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【RIZIN】萩原京平、死闘から復活へ「まだ少しの希望はある」「勝ってナンボ、来年の1発目で」

2025/11/26 12:11
【RIZIN】萩原京平、死闘から復活へ「まだ少しの希望はある」「勝ってナンボ、来年の1発目で」

(C)RIZIN FF

 2025年11月3日に兵庫・GLION ARENA KOBEに1万420人(全席完売)を集めた『RIZIN LANDMARK 12 in KOBE』メインイベントにて、フェザー級で秋元強真(JAPAN TOP TEAM)と死闘の末に敗れた萩原京平(SMOKER GYM)が、練習を本格的に再開させている。

 13日には元ONE&UFC世界フライ級王者のデメトリアス・ジョンソン(米国)がTRIBE TOKYO MMAで開催したMMAグラップリングセミナーに参加。同ジム所属の石井逸人、後藤丈治、武田光司、三浦彩佳らとともに、元王者の指導を受けた。

 汗を流した萩原は、激闘から10日間後の12日から練習を再開したことを明かし、レフェリーストップとなった試合後の治療は「縫ってもいないし、鼻も折れてないです」と笑顔を見せた。

 1Rに打撃を効かせ、2Rから組みで反撃された秋元戦のフィニッシュについては「あそこ(最後)は長南さんと想定してやってきたことだったのに出せなかった。バックも含め、自分の悪いところが出たので課題を克服して、次に活かします」と前を向いている。

 また、『RIZIN CONFESSIONS #199』では、全席完売となった地元・神戸大会をあらためて振り返っている。

「盛り上がってましたね。やっぱ熱いファンの人が多いなって思った」と、試合を見返す萩原は、グローブタッチ無しで始まった因縁の対決を「しないでしょ。普通に。なめんなよって気持ちですよね」と、決意とともにメインに臨んだ思いを語った。

 オーソの萩原に、サウスポー構えの秋元。序盤は萩原がインカーフを当てていく展開だった。

「まず足からあのカーフ、ガンガン蹴っていって意識を下に向けようっていうのを初め思ってた。(当たった)感触はあった。僕が前手が触れる距離やったんで、その距離って僕が一番カーフを蹴りやすい距離なんで」と序盤の蹴りを語る。

 蹴られた秋元はパンチで圧力をかけて、萩原をケージに詰まらせて左ストレートをヒット。アゴを引いて受けた萩原は「こん時に“こいつパンチ速っ”と思って」と秋元のハンドスピードを体感。しかし、ショルダーブロックから右を返していく萩原に、秋元が得意なシングルレッグではなくダブルレッグに。

 差し上げる萩原に左足を両足で挟む秋元だが、左を差させない萩原は正対して突き放す。「あそこもバックを取らせないように。こん時に僕、あいつの鼻に掌底を入れてる」と、ケージを背にしながらも右のオープンハンドでこつこと削っていたと明かし、秋元も「めちゃくちゃ痛くて。でもそれで引いちゃダメだと思って出よう」とスタンド勝負に。

 秋元の左に右、右に相打ちのタイミングで右を突く萩原。「意識は下に行ってるなと思って」右カーフのフェイントからの右ジャブのダブルもヒットさせる。ジャブ、ストレートのワンツーから右のダブルも届かせて秋元に鼻血を出させる萩原だが、「自分のベストな距離でパンチ当たってない。何センチか遠い距離なんで、もう半歩入れば強いの当てれたけど、やっぱコイツは反応がいいんで」と、秋元が決定打にさせなかったという。

 朝倉海ら陣営からの「強真、(組みも)混ぜろ混ぜろ」の声が届いていないか。秋元は「抜けちゃって」と打ち合いに。萩原は「いい感じやなと思って、このまま行けばもう気持ちの勝負になるから、もう絶対負けへんぞって、自分を奮い立たせましたね」と、初回のゴングに手応えを得ていた。

 インターバルで陣営に戻った秋元は、「2R目入る前に落ち着けてプラン変更しようと思って、組んで削ってもっと自分のペースにしようと思った」と、得意の組みを混ぜるプランに変更。

 萩原は「より印象をつけるために自分からガンガン圧かけようと思って前に出たけど、それを読み取って向こうはテイクダウン入れてきましたね」と、秋元が修正してきたことで初回とは展開が変わってきたことを挙げる。

 得意のシングルレッグに入る秋元。スクランブルで立ち上がる萩原の立ち際にギロチンチョークを合わせるが、萩原は横回転で首を外して立ち上がり。

 しかし、秋元はテイクダウンのフェイントを入れることで打撃を当て、反撃に転じた萩原の左フックを潜ると、再びシングルレッグへ。左足を掴んで両足に挟み、腰を右手で抱いて長い右足で軸足を払うようにして後方に倒す、秋元得意の形だった。

 この際、リカバリーで萩原はミスを犯した。そのままサイドを奪う形のテイクダウン。「練習中から僕が長南さんに『そこはあかんぞ』って言われたとこが、やっぱ何箇所か出てしまった」と、萩原は背中を見せた立ち際にバックから足を巻かれたことを悔やむ。

 秋元は背後から左足を深く差し入れ、右ヒザ裏で組んでのボディトライアングル(4の字ロック)。さらに右足は萩原の左足付け根にフックしている。いわゆるおたつロックの形に、萩原は「左の足を外に出せてれば良かったんですけど、思ったよりこの足のキープが上手かった」と、対策は練っていたものの、解除できなかったという。

 ツイスターは防いだ萩原だが、おたつロックのままマウントからのパウンドに頭を抱えて防御しながらヒザを立てに行こうとするが、4の字&おたつロックのために立ち上がれない萩原。

「とにかくこのまま止まったら止められると分かってたんで、動かないとと思ってましたね」と頭を防御しながらバタつくが、秋元の連打にレフェリーがストップ。

 試合後は、バックステージで「え、マジかよ。動いとったスよね」と、悔しがり、「ああ、ここで負けるか」と天を仰いだ。

 あらためてこのフィニッシュを確認した萩原は、「映像見て、まあ、あれは止められても仕方ないですね」とレフェリーのストップに納得。「でも悔しいスね。あんだけ言われて、19歳のクソガキにボコボコにされて、悔しいですよ」と言い、試合後の引退を示唆した投稿に「まあ、やりますよ。直後はちょっとメンヘラなってましたね」と苦笑した。


「やり返すなら、みんなお前の力になるから」(長南TRIBE代表)、「できることは増えていってる。(練習で)やったことは全部試合で出てた」(石井逸人)と、チームから励まされた萩原は、「なんかいいこと言ってくれましたね、いっぱい。またTRIBEで長南さんにしごいてもらいながら、まだまだしっかりちゃんとやれば、まだ少しの希望はあるんじゃないかなっていうのは思いましたね」と、2連勝からの黒星に前を向いた

 メインイベントで激闘により鼻骨骨折で全治1カ月も最後はフィニッシュした19歳の超新星は、「どんだけもらっても俺、心折れることないんで、この先のRIZIN掘り上げていけるのは、この俺しかいないんで、皆さんこれから俺を注目しててください」とエースを宣言。

 萩原は、「今後、絶対負けへんぞって。やっぱ勝ってナンボじゃないですか。来年の1発目の大会ぐらいで復帰できたらいいなと思ってますね」と、2026年のRIZIN開幕戦での再起を誓っている。

 群雄割拠のフェザー級で、両者どんな次の一歩を踏み出すか。

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