2026年4月11日(日本時間12日)、米国フロリダ州マイアミのカサヤセンターで開催される『UFC 327』(U-NEXT/UFC Fight Pass配信)で「UFC世界フライ級選手権試合」(5分5R)として王者ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)に、挑戦する同級3位の平良達郎(THE BLACKBELT JAPAN)が26日、メディアの囲みインタビューに答えた。
2月に沖縄で、3月からデンバーでファイトキャンプ中の平良は、ZOOMで「UFCに来るときから『UFCに来る』のが目標じゃなくて、『ベルトを獲る』のが目標だったんで、僕と、僕のチームが最強っていうことを証明するための戦い」と、日本人初のUFC世界王座獲得に意気込みを語った。
平良との一問一答は以下の通りだ。
ヴァンは前に出るプレッシャーではフライ級で一番。何度もシミュレーションしている
──日本時間の4月12日、日曜日に開催される『UFC 327』でUFC世界フライ級王者のジョシュア・ヴァンに挑戦することになりました、平良達郎選手にお伺いします。まずは、今回フライ級タイトルマッチが決まった瞬間のお気持ちを教えてください。
「今回、タイトルマッチのオファーをもらった時は、沖縄にいる2月にもらって。本当自分の夢のオファーをもらえたんで、本当不思議な気持ちで。その日は一日中、本当フワフワしていて。ずっと夢の中にいるような気持ちでした」
──タイトルマッチに挑む。今回の試合は、平良選手にとってどんな意味を持つ一戦になりますか?
「そうですね。本当、僕の夢でもありますし。チームでずっと抱えている目標──UFCに来るときから。『UFCに来る』のが目標じゃなくて、『ベルトを獲る』のが目標だったんで。僕と、僕のチームが最強っていうことを証明するための戦いかなって思ってます」
──2月に沖縄で、そして3月にはデンバーでファイトキャンプを張られていますが、実際に試合が決まってから今日までファイトキャンプをどのように過ごされてきましたか?
「このタイトルマッチが決まって、やっぱチャンピオンがジョシュア・ヴァンということもあって。彼の対策を中心に。沖縄では藤田大和選手(※アマチュアボクシング5冠。3.30『Lemino修斗.4』参戦)。ボクシング部分で元ストライカー選手を沖縄に呼んで、あの沖縄のケージでスパーリングもしましたし、沖縄でやれることをやりきって、試合の6週間前にデンバーに移って、ここでも引き続き、ジョシュア・ヴァン対策っていうのを、岡田(遼)さん、松根(良太・TBJ沖縄代表)さん、僕のチームも帯同してくれて一緒に、デンバーでも本当に毎日濃ゆい練習ができてます」
──今のご自身は現段階で、どのぐらい完成された状態にあると感じてますか?
「そうですね。自分自身の完成度っていうか。もっともっと、どんどんどんどん強くなっていきますけど、本当このタイトルマッチに向けてっていう意味では本当にもう本当90%ぐらい仕上がってて、あと最後、もう3週間切ってるので。本当に怪我に気をつけて、最後まできちんと丁寧に仕上げれば100%。今まで一番強い自分が4月12日に見せられるかなって思います」
──対戦相手のジョシュア・ヴァンに対して、どの部分が最も危険だと思いますか?
「ジョシュア・ヴァンのボクシングのスキルだったり、やっぱりタフネスっていうのは、ジョシュア・ヴァンの強みだなと思っていて。前に出るプレッシャーではフライ級で一番の選手。それでチャンピオンになってるんですけど、まあ本当、そういったことを想定して、何度もシミュレーションをしています」
──そのシミュレーションを重ねた上で、ご自身の強みは? どこに勝機があると考えていますか。
「自分のMMAっていうのはもう本当、誰にでも対応できるというか。それがオールラウンダーの強みだと思ってるんで。僕が本当に理想としているMMAは、苦手なスタイルの選手がいない。そういったものを想定してるんで、今回のジョシュア・ヴァンに対してもそうですし、もし(前王者アレシャンドレ) パントージャと戦うってなってもそうですし。僕の、自分のMMAをやれば負けないって思ってます。必ず勝つって思ってます」
──試合が近づく中で、普段と変わらないこと、逆に変わることっていうのは何か今回に向けてありますか。
「試合が近づくにつれて、本当にこれがタイトルマッチ、ファイトキャンプかみたいな。その思うこともあったり。これで勝ったらベルトだとか思うこともあるんですけど、意外とその……何て言うんですかね。本当、その日その日が精一杯で、今までのファイトキャンプとすごく変わるかといったら、あんまり変わらないような感じで。まあ本当、ジョシュア・ヴァンをどう倒そうかっていうのをイメージする毎日で。意外といつも通りって感じです」
──UFCをあまり知らない方に向けて、「今回の試合でここを見てほしい」というポイントはありますか。
「そうですね。日本人代表として世界で戦ってるって、今は胸を張って言えるんで、そういう人がいるってことを知ってもらいたいですし。日本人として今までの戦いもすべてですけど、世界のトップに立つ姿っていうのを見てほしいですね」
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フィジカルトレーニングで12月よりもさらに速く、強くなっている
──前回の試合で非常にパワフルさが増したという印象があったのですが、ご自身としてもこれまでずっと戦ってきた中で、やっぱりここ最近は自分のフィジカルが向上しているという自信があるのでしょうか。どういった取り組みをしてきたのかを教えてください。
「去年は2試合やったんですけど、そのフィジカルっていう面では本当。2025年に1年かけても今までやってこなかったフィジカルトレーニングっていうのを2025年から取り入れて、みっちり1年やってきたので、それが本当、8月、 12月の試合ですごく出たかなって思ってます。GSパフォーマンスの加賀(洋平)さんに出会って、そこでトレーニングしているうちに、フライ級でまだまだ身体が作れるっていうのを実感して、練習中でも自分の身体が強くなっていると実感しました。試合では見た目もそうですけど、なおさら自分のフィジカルっていうのは本当、すごい変わったなって感じました。去年の1年で一番変わったのはフィジカルかなって思うぐらい変化しましたね」
──ヴァン選手は非常に勢いのある選手ですが、今回の試合においてもそこが生きるのかなという感じでしょうか。
「本当にパワーもそうですけど、スピードトレーニングもいっぱいやっていて、そういった面での不安はないですし、12月よりもさらに速く、さらに強くなってるんで、今回のジョシュア・ヴァンに対してもすごいアドバンテージになるんじゃないかなと思ってます」
5分5Rはヴァンより僕の方が絶対有利。長引けば長引くほど経験が活きる
──24年10月に平良選手にとって、初の黒星となる試合をブランドン・ロイヴァルと戦いました。あそこで5Rをロイヴァルと戦い切った経験はどのような気づきとして今回活きていますか。
「本当、間違いなくロイヴァル戦の5Rというのは、僕の中で一番キツい試合だったっていうのがありますし、本当コーチにもすごい言われていて、それは。それを経験したからこそ、自分が今回5分5R、25分を戦うとしても、自分が全部プッシュするっていう気持ちがありますし、そのために練習でも自分自身を本当にプッシュできてるっていうのがあって、5分5Rっていう意味では、僕の方に──僕も嬉しいですし、絶対ヴァンより僕の方が有利だと思ってるんで、長引けば長引くほど経験はあると思ってるんで楽しみです」
──平良選手のように長身オーソドックスのエドガー・チャイレスやフィリップ・ブネス、あるいは近年のヴァンの唯一の黒星のチャールズ・ジョンソン戦など、どの試合をよくご覧になりましたか。
「チャイレス戦とかは、やっぱり僕も戦ったことのある選手ですし、体形も似ているのでよく参考にして見ていて、でもヴァンもショートノーティスでの試合も多いんで、100%信じないように見ています。チャールズ戦、ロイヴァル戦、ブルーノ・シウバ戦っていうのはよく見てます」
──ジョシュア・ヴァンの試合をこれまでもチェックし、今回の試合決定であらためて確認もしたかと思います。その中で、以前とは異なる印象を得たことがあれば教えてください。
「いっぱい気づきはあって、もちろんヴァンの得意な攻撃だったり、得意な展開っていうのを頭に入れて、あとはでも、本当気持ちで戦うというか。ヴァンの印象とかはそんな変わらないんですけど、ヴァンの強みを理解しましたし、ヴァンのボクシングスキル以外の強みとかもすごい頭に入ってるんで、それをかい潜って自分の展開に持っていくっていうのを想像しながらずっと見てます」
──これまで沖縄でもTBJに加え、ボクシングジムなど、沖縄で培ってきた技術の結晶がこのタイトル戦で見られることになりますか。
「そうですね。沖縄で自分のジムもそうですけど、琉豊ボクシングジムでもボクシングを磨いたりしていて、アメリカのデンバーに来てもこちらのMMAのスパーリング動画を送ったりして、ボクシング面で與那城(信一)会長のアドバイスをもらったりしていて、本当、僕きっかけで、会長もUFCを毎週見るようになっちゃって。それが僕も嬉しくて。そこで対策もしてるんで、本当ジョシュア・ヴァンはボクシングがすごく上手ですけど、全く問題ないかなっていう風には思ってます」
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2000年代生まれ同士、一度組まれた試合──運命的なものも感じる
──UFCでは初めて2000年代生まれの若い2人によるタイトルマッチになります。史上初という歴史が刻まれますが、そのことに関してはどのように捉えていますか?
「2000年代生まれの2人の初めてのタイトルマッチということで。僕としても、自分より若い選手と戦うのは、UFCに来て初めてなので(平良は26歳、ヴァンは24歳)。そういう選手が僕より上の立場にいるっていうのが、ちょっと不思議な感覚ですし、それだけジョシュア・ヴァンに勢いがあって、チャンピオンになるまでの姿を見てきたので、歳が近いこともあって少し、まあライバルじゃないですけど、そういうライバル意識を持った選手との試合になるかな? って」
──ジョシュア・ヴァンとは24年6月に一度対戦が決まったと思いますが、結果流れて、また彼がこういったタイトル戦線まで勝ち上がってくるっていうことは予想してたでしょうか。そういった彼とこのUFCのベルトを争うことに対して、何か特別な思いはありますか。
「過去に試合が組まれたっていうのもあって、ジョシュア・ヴァンの試合を全部見ていて、なんか上に行きそうな雰囲気があるなっていう風には前々から思っていて。でも本当、こんなトントントンってチャンピオンになっちゃうとは、そこは相当超えてきたなっては思ってます。そしてやっぱり僕が負けたロイヴァルにあのジョシュア・ヴァンが勝ってタイトル挑戦権を得たっていう、その過程がすごいジョシュア・ヴァンに対して、何て言うか、悔しいなあってすごい思ったのを覚えていて。ほかの人の試合でこんなに感情が動いたのはちょっと初めてで。そんな選手と戦うっていうのは、1回組まれたこともあって、すごい運命的なものも、今回のタイトルマッチで感じています」
僕の夢、みんなの夢をつかみにいく
【写真】平良達郎インタビュー掲載の『ゴング格闘技』No.342。
──ところでWBCの日本の試合を現地で観戦されて、プレイボールのコールをされていたと思いますが、元野球選手の平良選手として何か感じるものがあれば教えてください。
「サムライジャパンと同じフィールドに立てたことっていうのはすごい光栄でしたし、僕自身も野球少年だったこともあって夢みたいな感覚で。本当、守備につく一人ひとりの選手の重みとか、もちろんスタジアムも日本からめちゃくちゃたくさんの人が見てるなか、一つの打席の重みだったり、エラーしちゃいけないっていう緊張感だったりとか。背負ってるものの大きさっていうのはやっぱり感じましたね。だから、4月12日は自分も日本を背負って頑張ろうってあの時思いました」
──平良選手自身は、今回のタイトルマッチでも「我を失わない」自信はありますか?
「そうですね。全然、はい、あります。結局オクタゴンの方に入っちゃえば、ずっといつもと同じだと思うんで、セコンド陣、コーナーについてくれる人も一緒ですし、オファーをもらった瞬間から“タイトルマッチのファイトキャンプってどんな気持ちで過ごすんだろう?”って思ってましたけど、すごく平常心でいつもの試合前と変わらなくて。試合当日もいつも通り倒そうかなと思ってます」
──修斗からUFCに参戦して8勝1敗でタイトルマッチまで辿り着きました。最高峰の舞台でもパフォーマンスを落とさず勝利を積み重ねている一番の要因はどういった部分だと考えていますか。
「UFCっていう道を選んで入ってきて、連勝はしていたけど、自分が思っていたほど甘くなかったなって思うことばっかりで。常にいい新しい選手が出てきますし、すごいハイライトを残す選手とか、強い選手が入ってきたなあっていう、そういう危機感が自分も精進しないと置いてかれるっていう気持ちがずっとあるので、もっと毎年、毎試合、すごく自分が成長しているっていうのは感じてます」
──もしUFC王者になった場合、日本人として歴史的な瞬間になると思います。平良選手にとって、UFC王者になるということは、どんな意味を持つものになりますか。
「今はジョシュア・ヴァンに勝つってことをすごく意識してますけど、本当、UFCチャンピオンが世界で一番強いチャンピオンで、世界一で一番かっこいいチャンピオンだと思ってるんで。それが僕の夢であって、松根さんだったり、みんな夢、想いでもあるんで、夢をつかみにいくという気持ちです」
──平良手の地元・沖縄からもとても大きな応援であったり、期待があるかと思います。地元沖縄のファンに向けて意気込み、メッセージをお願いします。
「本当、沖縄でずっと『沖縄から世界へ』っていうことを目標にずっとやってきたので、修斗のチャンピオンになった時もそうですけど、沖縄から世界へ、世界チャンピオンがUFCのベルトだと思ってるんで、それを4月12日に見ていただけると嬉しいです。日本から、沖縄からもぜひ応援よろしくお願いします」