ライニアー・デ・リダー(ミドル級8位)「『もう治らないかもしれない、このまま引退かも』って考えもよぎった」
──今回の試合に関しては、あなたの健康状態の話題が多いです。ファイトウィークに入って、みんなの質問がほぼ「体調は大丈夫?」みたいになっているのでは?
「うん。最初に聞かれるのはそれだね。それで次に聞かれるのが『いつライトヘビー級(205ポンド)に上げるの?』ってやつ。面白いよ」
──前回の試合でかなり調子が悪かった理由を調べたと話していましたよね。公表しているのか分かりませんが、もし話せるなら、前回は何が原因で身体がうまく機能していなかったんですか?(※前回の試合=2025年10月『UFCファイトナイト・バンクーバー』でブレンダン・アレンにTKO負け)
「全体的にだよ。血液検査も全部めちゃくちゃで、何もかも最悪だった。特にひどかったのが重度の貧血。赤血球の数がとんでもなく低かった。要するに身体を壊してたってことだね」
──それを聞いた時って、「原因が分かったから治せる」と思えましたか? それとも、不安になりましたか?
「少なくとも、その時点で何が悪いか分かったのは大きかった。それは本当に嬉しかったよ。そこから取り組めるものができたからね。でも元に戻すのには時間がかかった。全部を立て直して、適切な治療を受けて、原因を突き止めるっていうのは簡単じゃなかった。数週間は、練習を最後までやり切れなかったし、階段を上がるだけで疲れ切ってた。その時期は、『もう治らないかもしれない、このまま引退かも』って考えもよぎったよ」
──今こうしてファイトウィークに戻ってきて、体調もかなり良いですよね。前回を振り返って「俺、何してたんだろう。出るべきじゃなかった」って思いますか?
「いや。でも、あの状況でもチャンスがあるなら、たぶん同じバカな決断をしてたと思う。また戦ってたよ。だって最高の舞台だったからね。俺はすごく勢いに乗ってたし、身体が万全じゃないのは分かってた。でも『第1ラウンドで仕留められれば』って思ってた。実際、仕留めかけたしね。そうなってたら、今みたいに健康の話はされてないだろう」
──確かに。でも、そのあとにちゃんと良くなれたんでしょうか。
「良くなるしかないだろ。試合が終わったら原因を突き止めるっていう考えはあった。でも今回みたいに必死で掘り下げたかどうかは分からない」
──前回の試合の話でもう一点だけ。あの時はイズラエル・アデサニヤ(ミドル級5位)の名前も出ていましたよね。代役で入るかもと言われて、結局ダメになった。あなたは「イズラエルと戦わなくてよかった」と言っていましたが、どういう意味だったんですか?
「彼のハイキックで、別の次元まで飛ばされずにすんで良かった、って意味だよ(笑)」
──今回の試合について聞きます。相手はどんな戦い方をしてくると思いますか? どこを狙ってくると予想していますか?
「たぶん綺麗に戦おうとするはず。距離を保って下がりながら動いて、ショルダーロールも使う。右フックはかなり良い。カーフも蹴ってくるだろうし、ペースを落として、全部を秩序立ててコントロールしようとすると思う。で、俺は逆に真正面から戦って、カオスに持ち込むつもりだ」
──ショーン・ストリックランド(ミドル級3位)があなたの技を盗んだと言われている、あのデ・リダー・ニーが試合で見られるのを楽しみにしていますか?
「もちろんだよ。ショーン、頼むから試合後にもちゃんと称えてくれよ。せめて一言くらいさ(笑)」
──カイオ・ボハーリョ(ミドル級7位)の話に移ります。グラップリングがバックボーンなのは知られていますが、MMAではかなり総合力が高い印象です。テイクダウンディフェンスも良いし、ジャレッド・キャノニア(ミドル級10位)相手に打撃でも結果を出しました。試合映像を見て、何か際立っているところはありますか? それとも本当にバランスがいいんでしょうか?(※キャノニア戦=2024年8月『UFCファイトナイト・ラスベガス96』で判定勝ち)
「そこまで万能じゃないよ。もちろん良い部分はある。たとえばタックルも悪くない。ダブルレッグテイクダウンに入る時は上手だ。でも一番の特徴は、すごく計算高く戦うところだね」
──あなたは相手の映像を細かく研究するタイプですか?彼も分析的に戦う選手に見えます。前回の試合映像から、この試合に活かせるものはありましたか?彼自身は「前回は100%じゃなかった」とも言っていますが。(※ボハーリョの前戦=2025年9月『UFCファイトナイト・パリ』でイマボフに判定負け)
「俺は映像をめちゃくちゃ見る。前回の試合から分かったのは、彼がイマボフよりほんの少し遅かったってこと。応酬のたびに、ほんの少しずつ相手の方が速かった。だからイマボフが勝った。でも俺のスタイルはイマボフとはまったく違う。だからこの試合に直接つながる情報はそこまで多くないね」
──ミドル級全体については今どう見ていますか? ブレンダン・アレン(ミドル級4位)は昨年10月以降戦っていないし、ハムザト・チマエフ(ミドル級王者)も昨年8月の戴冠以降は戦っていない。イマボフも昨年9月以降戦っていなくて、ドリカス・デュ・プレシ(ミドル級1位)もまだ試合が組まれていない。チャンスはかなり多いように見えます。
「正直、チャンスだらけに見えるよ」
──昨日、ライトヘビー級に上げるのが夢だと言っていましたよね。この試合の結果次第で、階級を上げるかどうか決める可能性はありますか?
「分からないよ。この数日ずっとその話をしすぎてるし、君たちのせいで腹が減ってきてるんだ(笑)」
──あと、チームメイトのシャフカト・ラフモノフの話もよく出ていますよね。今ランキングから外れていますが、もうUFCで彼を見ることはないと思いますか?それとも戻ってくると思いますか?(※ラフモノフ=UFC7戦7勝6フィニッシュ勝ち。2024年12月を最後に試合をしていない)
「戻ってくると思うよ。怪我が続いてるだけだと思う」
──あなたはライトヘビー級に上げる話をよくしていますが……。
「『(ライトヘビー級2位)イジー・プロハースカより体重が重いんですか?』って聞きたいんじゃない?(笑)」
──いえいえ(笑)。減量後、最初に食べたいものは何ですか?
「今回はちゃんと節制するよ。PI(UFCパフォーマンス・インスティテュート)が目の前に出してくるものだけ食べて、それ以外は何も食べない」
──コーチがあなたの目の前で大きなステーキを食べているそうですが、それはどう感じますか?
「いいじゃないか。楽しんでるなら最高だよ」
──最近はYouTubeもかなりやっていますよね。試合前にたくさん動画を出していますが、YouTuberとしての生活はどうですか?
「クレイジーだよ。こんなことになるとは思わなかった。でもいい感じだね。かなり低予算の制作でやってるから、気楽で楽しいよ」
──あなたの友人のコステリョ・ファン・スティーニス(PFLミドル級王者)が「あなたはちょっといじめっ子だ」と言っていました。それについてはどう思いますか?
「彼は俺の仲間だよ。名前を出してくれて嬉しいね。あいつは本当に危険な男だ。世界でもトップクラスのファイターの一人だよ。今度の試合の宣伝になってるかどうかは分からないけど、とにかく俺の仲間だ」
──今回のカードにはグレゴリー・ ロドリゲス(ミドル級13位)も出ていますし、マイケル・ジョンソン(ライト級)もいます。所属ジムのキルクリフ勢が多いですよね。今回のキャンプでは、同じイベントに向けてジム全体が動いていたと思いますが、その雰囲気はどうでしたか?
「最高だったよ。みんな同じ日に向かって準備していた。それは本当に恵まれた環境だった」
──YouTubeを見ていると、よく歌っていますよね。好きな音楽ジャンルはありますか?
「いろんな音楽が好きだよ。でも歌うなら、だいたいオランダ語の歌を歌うことが多いね」
──黒星からの復帰戦ですが、今回の試合には“復活する”という気持ちがありますか? それとも、いつも通りの試合という感じですか?
「100%、復活するという気持ちだ。自分の身体を取り戻したってことを証明したい。そして、あの出来事が起きる前の自分と同じファイターだってことを証明したい」
──この試合に向けて一番大きく変えたことは何ですか?
「また体調が良くなったことだね。回復に集中して、自分の身体に何が起きていたのかを突き止めた。それが一番大きな違いになると思う」



