2026年9月12日(日本時間13日)米国フロリダ州マイアミのベロビーチにあるヒクソン・グレイシー道場にて、髙田延彦(64歳)がヒクソンから黒帯を授与された。
1997年の『PRIDE.1』と1998年の『PRIDE.4』で2度対戦したヒクソン・グレイシーの元を度々訪れ、指導を仰いできた髙田は、初対決から29年目にして、宿敵から師弟関係となったヒクソンから黒帯を受けたことになる。
現在66歳でパーキンソン病を発症しているヒクソンだが、柔術の指導に問題はなく、アラバンカ柔術アカデミーの山田重孝代表、エジソン籠原ASJJF/DUMAU代表とともに毎年、道場を訪れる髙田に、自身の柔術の動きを伝え、髙田は試合でそれを実践してきた。
24年の『SJJIFワールド』マスター7紫帯ヘビー級でワンマッチ優勝を果たしている髙田は、翌25年の同大会で年齢カテゴリーを下げたマスター56歳以上の茶帯ヘビー級に出場し、三つ巴戦でVクロスを極めるなど優勝。今年は、9月4日のマスター61歳以上の茶帯オープンクラスに出場し、深澤秀樹(ヒロブラジリアン柔術)をポイント7-0で下すと、決勝で那須育夫(TK Esperanza)にポイント8-0で勝利し、見事優勝。紫帯と茶帯で3連覇を成し遂げていた。
メダルを手にヒクソンのもとを訪れた髙田は、指導後にヒクソンから黒帯を授与された。
ヒクソンは「いままで高田延彦は選手をやりながらマーシャルアーティストとしてタレントとして多忙な生き方をして来て、そして私と戦ったが、それを乗り越え、いまは柔術一本に取り組んでる。私の元に通い学び、今は師弟関係になり大変誇らしく思う」とコメント。
髙田は「こうしてヒクソン先生に教わってることが現実とは思えない、また来年も再来年もレッスンを受けに来ますのでよろしくお願いします」と語り、その後、自身のSNSに感謝の気持ちを伝えた。
「本日、Mr.ヒクソングレイシー先生から黒帯を授与していただきました。これは私髙田の人生の一大事とも言える出来事です! まさかこんな日が来るなんて……。これが正直な気持ちです!『人間万事塞翁が馬』という諺がありますが、こんな私を気持ち良く受け入れてくれたヒクソン先生には魂を込めて感謝の想いを伝え送ります。私髙田、随分と歳は食っていますが、柔術界ではまだまだヒヨッコなので、黒帯の白帯のつもりで精進しながらも、楽しむ事も忘れず柔術という素晴らしい武道に取り組んでいきたいと考えています。
貴重なヒクソン先生との稽古は崇高で高い緊張感の中、唯一無二な時空であり、一期一会とも言える奇跡の瞬間の連続です。日本からは決して近い場所ではありませんが、これからも叶うモノなら一度でも多くヒクソン先生の教えを乞いたいと夢想しています。それでは、目の前の黒帯を眺めながら……失礼します。まずは報告まで。ヒクソン先生! Obrigado」──日本総合格闘技の歴史の転換の一つである、PRIDEでの戦いから29年、敗れた髙田は恩讐をこえて、ヒクソンの教えを受け、その黒帯を腰に巻いた。