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インタビュー

【RIZIN】連続一本勝ちの摩嶋一整「僕は最終的に極めるので、見守ってください」×ギャラガー「普通はギロチンであそこから抜けられない…」=『RIZIN LANDMARK 13』

2026/04/14 22:04
 2026年4月12日(日)『RIZIN LANDMARK 13 in FUKUOKA』で組まれた『vs.世界』の国際戦。第4試合のフェザー級では“町工場のグラップラー”摩嶋一整(毛利道場)が、元Bellatorの柔術欧州王者ジェームズ・ギャラガー(アイルランド)と対戦。  初回からテイクダウンを奪った摩嶋に、ギャラガーは得意のギロチンチョークをカウンターで極めにいったが、それに対処していた摩嶋は「相手を疲れさせよう」と力を使わせたうえで頭を抜き、トップコントロール。  ギャラガーにスクランブルをさせずに押さえ込み、最後は、3Rに得意の肩固めでギャラガーを失神させての一本勝ちで11月の木村柊也戦に続く2連勝を飾った。  会社に脱いできたままの作業衣を入場時にはおり、地元に近いファンの前で勝ち名乗りを受けた摩嶋。対戦したギャラガーは「普通はあそこから抜けられないし、そういう経験はなかった。自分に何もさせなかったという点で、彼は特別な世界レベルの選手だと思う」と語った。 摩嶋一整「社長が来てるんで負けられなかったです」 ──試合を終えた率直な感想からお聞かせください。 「今回、山口からいっぱい応援来てたんで、とりあえず一本勝ちできて嬉しいです」 ──たくさん応援が来てたということですが、オープニングセレモニーの時の大歓声や、試合中に摩嶋コールが起きていましたが、聞こえていましたか? 「ちょっと試合中はさすがに分かんなかったですけど、終わってから一本勝ちを極めた後にすごい歓声が上がっていたので、それで気づいたぐらいです」 ──試合中は何度も何度も「摩嶋! 摩嶋!」と盛り上がっていました。すごい応援団だなと。 「ちょっとギロチンの攻房が長かったので、ちょっと不安にさせたかもしれないです(笑)」 ──対戦したギャラガー選手と実際に戦った印象を教えてください。 「もっとトップで制圧できると思ったんですけど、下から巧みにギロチンとか足関(節)とか仕掛けてきて、なかなか思い通りにできなかったのですが、最終的に得意な形に持っていけて良かったなと思います」 ──試合を終えたばかりですが、今後の展望・目標を教えてください。 「今日も色々課題は見つかったんで、またそれを潰していって、また強くなるだけです」 ──先ほど「ギロチンの攻防が長かったので心配させた」と。1回目と2回目で、2回目はクローズドの中だったかと思います。特に極まり具合は心配なかったですか。 「そうですね。もうあの形になるだろうなってのは想定していてズラしていたので、疲れさせようと思って首抜かなかったんですけど、それで結構消耗させれたかなって思います」 ──あの体勢に入った段階で、ズラすことをやっていたということですね。 「はい。1R目からもう疲れさせようと思ってギロチン急にパッて抜くんじゃなくて、力を使わせてましたね」 ──何度かマウントからハーフに戻っていたのは、ハーフになっても構わないということでしたか。 「そうですね。僕的にはハーフの方が落ち着けるというか、安定してるんで。ハーフなら全然構わないと思ってました」 ──今回パスガード、あるいは肩固めの体勢になった瞬間に歓声が湧いてたことはどう感じてましたか? 「得意な形なんで、もうあの形になったら極められるなって思ってました」 ──試合を進めるなかで「危ないな」と思ったシーンはありましたか? 「いや、危ないなってのは特にはなかったですね」 ──SNSでファンの反応を見ても「ギャラガー選手がどれだけ強いのか分からないくらい、摩嶋選手が圧倒していた」と言う声もありまして……。 「本当ですか?」 ──Bellatorの中でもトップにいたギャラガーの強さを、肌を合わせて感じることはありましたか? 「そうですね。僕的にはもっとトップ(ポジション)で圧倒したかったんですけど、やっぱりその辺は柔術が強いというか、下からが巧みだったというか。僕が思ってる以上には上手くやらせてくれなかったですね」 ──寝技の展開も多い試合でした。RIZINに限らず寝技の展開が膠着して見えたりすると観客からブーイングが起きたり、動きを求める声もありますが、今回の摩嶋選手の試合に関しては、みんながこう息を飲んで見守っているようでした。そういう試合ができることに、ご自身は誇りを感じるだとかはありますか? 「そうですね、僕は最終的に極めるので、見守ってください(笑)」 ──多少動きがなくても、黙って見とけ、ということでしょうか。 「そうですね」 ──入場時は作業衣姿でした。あれは普段から使ってるものですか? 「あれは、今回、毛利さん(毛利道場代表)の案で持って行こうとなって、会社休んでロッカーの前に脱ぎ捨てて帰ってたんですけど、それがいることになったので後輩に『ちょっとRIZINで使うことになったから』と言って持ってきてもらって、急遽、着たて脱ぎたてのやつを持っていきました。洗ってないです(笑)」 ──かっこよかったです。代名詞にしてほしいです。 「ありがとうございます。次もじゃあ、着ます」 ──今日終わって明日は仕事ですか? 「明日はさすがに休ませてもらって。今日、社長が来てるんで負けられなかったですね」 ──でも、火曜日からはもう仕事ですか。 「いや火曜まで休ませてもらってます。子供と遊びます、福岡」 ──また仕事と練習とあるなか、7月(18日)に広島グリーンアリーナ大会が発表されて、山口からは近いですが、どうですか? 「僕の会社ちょっと5、6月が1年で一番忙しくて、調整できないかもしれないです」 ──そこを仕掛けてくるのが榊原さんじゃないですか? 「ちょっと……考えます」 ──RIZIN初参戦から6年かけて戦績が5勝5敗のイーブンに今日なりました。ご自身は知っていましたか。 「知っていました」 ──そこはちょっと意識してました。 「ちょっと前になんか気づきました自分で。あ、これで0-0になったなと」 ──次からもう勝ち越しで。 「スタートに着きました、今ようやく」 ──現役を「金原正徳選手ぐらいやりたい」とのことで、彼は42歳で引退されています。あと何年くらいでしょうか? 「34歳なので、6、7……8年くらいですか? 8年続ける目標で行きたいです。40歳ぐらいでタイトルマッチまで金原さんは行かれてたんで、その歳くらいでトップに行けるのはすごいなと思って。自分も肌合わせて、試合して強さ知っているんで。最近は練習もさせてもらって、今は本当に憧れですね。改めて強さを知りました、はい」 [nextpage] ジェームズ・ギャラガー「スペースを作ろうとした時も、彼はそれを詰めるのが非常に上手くて何もさせてくれなかった」 ──試合を終えた率直な感想をお聞かせいただけますか。 「いまは非常に心苦しいというか、絶望しているというという感じなんですけど。自分は人生をMMAに捧げていますので、MMA以外にほとんど何もないくらいの状況なので、毎日この競技のために身を捧げて生きています。食べることも、息することも、眠ることもすべてです。なので、試合して勝てずに終わることは本当に胸が張り裂ける思いです。とはいえ、やっぱりこれまで簡単に手に入ったものは一つもないし、今日のこの負けもまた、人生簡単ではないというような教訓として捉えているので、自分が成長しなければいけないことで、このまま突き進むしかないかなと考えています。今の状態の自分が、目標に向かって、つまりこのレベル、この世界の舞台、トップ団体で戦うために必要なレベルに足りていなかったので、それだけの実力を身につけて、そこへ到達しなければいけません」 ──対戦相手の摩嶋選手と実際に戦った印象を教えてください。 「本当にいい選手だと思います。とても力が強かったです。その打撃であるとか、一つひとつのことにはそんなに感じなかったけれども、グラップリングに関しては飛び抜けて強かった。自分は下の状態になったとき、緊急感というようなものが足りなかったことと、スペースを作ろうとした時も、彼はそれを詰めるのが非常に上手くて何もさせてくれず、攻防で秀でた技術があったと思います。自分がチョークを極めにいった時もかなり深く入っていたし、自分は世界トップレベルのグラップラーと肌を合わせてきてグラップリングに自信がありますが、普通はあそこから抜けられないし、そういう経験がありませんでした。それでも彼は根性と技術で抜け出しました。逆に自分が極められた時は抜けられなかった。それがこの試合であり、現実を受け止めています」 ──初参戦のRIZINの雰囲気や舞台はいかがでしたか。 「言葉では言い表せないほど素晴らしいです。本当に全てにおいて会場のセット、演出、ショー全体の運営の仕方や見せ方、リングアナウンサー、入場からケージに至るまで、すべてが最高でした。世界中の数々の団体の大きな大会で戦ってきましたが、全くもう比べ物にならないぐらいここまでのものは見たことがありません。とても高い期待値を持って来日しましたが、その予想をはるかに超えているくらい素晴らしいものでした。逆に、だからこそ勝てなかったのは痛いです。本当にファンからスタッフから本当に唯一無の存在だと思っていてそういう方々と一緒にやれることや、日本のファンの前で戦えたことも特別で光栄ですのでもう一回やり直して、また必ず戻っていきたいと思います」 ──試合の中でご自身の強さを発揮できた部分はどういうところですか。 「チョークの場面では自分の強みを見せられたと思います。それを強みであるとか、全体としてどこで強さを出せたかは言いにくいです。むしろ今日どこで間違えたかは分かっていて、下になった時、自分がいかに不利かという部分を把握するような、そういう緊急性が足りなかったこと、フレームを作ってスペース、空間を作り、攻撃的、オフェンシブなグラップリングに繋げるべきだったのに、それができずに下にいるまま相手の有利なポジションを受け入れてしまったことです。もっとスタンドでもアグレッシブにいくべきでした。まあ、こういうことも起こるものですよね」 ──初戦は負けてしまいましたが、日本のファンというのは、そこから立ち上がる姿でより応援したくなる気持ちが大きいので、ここからまた勝ち上がっていく姿を日本のファンに見せたいという思いは持っていますか? 「もちろんそう思っています。自分の人生でこれまで何も楽をして簡単に手に入れてきたことはなく、すべて努力で掴んできました。どんなに押し戻されても倒されても必ず立ち上がります。この地球上、この世界に自分を押さえつけ続けられるものなんて、自分が負けたままでいられるようなものは何ひとつないと思っています。実のところさっきまで、30分前くらいはそう思えなかったけど、今は一回振り返ってみて、冷静に考えたら間違いなく“またやるしかない”と思っています。ファイティングスピリットはあざだらけですが壊れていないので、また頑張ります。それに加えて、次に日本のファンに対して、どれだけ打ちのめされて心が折れても諦めずに立ち上がり、また上を目指す姿勢を見せたいです。それを見せるのが楽しみです」 ──敗北後に申し訳ない質問かもしれませんが、RIZINとPFLとでクロスプロモーション的なことが始まっているなか、これまでギャラガー選手が戦ってきたPFLやBellatorの選手と比べて今日の対戦相手の摩嶋選手が、PFLなどの舞台でどれくらい通用すると思いますか? 「世界レベルの選手だと思いますから、今日自分にやったようなことはおそらくできるんじゃないかと思いますし、自分もトップレレベルの選手だと思ってますので、その自分に何もさせなかったという点で全然通用すると思いますし、本当に答え方が難しいけれど、自分のグラップリングは特別なものだという自負がありますので、その自分に何もさせてくれなかったっていう部分で、彼は特別な世界レベルの選手だと思います」
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