2019年11月4日、ZSTの合同練習会が東京都新宿区のGENスポーツパレスにて行われた。
道場・階級の垣根を越えて、約40人の選手が参加した合同練習会では、10月にZSTプロデューサーに就任した勝村周一朗氏の号令のもと、マスコミPR用ではなくリアルな合同練習を実施。
「同じ階級とは組まないつもりだった」という伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム/元ZSTフライ級王者)が、2018年10月に対戦した現フライ級王者の竿本樹生(BRAVE)と熱いスパーリングを行えば、2階級制覇も視野に入れる竿本が現バンタム級王者のジェイク・ムラタ(パラエストラTB)と壁レスリングを展開するなど、豪華な組み合わせが次々と実現した。
また、ZSTライト級王者の小金翔(フリー)は、前日に父親が他界したが、「ずっと応援してもらった気持ちを返したい」と練習会参加を決め、王者としての決意を語っている。
周囲から「金が取れる」と声が出るほど熱のこもった越境練習に参加した、主な選手のコメントは以下の通り。
◆小金 翔(フリー/ZSTライト級王者)「亡くなった父のためにも活躍したい」
「(ZST再興を訴えていたが)これまでZSTは他の団体に比べて大会数や露出が少なかったので、もっと昔みたいに盛り上げたい。選手たちにもカッコイイな、出てみたいなと思わせるようなイベントにしていきたいと思っています。
(合同練習会に参加したのは)昨日、自分の父が亡くなって……今日も出られるか分からなかったんですけど、父は最初は格闘技をやることに反対していたのに、ずっと応援してもらっていて、5月大会も会場に観に来てくれて……気持ちを返したかった。最後にベルトを守った姿を見せられたので、このベルトをずっと思っていきたいという気持ちがあります。活躍してZSTを盛り上げて、もっと大きな大会に出られるように恩返しをしたい。そういうこともあって時間を作って、参加しました。
ZSTの人たちとも交流したかったし、こんなに集まって素晴らしいことだと思います。僕はZSTで新しい強い選手を迎え撃ちたいですし、僕自身も他団体にも出て、強い選手と戦って評価を上げたいという気持ちもあります。他団体の同階級のチャンピオンと戦えるようになりたいです」
◆竿本樹生(BRAVE/ZSTフライ級王者)「二階級制覇したい」
「(合同練習会に参加したのは)いろんな選手と交流できると思って、それにチャンピオンとして自分が出ている団体を盛り上げなくてはいけないと思って……これから戦う選手もいると思うんですけど、そういうことは関係なく、いまは皆でZSTを盛り上げようという気持ちで来ました。
(バンタム級も視野に入れる発言があったが)フライ級で相手がいないので、バンタム級のトーナメントも終わってチャンピオンも決まったので、バンタム級のチャンピオンに挑戦したいなと僕は思っています。二階級制覇したいなと。
BRAVEの先輩たちの活躍も刺激になっています。DEEPでチャンピオンになっているんで、僕も負けないように頑張りたい。大会数を増やしてもらい、自分の価値が上がる試合をどんどんしたいし、次に繋がっていく試合をしたいです。もちろんケージも準備しています」
◆ジェイク・ムラタ(パラエストラTB/Fighting Nexus/ZSTバンタム級王者)「ミンジョン戦は『頑張った』じゃなく『跳ね返された』試合。竿本選手が61.2kgでやるなら証明してみせろ」
「自分の団体であるこのZSTで他団体のチャンピオンと戦って、団体と自分の商品価値を上げたい。評価を変えていきたいです。
(10月5日のONE WARRIOR SERIESでソン・ミンジョンに判定負けだったが?)人生変わりませんでしたね(苦笑)。ポジティブに考えたいけど、勝ち負けにこだわってきたのでポジティブにとらえないようにしています。どこかで強い選手とあそこまでやれたんだから、と言い訳しそうになりますけど、それではダメ。言い訳したら終わり。負けからスタートになりましたが、何回、跳ね返されるか分かりませんが、他団体のチャンピオンと試合をして評価を変えたい。
(ミンジョン戦であと一歩足りなかったのは?)根本的な技術的な部分です。トップを取れてた部分で取れなかった。自分のなかではしっかり出来てたと思っても体が流れていたし、ダメージも。細かい技術的なところ、はっきり言えば地力が足りなかったです。『頑張った』じゃなく『跳ね返された』試合でした。
ZSTの体制が変わっても僕の目標は変わりません。他団体の王者を迎え撃って、自分と自分の周りの評価を変えたいです。同じ階級の選手に『ムラタとはやりたくない』と言われるようになりたいです。
(フライ級王者・竿本の挑戦表明については)竿本選手はフライで強いチャンピオンで、チャンピオン同士の試合でもしやるなら契約体重に……61.2kgでやるなら、じゃあ証明してみせろ、という感じです」
◆伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム/元ZSTフライ級王者)「ZSTで『ロード・トゥ・HERO'S』で戦いたいし、RIZINでもリヴェンジしたい」
「最初は同じ階級の選手とはやりたくいなと思ってたんですけど……同階級の選手とかなりやってました(笑)。(竿本とは)あの試合だけで練習は初めてです。(壁際の受けで何人も抜いていたが?)面白かったです。普段、練習している人だとパターンもわかってしまうので、対処できるんですけど、知らない人が相手だと疲れますし。(新体制の試みに期待も?)自分がチャンピオンになってときもZST新体制になったときですし、また新しく生まれ変わって、勝村先生がプロデューサーになったので、また自分も『ロード・トゥ・HERO'S』でやりたいなと思っていますし、RIZINも1勝1敗なので、負けたままでは終われないので、絶対にリヴェンジしたいと思っています」
【写真】周囲も思わず見守った伊藤盛一郎×竿本樹生×ジェイク・ムラタのからみ。なかでも伊藤の粘り腰は際立ち、壁際での勝ち抜きでは複数人を相手しても崩れることはなかった。竿本×ムラタは手の内の全ては見せずとも互いに試し合いの展開に。
◆上田貴央(FIGHTER'S FLOW)「ガチガチのMMAの強いヤツと、変なルールでやって勝ちたい」
「新体制になってルールやコンセプトが昔のZSTに戻る部分もあって、新しいZSTに一番期待しているのはたぶん僕だと思います。MMAのユニファイドルールになって、一番の被害者は僕なので。ユニファイドルールでは期待にこたえることができませんでしたが、常々、僕がZSTの主人公だと言い続けてきて、この新しいZSTで暴れたいなと思います。
壁際大嫌い、パウンドが心底向いていない(笑)という僕が、ガチガチのMMAの強いヤツと、変なルールでやって、その瞬間だけ僕が勝つということをずっとやり続けたいと思います。相手がこのルールに対応する前に(笑)。みんなユニファイドルールで練習してもらって、僕だけZSTの特殊なルールで頑張っていきたいと思います。弟子がみな活躍しているので、師匠が一番ふがいないと言われないように、僕がやってやろうかなと思っています」
◆上田直毅(パラエストラ東京)
「これから対戦する選手がいても、ZSTの底上げのために皆で強くなりたいと思って参加しました。いま22歳で、いずれはRIZIN、ONEという大きな大会にも出られるようになりたいです。柔術はパラエストラで。MMAではムラタ選手のTBやTRIBE TOKYOでも練習させてもらっています」※ZST 3勝5敗2分
◆萩原一貴(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)
「もともと関節技が好きで所さんのジムに入りました。(所英男から)『自分をアピールしてこい』と言われました。フェンシングでエペをやっていて国体に出たこともあります。飛び込む打撃が得意で、打撃を効かせて寝技で極められたらと思っています」※PANCRASE 2勝2敗、GRANDSLAM 2勝1敗
【大会スケジュール】2019年12月1日(日)「ZST in 師走」GENスポーツパレスSWAT!、アマチュア大会「PRE STAGE」も開催予定2020年1月26日(日)「ZST.67/SWAT! 171」新宿FACE2020年3月15日(日)「ZST.68/SWAT! 172」横浜大さん橋ホール2020年5月「SWAT! 173」都内会場予定2020年8月「ZST.69/SWAT! 174」都内会場予定