2025年11月29日(土)東京・後楽園ホール『Krush.182』のダブルメインイベント第1試合にて、Krushスーパー・バンタム級タイトルマッチ3分3R延長1Rで村田健悟(ALONZA ABLAZE)の挑戦を受けて4度目の防衛戦に臨む璃明武(K-1ジム総本部チームペガサス)のインタビューが主催者を通じて届いた。
普通に『若手の無敗のホープ』
──タイトルマッチ2試合の試合順について、投票結果が出ましたね。大トリのWメイン第2試合はライト級、そしてスーパー・バンタム級はWメイン第1試合ということになりました。
「最終結果は見てなかったんですよ。途中で見て、もう無理だなと思ったので。票数もけっこう離れてたので、これは100人に頼んでも変わらないなと思って」
──結果についてはどう思いましたか?
「一応、プロモーション的に『メインでやりたい』とメディアでも言ってたんですけど、正直、どっちでもいいというのはあるんですよ。理想はもちろんメインかなと思うんですけど、自分はめちゃくちゃポジティブなので、いろいろ考えたらWメイン第1試合の方がいいかなと」
──そうなんですか?
「今回、村田選手、大岩選手と自分の3人を合わせると、半分ぐらいチケットを売ってるらしいんですよ。だから、Wメイン第1試合の時点では超満員だと思うんです。逆にWメイン第2試合の時は帰ってる人がいそうな気がして。めちゃくちゃポジティブに捉えたらラッキーだなって、自分は考えてます」
──なるほど。でも結局、リングに上がってしまえば変わらないですよね。
「そうですね。別に極論、第1試合でもメインでも、やることは変わらないので。会場の盛り上がりとかは違うかもしれないですけど。例えば会場がどこでも、東京ドームだとしても後楽園ホールとしても別に、リングの中は関係ないので、別にそんな気にしないですね、自分的には」
──そのリングの中なんですが、試合が直前に迫ったこの段階では、璃明武選手にとっての一番のテーマは何ですか?
「自分の中でいろいろテーマはあるんですけど、もちろん今回は四度目の防衛戦なので、当たり前ですけど勝つことが本当に一番大事で、そこに集中しています。でも相手どうこうよりも、自分との戦いなので、自分がしっかり自分のベストの動き、パフォーマンスを出せれば、結果も出ると思っています」
──それはどの試合でも思ってはいることですか?
「そうですね。どの試合でもベストを尽くしてリングに上がるのは同じなので、一緒だとは思うんですけど。今回は四度目の防衛戦で、自分が絶対王者として迎え撃つ立場じゃないですか。だから相手のことはもちろん意識はしてるんですけど、最後は自分に勝てれば問題ないのかなと思ってます」
──その中で、村田選手のここまでの勢いをどう見ていますか?
「今回、運営側から相手の候補だと言われるまでは、全く意識してなかった選手なんです。存在は知ってたんですけど、試合をフルで見たことはなかったぐらいの感じだったので。無敗の選手なんだなぐらいの感じでした。今回相手に決まって、試合を見て思ったのは、普通に『若手の無敗のホープ』、そのまんまという感じでしたね」
──そういう無敗の選手がいると、周りから「今、アイツやばくね?」みたいに言われたりすることもなかった感じですか?
「今、K-1の55kgって、上がけっこう固まってるじゃないですか。金子晃大選手がチャンピオンで、もともとは次に玖村将史選手がいて。それから自分、大久保琉唯選手がいて……池田幸司選手はタイトルマッチで負けちゃったので、また出直しという感じで。で、言い方は悪いですけど、自分のイメージでは村田選手は『その他』の中の1人という感じだったんです」
──まだトップグループには来てないと。
「トーナメントの時に外国人が入ってきましたけど、結局自分を含めて日本人が全員勝って。その中で新しい風というか、運営的にも村田選手は無敗だし若いし、結果ももちろん出しているから、今回挑戦者に選ばれた感じですよね。自分としては、もうずっとKrushでは相手がいない中で、出てきた選手とやるという感じなので。過去で言ったら永坂吏羅選手とかも、そういうイメージじゃないですか。連勝して連続KOで上がってきて……みたいな感じで。池田選手とかは階級を上げてきて入ってきて。だから村田選手も、本当にその中の1人という感じですかね」
──実際、璃明武選手は今、K-1のスーパー・バンタム級の上位に入っている中で、そこから見るとまだ早いよという感じですか?
「いやまあ、客観的に考えて、自分はもう防衛も3回してるので、返上しても全然いいとは思うんですよ。返上してK-1に専念したいと言っても、批判する人はいないでしょうし」
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ここまで来たら防衛し続けるのもアリ
──その中で四度目の防衛戦をするというのは?
「自分は一応Krushのチャンピオンなので、例えばK-1のワンマッチで、あんまり知らない外国人を呼んでもらって対戦しても、あんまり盛り上がらないと思うんですよね。注目度がそんなにないというか。K-1は試合数も多いし、トーナメントとかタイトルマッチもある中で埋もれちゃうと思うので。でもKrushだったらメインで主役じゃないですか。ベルトを防衛するというのはリスクはあるんですけど、そっちでやった方が自分のプロモーションの時にも盛り上がると思うし、K-1側からしても絶対Krushの方でやってほしいだろうと思うし。そういう話を運営側ともした中で、今回は、じゃあ防衛戦をやろうということになりました」
──ではこのベルトは、持てる間は持っていたいという感じなんですか?
「これまでのチャンピオンも、だいたい2~3回したら返上したりするじゃないですか。僕も前までは、別にいつでも返上していいよぐらいのスタンスだったんですけど、ここまで来たら防衛し続けるのもアリだなと最近思うようになって。たぶん、今回防衛に成功したら、日本人最多らしいんですよ」
──おお!
「それを伸ばしていくのもいいのかなと。でももちろん、挑戦はしていきたいので、K-1のベルトは来年中には獲りたいです。今回勝てば、遠くないうちに挑戦の機会はあると思ってるので。今回しっかりここをクリアして、来年のどこかのタイミングで、その時点のチャンピオンに挑戦できればと思っています。そこでK-1王座を獲ってからも、両方持ち続けてもいいのかなというのも考えてますね」
──今までは返上する選手が多かったですよね。
「運営から『返してくれ』って言われたら全然返しますけど(笑)。大丈夫なんだったら、たぶんKrushの防衛戦は年1回やればいいと思うので、年1回後楽園、Krushに帰るというか。そういう選手っていないじゃないですか」
──そうですね。
「僕は人と違うことをしたいんですよ。やっぱり同じじゃつまらないので。二つのベルトを持って防衛して、記録を伸ばしていくのはアリかなというのが、選択肢にはありますね。それこそ年に3試合するとしたら、2試合がK-1で1試合はKrushで防衛して、K-1も1試合は防衛戦をやって……みたいなのもアリかなと思ってます」
──「K-1王者になったから、もう後楽園には出てらんねえよ」じゃないんですね(笑)。
「そういうのは全然ないです(笑)。今回、後楽園はたぶん超満員だと思うんですよ。だからヘタすると、K-1より盛り上がるんじゃないかと思うんですよね、今回は。そういうのを考えても、別に全然そういうのはないですね。後楽園も好きだし、別にこだわりはないです」
──そのためにも今回はきっちり防衛する必要があるわけですけが、今回勝って防衛するのに一番カギになることは何だと思いますか?
「心技体、全て大事なんですけど……メンタルも大事だし、技術も大事だし。その中で技術はもちろん相手より上回らないといけないですし、相手はもちろんこのベルトを獲ろうと、気合いを入れて来ると思うんですけど自分は相手とは違うメンタルだと思うので」
──というと?
「覚悟の違いというか、積み重ねてきたものの違いというか。自分もプライドはあるので、本当にいろんな面での差を見せたいですね」
──では最後に、改めてこの試合に向けての“決意”をいただけますか?
「四度目の防衛戦で、記録もかかってるとは思うんですけど、自分のやってきた覚悟を見せて勝ちます。来年はKrushも盛り上げていくつもりで、Krushチャンピオンの仕事ももちろんするんですけど、K-1世界チャンピオンになるという大きな仕事をしていきたいと思います」