語っている。
コールに極真出身らしく十字切った扇久保。石渡はいつものブルポーズでマットを蹴る。
1R、サウスポー構えの石渡に、オーソドックス構えの扇久保。石渡の右ローを掴んで右を首筋当ててテイクダウン! 腰を潰す扇久保にフルガードから腰を切って立つ石渡。
左右を振りダブッレッグの扇久保に鉄槌で潰す石渡。しかしすぐに距離を潰して右を当てる扇久保! 左右でコーナーに詰めると、コーナーを出た石渡も左ストレートを返す!
左から右は石渡。扇久保も左右をボディから突いていく。オーソから左右ローは扇久保。石渡は左ストレートをダブルで当てて前に出る。
2R、詰める石渡に右ローを突く扇久保。リズムを刻み前に詰める石渡。そこに扇久保は頭を下げて右を当てる! ヒジ打ちも入れながら左の蹴りから右スーパーマンを狙う石渡。組に行く扇久保は離れ際にバックフィスト狙い。そこに石渡は右から左で押し返す。
左右からボディを突く扇久保のバッティング後、気にせず石渡は続行。詰めて右を振りダブルレッグテイクダウンは扇久保! すぐに背中を見せて立つ石渡は正対して離れる。
左跳びヒザを突く石渡。ついに石渡からも組み付き小外がけを混ぜてテイクダウンを狙うが、凌ぐ扇久保。左から右を振る石渡を押し返し、左右を振る。手数、パンチからのテイクダウンの繋ぎは扇久保。石渡はいかに崩すか。
3R、右ミドル、左ハイで前に出る扇久保は、石渡の打ち返しにダブルレッグへ。両足を束ねて掲げると石渡はロープを一瞬掴むも、扇久保はテイクダウン。石渡の立ち際をサッカーキックを当て、バックを狙う扇久保。それを正対して落として上を取る石渡! インサイドから強い鉄槌を打つ石渡は、右で差して右足を越えてハーフに。
蹴り上げから立つ扇久保。一気に詰めて蹴りと左右の猛ラッシュ! ガードを固める石渡も反撃も大きな左右か。さらに両者、死闘の打ち合いに! 詰める扇久保はラッシュ。石渡と扇久保はともにクリンチしての片手でダーティーボクシング! 石渡は左ヒザ。さらに左ストレート、左ボディ。しかし打ち返しに行く扇久保。
鼻血を出す石渡。吠える扇久は前へ。詰めて小外でテイクダウンは石渡! 鉄槌一発もここですぐに立つ扇久保。そこに左ミドルを当てる石渡! 両者ともに疲労困憊も死力を振り絞って打撃戦で、ゴング。
判定を待つ両者はがっちり握手。1者・扇久保、2人目は石渡と割れ、3人目のジャッジは扇久保を支持。石渡はコールに崩れ落ちた。
試合後、扇久保は「石渡選手、ありがとうございました。皆さん、面白かったですか?(拍手)ずっと引っ張ってくれた堀口選手、出られなかったんで何とか盛り上げました。次、たぶん春にタイトルマッチをやらせてもらえると思うので、また次、盛り上げる試合をしますので、期待していてください」と、タイトルマッチに向け、意気込みを語った。
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▼第6試合 RIZIN MMAルール 105kg契約 5分3R(※ヒジ有り)〇ジェイク・ヒューン(104.10kg/米国/アブソリュートMMA)[1R 1分24秒 TKO]パウンド→レフェリーストップ×石井 慧(103.8kg/チーム・クロコップ)北京オリンピック柔道男子100kg超級の金メダリストの石井は、2017年4月のヒース・ヒーリング戦以来、2年8カ月ぶりのRIZIN参戦に向け石井は、「久しぶりの日本での試合なので、すごく楽しみにしています」と語ると、ヒューンについて、「ずっとRIZINで試合していた選手ですよね。ただイメージは持たなくて、自分の戦いをするだけです。相手によって変えることはないです」とした。
大晦日から年を明けて2020年1月19日には、東京・竹芝のニューピアホールで開催される「HEAT46」にも出場予定(ブラジルのクレベル・ソウザを相手にHEAT総合ルール ヘビー級王座防衛戦)。怒涛の2連戦に臨む石井は、「経験を積む。常に試合があって、調整もできないくらい試合が詰まっている状況に身を置くことで、スーパーマーケットに買い物に行くような感じで(試合の)精神状態を持っていけたらな、と。自分で試行錯誤をしています」と、常在戦場の意味を語っている。
リングでの試合は2017年10月「Final Fight Championship 30」以来。ここから石井は7連勝を飾った。ケージからリングの試合に戻ることについても、「特に問題ないですね。練習していたので」と意に介さない石井は、「自分の戦い方ができるか、練習してきたことが出せるかに重きを置いています。そういったことを僕自身が出していきたい」と語ると、「ヘビー級で一番強い選手になりたいです。常に戦いや試合のある状況で、どんな時もふつうの状態で試合に臨める選手になりたい」と、目標を語った。
対するジェイク・ヒューンは、RIZIN初戦ではイリー・プロハースカに敗れたものの、続くロッキー・マルティネス戦では激しい打撃戦&テイクダウンで初勝利を飾ってた。7月にはビタリー・シュメトフを3R 2分19秒 TKOに下している。
ヒューンはビッグネームである石井の印象を「イシイは過去の試合を見ると回りながら逃げることが多い。彼を追いかけて攻めて、血を流すくらいの気持ちで向かっていきたい」とアグレッシブなスタンドで攻めることを予告。
石井が得意とする柔道の投げについては、「ある程度の対策はしてきたけど、イシイが投げてイッポンを取っても勝ちじゃない(笑)。柔道ではなく立ち上がりから殴り合いをしたい。このパンチでKOしたいと思っているよ」と拳を誇示した。
1R、サウスポー構えの石井にオーソドックス構えのヒューン。ワンツーで圧力をかけていくヒューン。低いシングルレッグを前足に入る石井は脇潜りスタンドバックへ。しかし前転して外したヒューンは左ストレートで圧力をかけていく。
立ち上がりどんどん詰めるヒューンはワンツーをヒット。サークリングする石井に右ショートアッパーから、頭が下がった石井に左から右アッパー! 崩れた石井に鉄槌を連打し、レフェリーを呼び込んだ。
ヒューンはリング上で「皆さん、愛しています! 2019年いい年になりました。来年はもっといい年にします、ちょっと早いけど、新年おめでとう。一緒に祝おう」と満面の笑顔でリングを後にした。
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▼第5試合 Bellator×RIZIN 対抗戦 副将戦 RIZIN MMAルール 61.2kg契約 5分3R ※ヒジあり×元谷友貴(61.00kg/フリー)23勝7敗[1R 1分37秒 ギロチンチョーク]〇パトリック・ミックス(61.15kg/米国)12勝0敗元谷は初代・第3代DEEPフライ級王者。2018年6月のDEEP 84 IMPACTで17年バンタム級GPに参戦した難敵ムン・ジェフンをグラウンドパンチで撃破。8月のRIZIN.12では修斗環太平洋バンタム級チャンピオンの祖根寿麻をチョークスリーパーで沈め、10月に行われたDEEP86のDEEPバンタム級タイトルマッチで釜谷真に勝利し、DEEP2階級制覇を達成。
大晦日のRIZIN.14では元UFCファイターのジャスティン・スコッギンスにティピーチョークを極めて一本勝ちを収めた。19年のRIZIN.17では修斗世界フライ級王者の扇久保博正と対戦しスプリットの判定負けを喫した。
12勝無敗のパーフェクトレコードを持つ男、パトリック・ミックス。ここまでに12勝のうち8つの一本勝ちを収めていることからも分かる通り、極めの強さが最大の武器。16年のプロデビュー戦こそ判定勝利だったが、2戦目・3戦目はリアネイキッドチョークで一本勝ち。二つの判定勝ちを挟み、以降も4連続一本勝ちを上げている。リアネイキッドチョーク、ギロチンチョーク、ニーバーと、どんな体勢からでも極める力を持っている。
プロ2戦目からは、KOTCを主戦場に戦っていたが、2019年6月にBellator参戦を果たした。Bellatorでも必殺のサブミッションで、二連続一本勝ちをマークしている。
1R、オーソドックス構えの元谷にサウスポー構えのミックスは組み付いてダブルレッグテイクダウンも脇を差して立つ元谷は、自ら引き込み気味に右手をオーバーフックし、コムロックへ! さらにティピーチョークも狙いオモプラッタも、外したミックスは元谷のヒザ着きのダブルレッグを切って、右手でアームインギロチン! しっかりクローズドガードに入れて、最後は上になってタップを奪った。
対抗戦はRIZINの1勝3敗で、大将戦を待たずに負け越しが決定した。
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▼第4試合 RIZIN キックボクシングルール 3分3R(62.0kg)〇白鳥大珠(61.80kg/TEAM TEPPEN/RISEライト級王者)[2R終了時 TKO] ※ドクターストップ×大雅(61.65kg/TRY HARD GYM/第3代K-1WORLD GPスーパー・フェザー級王者)白鳥は、幼い頃から極真空手を習い、キックボクシングへ。2015年3月にプロボクシングに転向し8勝3敗の戦績を残し、18年4月にキックボクシングへカムバック。19年2月に第5代RISEライト級王者となり、RISEの世界トーナメントではヘクター・サンチアゴ、セクサン・オー・クワンムアン、梅野源治ら強豪を破り、見事優勝を飾っている。
大雅とは10月12日の大阪大会で倒し倒されの激闘を演じ、白鳥が勝利を収めている。今回の大雅とは再戦になる。
白鳥は実際に戦ってみての印象を「パワーはもちろんある。瞬発力が今までの選手とは違った。その他は驚くところがなかった」とし、大雅はリベンジに燃える気持ちと新たな戦略で臨んでくるだろうが「そこに特別警戒する必要はないと思う。自分の良さを100%出し切れば、3Rまでいっても全局面で圧倒できると思っています」と、勝利の自信は揺るぎない。
2020年には『RISE WORLD SERIES 2020 -63kg Tournament』への出場が決まっており、その前に大雅と戦うことにプレッシャーはないのかと聞かれると「なくはないが、正直ここまで勝ち続けて来てどの試合も一緒。これから先どの試合も落とせない。誰と試合をしても同じかな、と。WORLD SERIESで優勝した時点で追われる立場になったので、誰とやっても迎え撃つだけです」と、どの試合も同じプレッシャーだと答えている。
大雅は、元K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者。兄・HIROYAの影響と魔裟斗に憧れキックボクサーに。2012年11月に16歳でプロデビュー。13年にKrush YOUTH GP2013 55kgトーナメントを制し、16年にはK-1 WORLD GP 2016 -60kg日本代表決定トーナメントで優勝を飾る。17年2月にK-1WORLD GPスーパー・フェザー級タイトルマッチで卜部弘嵩から判定で勝利して第3代王者に輝いた。18年9月のRIZINに初参戦を果たすも結果を残せずもがき苦しんでいたが、19年7月のRIZIN.17で町田光を本来の動きで完封して見せた。
28日の個別取材では大雅は「再戦が決まったから言うけど、前戦のレフェリングには不満があります。いくつかのダウンは当たっていない」と、今回の試合で完全決着を望んでいる。
白鳥のコーナー近くに、今日、江幡戦を控える那須川がつく。
1R、ともにサウスポー構え。慎重な立ち上がり。大雅は先に左ローをダブルで当てていく。続く左ローにワンツーを狙う白鳥。右前蹴りを突く白鳥。大雅も右ボディストレートを当てる。
大雅の左ボディストレートに右フックを狙う白鳥だが空振り。さらに大雅は左ローをヒット。右ジャブ連打、白鳥のワンツーは遠い。2R、左ジャブから右で牽制する白鳥。距離で外す大雅に右ハイをガード上から当てる白鳥。大雅は左のバックフィストは空ぶり。ワンツーの右をボディに当て詰めてのヒザは白鳥! 大雅は左の大きなフック。白鳥の打ち終わりに左を当てる! しかし、白鳥は頭を下げて飛び込む大雅の頭を押さえて左ヒザを合わせる!大雅は左目上をぱっくりとカット。ドクターチェックの末、ストップが決まった。
試合後、白鳥は「大雅選手、こんなもんじゃないと思っています。またいつかやることがあったら完全決着をつけましょう。大晦日、こんな形いなりましたが、自分は今年全勝でした。みなさんの応援のおかげです」と3度目の対戦も示唆。
さらに、「このRIZIN、夢がある舞台なので、もっともっと強い選手、話題になるカードで戦いたいと思います。いま話題になっている立ち技の舞台は、RIZIN、RISE、K-1だと思います。来年、対抗戦とかできたら盛り上がるし、そのときには大雅選手にもRIZIN側で出てもらって戦えればと思います」と対抗戦の実現を希望した。
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▼第3試合 49.0kg契約 RIZIN女子MMAルール 5分3R〇山本美憂(48.80kg/KRAZY BEE/SPIKE22)[判定3-0]×アム・ザ・ロケット(47.00kg/タイ/TARNTONG GYM/PHUKET TOP TEAM)美憂はRIZIN4連勝を記録後、2019年10月の前戦で、ROAD FC女子アトム級王者のハム・ソヒと対戦。テイクダウンを再三決めるもハムに立たれ、2RにレフェリーストップでTKO負けを喫した。
グアムのSPIKE22ではパートナーであるカイル・アグオンや長男・山本アーセンらと練習。日本では、AACCで浜崎朱加、RENA、あいも含めた女子練習、さらにプロボクシング世界3階級制覇王者の長谷川穂積や、WBO女子世界スーパーフライ級王者の吉田実代からも打撃の指導を受けてきた。
アムについて、「スピードがある選手だし野性的なので、危ない試合にはなると思うけど、焦らず自分のペースを出せるように行きたい」「真っ向から打ち合ってもいい」と意気込みを語っている。
対するアムは、ムエタイで80戦以上の戦績を誇り、2012年にWMC女子ミニフライ級王座、13年にWPMF女子ミニフライ級王座を獲得。JJIF柔術の黒帯を持ち、17年アジア選手権を始め、数々の大会で金メダルを獲得。14年8月の『FMD.2』でMMAデビューを果たし、今年3月の『DEEP JEWELS 23』に初来日。佐藤絵実を相手に1Rにリアネイキッドチョークを極めて、わずか34秒の秒殺勝利で圧倒的な差を見せつけた。
続くRIZINデビュー戦となった今年の8月大会では浜崎朱加と対戦し、敗れたものの、バックを奪ってチョークを仕掛ける場面を作り強さの片鱗を見せた。10月の『DEEP JEWELS26』ではROAD FCで3連勝中のホン・ユンハに腕十字で一本勝ちを収めている。6戦4勝の全てが一本勝ち。
アムは「美憂選手はレスリングで非常に技術が高いので、その前にKOしたい」と打撃勝負を語りながらも、大晦日の試合に向け、「MMの全体的な底上げをしました。それに、SEAゲームス(東南アジア競技大会)でタイの柔術代表チームとして出場して、3位になりました」と全局面で磨きをかけてきたという。
また、アムが一本勝ちしているローマ・ルックブンミーがタイ初のUFCファイターとして勝利を挙げていることについて、「タイのMMA選手としては、最終的にはUFCに立ちたいものです。ローマ・ルックブンミーがオクタゴンに立てるなら、自分にもその資格があると思っています」と刺激を受けていることを語った。
ブルーの髪で軽くダンスしながら赤コーナーで入場する美憂。セコンドにはアグオン、怪我を治療中のアーセンら。
1R、サウスポー構えの美憂に、オーソドックス構えのアム。遠い間合い。アムの右ローはかわす美憂。アムはオーソから軽く左ロー。さらに強めの左ローを当てる。
右ハイから組み付くアムは首相撲ヒザへ。しかし体を入れ替えた美憂はボデイロックからテイクダウン! インサイドに入れるアムはクローズドガードに。下から美憂のパウンドの際にハイガードを狙う。手首をつかむアムに、回して外して外から細かいパウンドする美憂。ブレーク。スタンド再開。右ジャブをつく美憂。圧力をかけるアムは右! さらに右ロー、右ミドルを入れてゴング。
2R、先に中央を取るアム。アムの打撃の打ち終わりに右脇を潜りテイクダウンは美憂! サイドから鉄槌を打つがその際でアムはフルガードに戻す。蹴り上げから立つアムは右ロー。
スタンドに戻る美憂。アムの右ローに左右連打で前に出る美憂! はコーナーに押し込み右で差すとクラッチ組みテイクダウン! アムはバタフライガードも美憂はアゴに頭をつけてパス狙い。足を戻すアムだが、コーナーに詰まり美憂の細かいパウンドを浴びる。頭が詰まりコーナーから出ようとするアムだが、コーナーに頭を持っていく美憂。アムは下から腕十字狙い。そこから美憂が腕を外す際でアムは立ち。ゴング。
3R、右フック、左前蹴りはアム。さらに右ミドルも。右ストレートもテイクダウンを警戒するアムは腰は入れられず。美憂はダブルレッグテイクダウン! 脇差しパスガードでサイド奪うと、脇を差したままアムの左腕をスカーフホールドアームロック! 腕を抜くアムは必死に腰を切り、フルガードに戻すが、美憂はインサイドからパウンド。上体を離しサッカーキックの際で立つアム。アムの右の打ち終わりに首投げ・払い腰は美憂! そのままサイドを奪うと、パウンド&コントロール。ボデイにヒザも入れ、右で脇差し。残り時間を考慮し、頭つきのキムラロック狙いから腕十字へ! アムが防いだところでゴング。判定は3-0で美憂が勝利。四方にあいさつし、アムと満面の笑顔のハグ。45歳、子供たちとリング上で勝利を喜んだ美憂は、リング上で「大晦日の忙しいなか、足を運んでいただきありがとうございます。前回の負けが悔しくて、これまでいろんな方の力をいただきました。ボクシングコーチの長谷川さん、大宮司さん、コーチのみなさん、いろんな方にお世話になりました。家族にも感謝します」と挨拶した。
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▼第2試合 RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級(71kg)トーナメント準決勝 5分3R×ルイス・グスタボ(70.65kg/ブラジル)[1R 0分28秒 TKO]※グラウンドキック→レフェリーストップ〇パトリッキー・“ピッドブル”・フレイレ(70.95kg/ブラジル)グスタボは2014年に18歳でプロデビュー。16年にヴァンダレイ・シウバにそのポテンシャルを評価され、アンドレ・ジダの率いるチームEVOLUCAO THAIに移籍。往年のシュートボクセスタイルを彷彿させるアグレッシブな突進力が持ち味だ。矢地祐介をKO後、朝倉未来には判定負けも、上迫博仁を1R TKOに下している。重心が高い大きな打撃は徐々に精度を増している。また強いパウンドも併せ持ち、グラウンドも強いパトリッキーにその局面を作れるか。
対するパトリッキーはBellatorで2階級を同時制覇したパトリシオ“ピットブル”フレイレの実兄で、Bellatorで5連勝中と波に乗っている強打者。RIZIN初参戦となった10月の川尻達也戦では1RTKO勝ちしている。殺るか殺られるかの野生味溢れる戦いに加え、抜群の距離とタイミングで、トムソンやヘンダーソンといった強豪たちも下している。
グスタボについては「とても優れたアグレッシブな選手だと思う。しかし、私は“ピットブル”。私より優れている選手はいないよ。私はチャンピオンになるために生まれてきた。相手をボコボコにするために生まれてきた」と豪語している。
1R、グスタボから圧力をかけた左ローに、いきなりワンツーの右をヒットさせるパトリッキー! 下がるグスタボにさらに左から右でダウンを奪うと、すぐにサッカーキック! RIZINルールにも完全な対応を見せると、立ち上がってきたグスタボに右フックのダブル! コーナー際にうずくまるグスタボに再びサッカーキックを決めて、パトリッキーが28秒・秒殺で決勝進出を決めた。
▼第1試合 RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級(71kg)トーナメント準決勝 5分3R×ジョニー・ケース(70.70kg/米国)[1R 2分47秒 TKO]※パウンド→レフェリーストップ〇トフィック・ムサエフ(70.70kg/アゼルバイジャン)※ムサエフが決勝進出
米国レスリングベースのケースはUFC初戦で徳留一樹をギロチンチョークを極めているオールラウンダー。矢地祐介、北岡悟、ホベルト・サトシ・ソウザをいずれもTKOに下すタイミング抜群の打撃も持つ。攻防一体のスタイルはワンデートーナメント向き。テイクダウン、スクランブル、寝技と全局面で発揮される総合力の強さで優勝を勝ち取るか。
28日の個別取材では、「過去2試合で1回も被弾していないことだけは言っておく」と防御力の高さを誇るが、「鼻を折り、テイクダウンを奪われても、ほかの3人全員と戦うつもりで練習してきた。骨が折れても戦うよ」と強い心構えで臨む。
対するムサエフは母国アゼルバイジャンで国営放送での生中継も決まるなか、ユライア・フェイバーのもとでも練習を積み必勝を誓う。強打と切れ味鋭い蹴り技が持ち味。圧倒的なフィジカルと組み力で大尊伸光をパウンドアウト後、クルックシャンクに判定勝ち、ダミアン・ブラウンには左ミドル、左ハイを効かせてのTKO勝ちを収めている。特にオーソドックス構えからの左ミドルは様々な体勢から放たれ、相手を削るため、防御力の高いケースにいかに当てるか。まだ底を見せていないムサエフ。元UFCのケース相手に新たな強さを見せるか。優勝までにはいかにダメージを残さず決勝に進出するかも大事だ。
1R、ともにオーソドックス構えから。ケースは左ジャブから右ロー。ムサエフはスイッチしながらかわす。ケースのローに右を狙うムサエフ。さらに左ミドルを先に打つ。ケースのジャブの打ち終わりを右、左を狙うムサエフ。
ケースの左の打ち終わりに大きな右のオーバーハンドを当てるムサエフ! コーナーにダウンするケースだがダブルレッグテイクダウン! しかし亀から立つケースにムサエフはさらに左フック! コーナーに沈んだケースにムサエフは鉄槌を連打! レフェリーが間に入った。
1Rで決勝進出を決めたムサエフは、国営放送で生中継中のアゼルバイジャンの旗を背に、「アゼルバイジャン!」と咆哮し、リングを後にした。