「どうなる? ヴァンvs 平良」試合はスタンドで始まる──
「打撃の王者と組みの挑戦者」の構図にはあるが、MMAの試合はスタンドから始まる。最初の注目は、それぞれの立ち合いにある。
ともにオーソドックス同士で、長距離で長いジャブ、右の真っすぐを持つ平良はスタンド技術の向上が目覚ましい。対するヴァンの打撃は強い圧力から距離が近く、打たれ強さもあるなかで相手の打ち終わりに当てるのも巧み。MMAのトータルでこなせて極めの強さを持つ平良が、さまざまなフェイイントとともに、ヴァンにいかにアプローチして、いい組み手で組めるか。
身長・リーチともに165cmというヴァンに対し、平良は身長170cm、リーチ178cm。そのリーチをスタンドから活かして戦うが、小さくて詰まっているヴァンのように身長差があるとテイクダウンが入り辛い部分もある。
鶴屋怜戦で外無双、一本背負いの変則投げにテイクダウンされたヴァンだが、打撃の崩しが無いタックルはほぼ防いでおり、UFCではテイクダウンディフェンスで81%を誇る。ゆえに、いかに平良がスタンドから作るかが、最初の注目で、今回はオーソ同士であることがポイントになってくる。
フィジカルも強い平良はケージを背にさせて組み伏せたいが、ヴァンはテイクダウンディフェンスに加え、テイクダウンからコントロールさせない上手さも持つ。相手の首相撲にはボディパンチで対抗するなど荒々しさも見せるなか、平良は得意の四つ組み、バック、おたつロックなど一つひとつ駒を進めて制圧する松根柔術が活きる。
そして、フルサイズのケージでの5Rの戦い。互いに足を使えるなかで、ともに5R戦の準備は経験済みながら、実際に5Rをブランドン・ロイヴァルと戦った平良に対し、ヴァンは最大3Rまでに試合を終えている。4R、5Rのチャンピオンシップラウンドの戦いは未知数だ。
平良は本誌のインタビューに「間違いなくロイヴァル戦の5Rというのは、僕の中で一番キツい試合だったっていうのがありますし、それを経験したからこそ、自分が今回5分5R、25分を戦うとしても、自分が全部プッシュするっていう気持ちがあります。5分5Rは、絶対ヴァンより僕の方が有利だと思ってるんで、長引けば長引くほど僕の経験が活きると思っています」と語る。
序盤の入り方が、その後のラウンドにも影響するチャンピオンシップは、いよいよ明日のブザーを待つのみとなった。
UFC世界フライ級タイトルマッチは、UFCの歴史上、初めてアジア人男性アスリート同士によるタイトルマッチであり、さらに、2000年代生まれ同士の王座戦としてもUFC史上初。平良が勝てば、日本人初のUFC世界王者誕生となる。
『UFC 328』は、アーリープレリムが日本時間5月10日(日)6時(予定)、プレリム8時、メインカードが10時開始予定。全試合がU-NEXTおよびUFC Fight Passにてライブ配信される。





