2019年11月17日(日)岡山・岡山市総合文化体育館メインアリーナ『JAPAN KICKBOXING INNOVATION 認定 第6回岡山ジム主催興行』に出場する、KOSスーパーライト級王者NOBU BRAVELY(BRAVELY GYM)のインタビューが主催者を通じて届いた。
エントリーした「岡山ZAIMAX MUAYTHAI 65kg賞金トーナメント」は、8選手によるワンデートーナメントで準々決勝戦から決勝戦までの3試合すべてがヒジ打ちあり、首相撲無制限、延長1R(マスト判定)のZAIMAX MUAYTHAIトーナメントルールを採用。ファイトマネーとは別に優勝賞金50万円、準優勝10万円、KO賞3万円が贈呈される。
NOBUは九州で大型イベントを主催するなど気を吐くBRAVELY GYMの看板王者で、攻防バランスの良いムエタイスタイルの本格派。2018年2月25日の地元興行メインで、タイ人選手を1R91秒、縦ヒジ打ちでKOしてベルトを巻いた。
■アウトサイダーの有名選手に勝ったことが本気で取り組むきっかけに
――トーナメントが間近となりました。この過酷なヒジ打ちありのワンデートーナメント、錚々たるチャンピオンたちが集結しております。NOBU BRAVELY選手は、岡山興行シリーズ初参戦で、大分県におられるだけに情報も少ないので、生い立ちからお聞かせください。
「大分県別府市で生まれ育ちました。父がバドミントン選手で指導者でもあり、子供の頃からバドミントン漬けで、高校も大学もスポーツ推薦だっただけに、十代はバドミントン一色の青春でした」
――代表的な成績は?
「高校時代に福岡県と九州地区で優勝して、冬の全国選抜でベスト8に入りました」
――将来のオリンピックも夢じゃない路線だったのでは。
「そこを目指して大学に行ったんですけど、3年で中退してしまって。自分も若かったので、バドミントンに飽きて遊びたかったってくらいの理由です」
――キックボクシングとの出会いは?
「キックの前にボクシングをやっていました。大分のボクシングジムに友人から誘われて」
――格闘技がお好きだった?
「プロレスはかなりですね。ジャンボ鶴田のファンでした。アントニオ猪木の引退カウントダウンで福岡ドームにグレート・ムタ戦を見に行ったりしました。ですが、ボクシングは、プロを目指すってほどではなくって、2年くらいダラダラっと通ってプロテストには合格しました」
――そのままプロボクサーに?
「あくまで趣味の範疇なので、そこまでの気持ちはなかったです。ただ、その頃、親友の伴政和会長がムエタイジム(BRAVELY GYM)を出したので、『格闘技経験者にいてもらったら助かる』と声をかけてもらったのが始まりです」
――伴会長とは、昔から知り合い?
「幼稚園からの同級生で幼馴染です。そんな訳でキックは26歳くらいからの遅めでした」
――キックでは試合を?
「元々スポーツをやりこんでいただけに、始めるとそれなりの練習量をこなしてしまって、気づけばアマチュア大会に出てプロになっていました(笑)」
――それがチャンピオンベルトを巻くに至るまでとなるのは?
「九州の地方で小さな興行で選手だったわけですが、ある時、THE OUTSIDERで有名だった加藤友弥選手とM-1のディファ有明興行(2014年3月30日)でランキング戦を組んでいただいて勝つことができたんですね。そこから本気で取り組むようになって、すると9連勝でWPMF日本スーパーライト級タイトルに挑戦させていただきました。2016年1月24日、初めての地元主催興行『第1回KODO-魂動-』のメインで、チャンピオンは不可思選手でした」
――後のKNOCK OUT王者、不可思戦、結果は?
「ローキックで5R、レフェリーストップのTKO負けでした。そこからですね。引くに引けなくなって、全力で取り組むようになり、2017年11月26日、M-1のディファ有明興行で平井道場の加藤真也選手との王座決定戦を3ラウンドTKO勝ちでWPMF日本王座を獲ることができました」
「昨年末(12月9日)、BOM横浜興行のガオナー・PKセンチャイムエタイジム戦です」
――ガオナーは、ルンピニースタジアムの二階級制覇王者、現役バリバリ、ムエタイのトップ中のトップです。
「モノが違いましたね。1R終了間際に肘で斬られてTKO負けでした。しかし、本物の一流に触れられたことは勉強になりました」
――ここ最近は、タイでの活躍が目立ちます。
「もう2年くらいタイ人としか試合をしていません。今ではMAX MUAYTHAIのテレビマッチが中心です」
――「ムエタイ版K-1」とも言われる3R(通常のムエタイは5R)の激しいムエタイを売りにしたプロモーションですね。
「現在、ここが主戦場になっています。5試合で、5人のMAXムエタイ王者とやって、2つはKO勝ちしましたが、3つは負けてしまって。当面、ここのチャンピオンになることが目標です」
――そんな中、ZAIMAXトーナメント出場が決まり、1回戦の相手は“クレイジーピエロ”山口裕人選手となりました。
「相手は誰でもいいです。とにかく、まずは最初の1試合を勝たねば。ですので、ワンマッチのつもりでこの試合に全力で当たります」
――山口選手の印象は?
「正直、あのパンチはもらう気がしません」
――木村“フィリップ”ミノル選手など数々の強豪を沈めてきた強烈な拳です。
「外から入ってくるああいったパンチは自分には当たりません。当たったとしても打たれ強さには自信があります。これまでパンチでダウンしたことは1回しかありません。クンルンファイトで中国遠征した時、中国人選手に不意のカウンターを喰らってしまったそれだけです。不可思選手との試合は、ローキックをもらいすぎてTKO負けですが、それも倒れることはありませんでした」
――プロボクシングライセンスを持たれているボクサー出身だとは初耳でしたが、タイ風のリングネームやタイを主戦場にされていることから「NOBU選手はムエタイスタイル」との憶測強く、山口選手も対ムエタイとしてヒジ打ちや首相撲に警戒されているような気がします。
「実は首相撲、苦手なんですよ(笑)」
――準決勝戦の相手は、小川翔vsジン・シジュン、どちらが上がってくると思われますか?
「断言はできませんけど、今回のメンバーで一番やりにくいのは小川選手です。バランスが良く穴が少ない感じで」
――では、決勝戦は?
「1番やりたいのは、タップロン選手。昔からの希望でした。ムエタイを熟知しているので、最も難敵ではあるでしょうけれど」
――自分を除く7名の選手と対戦経験は?
「それがないんです。誰と当たろうと出たとこ勝負。なるべく怪我のない良い状態で決勝戦を迎えたいところです」
――優勝の自信は?
「もちろんあります!」
――大きなタイトルを手に入れて、その後の展望は?
「まずはMAX MUAYTHAI。そのスケジュールの合間に良いオファーをいただければなんでも」
――ムエタイならばどこにでも?
「以前、意外とRISEにも出たことがあるんですよ。どんなルールでもタイミングが合えば、どこででも戦います。それが自分のムエタイですから」
取材・文:JAPAN KICKBOXING INNOVATION広報部