2026年1月18日(日)東京・後楽園ホール『RISE 195』にて、10月に開幕した「第7代RISEスーパーフェザー級(-60kg)王座決定トーナメント」の決勝戦=王座決定戦3分5R延長1Rで同級1位パヌワット・TGT(タイ/TARGET)と対戦する同級2位・常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA)のインタビューが主催者を通じて届いた。
12月11日に行われた対戦カード発表記者会見は、年末までタイ修行のため欠席した常陸。タイではタイガームエタイジムにて“未知の生物”たちと練習で拳を交えてきたという。
UFCやONEの選手もボクサーもいました
――年末年始は練習漬けの毎日でしたか?
「練習していましたね。ありがたい事に会長の(宮城)大樹さんだったりジムの仲間がみんな練習に付き合ってくれて、大晦日も元旦も練習をしましたし、いつも通り変わらず過ごせたので、逆にそれだけ練習ができる幸せは感じていました」
――今回タイトルとしては(WORLD SERIESも含む)3度目の挑戦となります。この3回目という事に関してはご自身ではどのように思いますか?
「3度目の正直じゃないですけど、本当に今回獲れなかったら自分は“その器じゃない”って思っています。ちょうど3年前にチャンヒョン・リー選手に負けて、その時も1月だったんですよね。そこから去年はWORLD SERIESの世界トーナメントで負けてしまって、また今回チャンスをもらえて辿り着いたタイトルマッチなので、これを自分が獲れる男なのかどうかという事だけだと思うので、やってきた事は間違いないと思いますし、獲るしかないです」
――それはここまでやってきた事の積み重ねだったり、自信もあっての事ですか?
「自信もあります。でも練習をしている中で自信がゼロになって、どん底に行く時ももちろんあります。『こんなんで大丈夫かな」とか考えたりするんですけど、格闘技って自分の気持ちをどんどん上げていかないといけないので、もちろん落ち込む事も何回もあったんですけど、落ちたり上がったりを繰り返しながら少しでも成長できているなという実感がありますし、それが自信につながります。今は自信満々すぎても良くないと思っていて、舐めているわけではないので相手の事は警戒しています。ただその中で絶対に上回る自信はあります。それだけ皆でやってこれました」
――この試合に向けて年末にタイに行ってタイガームエタイでも練習をされていましたけど、ムエタイのトップ選手やRIZINでタイトルを取ったノジモフ選手とか、色々な選手がいる中で練習をされてきたと思うのですが、どんな経験になりましたか?
「やっぱりそういう環境で練習する相手って未知の生物じゃないですか(笑)。日本でやっているとどうしても“仲間”なので、ある程度相手を把握できている中での練習になりますよね。強く打ってきてもこのぐらいのパワーがあるなとか、お互いが倒しにいくわけではないし、手の内も分かっているので色々試した事もあるんですけど。それが無い世界では『こいつ何をやってくるんだろう』みたいな、デカい人も小さい人もいて、パワーも計り知れないし、本当に思い切り打ってくる選手もいるので、危機感や集中力だったり速度も大事ですし、試合に1番近い練習ができたことが1番の収穫ですね」
――スパーリングをしましょうってなったら、その人がどんな力強さでレベルなのかが分からない未知の状況だった?
「日本でやるとある程度データがあるじゃないですか。階級が近い選手とスパーリングするので、この人蹴りが上手いなとか手足が長いのが分かっていたりとか。それすらなくて『誰だ?』みたいな人ばかりで、それこそUFCやONEの選手もボクサーも結構いました。そこに集中して取り組めたので、緊張感もありつつ楽しむことができました」
――同じ日に大会に出場される琉樺選手もタイガームエタイにいたそうですが、一緒に練習はされましたか?
「同じクラスにはいたんですけど、一緒に実戦練習をすることはあまりしていないですね。自分の次の相手がオーソドックスなので、オーソドックスの選手と練習をしたくて。だから一緒に練習に行くんですけど、マスは2週間で2ラウンドしかしていないです。練習でできるラウンドが決められているので、お互いにデカくて強そうな相手の所にお願いしに行って、どんどん回していくって感じでした」
――王座決定トーナメント1回戦はGUMP選手との対戦でした。急成長してきた選手との対戦でしたけど、振り返ってみてあの試合はいかがでしたか?
「理想には一歩遠いなと感じました。練習していた事が出た所と出なかった所があって、特に1R目がはまらなくて、そこで自分の良さが出せませんでした。そこは今回にめちゃくちゃ活きるというか、その経験があるからこそ、そこを修正して1ラウンドから自分の戦いができるように練習しています。良い戦いができたというか、戦いの中で良いものを学べたなと思います」
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殴り合いたいですね
――今回はGUMP選手とは全然違うタイプのパヌワット選手ですが、改めてパヌワット選手の印象を教えてください。
「一発もあってパワーのある、倒せる選手ですけど、そう見せておいて上手い選手だなと思います。自分はそこが今回の鍵だと思っていて、どう自分が攻略できるか考えています。パヌワット選手はムエタイもできて、日本のキックボクシングとムエタイを上手く融合しているのかなと思っているので、良い所でバコンっと攻撃を当てて、疲れたらポイントを取って上手く戦うこともできるタイプだと思っています。この何カ月間で自分も色々試していて、これでいけると思ったらこれじゃなかったり、こういきたいけど上手くいかないなとかを考えて、そういう部分とずっと戦っていました」
――パヌワット選手を警戒する場合、最初の爆発力やミドル、ストレートなど攻撃力を警戒する事が多いですけど、常陸選手は細かいテクニックや競り合った時のいなし方などを警戒しているんですね。
「逆にパワーで相手が来る時は自分の土俵だと思っているので、そこに持っていきたいです」
――じゃあ殴り合うような場面を期待しているんですね。
「殴り合いたいですね(笑)」
――伸びのあるムチをしならせた様なキックを出してきますが、その辺も対策は考えていますか?
「もちろん警戒はしています。蹴りの伸びだったり、色んな人に骨が硬いと聞くので、想像の3倍くらい痛いんだろうなと思っています。でもいつも相手の事をデカく見積もっているんですよ。試合の時に『こんなものか』って思えるのが1番楽なので。攻撃が当たらない、強くて上手くて痛いんだろうなって思いながら練習しています」
――ファーストコンタクトでそれが分かるのが楽しみですね。
「どんなものか楽しみです」
――パヌワット選手とは同い年なんですね。
「学年的には分からないですけど1998年生まれなので一緒ですね」
――パヌワット選手は『漢気トーナメント』で急に頭角を表してきた選手ですけど、いつぐらいから意識していましたか?
「意識自体は世界トーナメントの時にはしていましたね。周りからも『パヌワットと戦ったら面白そうじゃない』って言われていたので。昔、RISE EVOL(2019年2月8日)で同じ大会に出た事があるんですよ。その時から『めちゃくちゃ強いタイ人がいる』って覚えていて、階級は自分より上だったんですけどその試合から見ていました。それで漢気トーナメントも優勝して、チャンヒョン・リーに勝った時に“戦いたいな”と思いました」
――今回支部は違うものの、“TARGET”という括りでは同門になりますが、同門対決として意識している事はありますか?
「意識というか普段もそうなんですけど、絶対に負けたくないというか“負けられない”気持ちというのはありますね。スパーリングをお願いして来てもらったり、自分も行ったりとかした事もあったので、そういう点では仲は良いのかもしれないですけど、ジム自体は違うので勝負になれば関係ないです」
――やりづらさとかも特にないですか?
「パヌワット選手とは会場などで会ったらお互いに『頑張ってね』と話したりしていましたけど、やりづらさとか、そういうのはないですね」
――宮城会長からは同門対決について何か言われていることはありますか?
「特に何も言われていないんですけど、空気は感じています(笑)。プレッシャーではないですけど、絶対にお互い負けたくないっていう気持ちを感じています」
――伊藤代表が年末に出たインタビューで、「常陸は勝ったらマイクで言いたい事があるみたい」と言っていたのですが、常陸選手から伊藤代表に何か伝えたい事があるんですか?
「自分もあれを見て何のことか分からなかったんですよね(笑)。でもずっと中村寛選手と戦いたいというのは言っています。とりあえずベルトがないとその発言はできないと思うので、しっかり勝ちたいと思います。世界トーナメント決勝のエンペンジェー選手との試合をリングサイドで見ていたんですけど、本当に悔しかったんですよね。辿り着いていないので自分がどうこう言えないですけど、『これは違うな』と思って。“世界一”っていうのがどんなレベルのものかを自分が証明したいです」
――ベルトまであと一つという状況になりましたが、2026年の抱負とともにファンの方にメッセージをお願いします。
「2026年はチャンピオンになる年にします。新年1発目のRISEの大会なので、自分がRISEに火をつけないといけないと思っているので、必ず熱い試合をしてチャンピオンになるので楽しみにしていてほしいです。応援よろしくお願いします」