11月24日(日)神奈川・横浜アリーナで開催される「K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~よこはまつり~」の[K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ/3分3R・延長1R]で、王者シナ・カリミアンと挑戦者・愛鷹亮が対戦する。
王者カリミアンは、「前回の試合の時は、私は本当に精神的に良い状況ではなかったんだ。今回こそチャンピオンとしての強さを証明したい」と、今回はベルトを賭けた再戦でのリヴェンジを誓う。
対する挑戦者・愛鷹は、試合後に荒れたカリミアンの態度に「K-1のチャンピオンは強いだけじゃなくて優しかったり、潔さを持っていなくてはいけない」と苦言を呈し、「大阪では人生で2度とあるかないかの体験を味あわせてもらいました。それを横浜アリーナでもう1回体験できれば」と連勝での王座奪取を宣言した。
王者カリミアン「あの日は本当の自分ではなかった。愛鷹はたまたま私に勝っただけ」
──8月のK-1大阪大会では愛鷹亮選手にKO負けを喫しました。試合後はどう過ごされていたのですか?
カリミアン「試合が終わった直後から愛鷹にリマッチしたいという気持ちがあって、すぐにK-1に『タイトルマッチでもいいから愛鷹とリマッチを組んでほしい』と申し出た。東京に戻ってからは、すぐに試合のためのチームを準備して、愛鷹の分析を続けながら準備を続けていたよ」
――カリミアン選手にとって前回はどこが敗因だったのでしょうか?
カリミアン「言い訳はしたくないが、愛鷹はたまたま私に勝っただけだと思っている。私は異国の地で慣れない過酷な環境で試合に臨んだきたし、正直言って前回の試合は精神的に良い状態ではなかった。解説を務めていた魔裟斗に言わせれば、私はテクニックのコレクションの持ち主だが、あの日は私のテクニックの全てを見せることができなかった。本当の自分ではなかったと思う」
――先ほどのコメントにもあった通り、今回のリマッチはカリミアン選手がタイトルマッチとして行うことを希望したそうですね。
カリミアン「記者会見でも話した通り、私は今回のリベンジマッチを自ら希望した。前回の試合はタイトルマッチではなかったが、今回はベルトをかけるべきだと自分自身で希望したんだ。このまま終らせてしまったらチャンピオンと簡単に試合をできる選手が増えてしまうかもしれない。それを避けたいので自分でこのベルトを守りたいとタイトルマッチを希望したんだ」
──今回はタイトルマッチということで、前回以上に負けられないという気持ちはありますか?
カリミアン「私にとって試合はスーパーファイトでもタイトルマッチだとしても大切な試合であることに変わりはない。タイトルマッチだから特別に力が入るということもない。しかし前回の試合の時は、私は本当に精神的に良い状況ではなかったんだ。自分にはチャンピオンとして皆さんにちゃんとした試合を求められていると思っているから、タイトルマッチにしてスーパーファイトにしても全て同じ気持ちで試合には臨むようにしている」
──では愛鷹選手にリベンジして、チャンピオンらしい強さや姿を皆さんに見せたいと思っていますか?
カリミアン「もちろん。今回こそチャンピオンとしての強さを証明したいと思う」
──では横浜大会でカリミアン選手の試合を楽しみにしているファンの皆さんに向けてメッセージをいただけますか?
カリミアン「前回、大阪の会場まで足を運んでくださったことに本当に感謝したいと思っている。そして同じように横浜にも多くの人たちが足を運んでくれることを期待しているし、そして皆さんが喜ぶような試合をしたい。今回は私が100%勝つので、それを楽しみにしていてほしい」
挑戦者・愛鷹亮「8月の大阪で味わった快感を横浜アリーナでも感じたい」
──8月のK-1大阪大会の日本vs世界・5対5でシナ・カリミアンにKO勝利して、タイトルマッチでの再戦が決まりました。正式にオファーを受けた時の心境はいかがでしたか?
愛鷹「来たか! っていう感じですね。スーパーファイトでああいう形でKOで勝てたので、再戦するなら早い方がいいなと思っていたし、タイミング的には嬉しかったです」
──今回はカリミアンの希望でタイトルをかけての再戦となりましたが、こうなることは予想していましたか?
愛鷹「そうですね。前回は自分のことをナメていたと思うので、そういう相手に負けたのは相当悔しかったんだろうなと思います。試合後にもかなり荒れていましたし(苦笑)、あの感じを見た時にすぐタイトル戦が決まったらいいなと期待していました。こちらとしても願ってもないチャンスですね」
──3カ月という短い期間で再戦することも今までなかったと思うのですが、どんなことを意識して練習していこうと考えていますか?
愛鷹「自分の右が当たれば倒れるということが前回の試合で分かったので、そこは自信を持ってどんどん伸ばして行きたいなと。その一方で技数が少なかったので、もっと右を当てるための前提となる技を増やして、右を当てる確率と勝率を上げていきたいです」
──最終的に前回の対戦は愛鷹選手の3RKO勝ちになりましたが、1・2Rは苦戦したという感想もありますか?
愛鷹「そうですね。やっぱりリーチも全然違いましたし、大分攻め込まれてちょっと効いたパンチもありました。そこで耐え切れなかったら負けてたと思いますし、まだまだ課題は一杯あるので、試合までの残りの期間を全力で死ぬ気で練習して、必ずベルトを獲ります」
──愛鷹選手自身、KRESTに所属を変えてから2連続KOになります。自分自身の変化は感じていますか?
愛鷹「相当感じますね。日々の練習でミットも追い込みもそうですけど、仲間のみんなから熱量をすごくもらっています。自然に自分のモチベーションも上がって行きますし、以前より練習を楽しいと感じるようになって、本当に質の良いトレーニングができているのでベルトを獲る準備は出来ています」
──KRESTには武尊選手をはじめK-1のチャンピオンクラスの選手たちがずらりと並んでいますが「チャンピオンになる選手はこういう人間なんだ」と肌で感じていますか?
愛鷹「はい。やっぱりそういう選手たちはパッと見て練習でも華があるというか、自然に目につくんですよね。KRESTにはプロ選手が30人ぐらいいるんですけど、強い選手というのはその中でも良い意味で浮いて見えるので、そういう共通点はあるのかなって思います」
──愛鷹選手にとっては29歳で静岡から上京してKRESTに移籍して練習・生活環境を変えることは一大決心だったと思います。それだけの決断をした以上はチャンピオンにならなければいけないという想いはありますか?
愛鷹「逆にその気持ちしかないですね。静岡で色々築いてきたものをリセットじゃないですけど、住み慣れた土地から引っ越してKRESTに入るというのは、本当に大きな決断だったので」
──改めてK-1のベルトにはどんな想いを持っていますか?
愛鷹「K-1チャンピオンになることは小さい頃からの夢であり目標だったのですが、正直プロデビューした時は自分がそこまで登り詰めるとは思っていませんでした。僕は23歳でBigbangでデビューしたんですけど、ちょうど今のK-1がスタートする前の『これから盛り上がっていくぞ!』という時期で。そのタイミングで自分も結果を出せるようになって、本当に運が良いなと思います。自分は20代でK-1のベルト獲るという目標があるし、色んなことを考えると、ここで獲るのが男の仕事だと思います」
――対戦カード発表会見だけでなく、大会の一夜明け会見でもカリミアンの試合後の態度に対して苦言を呈していましたが、ずばり人間的にどうなのかと思うところもありますか?
愛鷹「K-1のチャンピオンは強いだけじゃなくて、何て言うんですかね……誠実じゃないですけど、優しかったり、相手に対してリスペクトしたり、そういう潔さを持っているのがチャンピオンだと思うんですよね。だからカリミアン選手のようにKO負けして暴れたり…ああいう行動をするチャンピオンは見たくないっすね。“K-1チャンピオン”は凄い肩書きだと思うので、それに見合った行動を取ってほしいです。もし自分がベルトを獲ったら、自分がその理想像になれるかどうかは分からないですが、そうなるように努力したいです」
──今回も重量級らしい一発KOといった派手な試合を見せたいですか?
愛鷹「やっぱりクルーザー級は重量級なので、他の階級よりも一発があって迫力がある。勝っても負けてもKO決着。まあ自分が勝つんですけど、KOで決めたいと思います。会場も一番盛り上げて行きたいです」
──大阪大会では本当に多くの歓声を浴びたと思いますし、あの快感をチャンピオンになってもう1回味わいたいですか?
愛鷹「はい。大阪ではあれだけ多くの観客に拍手してもらって、人生で2度とあるかないかの体験を味あわせてもらいました。それを横浜アリーナでもう1回体験できれば本当に嬉しいですね」