2025年8月、オーストラリアで不利の予想を覆してWBCムエタイ世界王座を奪取した撫子(C)MTL/Violent Methods
WBCムエタイ世界女子ミニマム級(-45.36kg)王者・撫子(GRABS KICK BOXING STUDIO)が、自身のInstagramにて引退を発表した。
撫子はWBCムエタイ・インターナショナルフライ級王座などを獲得した元キック8冠王TOMONORIの弟子で、2023年3月に藤原乃愛にプロ初黒星を付けてミネルヴァ ピン級(-45.36kg)王者となった。2025年3月には上真を破り、ミネルヴァ ペーパー級(-43.09kg)王者となって2階級制覇に成功。

2025年8月9日、オーストラリアにてWBCムエタイ世界女子ミニマム級(-45.36kg)タイトルマッチに挑み、王者ルシール・デッドマン(オーストラリア)に4R1分31秒、TKO勝ちでタイトルを奪取。2017年に伊藤紗弥がミニフライ級で王座を獲得して以来8年ぶり、日本人女子2人目のWBCムエタイ世界王者となった。生涯戦績は12勝(2KO)5敗1分。
世界王座奪取は各種メディアでも取り上げられ、これからのさらなる活躍が期待される矢先だった。撫子は『ご報告』と題して「この度、格闘技を引退する事を決意しました。突然のご報告になり申し訳ございません。これまで支えてくださった皆さま、応援してくださった皆さまに心から感謝申し上げます」と引退することを発表。

「日本2階級王者。世界王者。世界の舞台で戦い、奇跡の瞬間を掴めたことは一生の財産です。格闘技の夢『日本チャンピオン』『世界チャンピオン』『会長をチャンピオンを育てた会長にする。世界の舞台に連れて行く』全て叶えることができました」と、夢を全て達成することが出来たという。

「極真空手13年。キックボクシング6年。格闘技歴19年。長いようで短い格闘技人生。全ての瞬間が自分の誇りです。心から楽しかった。続ける中でいろんな出来事や向き合い方を考える場面もあり、自分の中で区切りをつける決断をしました。今まで格闘技しかやってこなかった人生なので勇気や恐怖もある決断でした。格闘技、キックボクシングは大好きです。見るのもやるのも大好きです。会場で応援する選手の応援に客席にひっそりといるかと思います。その際には沢山声をかけてもらえると嬉しいです!」と、格闘技人生に区切りを付ける決断をしたと綴った。
そして「自分にこの素晴らしい世界、人生を賭けて熱中できるものに出会わせてくれた格闘技。そしてもう1人の自分、撫子。夢を叶える事ができて心から幸せです。ありがとうございました」と締めくくり、ハッシュタグには「格闘技に出会えてよかった」「今まで苦労かけた母を笑顔に」と付け加えていた。



