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【QUINTET】「Team UFC」がお膝元ラスベガスで優勝! 「Team PRIDE」は1回戦敗退。先鋒で五味隆典がオマリーに一本負け。桜庭は大将戦ドロー=写真追加

2019/12/13 00:12
2019年12月12日(日本時間13日・金)米国ラスベガス・レッドロックカジノにて、『QUINTET ULTRA』が開催された。 1回戦では「Team UFC」vs「Team PRIDE」、「Team WEC」vs「Team Strikeforce」が行われた。 「Team PRIDE」は先鋒に五味隆典(日本)が登場。「Team UFC」の先鋒ショーン・オマリー(米国)と対戦したが、五味が低いシングルレッグに入ったところをオマリーは得意のハイエルボーのギロチンチョークで2分47秒、一本勝ち。「Team PRIDE」はシドニー五輪柔道73kg級キューバ代表のヘクター・ロンバートがオマリーをアキレス腱固めに極め、1勝1分でタイに戻すと、続くグレゴー・グレイシー(ブラジル)がクレイ・グイダ(米国)を腕十字で極め先行。「Team UFC」副将のアンソニー・スミスともグレゴーが引き分けに持ち込み、「Team UFC」の大将ギルバート・“ドゥリーニョ”バーンズ(ブラジル)を引きずり出した。ドゥリーニョは「Team PRIDE」の副将イーブス・エドワーズ(バハマ)をリアネイキドチョークで極めると、試合は大将対決に。「Team PRIDE」の大将・桜庭和志はガードで粘るが、ドゥリーニョは再三パスガードを決め、時間切れドローも旗判定で「Team UFC」が決勝進出を決めた。 もうひとつの1回戦「Team WEC」vs「Team Strikeforce」では、「Team Strikeforce」のジェイク・シールズ(米国)が奮闘。マーク・ムニョス(米国)を肩固めに極め、続くカブ・スワンソン(米国)もフットロックでヒザをひねらせ怪我で抜くと、「Team WEC」副将のグローバー・テイシェイラ(ブラジル)とドローに持ち込み3人を相手にしてマットを降りた。「Team WEC」は大将のジェームス・クラウス(米国)が「Team Strikeforce」中堅のキング・モー(米国)をギロチンチョークで極めて気を吐いたが、副将のギルバート・メレンデス(米国)には分けられ試合終了。「Team Strikeforce」が大将のレナート・ババルを残して決勝進出を決めた。決勝では、「Team UFC」と「Team Strikeforce」が対戦。両チームが互いに譲らず、先鋒から大将戦まで全試合が時間切れドローに。「Team UFC」大将のギルバート・バーンズは「Team Strikeforce」大将のジェイク・シールズ(米国)をパスしマウントを奪い、シールズに指導が出されたこともあり、判定は「Team UFC」が勝利。お膝元ラスベガスで優勝を遂げた。 また、スーパーファイトでは、ADCC2019無差別級世界王者のゴードン・ライアン(米国)がMMA57勝のうちサブミッションで45勝というグラップラー、アレクセイ・オレイニク(ロシア)と対戦。ライアンは、レッグドラッグからサドルロックでヒザ十字を極め、グラップリング最前線の強さを見せている。 ◆Team UFC先鋒 ショーン・オマリー(米国)次鋒 アンソニー・ジョンソン(米国)中堅 クレイ・グイダ(米国)副将 アンソニー・スミス(キャプテン/米国)大将 ギルバート・バーンズ(ブラジル) vs ◆Team PRIDE先鋒 五味隆典(日本)次鋒 ヘクター・ロンバート(キューバ/豪州)中堅 グレゴー・グレイシー(ブラジル)副将 イーブス・エドワーズ(バハマ)大将 桜庭和志(キャプテン/日本) 〇先鋒 ショーン・オマリー(米国)[2分47秒 ギロチンチョーク]×先鋒 五味隆典(日本) 「Team UFC」の1回戦の先鋒はショーン・オマリー(米国)で、「Team PRIDE」の先鋒が五味隆典(東林間ラスカルジム)となり、いきなり先鋒戦で五味が登場する。 オマリーはホイス・グレイシーの弟子ジョン・クラウチ率いるMMAラボ所属。リアネイキドチョークでのフィニッシュを記録しているが、本人はハイエルボーギロチンを得意としているという。五味はMMAではギロチンでの一本負けを経験しており、得意のテイクダウンの際に注意したい。 組み手争いからオマリーを引き落としを狙う五味。頭が当たり再開。五味はダブルレッグに入るも切るオマリー。五味はツーオンで右手を手繰るがここもオマリーは切る。低いダブルレッグは五味もここもがぶるオマリー。首後ろを掴む五味。オマリーに指導後、再開。低いシングルレッグに入る五味だが、切ったオマリーは得意のノーアームのハイエルボーギロチンチョーク! 五味がタップした。 ×先鋒 ショーン・オマリー(米国)[0分46秒 ストレートフットロック]〇次鋒 ヘクター・ロンバート(キューバ/豪州) 「Team PRIDE」では、先鋒の五味隆典に続き、次鋒にシドニー五輪柔道73kg級キューバ代表のヘクター・ロンバート(キューバ/豪州)がラインナップ。 体重差のあるロンバートにオマリーはクローズドガードに入れるが、中腰になり足を外したロンバートがパワーアキレス=ストレートフットロックを秒殺で極めた。 △次鋒 アンソニー・ジョンソン(米国)[時間切れ]△次鋒 ヘクター・ロンバート(キューバ/豪州) 「Team UFC」の次鋒はアンソニー・ジョンソン(米国)。ジュニアカレッジ時代にレスリングで全米王者となり、UFCライトヘビー級王座戦でダニエル・コーミエーに敗北後引退。2019年7月にはグラップリングマッチ「Submission Underground 9」で、クレイグ・ジョーンズにヒールフック(※QUINTETでは反則)で一本負けしている。 「Team PRIDE」次鋒はシドニー五輪柔道73kg級キューバ代表のロンバート。 テイクダウンのジョンソンに対し、ハーフガードのロンバートは右で脇差し立ち上がる。組み手争いに両者に指導。ロンバートと引き落とすジョンソン。足払い狙うロンバートに凌ぐジョンソン。再び両者に指導。 低いシングルレッグを狙うロンバートを切るジョンソンだが、下から脇を潜りバックを狙うロンバート! ジョンソンは後方に飛ぶ。 ロンバートの組み手のアイポークから再開。ヒザを触りに行くジョンソンだが、切るロンバート。ジョンソンはダブルレッグテイクダウン! ハーフのロンバートにパスガードでマウントも時間切れ。両者痛み分けとなり中堅対決へ。 ×中堅 クレイ・グイダ(米国)[2分35秒 腕十字]〇中堅 グレゴー・グレイシー(ブラジル) 「Team PRIDE」中堅に注目のグレゴー・グレイシー(ブラジル)が登場する。グレゴーは「QUINTET.3」でPJバーチ相手に背後から両足をトライアングルでロックし、ヒザ十字を極める秘技などで、10th PLANET相手に2人抜きをしており、今回は「Team PRIDE」の要となりそうだ。 「Team UFC」中堅のクレイ・グイダ(米国)は、元ジュニアカレッジの全米王者。猪突猛進のテイクダウンを武器とし、肩固めなどの極め技をもつが、ギロチンチョークでの一本負けも多い。 グレゴーのガードのなかに入るグイダ。ヒップスローを狙うグレゴーはクローズドガードに組みハイガードに。スタンド再開。 シッティングガードはグレゴー。運動量多く左右からパスを狙うグイダが左脇を差そうとした瞬間、腕を掴んだグレゴーは腰を切り腕十字へ! グイダがタップした。 △副将 アンソニー・スミス(キャプテン/米国)[時間切れ]△中堅 グレゴー・グレイシー(ブラジル)「Team UFC」副将は、BJJ黒帯のアンソニー・スミス(米国)でキャプテンを務める。スミスは、MMAの三角絞め使い。前三角からインバーティッドトライアングルなども極めており、ライトヘビー級ながら長い手足から繰り出す関節技に注目だ。 初戦と同じくガードを選択するグレゴー。クローズドの中にスミスを入れるが、足を外しニーシールドへ。左足で割るスミスはかつぎパス! しかしグレゴーは後転してガードに戻す。左で差してきたスミスをギロチンに狙うグレゴー。スミスも対角で首を抜く。 トップを選びキムラクラッチからパスを狙うグレゴー。ハーフになるが、右で差すスミスがスイープ。グレゴーも無理せず下を選択。ニンジャチョークの動きを見せるグレゴー。しかし両者に指導。 トップから攻めるグレゴー。ギロチンに頭を抜くスミスに拍手。ボトムから蹴り上げで突き放したグレゴーがギロチン狙いも座るスミスのバックに。しかし落としたスミスは外がけからフットロックへ。ヒールフックは禁止のなか、背中を見せて足を抜くグレゴーもアタックをかけるが、タイムアップ。両者痛み分けに。 〇大将 ギルバート・バーンズ(ブラジル)[5分03秒 リアネイキドチョーク]×副将 イーブス・エドワーズ(バハマ) 「Team UFC」大将には注目のギルバート・バーンズ(ブラジル)が置かれた。アトス所属で2011年ワールド柔術ライト級優勝の実績を持つドゥリーニョは、バックを得意とする弟のエウベウと異なり、大内刈り・大外・小外掛け、ダブルレッグからトップを取って攻める柔術出身ファイターだ。グラップリングマッチの出場経験も多く、3月の「Titan FC 53」でグレイソン・チバウにRNCで一本勝ち、11月には「Polaris 12」の道衣マッチでノルウェー超新星のトミー・ランガカーに判定負けしている。9月のUFCではヘンゾ・グレイシーの黒帯でもある空手家グンナー・ネルソンに組み勝った上で判定勝ちしており、そのグラップリング力が無差別の団体戦でいかに発揮されるか。 「Team PRIDE」副将には、MMA42勝22敗1分のベテラン、イーブス・エドワーズ(バハマ)が参戦。PRIDEのみならずUFCでも活躍した43歳のイーブスはムエタイと柔術を得意としており、古豪のリアネイキドチョーク、腕十字での一本勝ちが見られるか。 ボトムからアームドラッグで立ち上がりエドワーズのバックを奪うドゥリーニョ。エドワーズはドゥリーニョの腕十字狙いをすぐに落として上に! なおも下から煽って腕十字を狙うドゥリーニョ。上体を入れて防ぐエドワーズ。ドゥリーニョは左手首を両手でつかみ、またいでニーバーに! それを背中を見せてエスケープするエドワーズのバックを狙うが、前転してガードを取ろうとするエドワーズ。 しかしついていくドゥリーニョはハーフからストレートアームバー狙い! いったん伸びた腕を戻したエドワーズだが、バックを奪われる。ドゥリーニョは背後から最初は左手で。すぐに喉元に右手に差し替えてリアネイキドチョークを極めた。 △大将 ギルバート・バーンズ(ブラジル)[時間切れ]△大将 桜庭和志(キャプテン/日本)※チーム戦は旗判定で「Team UFC」が決勝進出 「Team PRIDE」大将は、桜庭和志(キャプテン)。QUINTET創設者として、このルールを知り尽くした桜庭が、いかに大将としてチームを勝利に導くか注目だ。 ドゥリーニョのダブルレッグテイクダウンに足関節を狙う桜庭。中央で再開。ガードの桜庭にかみつきパスを狙うドゥリーニョ。 サイドを奪うドゥリーニョは上四方から逆サイドへ。さらに頭ごしに再び上四方へ。センタク挟みを狙う桜庭は腰を切りガードに戻す! そこにドゥリーニョはストレートフットロックを狙うが外す桜庭。下から草刈を狙うがドゥリーニョはパスガード。再びガードに戻す桜庭。 中央で再開。ガードの桜庭にかつぎパスするドゥリーニョ。後転させられた桜庭にサイドから首を抱えにいくドゥリーニョ。桜庭は潜りから足関節を狙うが、ドゥリーニョも察知。ヒザ十字狙いも足を抜いた桜庭が上に。アームドラッグ狙うドゥリーニョから腕を抜く桜庭、その際でドゥリーニョも立つ。 桜庭得意のローシングルレッグを切るドゥリーニョ。今度はドゥリーニョがシングルレッグも切る桜庭。最後はドゥリーニョがテイクダウンしたところで時間切れ。 桜庭に終始敬意を示したドゥリーニョは下の桜庭の手を掴み引き起こすと、桜庭もドゥリーニョの肩を抱いた。大将同士の試合は時間切れ。旗判定で「Team UFC」が決勝に進出した。 [nextpage] ◆Team WEC先鋒 チャド・メンデス(キャプテン/米国)次鋒 マーク・ムニョス(米国)中堅 カブ・スワンソン(米国)副将 グローバー・テイシェイラ(ブラジル)大将 ジェームス・クラウス(米国) vs ◆Team Strikeforce(946.6lb)先鋒 ジェシアス・カバウカンチ(J.Z.カルバン/ブラジル)次鋒 ジェイク・シールズ(米国)中堅 キング・モー(米国)副将 ギルバート・メレンデス(米国)大将 ヘナート・ババル(ブラジル) △先鋒 チャド・メンデス(キャプテン/米国)[時間切れ]△先鋒 ジェシアス・カバウカンチ(J.Z.カルバン/ブラジル) もうひとつの1回戦は「Team WEC」vs「Team Strikeforce」。「Team WEC」は先鋒にキャプテンのチャド・メンデス(米国)、「Team Strikeforce」は先鋒にJ.Z.カルバンことジェシアス・カバウカンチ(ブラジル)を指名した。 NCAAディビジョン1でオールアメリカンに2度選出されているメンデスは生粋のレスラー。トップに強く、MMAでは一本負けもないなど守りも硬い。ルタ・リーブリ出身のカバウカンチ得意のギロチン、そして足関節をいかに防いで、レスラーが強い形を作れるか。カバウカンチは、2019年7月にジョルジ・パチーユ・マカコに「Kasai Super Series Orlando」のグラップリングマッチでギロチンチョークで一本勝ちしており、連勝を目指す。 トップから攻めるメンデス。カバウカンチのガードにメンデスはストレートフットロック! カバウカンチも同じアキレス腱固めで対抗も場外に。 中央再開。跳びつき十字を狙うカバウカンチだが外すメンデス。両者に指導が。組み手争いから再び跳び十字を狙うカバウカンチ。切るメンデスは上から左で脇差し右にパスを狙うがさせないカバウカンチはニーシールドへ。 攻めてこないメンデスに立ち上がったカバウカンチ。メンデスはスピーディなダブルレッグから脇を潜ろうとするが、カバウカンチもすぐに正対しガードに。ヒップスローからラバーガードを狙ったところで時間切れで痛み分けに。 ×次鋒 マーク・ムニョス(米国)[4分48秒 肩固め]〇次鋒 ジェイク・シールズ(米国) 「Team WEC」の次鋒マーク・ムニョス(米国)はオールアメリカンレスラーだが、BJJでも黒帯を持つ。マルコ・バルボーサの黒帯でノーギでの強さには定評があり、次鋒同士の対戦となれば、アメリカン柔術使いのジェイク・シールズ(米国)とは玄人好みのポジション争いとなりそうだ。 MMA時代と異なり大きく増量したムニョスに下から立ち上がり投げる「Team Strikeforce」の次鋒シールズ。 すでに肩で息をするムニョスを相手にシールズはマウント奪い肩固めへ。腕をロックし防ぐムニョスだが、再びシールズは肩固めへ。そこからリアネイキドチョーク狙いにムニョスは正対し上に。 しかし足を跳ね上げスイープするシールズはダースチョーク狙い。さらにムニョスを寝かせてすぐにマウントから肩固めへ。サイドに移行し肩固めで下から絞め上げタップを奪った。 ×中堅カブ・スワンソン(米国)[5分18秒 Injury] ※スワンソンが怪我〇次鋒 ジェイク・シールズ(米国) 「Team WEC」の中堅カブ・スワンソン(米国)はBJJ出身。ジョー・モレイラ道場からジャクソンズMMAのキャリアのなかでリアネイキドチョークをはじめ、ネッククランク、ギロチンチョークなど首系の技での一本勝ちを11個マークしている。2019年10月のUFCではクロン・グレイシーと対戦し、その多くの時間をスタンドに費やしたが、クロンのジャンピングガードからのスタースイープや、クローズドガードからのギロチンもMMAのなかで防ぐなど、防御力も高い。 シングルレッグから両足を束ね横回転してテイクダウンを奪うシールズ。脇差しパスにギロチンを狙うスワンソンはフルガードに戻して見せる。 MMAファイターらしく蹴り上げで押して立つスワンソン。足払いで崩そうとするスワンソン。シールズの引き込みからの足関節はすぐに抜いて離れるが、下のシールズは何度もバタフライガードから跳ね上げる。そこでバランスを保ち下にならないスワンソン! シールズのダブルレッグを切るスワンソン。四つからシールズ得意の小外がけも切るスワンソン。2試合前のシールズはスタミナ苦しいか。引き込みから外掛けでストレートフットロックへ! いったんは倒れたスワンソンは立つが、シールズが右足を外掛けで、左足を伸ばしてスワンソンの右足にフックし、内側にひねるとスワンソンは左ヒザを負傷。シーズルが2人抜きを達成した。スワンソンはUFCに影響が出なければいいが……。 △副将 グローバー・テイシェイラ(ブラジル)[時間切れ]△次鋒 ジェイク・シールズ(米国) 「Team WEC」の副将グローバー・テイシェイラ(ブラジル)は米国移住後にBJJを学んだ変わり種。肩固め、リアネイキドチョークなどを極め手としており、「ADCC 2009」では足関節の名手ディーン・リスターにポイント勝ちの実績を持つ。 ボトムのシールズはギロチン狙いも首を抜くテイシェイラ。パスしサイドを奪うテイシェイラは肩固めへ! 自身のヒザを抱いて凌ぐシールズ! 背中を見せたシールズに再び肩固めを狙うテイシェイラだが、同じようにシールズは長い手でヒザを抱いて防ぐ。 肩固めを外してマウントに移行したテイシェイラ。左で差すとシールズが背中を見せたところにチョーク狙い。美木レフェリーはストップ。中央でパーテールポジションから再開。 正対するシールズはフルガードに。テイシェイラの頭を押さえ三角絞め狙いからギロチンを狙うが頭抜くテイシェイラはパス狙い。しかし、シールズは足を越させず。時間切れでシールズは3人目を道連れにマットを降りた。 ×中堅 キング・モー(米国)[0分45秒 ギロチンチョーク]〇大将 ジェームス・クラウス(米国) 「Team WEC」の大将ジェームス・クラウス(米国)はブラジリアン柔術茶帯で現在、2回目のUFCで4連勝中。長い手足から繰り出すギロチンチョ-ク・三角絞めを得意とし、プロMMAで14の一本勝ちを誇る。 「Team Strikeforce」の中堅キング・モーことモハメド・ラワルは元北京五輪代表候補のレスラー。元Strikeforce世界ライトヘビー級王者のモーは、11月の「Bellator 233」でアンドリュー・カペルに82秒 KO負けでMMAを引退。グラップリングマッチ出陣となる。MMAでは一本負けのないモーは、ピュアグラップリングでレスリングを活かしたどんなスタイルで臨むか。 頭を下げてダブルレッグに入るモーに、クラウスはジャンピグガードでアームインギロチン! モーはそのまま持ち上げるが、クラウスは後方にそりながらギロチンを極めると、モーは立ったまま背中を2度タップ。 外したクラウスを下に落として、両手を挙げてなぜ止めるのかという仕草をするが、VTR検証の結果、クラウスの一本勝ちが認められた。 △大将 ジェームス・クラウス(米国)[時間切れ]△副将 ギルバート・メレンデス(米国) 「Team Strikeforce」の副将ギルバート・メレンデス(米国)はシーザー・グレイシー門下生。レスリング出身で友人のジェイク・シールズと長く練習を積むなどノーギ柔術をMMAのなかで防御も含め駆使してきた。2019年5月にはグラツプリング大会「Submission Underground 8」でパット・ヒーリーに判定勝ちしており、MMAからシフトの方向か。2014年12月にアンソニー・ペティスを相手にMMAで初めて一本負けを喫しているのが気になるところだ。 両脇を差して押し込むメレンデスも投げられないクラウス。両者に指導からスタンドで差し合い。 ツーオンからバックを狙うメレンデス。四つからシングルレッグテイクダウンはクラウス! 場外で中央再開。クローズドに入れるメレンデス。その蹴り上げから立ち際をバックを奪うクラウスはギロチンを狙いつつバック奪取! ボデイトライアングルで胴を両足でロックし、残り2分30秒でチョークを狙う。 パームトゥパームに切り替えるクラウスに腰をずらし正対して立つメレンデス! しかしヒザに手を置きスタミナ厳しいか。 組まずデフェンスに徹するメレンデスは前進してくるクラウスにギロチン狙い。首を抜くクラウスのバックを奪ったところでゴング。ドローで大将を止めた。「Team Strikeforce」は大将のババルを残して決勝進出へ。「Team UFC」との対戦が決定。 [nextpage] Team UFC vs Team Strikeforce決勝戦 決勝戦では1回戦で戦わなかった選手から優先的にオーダーを組むことがルールによって決められている。 △先鋒 クレイ・グイダ(米国)[時間切れ]△先鋒 ヘナート・ババル(ブラジル) 「Team Strikeforce」の先鋒は、1回戦で大将として出番のなかったヘナート・ババル(ブラジル)から。元Strikeforce世界ライトヘビー級王者のババルは、ファス・バーリトゥードからグレイシー・バッハ、キングスMMAという経歴を持つ。古くは2006年の「Tuff-N-Uff 1」でミシャ・サークノフに三角絞めで一本勝ちし、2014年の「Metamoris 3」ではディーン・リスターのヒールフック、ヒザ十字からエスケープし、ダースチョークを仕掛けるなどの見せ場を作っている。 「Team UFC」の先鋒はクレイ・グイダ。上からギロチンを仕掛けてパスを狙うグイダだが、首を抜きスイープしたババルが上に。サイドを奪うと、脇を差して起き上がりに来たグイダにギロチン狙い。ここはMMA同様に察知するグイダだが、バックを狙うババルはリアネイキドチョークへ。しかし、グイダが守り、体重差あるババルをドローに持ち込んだ。 △次鋒 キング・モー(米国)Team Strikeforce[時間切れ]△次鋒 アンソニー・ジョンソン(米国)Team UFC 「Team Strikeforce」の次鋒はキング・モー(米国)「Team UFC」の次鋒はアンソニー・ジョンソン(米国)とレスリング対決に。 頭を下げてきたジョンソンをがぶりダブルアンダーフックするモー。頭抜くジョンソン。今度はジョンソンが首相撲からネックロックへ。首を抜くモー。 モーの頭後ろを掴むジョンソン。外したモーはダブルレッグもジョンソンは切る。1回戦動揺にアイポークで試合を止めるジョンソン。 再開。低いダブルレッグにからシングルレッグに入るジョンソン。それを切るモーは亀のジョンソンにキムラ狙い。さらにバックからアタック。ジョンソンはスタミナ厳しいか。亀を崩してジョンソンの右手を両手で後ろ手に持っていくモーはレスリングコントロール。さらにジョンソンの立ち際にアームインギロチンへ! しかし極めきれず時間切れに。 △中堅 ショーン・オマリー(米国)[時間切れ]△中堅 ギルバート・メレンデス(米国) シングルレッグテイクダウンはメレンデス。クローズドガードのオマリー。スタンド再開。 手繰りから投げるメレンデスだが抑え込みにはいかず。すぐに立つオマリー。メレンデスの投げをすかしてスクランブルからがぶりもメレンデスも立つ。 シッティングガードからアンクルピックで上になるメレンデス。またもオマリーはクローズドガードも蹴り上げから立つ。体重で重いメレンデスは追うが、その差した左を切りギロチン&バックを狙ったところでゴング。痛み分けに。 △副将 アンソニー・スミス(米国)[時間切れ]△副将 ジェシアス・カバウカンチ(ブラジル) 体重差のあるスミスとカバウカンチの対戦。足払いで崩すスミス。カバウカンチもすぐに立つと跳びつき十字を狙う。 スタンド再開。スミスのダブルレッグにギロチンを合わせたカバウカンチ! しかしスミスも腰を振って首を抜く。蹴り上げから立とうとするカバウカンチ。右で差しに行くが、そこにスミスはダースチョーク狙い。 首を抜いたカバウカンチにスミスは今度はキムラ狙い。いったんはロックが外れるが防ぐカバウカンチ。ならばとスミスは腕十字へ! ここもカバウカンチはまたいで腕を抜く。ラバーガードを狙うスミス。そこから右手を首もとに差し入れてダブルバーガーも。外すカバウカンチが上になったところでゴング。軽量のカバウカンチがスミスと痛み分けに。 △大将 ギルバート・バーンズ(ブラジル)[時間切れ]△大将 ジェイク・シールズ(米国)※判定で「Team UFC」が優勝 素早いパスからバックに着いたドゥリーニョ。シールズは落とそうとするが、4の字ロックでついていくドゥリーニョ。腰をずらし正対するシールズにハーフから攻めるドゥリーニョ。シールズはその立ち際を下から草刈りを狙う。 バタフライガードからスイープを狙うシールズ。跳ね上げられないドゥリーニョは、体を離しトップからパス狙い。互いにアキレス腱固め狙いも外すとブレークに。 シールズがパーテルポジションから再開。すぐに正対するシールズ。ハーフでニーシールド、またごうとするドゥリーニョは左に飛ぶが、シールズは足を効かす。 今度は右にパスしたドゥリーニョはすぐにトップへ。マウントを奪取! 徐々に脇を開けさせようとするそこは硬いシールズがハーフに戻すと、すぐに右へ飛んでパス! サイドからキムラを狙うもシールズもがっちりハーフガード。ゴングが鳴り大将同士の戦いはドローに。 全試合がドローとなった決勝戦。判定は「Team UFC」に軍配が上がり、お膝元ラスベガスで行われた「QUINTET ULTRA」を制した。 ※判定(大将同士の試合のみ)「指導」の数の少ない方が勝利。数が同じ場合はチーム全体の「指導」の数が少ない方が勝利。それも同じ場合は大将同士の試合の優劣を審判の旗判定により決定。 [nextpage] スーパーファイトにはMMAを通過していないグラップリングのスペシャリストたちも登場。 ▼スーパーファイト〇ゴードン・ライアン(米国)[1分07秒 ヒザ十字]×アレクセイ・オレイニク(ロシア) なかでもADCC2019無差別級世界王者のゴードン・ライアン(米国)の出場は見逃せない。ライアンは、ADCC2019無差別級で、ペドロ・マリーニョ、ゲイリー・トノン、ラクラン・ジャイルス、“ブシェシャ”ことマーカス・アルメイダといった強豪を破り世界王者に輝いた。2018年10月の「QUINTET 3」ラスベガス大会でQUINTETルールも経験済みで、クレイグ・ジョーンズ(RNC)、ヴィトー・シャオリン・ヒベイロ(腕十字)、グレゴー・グレイシー(腕十字)にいずれも一本勝ちするなど猛威を振るっている。 対するアレクセイ・オレイニク(ロシア)はコンバット・サンボで2度世界王者となり、MMA57勝のうちサブミッションで45勝、うちエゼキエルチョーク(ノーギの袖車絞め)で11勝、ネッククランクで5勝という特異なMMAグラップラーだ。MMAではミルコ・クロコップやマーク・ハント、ジェフ・モンソンらにいずれも一本勝ちを収めている。 最初に引き込んでベリンボロ、あるいはレッグドラッグに行ける体勢を取るゴードン。 レッグドラッグを選択したゴードンは、ニーバーを狙いつつトップポジションをキープ。パスガードかニーバーかのダブルアタックでトップキープ。その手にオレイニクは腕固めを極めにいくが、ゴードンはオレイニクの両足をヒザ上に乗せ、サドルロックの形からニーバーに。足首を掴み逃げられなくしたところで、一気に極めて壊しにいかずにオレイニクのタップを待って一本勝ち。 ▼スーパーファイト〇クレイグ・ジョーンズ(豪州)[2分13秒 リアネイキドチョーク]×フレジソン・パイシャオン(ブラジル) レイグ・ジョーンズ(豪州)が、UFCダナ・ホワイト代表の子供たちも指導したフレジソン・パイシャオン(ブラジル)と対戦。 モンジバカの名手パイシャオンはずいぶん増量した姿を披露。ジョーンズはシッティングガードから。トップからパスを狙うパイシャオンを脇下から煽りスイープしたジョーンズは、パイシャオンのフットロックを外してバックテイク。両足で4の字ロックを外してパイシャオンの右手を外側から巻き込んでから、リアネイキドチョークを極めた。 ▼女子スーパーファイト×シンシア・カリーロ(米国)[0分17秒 アンクルロック]〇ダニエル・ケリー(米国) ポケットがついたパンツを使用し止められたカリーロ。テープで止められる。 試合早々にシッティングガードからカリーロの右足を掴んだケリーは、ストレートフットロックへ。2回、横回転したカリーロだが、ケリーはうつ伏せになって極めた。17秒、秒殺勝利!
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