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【UFC】堀口恭司がフライ級8位にランクイン! 王者パントージャ「キョージとの試合は贈り物」12.6 ヴァン相手に防衛戦、同日に平良vs.モレノ。12.13 ケイプvs.ロイヴァルも

2025/11/26 21:11
 2025年11月22日、ドーハで行われた『UFC Fight Night: Tsarukyan vs. Hooker』(UFC Fight Pass/U-NEXT配信)で9年ぶりにUFC復帰し、同級11位のタギル・ウランベコフ(ロシア)に3R、リアネイキドチョークで一本勝ちした堀口恭司(アメリカントップチーム)が、いきなりフライ級8位にランクインした。同門の同級王者アレッシャンドレ・パントージャは、堀口との試合が実現すれば「俺にとっても非常に特別な試合になるだろう」と語った。  この試合までUFC4連勝中・UFC6勝1敗だったウランベコフは、UFC唯一の黒星の相手は、朝倉海に一本勝ちしたティム・エリオット。22年3月にエリオットと対戦したウランベコフは、初回にエリオットの左オーバーハンドでダウンを喫し、テイクダウンも奪われ判定負けを喫していた。  堀口は修斗で世界王者に輝いた後、2013年10月にUFCデビューすると4連勝で当時の王者デメトリアス・ジョンソンと対戦。5R残り1分で腕十字で敗れ、UFCフライ級王座戴冠ならず。しかしその後も3連勝。2016年11月にアリ・バガウティノフに判定勝ち後、当時のUFCフライ級戦線縮小に伴い、オクタゴンを離れ、2017年4月からRIZINに参戦していた。  この間、20試合を戦い、RIZINとBellatorで「バンタム級」王座を戴冠。さらにRIZINでフライ級のベルトも獲得し、ここまで5連勝中で、24年大晦日の前戦でエンカジムーロ・ズールーに判定勝ちで王座防衛後、RIZINフライ級のベルトを返上。11カ月ぶりの試合・9年ぶりのオクタゴンカムバック戦で、ウランベコフにカーフキックを効かせてダウンを奪い、最後はリアネイキドチョークの一本勝ちで飾っている。  ケージ内でマイケル・ビスピンの勝者インタビューを受けた堀口は、英語で「ほんとうにいい気分だよ。UFCにカムバックできたから、これが俺の夢だった。次? もちろん俺はUFCのベルトを狙う。どこだ? (アレッシャンドレ)パントージャ! 彼は俺のチームメイトだ。でも関係ない、お前のケツを叩き潰すぜ。ウォーッ!」と咆哮。  ビスピンから「チームメイト同士が対戦したいと思うのは非常に珍しいことだが?」と問われると、「もちろんパントージャをリスペクトしている。ただベルトが欲しいだけだ。気にしないよ、分かってるだろ。ファイトはファイト、ビジネスなんだ」と語り、パントージャのコーチでもあるパルンピーニャから笑顔で肩を小突かれ「彼は“敵のボス”」と紹介した。  この勝利を受け、同門の盟友パントージャは米国MMA JUNKIEのインタビューで、「もし俺が(12月6日の『UFC 323』で)ジョシュア・ヴァンに勝って防衛できれば、キョージとの試合は俺への贈り物になる。この機会は、俺の人生において非常に重要な人物と戦うことを意味している」と、堀口恭司への敬意を示し、試合を歓迎すると語った。  パントージャは、「本当に嬉しいよ。タギルはとてもいいファイターだが、キョージのパフォーマンスは完璧だった。俺は本当に嬉しかった。だってキョージはジムで僕の厳しいトレーニングパートナーの一人だからね。俺と家族は、キョージが人生にいてくれることに感謝している。彼が俺をレベルアップさせてくれたんだ。キョージには大きな敬意を払ってる。彼は俺にたくさんの良いことを教えてくれたし、俺も彼を何度か助けたと思う。彼はまたチョークで締めくくった。それは俺の極め手だ。あの動きについてよく話してるんだ、特にロシアの連中みたいな優れたグラップラー相手なら、柔術を使えるって」と今回の試合前も互いにトレーニングし、アドバイスをしたことを明かす。  続けて、「キョージはRIZINのチャンピオンでBellatorのチャンピオンだったんだ。UFCを逃したけど、それが彼の望みだって知ってる。彼とそれについて話したんだ。もしそれ(3団体制覇)ができたら彼は本当に特別だと思う。世界でただ一人の征服者みたいなもんだ。もちろんナンバーワンのベルトはUFCだ。だが彼はそれを成し遂げられるだろう。100%確信している。俺は非常に誇りに思う。とても感謝しているし、俺にとっても非常に特別な試合になるだろう。もしジョシュアに勝って防衛できれば、それは俺への贈り物になる。この機会は、俺の人生において非常に重要な人物と戦うことを象徴していると思う。その試合が実現したら、友人を傷つけるという、精神を集中させるのに非常に厳しいものになるだろう。でももしそれが実現すれば、キャンプや全ての手続きを経ていけば、少しは楽になると思う。彼がやり遂げたこと、そしてエンターテインメントであんなに面白い奴だなんて、本当に嬉しいよ。たぶん、俺がトラッシュトークできる唯一の相手なんだ(笑)」と、ベルトをかけて戦うことを「贈り物」と評した。  しかし、いまは12月6日(日本時間7日)の王座防衛戦に集中しているという。 「今はこれ以上、言えない。ジョシュア・ヴァンという非常に優れたファイターが相手だから。今のこの階級で、僕にとって最大の挑戦の一つだと思うんだ。彼はとても若くて、僕みたいに試合数を多く積んでないが、僕みたいに体重調整を頻繁にしないし、試合時に大きな体重差や他の面でも回復力がすごく高いと思う。その点は頭に入れておかないといけない。危険な試合になる。非常に高いレベルで戦う必要がある」と、5連勝で王座挑戦を掴んだ24歳のチャレンジャーに警戒を怠らない。 「俺はまだ進化している。食事や睡眠の質、自分に最適なトレーニングの選び方について、より良い決断ができると思う。ベルト用のGPSがあるようなものだ。何をすべきかはもう分かっているし、改善を続けている。山を登り、さらに岩を積み上げて高みを目指して探求している。これが最高の自分になると思う。戦うのが本当に楽しみだ。  この試合は世代を超えた対決だと思う。ジョシュアは新世代の象徴で、俺は明らかに旧世代の男だ。彼がベルトを懸けた試合に値するのは確かだ。マネル・ケイプが脱落した時、彼はチャンスを掴んだ。あの男はブランドン・ロイヴァルとの試合を呼びかけた。そしてフライ級で最高の試合の一つを繰り広げたんだ。  俺はあの相手のために猛練習している。試合まであと1週間だ。その瞬間に向けてたくさん練習して疲れているが、信じてる。今が最高の状態だ。そして、俺がこれほど熱中しているのは、彼に厳しい印象を持っているからだと思う。彼が優れているからだ。皆、彼の試合スタイルを見てほしい。非常に良いボクシング、非常に良いテイクダウンディフェンス、彼がオクタゴンをどうコントロールしたか、どう勝ったか。彼はすごく追いかけるタイプで。そして、それは俺が相手に対して好むスタイルに非常に近いと思う」と、ヴァンを高く評価した上で、最高のトレーニングができているとした。  王者には油断が一切無い。 「俺は自分のスポーツに深い敬意を抱いている。オクタゴンに足を踏み入れた瞬間、勝率は50%だ。過去が何であれ、24歳だろうが35歳だろうが関係ない。リングに上がれば全てが変わる。50/50だ」──パントージャはラスベガスで5度目の王座防衛に成功するか。 王者の首を狙うヴァン、平良達郎、ケイプ、そして堀口恭司  現在、UFCフライ級には、堀口を含め3人の日本人選手が名を連ねており、5位の平良達郎(THE BLACKBELT JAPAN)が12月7日に2位のブランドン・モレノ(メキシコ)と対戦。UFC1勝1敗の鶴屋怜(THE BLACKBELT JAPAN)は8月の試合を負傷欠場し、3月のジョシュア・ヴァン戦以来の再起を目指している(※2連敗の朝倉海はバンタム級転向を表明)。  同階級には、元RIZINのマネル・ケイプ(6位 ※12月13日に3位のブランドン・ロイヴァルと対戦)もランキング入りしており、堀口恭司の勝利とランキング入りにより、さらにフライ級戦線が激化している。  現フライ級王者はパントージャ、2位が平良と対戦するモレノ、3位がケイプと対戦するロイバル、4位が8月の平良戦を欠場したアミル・アルバジ、5位が12月7日にモレノ戦を迎える平良、そして6位に元RIZIN王者のケイプがランキング。さらに7位に23日にアレックス・ペレスに逆転のギロチンチョークを極めたアスー・アルマバエフ、そして、堀口が8位にランクインした。  平良が6日に勝利すれば同日のパントージャvs.ヴァンの勝者との対戦が濃厚といわれているが、翌週にケイプがロイヴァルにいい勝ち方をすれば、次期挑戦者候補に挙がってくるだろう。そして、ビッグカムバックを果たしてパントージャをコールアウトした堀口も、2戦目で上位を下せば、一気に王座挑戦の可能性も出てくる。  層の厚みを増し、群雄割拠となったフライ級で師走決戦を制するのは、誰か? 
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