キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】因縁の決着戦に臨むKiho「自分がもっと上に行くためには、しっかりぶっ倒して決着つけないといけない」

2025/12/20 22:12
 2025年12月30日(火)東京・国立代々木競技場第二体育館『MAROOMS presents KNOCK OUT.60 ~K.O.CLIMAX 2025~』(U-NEXT配信)のKNOCK OUT-BLACK女子アトム級タイトルマッチ3分3R延長1Rで、山田真子(GROOVY)の挑戦を受けての初防衛戦に臨む王者Kiho(KNOCK OUT GYM 調布)。  9月の王座決定戦では判定勝利となったが物議を醸すこととなり、今回の再戦ではより強い気持ちで臨むという。その心境とは? 女子選手がいるところに出稽古 ──まず前回、9月の山田戦では、試合中はどう思って戦っていたんですか? 「試合中は、もう必死でしたね。何かを考えてというよりは、とりあえず勝つという気持ちでやっていました」 ──ではポイントのこととか、勝っている・負けているとか、そういうことを考える暇もないぐらいだった? 「そうですね。あんまり噛み合ってないなとは思っていて、なかなかうまく自分の距離に持っていけないなというのはありましたけど」 ──逆に言うと、そこまで攻め込まれているというほどでもなかった? 「はい。そこも試合中に思ってたかと言われると、正直、分かんないですね」 ──延長でKiho選手に判定がついて、その場でも山口代表の反応があったりと、会見までの間は「どうなんだ」という時期が続きました。その間はどう思って過ごしていましたか? 「シンプルに悔しいというのもあったんですけど、初めての経験すぎて、しんどかったですね」 ──ただ「悔しい」というのともまた違いますよね。 「そうですね、いろんな感情がありました。悔しいし、『悔しい』だけじゃないというか。それを言葉で表すのも難しいですけど」 ──ただそれも、再戦が決まったことで切り替えられた? 「はい。再戦をやるっていうのは、もう試合が終わった直後ぐらいから話もありましたし。そこですぐに切り替えられたかって言われたら、そういうわけでもないんですけど、でも『いつまでも引きずってても』という感じだったので、正式に発表されてからは気持ちも切り替えてやってました」 ──では今回も、前回がどうだったからとか、ああいうことがあったからどう、ということはもう意識しない? 「でも、あの結果があったからこそ、戦い方も…全てをガラッと変えるってわけじゃないんですけど、しっかり決着もつけなきゃいけないっていう思いはありますし、やっぱりただ判定で勝つ、圧倒して勝つだけじゃダメという気持ちは、自分の中ですごくあります。あの試合があったからこそ、次はしっかり明確に勝たなきゃダメだというのは、すごく思っています」 ──これまでも、もちろん倒すことを目標にして臨んではきたとは思いますが、それがさらに強くなった感じですか? 「そうですね。今までももちろん倒すのを目標にやってますけど、そこに対しての気持ちは、やっぱり今回は違いますね」 ──そのために、練習内容やメニューを大きく変えた部分はありますか? 「正直、練習内容としては大きく変えた部分はそんなにないんですけど…今は女子選手がいるところに、けっこう出稽古に行ってますね。同じ階級の女子選手と、対人練習を増やしてやっている感じです」 ──そうなんですね。どこでどんな選手と? 「NEXT LEVEL渋谷さんにも行きましたし、あとは谷山ジムだったり、ミネルヴァのチャンピオンの選手がいるジムだったり。あとは今度、尚武会にも行く予定です。けっこうあちこち練習しに行かせていただいてますね」 ──そう聞くと、練習相手はパンチャーばかりでもない感じですね。 「そうですね。普通に同じぐらいの体格の選手とスパーリングとかマススパーをするという目的で行っているので、山田選手とスタイルが似ている選手のところに行くというよりかは、本当に対人練習を増やすためにあちこち行っているという感じですね」 ──その対人練習の中で掴めているものというと? 「やっぱり同じ階級の選手とやると、自分が今まで練習してきたものを試してみやすいというか。これまで、普段はトレーナーの栗秋和輝さんとの練習がほとんどだったので、リーチ差だったり体重差があるんですけど、それがない分どんどん試せるなという感じはしています。その中で距離感だったりタイミングだったりが掴めるのはいいなと思っています」 ──その中で、今回の山田戦での戦い方もできてきていますか? 「はい。やっぱり何といっても前回の結果があるので、どうしても、もっといろいろできるようになって倒さないと、という感じですね」 ──「倒さないといけない」というのは、Kiho選手と同じように、もしかしたらそれ以上に山田選手も思ってると思うんですが。 「もちろん向こうも『倒さないといけない』っていうのは、会見でも言ってましたし。でも、自分はそれ以上にあると思ってます。やっぱりKNOCK OUTのチャンピオンは自分じゃなきゃいけないと思ってるし、自分がもっと上に行くためには、しっかりぶっ倒して決着つけないといけないというのがあって。自分は、まだ上を見ているので。相手もぶっ倒しにきてくれるのであれば、その分、より面白い試合になるんじゃないかなと思います」 ──「ぶっ倒しにいく」と聞くと、ある意味、今までのKiho選手のスタイルからは変わってくるのかなと、勝手に思ってしまうんですが。 「やってきたこともそうですし、作戦としても、前回と別にそこまでガラッと変えようとしているわけでもないんですけど、倒しにいく姿勢だったり、アグレッシブさだったりという部分では、今までとは違った自分がお見せできるんじゃないかなと思ってます」 【写真】判定勝ちするも悔し泣きした前回の試合。笑顔で2025年を締めくくることができるか──ただそれが、1Rのゴングが鳴ったらガーッと突進、みたいなことではないと。 「はい。勢いだけじゃなくて、しっかりとうまさも見せていきたいと思っています」 ──今回、最終的に勝つために一番必要なものは何だと思いますか? 「やっぱり、倒しにいく気持ちですかね。中途半端な気持ちでいると前回みたいな結果になってしまう可能性も全然あると思うので、もう自分も倒されていいぐらいの気持ちでいかなきゃダメだと思っています」 ──ところで、代々木第二での試合という点についてはいかがですか? 「代々木第二では、以前にK-1の女子大会で1回やってるんですけど、KNOCK OUTでは初めてなんですよね。6月、12月のビッグマッチで試合するのも初めてで。やっと念願が叶ったという感じですね」 ──そこに入ったうれしさはあるんですね。 「はい、シンプルにうれしいです。前回ああいう結果になったからというのもあるんですけど、ビッグマッチの大会でタイトルマッチができることは、プラスなのかなと思います」 ──周りの声とか反響はどう感じてますか? 「応援してくれる人たちは変わらず応援してくれてるし、特に『頑張れ』『倒してね』という声をたくさんいただいています。そこは力にしながらやってます」 ──その先のことは、ここで勝ってから? 「そうですね。本当にここを勝たないと、何も始まらないと思ってるので、本当に今はしっかり勝つことだけですね」 ──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう? 「毎回言ってるんですけど、まずは倒してチャンピオンになるところを楽しみにしておいてほしいし、その中でもうまさを見せられればいいなと思っています」 ──チャンピオンに「なる」なんですね。 「はい。もちろん倒して勝つことが一番なんですけど、自分がチャンピオンになる、自分がふさわしいと思って臨んだ方が、よりいい試合が見せれるんじゃないかなと思っているので」 ──「防衛する」というのではなく。 「一応、防衛戦という形で自分がチャンピオン、山田選手が挑戦者という形にはなってますけど、自分は前回の王座決定戦と気持ちは変わらないですね。ベルトを獲りにいく、奪いにいくという気持ちでやっています」
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.341
2025年11月21日発売
大晦日決戦に臨むシェイドゥラエフと朝倉未来ほか「特集◎大晦日を読む」では、5大タイトルマッチのインタビューと川尻達也らが試合解説。UFC平良達郎、40周年記念・水垣偉弥インタビューも
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント