2010年5月のプロデビューからボクシング、キックボクシングを通して2敗しかしていない山田(C)KNOCK OUT
2025年12月30日(火)東京・国立代々木競技場第二体育館『MAROOMS presents KNOCK OUT.60 ~K.O.CLIMAX 2025~』(U-NEXT配信)のKNOCK OUT-BLACK女子アトム級タイトルマッチ3分3R延長1Rで、王者Kiho(KNOCK OUT GYM 調布)に挑戦する山田真子(GROOVY)。
9月の試合では判定で物議を醸す結果となり、3カ月での再戦が決まったこの一戦。この大一番に、山田はどういう気持ちで臨んでいるのか?
いくらガタガタ言っても変わんない

──まずは前回、9月のKiho戦ですが、試合中はどう思って戦っていましたか?
「試合中は…作戦というか、自分とセコンドとの話で、こうしていこうということをしっかり頭に入れながら進めていっていた感じでしたね」
──では、セコンドの指示もしっかり聞こえて、やりたいようにはできていた?
「そうですね。Kiho選手はムエタイスタイルで、一発一発重いパンチだったり蹴りだったりを狙ってきて、前に出ながらプレッシャーをかけてくるかなと思ってたので。想定していた通りだったなと思いながら戦っていました」
──Kiho選手の攻撃で効かされたものはあったんですか?
「いえ、これが効いたっていうのは特にないんですけど、蹴りだったりパンチだったりは、重さは感じてましたね。計量の時じゃなくて、普段からちょっと肉づきがいいなと思ってたんですよ。足とかも太いし、そういう面はしっかり警戒はしてたので」
──相手として、やりやすい・やりづらいでいうとどうだったんですか?
「どうですかね? リーチは相手の方があるなという印象ですけど、だからやりづらいということもなかったし。どっちかと言ったら、やりやすかったんですかね。相手の攻撃がどうというよりは、自分の攻撃がしっかり当てられてたかなという印象があるので。ということは、やりやすかったのかもしれないです」
──そういうこともあって、本戦もそうですが、特に延長では自分が当てていたという印象があったのでは?
「ありましたね。でも判定では本戦ドローで、延長では自分が負けていて…『何で?』という気持ちはすごくあったんですけど、その判定に対してどうのこうの言うっていう頭がその時はなかったんですよ。別にもう仕方ないっていう感じというか。でも試合後のコメントの時に、インタビュアーの方から『判定をジャッジに委ねたところがいけなかったんじゃないか』みたいな感じで言われたのは、ちょっとよく分かんなくて。自分の中で、判定にどうのこうのケチをつけるという感覚がまずなかったので。結局、見てた人だったり、そのKNOCK OUTの山口元気代表というか、KNOCK OUTさん側が異議申し立てをしてくださって」
──そうでしたね。
「同時に、自分のセコンドについてくれていたトレーナーも申し立てを出してくださったんで、『やっぱりそうよね』という気持ちはあったんですけど」

──そういう経緯もあったから、試合後は複雑な気持ちでモヤモヤがあったんじゃないですか?
「はい、よく分からない感覚でしたね。結局は自分の負けで、その判定も覆らないということになって。でも周りからは『負けじゃなかった』『勝ってた』みたいにずっと言ってくれるんですけど、次の試合が12月30日にすぐ決まったじゃないですか。それに向けては、『負け』という結果を自分の中で処理しないと次に進めなかったので、その面ではけっこういろいろ考えましたね」
──とは言っても、「負けを受け入れる」というわけでもないですよね。
「ですね。自分が負けたという結果に対しては、どうのこうのはもう言わないという気持ちはあるんですけど、『負けた』とは思ってないです。試合自体の勝負には勝ったと思ってます」
──では再戦が決まったところで、次に向けて切り替えられている?
「再戦が決まったからには、ずっと考えていても進めないので、しっかり自分の中で切り替えて、『やってやろう』という気持ちになりました」
──再戦が決まっての会見では「倒さないと勝てないんだろう」と言っていましたね。今回のテーマはそこ?
「はい、それしかないですよね。今までは『倒そう』というのを特に考えてやってたわけじゃないんですけど、今はかなり意識するようになりました。普段からの意識って大事だと思うので、『倒そう』という意識でしっかりやってますね。あとは福岡のウィッキージムさんで、フィジカルトレーニングだったりをやらせてもらってるんですけど、それは今もしっかり継続しています」
──これまではKOがない山田選手ですが、「倒さなくていい」と思っていたわけではないですよね。
「そうですね。倒そうという気持ちで臨んではいたんですけど、今回の結果でいろいろ考えて、倒さないと勝てないと思ってみると、そこに対しての意識が低かったのかなとは思いますね」
──ただ、スタイルを作るにあたって、そこの違いは大きくないですか?
「だと思います。だから意識するだけじゃなくて、細いパンチだったり、蹴りとかの技術面もしっかりプラスしてやっています」
──では、もう倒すビジョンはできてきている?
「はい、もうしっかりできています」
──ここまでKNOCK OUTで3試合やっていて、初戦のぱんちゃん璃奈戦は「延長ドロー」、今回はこの判定でそれぞれ物議を醸す試合になりました。「何で自分の試合ばっかり」と思ったりしませんか?
「いや、メチャクチャ思いますよ(笑)。今回の結果も周りからいろいろ意見を言われて、自分自身もそう思う部分もあるし、ナメんなよって思うところもあるけど、試合でやるしかないので。いくらガタガタ言っても変わんないので」
──そこで余計に、気持ちに火をつけられているところもありますか?
「それはメチャクチャありますね。Kiho選手は『守られてんなー』と思うし。大げさかもしれないけど、自分の中では『対KNOCK OUT』というぐらい気合いは入ってます。あとはやるだけですね」
──改めて、代々木第二という大会場での試合という点に関してはどうですか?
「そこはシンプルに楽しみですね。ここまでは3試合とも後楽園ホールだったし、久しぶりに大きい舞台で、またセコンドとか前回と同様のメンバーと一緒に臨めるというところが、自分の中ですごくバイブスになってます。そこでベルトを巻けたら最高ですね」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょうか?
「しっかり倒しますし、今まで見たことないぐらいの試合になると思うので、絶対に注目してほしいです」



