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インタビュー

【DEEP】大塚隆史と対戦するハワイ帰りの高野優樹「ホロウェイと同日に試合、負けるわけにいかないです」

2019/12/15 11:12
【DEEP】大塚隆史と対戦するハワイ帰りの高野優樹「ホロウェイと同日に試合、負けるわけにいかないです」

2019年12月15日(日)に大田区総合体育館で開催される『skyticket Presents DEEP 93 IMPACT』第21試合のバンタム級で大塚隆史(T GRIP TOKYO)と高野優樹(FIGHT FARM)が対戦する。

大塚は2017年にRIZINバンタム級トーナメントでアンソニー・バーチャック、カリッド・タハに勝利も、準決勝で石渡伸太郎に判定負け。2018年3月にDEEPバンタム級王座を返上すると、8月にはビクター・ヘンリーにもKO負けし、5年ぶりの連敗を喫した。

しかし、2018年12月の赤尾セイジ戦で強いレスリング力を発揮し判定勝利で復活。2019年5月にPXCバンタム級王者のトレヴィン・ジョーンズを迎え撃ったが、リアネイキドチョークで一本負け。前戦9月に白川“Dark”陸斗と対戦し、大塚の投げの影響か白川の右肩が外れ66秒でTKO勝ちとなっていた。

対する高野優樹もレスリング出身。2016年6月に釜谷真のギロチンで一本負けも、2016年11月に沼倉雄太に判定勝ち。2017年3月には若菜千明に腕十字で一本勝ちで連勝も、7月に窪田泰斗に判定負け。10月に城田和秀に1R TKO勝ちを収めて以来、2年間試合から遠ざかっていた。

和術慧舟會HEARTSからハワイのグレイシー・テクニッスク・ホノルルで武者修行を積み、心機一転、FIGHT FARMに所属を移し、2年ぶりの試合でいきなり元王者に挑む高野に話を聞いた。

▼第21試合 DEEPバンタム級 5分3R
大塚隆史(62.70kg→61.65kg/T GRIP TOKYO)※61.7kgリミットを1kgオーバーも再計量でパス
高野優樹(61.50kg/FIGHT FARM)

――高野優樹選手は今回、2年ぶりのMMAの試合になります。ハワイ修業をされていたということですが、ここまでの軌跡を教えてください。ハワイでは、グレイシー・テクニクスで練習をされていたのですか。

「はい、グレイシー・テクニクスです。マックス・ホロウェイのいるジムですね。海外で練習をしようと思ったのは、今までの自分を振り返って、全局面でパワーアップさせたいなという思いがありました。2年前(2017年10月の「DEEP80」)、最後に城田(和秀)選手と戦ってKOしたんですけど、そこからハワイに行って、探り探り、自分のスタイルが見つかったという感じです。これまではレスリング出身だったから、どうしてもレスリングに頼ってレスリングだけで勝ち上がってしまって、プロで困った時期があったんです。だけど、来る試合全部受けてしまって、完成がないまま、迷いながら試合をしている部分がありました」

――スキルを積み重ねる時間がないまま試合を重ねていたと。

「そういう時期があったんですが、逆に試合をすることで、そのおかげでいろいろな気付きもあったとも言えます。打撃をまずしっかりしようということで始めて、すぐに結果が城田戦で出て、そんな甘いものじゃないですけども、本当に、例えばUFCだったり、他の世界に行ってチャンピオンになるんだったら、全局面で強くならなきゃいけないと思って、持っているベースのレスリングを生かしながらも、他でも戦えるんだというところまで必ず仕上げようと思って、思い切って身ひとつでハワイに行きました」

――なぜハワイだったのでしょうか?

「日本から近い環境で、元々自然が好きだというのもあり、気候もすごく良いので、練習にモチベーションが高い状態で臨めます。そういう場所で余計なことを考えずにリラックスしながら練習に集中したいと。ハワイの小さな島というのもあるんですけど、一流の選手がいろいろなところから集まってきて、マックス・ホロウェイをはじめ、世界のただ強いだけじゃなく、BellatorやONEのベルトクラスの選手が集まっています。たまにUFCジムに行ったりとかもしましたが、大抵テクニクスで練習していました」

――ホロウェイとはどんな練習になるのでしょうか。ロコの選手たちはタフとも聞きます。

「ハワイの選手たちは本当にガッツがあるので、オープンフィンガーでヘッドギアもつけず、ガチンコの殴り合い、というときもありました(苦笑)。最初の1週間でぶっ壊されそうになって。やっぱり日本人で他所から来てどんなものなのか、と殴られるじゃないですか。だけどそこからやり返してやり返していくうちに目も慣れてきて。そういうハードな練習をやればいいというもんじゃないですけど、そういう気持ち試すような練習プラス、向こうならではのトレーニング方法や様々なコーチによる技術練習など、日本と違うところがありました」

――それはドリル練習のようなものなのでしょうか。

「簡単にいうと、こうしろと型にはめるんじゃなくて、お前はこういうスタイルが得意なんだな。だったらこうしたほうがいいよという、自分のスタイルに合わせて技術を提供してくれたり、個性を伸ばしてくれるという部分が大きかったです。型練習もすごくシチュエーションが細かくて。ただ息を上げてつらい練習やるぞというだけじゃなくて、息を上げず、しっかりと余裕を持って考えた状態で、試合を意識したシチュエーション練習をするんです。それに、コーチもムエタイ、柔術、レスリングと、それぞれに分かれているので、各コーチが意見を出し合いながら、こうしたほうがいいんじゃないかとコーチ同士でも話し合いをしていて、いろいろアドバイスをくれる環境というのもありました」

――なるほど。いまはFIGHT FARM所属で、津田勝憲トレーナーや高谷裕之さんらと練習をされて。EXFIGHTでは、瀧澤謙太選手が高野選手との練習でレスリング力が向上したことを挙げていました。

「FIGHT FARMと代官山の高谷さんのEX FIGHTのジムでも練習して、高橋遼伍選手に胸を借りてやり合って、冨樫健一郎選手、瀧澤くんら一流の選手が来て、けっこう本気の試合に近いような内容で練習したりするときもあります。そこにハワイでやってきたことも試しながら、切磋琢磨していい練習ができています」

――大塚選手は同じレスリング出身ですが、どんな試合になりそうですか。

「正直、今まではMMAでレスリングを一番最初に使っていたんですけど、今は何かあったら使うかな、くらいの感じです。それは試合で見てもらえれば分かると思います。計量での大塚選手……ちゃんと来なかったし、まあ舐めてるなというのはあると思うんです。でも、まあいいんです。俺はそこもとことん下から突いてやって、あとは試合で見てもらえれば、言わなくてもみんな感じ取ってくれると思うので。かなり自信があります。100パーセント、DEEPを引っ張っていくのは俺だと思うので期待してください」

――ちょうどUFCのホロウェイと同日に試合ですね。

「感慨深いですね。負けるわけにいかないです」

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