ベテランの牧平(左)と新鋭の加藤が対戦
2019年12月15日(日)東京・後楽園ホール『K-1 KRUSH FIGHT.109』のセミファイナル(第7試合)ウェルター級3分3R・延長1Rで対戦する、第3代K-1 KRUSH FIGHTウェルター級王者・牧平圭太(HALEO TOP TEAM)と加藤虎於奈(TEAM TOP ZEROS)のインタビューが主催者を通じて届いた。
牧平はサウスポーから繰り出す蹴り技を武器にKRUSHのトップ戦線で活躍。2014年4月に山本優弥を破り、王座に就いた。2015年7月に開催された初代K-1スーパー・ウェルター級王座決定トーナメントでは一回戦で強豪ディラン・サルバドールを撃破。日本人として唯一のベスト4進出を果たした。KRUSH王座は2016年1月の防衛戦で敗れて失い、その後は連敗が続いたが2017年3月にKENJIからTKO勝利を奪うと再び波に乗った。前戦は4月に松岡力に敗れ今回が再起戦。戦績は20勝(7KO)14敗2分。
対する加藤はレオナ・ペタスの弟で、2017年12月にKRUSHでプロデビュー。左右どちらにも構え、豊富な運動量で動き回る独特な戦い方で戦績は3勝(2KO)2敗。前戦は7月の日本vs中国対抗戦で敗れ、同じく今回が再起戦となる。
牧平圭太「リングの上の戦いを楽しもうと思う」
――4月の松岡力戦は判定負けという結果でした。牧平選手はあの試合でどんな反省点があったと感じていますか?
「のびのび試合できなかったことが一番の反省点ですね。自分もキャリアを重ねて、悪い意味で一戦一戦を重く考えすぎたかなと思います」
――競技者として技術を伸ばす練習は続けていると思いますが、それ以外の精神的なところも大事だと感じていましたか?
「はい。次は楽しみながら戦うことで、練習でやってきたことや取り組んできたことが試合に出ると思います。
――対戦相手の加藤選手にはどんな印象を持っていますか?
「若くて勢いがある選手だなと思っていました。ウェルター級の試合は意識して見るようにしているので、戦う可能性はあると思っていました」
――対戦カード発表会見では加藤選手の「牧平選手も引退を考えていると思う。勝って引導を渡す」というコメントに対して、すぐさま「俺はまだまだバリバリ元気」と反応する一幕もありました。
「もちろん周りが自分のことをそういう目で見ているのも分かっているし、自分自身もそれ(引退)が頭をよぎったこともあります。でもそんなことを考えてちゃダメなんですよ。実は前回の試合が終わったあとに嫁に『俺には家族も子供もいる。もう現役はいいかな…』と打ち明けたんです。そしたら嫁から『あんたさ、一日くらい私や子供のことは忘れて、身体を張って命かけて戦ってきなさいよ!』と言われたんです。その言葉でもう一回頑張ろうという気持ちになった」
――まだまだ老け込む年齢じゃない、と。むしろ試合を楽しんでやるくらいの気持ちなんですね。
「今回は本当にそこですね。リングの上の戦いを楽しもうと思います」
――牧平選手の復活を楽しみにしているファンのみなさんにどんな試合を見せたいですか?
「もっと子供を作ろうと思うくらい元気なんで(笑)、リングに上がることを感謝して、試合の緊張感すらも楽しめるように、試合までに自分を作りあげていきたいと思います。
加藤虎於奈「奇跡は起こさないといけない」
――7月KRUSH後楽園大会の日中対抗戦ではジャン・チュンユーにダウンを取られての判定負けでした。あの試合を振り返ってもらえますか?
「ずばり自分の練習不足ですね。3Rに入っていきなり足が動かなくなって。そこでダウンを取られて負けてしまった試合です」
――チュンユー選手はブアカーオとも対戦している強豪ですが、技術的には充分に対抗できると思いましたか?
「そこは全く問題なかったです。チュンユー選手はブアカーオの足を流すくらいローキックが強いんですけど、ちゃんとローにも対処できていたし、攻撃も全部見えていたし。だから完全に自分の練習不足・体力不足が敗因です」
――試合後はどんなことを意識して練習していましたか?
「ちゃんと節制して体重を増えすぎないようにしようと思いました。いつも試合が終わると食い過ぎちゃって最高で88kgまで増えたことがあるんです」
――契約体重よりも20kgオーバーじゃないですか!
「はい。それが前回だったんです。そりゃ20kgも体重落として試合していたらスタミナ切れるよなっていう(苦笑)」
――今大会では元KRUSH王者・牧平選手と対戦することになりました。牧平選手のようなトップ選手と戦うことはイメージしていましたか?
「はい。自分もまだまだ下のレベルの選手ですけど、同じくらいのところにいる選手とやっても遠回りするだけだし、どうせやるなら上にいる選手とやりたいです」
――牧平選手のファイターとしての印象はいかがでしょう?
「ローキックがしつこいイメージですね。逆に僕がローキックを効かせてやろうと思います」
――KRUSHウェルター級では近藤魁成選手がプロ4戦目で木村"フィリップ"ミノル選手の持つベルトに挑戦しました。ああいった試合は刺激になりましたか?
「自分はデビューする前から『10戦10敗でもいいから強い選手とやりたい』と思っていたので、強い選手とやらないと意味がないと思っています」
――ではトップ選手が相手でも“全力をぶつけて頑張る”ではなく“勝つためにやる”という意識ですか?
「奇跡は起こさないといけないですし、僕が負けると思われている試合の方が燃えます」
――兄レオナ・ペタス選手が9月にKRUSHのベルトを巻きましたが、そこからも刺激を受けましたか?
「ベルトの力は偉大ですよね。僕もベルトを巻いて闘病中のお母さんにベルトを巻かせてあげたいです」
――2020年の目標はなんでしょうか?
「お兄ちゃんと2人で(K-1・KRUSH合わせて)ベルトを4本獲ること。今はお兄ちゃんがKRUSHのベルトを巻いているので、自分も負けないようにやりたいです」
――この試合に勝って次は木村選手の持つベルトに挑戦したいですか?
「正直、木村選手のベルトに挑戦したいですね。ウェルター級で木村選手と野杁選手がむちゃくちゃ強いので、その選手たちに勝って次のステップに行きたいです」