平岡「文句があるなら、別に私は全然受けて立つ」

6月に予定されていた試合が山田の負傷欠場でスライドされ、地元・横浜で王座挑戦となった平岡は、このチャンスに何を思っているのか?
──6月に行われる予定だった山田真子選手とのタイトルマッチが延期になり、地元の横浜武道館での開催となりました。地元で挑戦できるという点についてはいかがですか?
「横浜は東京から近いので、正直、違いはそんなにないんですけど、やっぱり地元の横浜で試合ができるっていうのは、私的にはテンションが上がりますね。それがさらにベルトが懸かった試合というのは、すごく、縁を感じるというか、すごくうれしいです」
──KNOCK OUTには今回が初参戦ですが、以前にREBELSには出場していたんですね。
「はい、erica選手と対戦したんですが、その時は負けてしまって、苦い思い出がありますね。その分も、今回は勝ちたいです」
──今のKNOCK OUTにはどんなイメージがありますか?
「昔から、同門だった龍聖とかが出ていたので見てはいたんですけど、最近はすごく勢いに乗ってるなと思いますし、演出とかもすごくカッコいいので、『来てるな』と思っていました」
──出たいという気持ちもあったんですか?
「以前はずっとRISEのベルトを目指していたというのもあって、すごくいい団体だなとは思ってたんですけど、自分が出るというのは、そこまで意識はしてなかったですね」
──そのRISEで、昨年末のタイトルマッチに敗れた後、一度はやめるつもりでいたというお話がありました。そこからもう一度、KNOCK OUTでやろうと思ったのは、どういう経緯だったんですか?
「前の試合の時には、負けたらもうチャンスは来ないだろうなというのがすごくあったので、もう引退するしかないんだろうなみたいな気持ちでずっといたんです。12月に試合が終わって、2カ月間ぐらいは、練習したりとか体を動かしたりとかも全くしてなくて、格闘技に触れてなかったんです。グローブとかも見えないところに隠すぐらいで、もう格闘技のことは考えたくない、みたいになってしまっていて」
──そうなんですね。
「でも時間が経つにつれて、9歳の時からずっとやってきた格闘技が、『もう見たくもないもの』みたいになって終わってしまうのって、いいのかなと思って、すごく悩み始めたんです。せっかく自分が人生かけてやってきたものだから、最後は『やってきてよかったな』という思いで終わりたいという気持ちが、すごく強くなってきて。龍聖だったり松倉信太郎だったりとか、いろんな方にも相談とかさせてもらって、すごく背中を押してもらったんですね。それでもう1回やってみようかなと思った時に、今まではベルトを目指して、RISEにこだわってずっとやってきてたけど、そういうのを抜きにした時に、何がしたいかな、誰とやりたいかなって思ったら、1番最初に出てきたのが山田真子選手だったんです。山田選手と、すごくやってみたい、彼女とだったら思い切りのいい、楽しい試合ができるんじゃないかなと思って。これは本当に自分の直感なんですけど。で、山田選手がKNOCK OUTのチャンピオンだったので、KNOCK OUTに出てみたいなって思った時に、『だったらタイトルマッチでどうですか』というお話をいただいて、『もう1回頑張ろう』と思いました」
──なるほど。このタイミングで山田選手と交わるというのも、面白いですね。
「そうですね。私ももともとK-1 GROUPに出たりしてて、山田選手もいたんですけど、その時は交わることがなくて。だからここで交わるというのは、私も面白いなあと思います」
──改めてチャンピオンの山田選手は、どんな印象ですか?
「やっぱり勢いがあるなあと思いますね。パンチもすごくうまいですし、勢いよく振り回してきて、真っ向勝負をしてくれるイメージがあります。私も殴り合いは好きですし、そういう意味でも、山田選手とやりたいなって思ってたところもあるので。そこは楽しみな部分でもあるんですけど、パンチの打ち合いは山田選手の得意な部分でもあると思うので、そこはしっかり警戒しつつ。上回りたいなと思っています」
──では、パンチ主体でいきたい?
「いや、そんなにパンチにこだわるということではないんですけど、どういう場面になっても上回りたいと思ってます。やっぱりボクシングのチャンピオンだった選手なので、パンチの部分でも上回れたらいいなあとは思ってますけど。もちろん試合の流れで、蹴った方がいいと思えば蹴るし、パンチで打ち勝てるなと思ったら、パンチで打ち勝つのが一番理想ではあるかなとは思ってますね」
──最終的にはどう勝ちたいと思っていますか?
「やっぱりKNOCK OUTなので、KOで勝ちたいなと思いますね。私もずっとKOができてないし、やっぱり地元・横浜でしっかり倒してベルトを負けたら理想だなとは思います。相手も強い選手ですし、どうなるかは分からないですけど、KOを狙いつつ、やっぱり勝つことが一番大事だとは思うので、しっかりと勝ちを掴むような試合をして、盛り上げて勝ちたいなと思います」
──当初の予定だった6月大会のカード発表会見の時にも、「自分の挑戦にはいろんな声があると思う」と言っていましたよね。実際、前チャンピオンのKiho選手に勝った風羽選手は「次の挑戦者は自分だと思っていた」と言っていたりという反応もありましたが、実際に何か感じるところはありましたか?
「いえ、自分のところには思ったよりアンチみたいな意見は来なくて、『頑張ってほしい』というような応援の声の方が多かったですし、やっぱりこういうチャンスをいただけるというのは、前回負けはしましたけど、今まで自分が積み重ねてきたものの結果だと思っているので。私自身は、そんなに周りから悪く言われたりというのはなくて。風羽選手とかが『横入り』みたいに言ってるのも見ましたけど、風羽選手も、じゃあ並んでたのかって言ったら『並んでないじゃん、お前』っていうのが正直な感想ですね。Kiho選手は分かるんですよ。ずっとKNOCK OUTを引っ張ってきたと思うし。だからKiho選手に言われるのは分かるけど、でも負けたじゃん、っていうのも思いますし、だから並び直すのは当然だし。風羽選手はKiho選手に勝っただけで、じゃあすぐ次の挑戦者かって言われたら、別に実力も話題性もそこまで来てたわけでもないと思うので。『1回勝ったぐらいで調子に乗るなよ』とは思いましたけどね。
──そうですか。
「『それがあなたの実力です』っていうところだと思うので。いつかは彼女ともやることがあるかなと思いますし、文句があるなら、別に私は全然受けて立つ気でいます。全然、やっても勝てると思ってるので」
──特にBLACK女子アトム級は、それだけ選手が集まってきているので、勝ってチャンピオンになったら一気に包囲網みたいな感じになりますね。
「そうですね。でも、次にタイトルに近い選手って言ったら、やっぱり風羽選手なんですかね?」
──先日の大阪大会でも勝ちましたし、近いところにはいるかなとは思います。
「確かにそうですね。まあ私は、今回チャンピオンになったら、盛り上げるために誰の挑戦でも受けようとは思っています」
──今回はフリーとしての参戦ですが、今の練習環境はどんな感じなんですか?
「週に3回、越谷のノップさんのところに練習に行っていて、週に2回はNEXT LEVEL渋谷でグレイシャア亜紀さんの下でやっています。あと、家の近くに自主練できるような小さいスペースを借りていて、そこで週2回、TRY HARD GYMで一緒だった宮﨑若菜と一緒に自主練みたいな感じで、ミットを持ってもらったり、対策みたいなのをやっています。それと週1回はTRY HARD GYMにも行って、という感じでやってますね」
──以前の、ジムに所属していた頃よりもハードそうですね。
「そうかもしれないですね(笑)。でも今、何だか一周回って、格闘技が一番楽しくて。練習もすごく楽しいし、ハードにはなってるけど苦ではないですね。ただ、ノップさんとの練習場所が埼玉なので、往復5~6時間かかるんですよ。それだけが苦ですね(笑)」
──越谷のノップさんのところでの練習は、龍聖選手の紹介で?
「もともとノップさんには、TRY HARD GYMで教わっていましたからね。それでもう1回、現役復帰するとなった時に龍聖とと話したりとかもしていて、『ノップさんもセコンドにつけるよ』と言っていただいたので、ノップさんの練習をメインにして、もう1回初心に帰るというか、もう1回ノップさんの元でやってみたいなと思って始めた感じですね」
──その環境と言い、地元での試合と言い、勝たなきゃいけない要素は全部揃った感じなのでは?
「そうですね。『時は来た』って感じです」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「技とかそういうところじゃなくて、生き様というか、私が追い続けた夢の結末みたいなところに注目してほしいなという思いがすごくあって。ここまで何度もつまずいて、どん底まで落ちて、何度も諦めかけたんですけど、でもやっぱり諦めきれなくて、もう1回という気持ちで立ち上がっての今回の挑戦なので、そういう私のストーリーというか、私の夢の結末、そして生き様みたいなところに注目していただいて、見届けていただけたらすごくうれしいなと思います」
──結末でもありますが、チャンピオンになったらまた新たな始まりにもなるわけですし。
「そうですね。確かにチャンピオンになるまでの一つの区切りというか、その先にまた夢は続くとは思うんですけど。この9月で、プロになって11年になるんですよ。11年間ずっと、届きそうで届かなかったベルトをやっと巻く瞬間って、やっぱり一つの節目だと思いますし。そういうところを、一緒に感情を乗せて見ていただけたらうれしいなと思います」






