キックボクシング
インタビュー

【イノベーション】再起する最強女王・小林愛三が本当に欲しい“強さ”とは

2019/11/13 10:11
2019年11月17日(日)岡山・岡山市総合文化体育館メインアリーナ『JAPAN KICKBOXING INNOVATION 認定 第6回岡山ジム主催興行』に出場する、初代ムエタイオープン女子フライ級王者・小林愛三(NEXTLEVEL渋谷ジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。  小林はWPMF世界女子フライ級王者タナンチャノック・ゲーオサムリット(タイ)のタイトルに挑戦する。2分5R。 わずか6戦目でMuayThaiOpen女子フライ級王座をKO勝ちで獲得した小林。近年は『KNOCK OUT』女子部門のエースとして活躍。田嶋はるをはじめ世界三冠王・伊藤紗弥、Girls S-cup2017世界王者イリアーナ・ヴァレンティーノなど国内外の強豪選手を下している。しかし、7月のRISE初参戦で計量オーバーのため失格となり、今回が再起戦。 ■積み上げてきたことを貫けば、倒す機会が巡ってくると信じます ――KNOCK OUTの女子エースとして活躍してきた小林選手が久しぶりのリング、しかも世界タイトル挑戦という大舞台です。 「今年4月のイリアーナ・ヴァレンティーノ戦以来だから約7か月振りの復帰戦で、こんな私に最高のオファーをいただき感謝しかありません」 ――「こんな私」とは? 「今年7月5日、RISEさんでいただいたミニフライ級(49kg以下)王座決定トーナメントのチャンスを計量オーバーという、あってはならない大失態で壊してしまったことです」 ――生真面目な印象が強い小林選手の失格には驚きましたが、一体何が? 「すべて言い訳になってしまうので、ただただ私が悪かった、それだけです。選手として、人として、対戦相手や興行主催者の方々、成田会長(NEXTLEVEL渋谷ジム代表、成田保裕)と牧さん(同ジム会長、牧裕三)、いつも応援いただいている方々をはじめ多くの人を裏切ってしまい、改めて本当に申し訳ございません」 ――ヴィジュアルファイターとしても注目される小林選手が髪を切り落とし、寡黙に鍛錬を重ねてきた様子から、謝罪の気持ちは十二分に伝わってきます。 「それにもかかわらず近くから応援し続けてきてくれた人たちに『変わった自分』を見て安心していただくことが一番の恩返しと心得ていますが、それは口で言うでも、動きを見てもらうでもなく、感じて解っていただくことだと思いますので、次の試合でそれを命懸けで表現します!」 ――その思いの丈をぶつける世界王者、タナンチャノック・ゲーオサムリットは、相当の強豪です。 「はい、メチャメチャ強いです」 ――詳しく解説してください。 「自分の距離を保って相手の動きを殺すことに長けています。右ミドルキックは強烈で、あらゆる攻撃に合わせることができるでしょう。“強い”かつ“やりにくさ”を感じます」 ――そんなチャンピオンとどう戦い、勝ちますか? 「相手以上に自分の距離をキープすること。自分にはタナンチャノックほどの技術はないですけれど、これまでコツコツと積み上げてきたことを貫けば、倒す機会が巡ってくると信じます」 ――その倒す武器は? 「右の蹴りが得意ですが、今回は特に近距離のパンチに力を入れて練習しています」 ――近距離の攻撃といえば、2018年12月9日のKNOCK OUT、“ムエタイ世界最強女王” 伊藤紗弥戦で、互角の攻防の中、突如として最終回の第5Rで見せた振り下ろしの斧のようなヒジ打ち連打は圧巻でした。 「アレを出したことも覚えていなくて、後でVTRを見てビックリしました」 ――密かに練習してきた技のひとつではない? 「はい、練習したこともなくって。気づいたら本能的に出てしまったというか。覚えているのは『ぶっ殺してやる!』って感情だけで……」 ――狂戦士というか「エヴァンゲリオン」の暴走モードのようです。 「だとしたら、それを自分の意志で自在に操れるようになることが今取り組んでいることでもあります」 ――それが成せれば前代未聞の強さを手に入れることができるかもしれません。 「そこは何としても身に着けます。けど、私が本当に欲しい“強さ”は、そういったものだけではありません」 ――というと? 「例えば、同じジムの紅絹先輩(現RISE女子アトム級王者)のような、心に筋金が通った芯のある強さ。技術や力や速さなど表面上のものだけではない確かなものです」 ――なるほど、大きく熱い目標です。 「今回、挑ませていただくWPMF世界タイトルは、私がプロデビューしたころからの憧れで、この機会、正直、すごく嬉しいです。でも、世界チャンピオンになることが目的じゃない。私が先生方や先輩、後輩たちから教わってきたことを結実して辿りつく真の心の強さを手に入れることができれば、チャンピオンベルトも最強の称号も勝手についてくるんじゃないかと思っています」 取材・文:JAPAN KICKBOXING INNOVATION広報部
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