レスリングで活躍したオクラホマでグローブを置き引退したキング・モー(C)Bellator
キング・モーことモハメド・ラワル(38)が11月8日(日本時間9日)の「Bellator 233: Salter vs. van Steenis」で引退試合に臨んだ。
引退の場は、オクラホマ州ラブ郡タッカービル。テネシー出身のモーだが、高校2年からレスリングを始め、1999年にオクラホマ州高校王者に。セントラル・オクラホマ大学に入学すると、4年時にはオクラホマ州立大学に転学し、レスリングで実績を重ね、2005年には米国ナショナルチーム入り。2008年6月、北京オリンピック米国代表選考会のフリースタイル84kg級の決勝で敗れ、代表入りを逃すと本格的に総合格闘技に転向。同年9月28日、日本の「戦極~第五陣~」でMMAデビューを果たしている。
当初、MMAデビューした日本での引退試合を望んでいたモーだが、最終的にレスリング時代のハイライトを過ごし、地元でもあるオクラホマでの引退を決めたという。
2019年4月の『RIZIN.15』横浜アリーナ大会でイリー・プロハースカ(チェコ)と初代RIZINライトヘビー級王者決定戦に臨んだモーは、試合を有利に進めながらも3R3分02秒、プロハースカの連打にTKO負け。2015年12月31日以来の再戦で敗れ、王座戴冠を逃していた。
試合後、コメントブースに現れたモーは「50試合(21勝9敗1NC)を目標にしていたんだけどね。この日本の戦極でキャリアをスタートした。左ヒザも傷め、股関節にも金属が入っているし、腰も傷めている。最後は同じ日本のRIZINでキャリアを終えたい。できれば大晦日に試合ができれば。ファンを楽しませる試合をして、勝って有終の美を飾りたい」と語っていた。
RIZINによれば、12月29日のBellatorとの対抗戦、あるいは大晦日にモーの引退試合を企画していたが、自身が2度、Bellatorで戦っているタッカービル大会が決まったことで、地元での引退試合で送り出すことになったという。
▼195ポンド(88.45kg)契約 5分3R
×キング・モー(米国)
[1R 1分22秒 KO] ※右ストレート
○アンドリュー・カペル(米国)
“キング”の王冠をかぶり、花道に登場したモー。赤コーナーで赤のオープンフィンガーグローブを着用。カペルに続いて“キング・モー”ラワルのコールに歓声が沸く。タッチグローブ。
1R、ともにオーソドックス構え。左ボディストレートで牽制するカペル。かわすモー。身長185cm、リーチ189cmのカペルは長い右前蹴りでモーの顔面をかすめる。さらに右ストレートもモーはかわす。前に出るモーに右ローキックを当てるカペル。左右を繰り出すとそこにモーは右ボディ、左フックを返す。
??@Kapel_Kickn_It is coming out strong in his Bellator debut and @KingMoFH is appreciative!#bellator233 pic.twitter.com/3dPtQJHJIg
— Bellator MMA (@BellatorMMA) November 9, 2019
下がるカペルだがモーの左前足に右ロー! 詰めるモーのワンツーを左に回り防ぐカペルは左ジャブもその打ち終わりにモーは右ロングフック! カペルの鼻先をかすめる。左ジャブで牽制しながら右ローを当てるカペル! 左回りのカペルを追うモーを左前蹴りで止め、左ボディストレートを当てる。
モーの返しの左フックは空振り。なおも詰めて右から左ボディを突くモー。さらに鋭い右ジャブをヒット! カペルの右ミドルを掴んだモーはそのまま右フックを狙うが、そこにカペルは打ち下ろしのショートの右ストレート! もらったモーは前のめりにダウン! カペルの鉄槌に腹ばいになるモーだが、そのままうつぶせで動けず。パウンドを受けたままのモーにレフェリーが間に入った。
しばらくして立ち上がろうとしたモーだが、足がもつれて再び前のめりに倒れ、ダメージが大きい様子。カペルは正座してモーの回復を待った。
立ち上がったモーはカペルの握手に応じると、「1R 1分22秒 KO」のコールとともにカペルの右手が挙げられると、その場で赤のオープンフィンガーグローブをマットに置いた。そしてカペルとハグ。
これでお終い、と両手を水平に伸ばしたモーはセコンド勢ともハグ。サークルケージの中で2人の娘を抱きかかえると、「これが最後の試合だ。試合は、いい時間を過ごせたよ、まあこう
続けて「ATTはタレント揃いだ。“マイボーイ”シドニー・アウトローが来週試
また、ローカルプロモーションで4連勝し、レジェンド相手にBellatorデビュー戦もKOで5連勝をマークしたカペルは、「リスクなしに機会は巡ってこないんだ。言葉にするのは難しい……キング・モーに敬意を。何年も前、彼の日本でのデビュー戦を見た。
さらに、2008年のデビューから14勝6敗でメジャーデビューにこぎつけたことをマッカーシーから「君もここまで長い道のりだったね」と問われると、カペルは涙ぐみ、「ねえジョン(マッカーシー)、僕今ここにいるんだよね。メジャ
得意のレスリングをベースに巧みなボクシングと組み合わせてトップファイターとなったモーは、2010年4月17日には、米国Strikeforceでゲガール・ムサシを破り、世界ライトヘビー級王者に。2013年にBellatorライトヘビー級トーナメントで優勝。2015年12月29日にはRIZINヘビー級(-100kg)トーナメントでも優勝の輝かしい実績を残した。生涯戦績MMA21勝10敗1NC。