シュートボクシング
レポート

【シュートボクシング】海人がケールからダウン奪いリベンジ成功「本格的に来年からは世界最強を証明できる場所へ行く。エースの座は譲りたい」と衝撃発言、RISE安本晴翔が山田彪太朗にTKO勝ちでS-cup制覇!笠原友希がONEのマンモスに完勝、憂也が延長戦で都木航佑を振り切る、芦田崇宏がイモトを31秒でKO

2025/11/24 16:11
~SHOOTBOXING 40th Anniversary~S-cup×GZT 20252025年11月24日(月・祝)東京・国立代々木競技場第二体育館※U-NEXTにてLIVE配信 ▼メインイベント(第14試合)70.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール(GLORYルール) 3分3R延長無制限R〇海人(TEAM F.O.D/SB世界スーパーウェルター級王者)判定3-0 ※30-27、30-26×2×エンリコ・ケール(ドイツ/元GLORY世界ライト級1位) SBの絶対的エースの海人は2014年2月にデビュー。2017年11月にSB日本スーパーライト級王座を獲得し、2018年11月にはS-cup2018 -65kg世界トーナメント優勝。その活躍はSB内だけに留まらず、2016年以降はRISE、RIZIN、KNOCK OUTで全勝。KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級王座、RISEミドル級王座を奪取した。2022年6月の『THE MATCH 2022』では野杁正明をも破っている。 驚異の18連勝をマークしていたが、8月のGLORYで世界王者ティジャニ・ベスタティに敗れ王座奪取ならず。その後は連勝で再び勢いに乗ったが、2024年2月に元ONE世界王者ペットモラコットに惜敗。4月のダイレクトリマッチでリベンジを果たした。ベスタティへのリベンジ&GLORY世界王座奪取を目標に掲げ、GLORYのランカーを相手に4連勝をかざっていたが、2025年5月の『ONE Friday Fights』でモハメド・シアサラニに判定負け。6月にはGLORY世界ライト級1位エンリコ・ケールに判定負けとキャリア初の連敗を喫した。10月にペットマイに判定勝ちで再起。戦績は60勝(26KO)9敗1無効試合。  ケールは2013年6月にMixFightフルムエタイミドル級世界王座(-72.5kg)とISKAオリエンタルルールミドル級世界王座(-75kg)を獲得し、2014年にはK-1 GLOBAL主催のK-1 WORLD MAX CHAMPIONSHIPトーナメントで優勝を果たした。決勝ではブアカーオ・バンチャメークと対戦し、3Rが終わって延長戦の前にブアカーオが棄権しての勝利を収めている。  2019年1月からは『ONE』に参戦し、フェザー級キックボクシング・ワールドグランプリにも出場したが準々決勝でジャバル・アスケロフに敗退。ダビット・キリアとタイフン・オズカンに連敗を喫し、ONEを離脱。2021年4月、チンギス・アラゾフにスプリット判定ながら勝利した。2023年5月からはGLORYに参戦して2連勝、2024年3月に王者ベスタティに挑戦も判定負けを喫した。2025年6月、SBで海人と対戦して判定勝ち。戦績は54勝(31KO)18敗2分。  1R、開始と同時に海人は左ローで先制。すかさずケールも左ローを返してパンチを繰り出す。蹴り足をキャッチした海人が右ストレートでダウンを奪う。サウスポーから左カーフ、左ストレートとアグレッシブに攻める。ケールの攻撃の手数に負けない。  右ストレートから左ボディを決める海人。ケールは前に出るが得意のオーバーハンドは当たらず。海人の左カーフにバランスを崩したケールだが、そのまま前に突進してくる。  2R、海人がワンツー、ケールも負けじと打ち合うが海人の左フックでケールがフラつく。すかさずラッシュをかける海人にケールはクリンチ。さらにバッティングをアピールする。  再開後、海人は右ストレート、左三日月。ケールは左ローを蹴って左フックも海人は組み付いてケールの動きを止めてしまう。ケールはワンツー。  3R、ローの蹴り合いからケールが左右フックで突進しようとするが、海人は組んで止める。左ローを蹴るケールに海人は左ロー、右ストレート、テンカオ。ケールの連打にロープを背にするが、ブロックからの狙いすました右ストレート。パンチを出すケールにはヒザを突き刺す。右三日月からの右ストレート。海人の右ストレート、ヒザが決まる。ケールの左右フックはブロック。  判定3-0で大差を付けて海人がリベンジ成功。ケールと笑顔で抱き合い、健闘を称え合った。  海人はマイクを持つと「ケール選手、今回も来てくれて戦ってくれて感謝しています。今回ははこうやって勝ちましたけど僕も納得してないので、ぜひ再戦させてください。その時は完全決着するので、その時はまたよろしくお願いします。今後僕自身、世界最強目指しているので本格的に来年からは世界最強を証明できる場所、ベルトがあるので、来年からそこに動いて行きそこで世界最強を証明します。だからエースの座を次の若いシュートボクサーたちに譲りたいと思います。若い子たちは強い子ばかりなので、来年以降のシュートボクシング、そして僕自身に期待してください」と、エースの座を若手に譲り、自分は戦いの場を移すと宣言した。 [nextpage] ▼セミファイナル(第13試合)S-cup世界フェザー級トーナメント決勝戦 58.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R×山田彪太朗(シーザージム/SB日本フェザー級王者)TKO 2R 2分42秒 ※3ノックダウン〇安本晴翔(橋本道場/RISEフェザー級王者)※安本がトーナメント優勝。  約7年ぶりに開催されたシュートボクシングのワールドトーナメント『S-cup世界フェザー級トーナメント』の決勝戦は、山田彪太朗と安本晴翔で争われた。  山田は1回戦でジョシュエ・アブサロン(フランス)に判定勝ち、準決勝でサタントン・チョーハーパヤック(タイ)に判定勝ち。安本はSB日本フェザー級1位・川上叶(龍生塾)に判定勝ちでリベンジ、準決勝で彪太朗の双子の弟・山田虎矢太(シーザージム)に1RでKO勝ちして決勝へ。  1R、サウスポーに構えた安本が左ミドルで先制し、左ローを蹴って前へ出る。さらに左ストレート。山田は左インロー。左の蹴りで前へ出ていく安本に右ストレートを打つ山田だが、そこへ安本も右ストレートを連打。前へ出る安本が右ストレート、左ミドル。山田は右インロー。山田が左ボディを当てると、安本は左フックを返す。  2Rは山田が前へ出て行くが安本は左右ボディの連打、左右フック、左ロー。安本は右インローを蹴り、安本の右足が流れる場面も。安本のワンツー、左ミドルハイ。山田が右を出し、安本が左を伸ばしたところで山田がスリップ。これがダウンとなる。  立ち上がった山田へ安本がラッシュを仕掛け、右ストレートでダウンを奪う。さらにラッシュをかける安本が左右フック、ヒザ、最後は右ストレートを打ち抜いて3度目のダウンを奪い、安本がTKO勝ち。S-cupを制した。  S-cupの歴史上、他団体の日本人王者の優勝は初。リング上には虎矢太も上がり、悔し涙を流した。  安本はマイクを持つと「RISEフェザー級王者、S-cup王者の安本です。僕、初めてワンデートーナメントで本当に凄く不安で毎日不安で生きてきました。僕が日本で、いや世界でフェザー級は俺が一番強いと思います。シュートボクシングファンの皆さんも僕のことを知らない方もたくさんいると思いますが、フェザー級は僕が一番強いので、追いかけて応援してくれたら嬉しいです。師範と仲間に練習を支えてもらって、お母さんにもいろいろ支えてもらったので、ありがとうございました」と語った。  リング上には与座優貴も上がり、一緒に記念撮影に収まった。 [nextpage] ▼第12試合 61.5kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇笠原友希(シーザージム/SB日本スーパーフェザー級王者)判定3-0 ※30-27×3×マンモス・ソー・サラッチープ(タイ/オームノーイスタジアム認定ライト級王者)  笠原は3月から開幕した『RISE WORLD SERIES 2025-61.5kgトーナメント』に参戦し、1回戦ではパヌワット・TGTに2RKO勝ち。続く6月の準決勝ではRISEライト級王者・中村寛に延長戦の末に敗れたが、どちらに勝敗が転んでもおかしくない大熱戦だった。戦績は32勝(16KO)5敗。  笠原の再起戦の相手として用意された19歳のマンモスは73戦60勝12敗1分のオームノーイスタジアム認定ライト級王者。2024年9月より『ONE Friday Fights』に参戦し、コプター、リッティデット、エー・ミウに勝利。今大会で行われる『S-cup世界フェザー級トーナメント』に出場するサタントンには判定2-0、ブアキャオには判定2-1でそれぞれ惜敗。3勝(2KO)2敗と勝ち越している。4月大会でジャック・ジャックムエタイに勝利した兄・弘希に続いて、友希も強豪タイ人を撃破なるか。  1R、サウスポーの笠原にマンモスは右へ動いて右ミドルハイ、右ミドルを蹴る。笠原はじりじりと前へ出て圧をかけ、左ミドルと左ストレート。マンモスは前蹴り。笠原の左ミドルをしっかりとスネでカットするマンモスに、笠原は左ボディストレートを打つ。笠原の左ストレートにはマンモスが右ストレートから組んでのヒザ。マンモスの右ミドルに飛び後ろ蹴りを放つ笠原。  2Rになるとマンモスが前に出て右カーフと右ストレート、右ミドル。笠原は左ボディと左右フックで応戦。右ボディから左ストレートでマンモスが仰向けに倒れるが、これはスリップ判定に。笠原の左ボディストレートが突き刺さる。  マンモスが右ミドルを蹴ると左ボディをリターンする笠原。投げは失敗に終わる。するとマンモスも投げを狙う。右ミドルをキャッチされたマンモスはそのまま右ストレート、組み付くと笠原を投げ倒す。  3R、前に出るマンモスをワンツーで迎え撃つ笠原。左ミドルと左ローも蹴る。マンモスは右ミドルから右ストレート。笠原が前へ出て右ヒザを突き刺すとダウンを奪う。マンモスの左ミドルに笠原が後ろ蹴り、マンモスが組み付くと笠原は投げようとする。  右ミドルを蹴るマンモスだが、笠原のボディをもらうと後退。組み付くとすぐに投げようとするマンモス。試合終了直前、笠原が飛びヒザ蹴りを放ったが決まらなかった。  判定は3-0で笠原が再起戦で勝利した。 [nextpage] ▼第11試合 70.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R×都木航佑(キャピタルレイズ fighting GlaNz/SB日本スーパーウェルター級王者)延長R 判定1-2 ※9-10×2、10-9〇憂也(魁塾/RISEミドル級2位)※本戦の判定は29-30、29-29、30-29。 都木は2023年9月のSB参戦以降、次々と同階級のSB上位ランカーを撃破し、今年2月にはRYOTAROを判定で下してSB無敗のままSB日本スーパーウェルター級のベルトを獲得。前回10月大会では念願の国際戦が実現し、ベルギーのサイヤン・ウォーリヤーを2RKOで沈めた。SBで敵なし状態の都木は他団体の実力者との対戦も熱望しており、今回もそれが実現した形となる。戦績は16勝(8KO)2敗。 対する憂也は長らくRISEミドル級のトップ戦線で活躍し、55戦のキャリアを誇るベテランファイター。破壊力のある右ストレートで、これまでに緑川創、匡志YAMATO、T-98といったトップファイターを撃破している。戦績は37勝(19KO)15敗3分。  1R、前に出る憂也が右ボディ、都木は左ロー。近距離で3連打を回転させる憂也に都木はロープを背負うが前蹴り。都木は右ローと前蹴り、憂也は左ボディ。都木は右ロー、左インローとローを多用する。憂也は入り込んで左のヒザを上手く当てた。  2Rも右インローと右ローを蹴っていく都木に、憂也は前に出て近付くと3連打のコンビネーション。両者組むとヒザを蹴り合う。前蹴りをボディと顔面へ放ち憂也の前進を止めにかかる都木だが、憂也は右ストレートを浴びせる。都木の投げは憂也が防ぐ。  3R、じりじりと距離を詰める憂也が飛びヒザ蹴り、都木は組むと投げを狙うが憂也がディフェンス。離れると憂也は左ミドル、都木も右ストレートを返す。細かく連打を当てる憂也に都木は投げを狙うも憂也は投げさせない。都木のジャーマンも憂也が足を掛けて防いだ。憂也の左フックに都木は組み付いて首投げも失敗。憂也がワンツー、都木が前蹴りからワンツーの連打で前へ出たところでゴング。  判定は三者三様でドロー、延長戦へ。都木がワンツー、組みに行くが憂也は組ませない。前へ出て右を狙う憂也に都木が組み付きに行く。ブレイク。都木がジャブからワンツーと前へ出て、憂也は右ボディと左フック。組んでヒザを蹴る憂也に都木もヒザを蹴り返す。互いに組んでヒザを蹴り合う。  判定は2-1と割れ、憂也が勝利をもぎ取った。 [nextpage] ▼第10試合 S-cup世界フェザー級トーナメント準決勝(2)58.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R×山田虎矢太(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級王者)TKO 1R 2分21秒 ※2ノックダウン〇安本晴翔(橋本道場/RISEフェザー級王者)※安本が決勝戦へ進出。  1R、両者とも左右にスイッチしながらステップを踏み、安本はミドルキック、山田はローキック。安本が右ストレートを当て、距離を詰めての右ストレートでダウンを奪う。左フックからの右ハイ、右フックには山田も右フックを合わせに行く。組み付くと山田がシュートポイント1点を奪う。  立ち上がると安本が左フックでグラつかせ、距離を詰めての左フックで2度目のダウンを奪いKO勝ちを飾った。  試合後、山田は「自分のパンチが効いて顔に出ていたので、そこで雑になってもらってしまいました。経験値の差を感じました」と、キャリア差を感じたと振り返った。 [nextpage] ▼第9試合 S-cup世界フェザー級トーナメント準決勝(1)58.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇山田彪太朗(シーザージム/SB日本フェザー級王者)判定3-0 ※29-28×3×サタントン・チョーハーパヤック(タイ/プロムエタイ協会スーパーフェザー級王者)※山田が決勝へ進出。  1R、1回戦とは違いオーソドックスに戻したサタントンは伸びる右ストレート、右カーフ、右フックから左ヒザを突き上げる。山田は左カーフ。サタントンの左ミドルには山田が左ボディを返す。  なんとサタントンは山田に首投げ。ジャブを打つサタントンに山田は前へ出て左右フックを放つが、サタントンの右ストレートをもらう。サタントンは組みを上手く使う。山田の先輩RENAは「山田の動きが悪すぎる」と評する。  2R、山田は左フック、右ストレート。サタントンは左ハイキックを放つ。山田の前進を前蹴りで阻むサタントンは左ミドルを蹴るが、山田は左右ボディで逆襲。またも首投げを狙うサタントン。左ミドル、右フック、山田の右フックにはテンカオ。サタントンの左アッパーからの右フックにバランスを崩す山田。前に出て右を打つ山田だが、かわされる。  3R、前に出る山田をテンカオで迎え撃つサタントン。山田はワンツーを空振り、サタントンが組んでバックに付くと山田が起死回生の首投げでシュートポイント1点を奪う。さらに一本背負いでシュートポイント1点を追加。  サウスポーになったサタントンはパンチで前へ出て反撃、大外刈りを仕掛けるも失敗。サタントンの顔面前蹴り、組んでのヒザ。山田も左フックで応戦する。  判定は3-0で山田の逆転勝利となった。 [nextpage] ▼第8試合 67.5kg契約 MMAルール 5分3R×イモト・ボルケーノ(FIGHT SCIENCE/SB日本スーパーライト級王者)KO 1R 0分31秒〇芦田崇宏(BRAVE GYM/第8代DEEPフェザー級王者)  イモトは前回8月のSB日本スーパーライト級タイトルマッチで、笠原弘希を挑戦者に迎えて初防衛戦。左ジャブでカットに成功したイモトは、笠原の巻き返しから逃げ切り、レフェリーストップによるTKO勝ちを収めた。 対する芦田はベースとなるボクシングでは高校時代にインターハイと国体に出場経験を持つMMAファイター。DEEPでは第8代フェザー級王者となり、2020年からはRIZINにも参戦。RIZINデビュー戦で萩原京平に一本勝ちし、今年7月のRIZINでは元RISE王者・直樹に判定勝ちを収めた。  イモトとは2023年6月にSBルールで対戦しており、この時はイモトが延長戦の末に判定勝ち。MMA経験で勝る芦田がイモトへのリベンジなるか。それともイモトが実力者の芦田からMMA初勝利を収めるか。  1Rが始まってすぐ、芦田が右ニータップのフェイントから左フックを叩き込み、これがモロに決まってイモトは前にダウン。芦田の秒殺KO勝ちとなった。  芦田はマイクを持つと「外敵の芦田です。イモト選手、挑戦してくれてありがとう。(イモトが「絶対にそこまで行くから」)待ってるよ。僕はSBかなり苦い思いをいっぱいしてきてます。いるね、一人、怪物くん。今日いるのかな? やりかえしたいのでぜひ」と、鈴木博昭へのリベンジをアピールした。 [nextpage] ▼第7試合 70.0kg契約 オープンフィンガーグローブマッチ エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇風間大輝(橋本道場/SB日本スーパーウェルター級1位)TKO 3R 1分38秒 ※レフェリーストップ×ネットパヤック サウン・アルハンペクマイ(タイ)  1R、サウスポーの風間は左ロー、左ミドル、左三日月蹴りと蹴りながら前に出る。ネットパヤックも右ミドル。風間は首相撲を仕掛けるとヒザ蹴りから首投げで鮮やかに投げてシュートポイント1点。  2R、右ミドルと右ストレートで前に出るネットパヤック。風間は左の蹴りで迎え撃つが、ネットパヤックは右フックを思い切り叩きつけてくる。風間は組むと払い腰でシュートポイント1点を追加。右ミドルを放ったネットパヤックに風間がジャブをカウンターで入れてダウンを奪う。  もう立ち上がれないかというほどの倒れ方だったが、ネットパヤックは左フックを連発して前へ、風間はまた左の蹴りを連打しながら前へ出ていき、パンチの連打。飛びヒザ蹴りで2度目のダウンを奪う。左ボディからワンツー、そして首相撲からのヒザ。  3R、ネットパヤックは右ミドルを蹴って前へ出ていくが、風間はジャブで圧をかけていく。風間は首相撲に持ち込むと、左ヒザを頭部へ突き上げ、この試合3度目のダウンを奪う。ここでレフェリーがストップし、風間のTKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第6試合 S-cup世界フェザー級トーナメント・リザーブマッチ 58.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇魁斗(立志會館/SB日本フェザー級2位、HOOST CUP日本フェザー級王者)TKO 1R 1分49秒×ソエブ・ベンテビシュ(アルジェリア/AMTFスーパーフェザー級王者) 魁斗は6月大会で山田虎矢太にKO負け、リザーブマッチで復活を狙う。対するAMTFスーパーフェザー級王者ソエブはONEで活躍するエリアス・マムーディと同門で、現在はタイでも練習を積み、山田ツインズと同じ双子ファイターとして活躍している。  1R、魁斗は右ストレートで入り込むと、そのまま組んでヒザ。ベンテビシュが左ハイキックを空振りしたところで、軸足が滑り、転倒。腰を打ち付けてそのまま立つことが出来ず、魁斗のTKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第5試合 S-cup世界フェザー級トーナメント1回戦(1)58.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇山田虎矢太(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級王者)KO 1R 2分45秒 ※左フック×メイマン・マメドフ(アゼルバイジャン)※山田が準決勝へ進出。 山田ツインズの弟・虎矢太は2019年8月にプロデビュー後13連勝を飾っていたが、2024年3月にプロキャリア初の敗北を喫した。適正階級であるフェザー級に階級を上げ、10月には上位ランカーの内藤凌太を撃破。12月にはONEからの刺客シッティチャイを1RTKOで葬り3連勝を飾っていたが、2025年2月に川上叶に2度のダウンを奪われる完敗。しかし、6月の魁斗戦では初回TKO勝ちで復活。8月にはペップンソンにも勝利。戦績は18勝(12KO)2敗。 散打をベースに持つ。Eagles FCフライ級王者。2015年にカザフスタンで開催されたKunlun FightでMMAプロデビュー。黒星が先行した時期もあったが、2018年5月に『WFCA 48』で3Rに強烈な打撃を叩き込みKO勝利。RIZINデビュー戦となった2022年10月、手塚基伸にTKO負けを喫したが、2023年4月の『RIZIN.41』では中村優作に開始23秒でTKO勝利、同年11月にはアゼルバイジャンで開催された『RIZIN LANDMARK 7』でフェリット・ギョクテペに判定勝利した。MMA戦績は7勝6敗1無効試合。 マメドフは前日計量で契約体重を250グラムオーバー。マメドフはレッドカード2枚、減点2からの試合開始。マメドフが8オンス、虎矢太が6オンスのグローブを着用。マメドフはファイトマネーの30%を没収。虎矢太が勝利した場合、虎矢太が準決勝に進出。マメドフが勝利した場合、リザーブマッチの勝者が準決勝に進出。公式記録はマメドフの勝利となる。 1R、山田は左ミドル中心、マメドフは右ローを蹴る。山田の前蹴りにマメドフは飛び込んでの左ボディ。マメドフの右カーフに山田も右カーフを蹴り返し、山田は左の三日月を蹴る。バッティングで一時中断。再開後、マメドフが左右フックで前へ出る。山田は左ミドルと左三日月、マメドフは組んでのヒザ。打ち合いになったところで山田の右から返しの左フックがヒットし、ダウンを奪う。  山田がワンツー、前に出て左右フックを打つマメドフは組むと投げ。山田が左三日月を蹴り、右フックからの左フック。マメドフがもんどりうって倒れ、山田がKO勝ちで準決勝へ進出した。   [nextpage] ▼第4試合 S-cup世界フェザー級トーナメント一回戦(3)58.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇安本晴翔(橋本道場/RISEフェザー級王者)判定3-0 ※29-30、28-30×2×川上 叶(龍生塾/SB日本フェザー級1位)※安本が準決勝へ進出。 安本は少年時代からアマチュアで150戦以上を経験し、24冠王に輝くなど活躍。2016年6月に16歳でプロデビューを果たすと、REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座、INNOVATIONスーパーバンタム級王座、KNOCK OUT-REDフェザー級王座、WBCムエタイ日本統一フェザー級王座を次々と獲得。2022年7月からはRISEに参戦し、2024年10月に門口佳佑を判定で破り第6代RISEフェザー級王座に就いた。2025年6月には國枝悠太をKOして初防衛に成功。戦績は34勝(16KO)4敗2分1無効試合。 川上は2016年8月にデビュー。2019年11月に初代SB日本バンタム級王座決定戦を制して王座に就くと、2022年4月には同フェザー級王座決定戦にも勝利して2階級制覇を達成。RISEにも参戦して安本晴翔、京谷祐希に勝利し、2023年4月に山田彪太朗に敗れ王座を失うも、12月にはK-1で斗麗からも勝利して実力を証明した。2025年2月には彪太朗の弟・虎矢太から勝利を奪ったが、4月の彪太朗との再戦では僅差で敗れ王座奪還ならず。10月に牧野騎士からKO勝ちして出場権を手にした。戦績は15勝(6KO)8敗。  安本はまさかのロングスパッツ着用。  1R、サウスポーの川上に安本は右インローと右ミドルハイ。両者ともステップを踏み、互いに前足のポジションを奪い合う。安本の右インローに川上がワンツーから組み付くと、安本は投げを見舞おうとする。安本の右ミドルハイに川上はワンツー、安本はヒザ蹴りを突き刺す。最後に安本が左ボディを打ち込んだ。  2R、川上はワンツーの連打で前へ出て左ストレートを当てる。安本は細かい連打からヒザ。ジャブを当てる川上に安本は右ミドル。前に出る川上に安本がヒザを突き刺す。  3R、川上が一気に前へ出てワンツーの連打。安本は組んで投げを狙うが失敗。安本が前へ出ての右ストレート、組んでのヒザ蹴り連打。再び川上が前へ出て左ストレートを当てていくと安本はヒザ。その後の投げは防がれる。  安本がテンカオ、川上は左右の連打。川上のパンチにテンカオで対抗する安本が、組んできた川上にフロントチョーク、これは崩れてブレイク。安本が投げを仕掛けたところで終了。  判定3-0で安本が勝利、SB仕様の戦い方でリベンジを果たして準決勝へ駒を進めた。 [nextpage] ▼第3試合 S-cup世界フェザー級トーナメント1回戦(2)58.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R×古木誠也(REX GYM/KNOCK OUT-BLACKフェザー級王者)判定0-3 ※29-30、27-30、28-30〇サタントン・チョーハーパヤック(タイ/プロムエタイ協会スーパーフェザー級王者)※サタントンが準決勝へ進出。 古木はフルコンタクト空手で多数の優勝・入賞歴があり、持ち前の破壊力で2022年12月に工藤“red”玲央を初回KOしてKNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王座に就いた。2023年8月、小倉尚也を初回KOで破り王座初防衛に成功。しかし、2024年12月のドスティン・オルティス戦で体重超過、王座を返上した。2025年4月、階級をフェザー級に上げての第一戦で辰樹を2RでKOすると、6月にはカルロス・モタを1RでKO。9月にはSBの内藤凌太に判定勝ちしてKNOCK OUT-BLACKフェザー級王者に。戦績は14勝(10KO)3敗。 プロムエタイ協会スーパーフェザー級王者のサタントンは、過去にラジャダムナンスタジアムでもベルトを巻き、ONE Friday Fightsでも2戦2勝の実績を持つ。2025年10月、SBに初来日して古村光と対戦、判定で破っている。  1R、サウスポーのサタントンは古木の軸足を蹴って転倒させる。前に出る古木にジャブと前蹴り、古木が入り込むと首相撲からのヒザ。左ハイキック、前蹴り、ジャブと距離をとるサタントン。  古木の左フックは空を切り、逆にサタントンがワンツー。ステップを踏んで動くサタントンは古木のパンチをかわしていき、首相撲で豪快に倒す。前に出てサタントンにロープを背負わせ、左ボディを叩き込む古木。  2Rもステップを踏むサタントンに、古木は左へ動いて右回りを阻止。前蹴りとジャブのサタントンに古木は踏み込んでいってボディを狙うが、サタントンは右フック。古木の左フックがクリーンヒットすると、サタントンは組み付く。  古木の圧につかまり始めるサタントンは首相撲からのヒザ。古木は投げを狙ってたが失敗。サタントンが左ミドル、前蹴り、古木は前へ出て右フック。  3R、サタントンは左ミドル、右へ動こうとするが古木が先に動いて阻止。組んできたサタントンを一本背負い気味に投げようとしたが失敗。その直後、今度はサタントンが首投げ、これは見事に決まりシュートポイント1点が入る。  古木は逆転を狙って前に出るが、サタントンは首相撲からのヒザに持ち込む。古木の追撃をジャブで迎え撃つサタントン。左右フックを放って前へ出る古木に、サタントンは組み付く。  判定3-0でサタントンがKNOCK OUT王者を破って準決勝へ進出。 [nextpage] ▼第2試合 S-cup世界フェザー級トーナメント1回戦(1)58.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇山田彪太朗(シーザージム/SB日本フェザー級王者)判定3-0 ※29-28×2、30-28×ジョシュエ・アブサロン(フランス/ISKA K-1ルール世界スーパーフェザー級王者)※山田が準決勝へ進出。  山田ツインズの兄・彪太朗は2019年8月にプロデビューすると4連勝(無効試合を挟む)を飾ったが、2021年4月に翔に初黒星を付けられた。2022年11月の次期挑戦者決定トーナメントで優勝。12月のRISEとの対抗戦で門口佳佑戦に逆転負けを喫したが、2023年4月に川上叶に勝利してSB日本フェザー級王者となった。  その後はムエタイを相手に3連勝。2024年4月にKNOCK OUTからの刺客・栗秋祥梧に判定勝ち。6月のKNOCK OUTでの龍聖戦前に指を切断しかけるほどの重傷を負って欠場したが、10月に一仁を初回KOして再起。12月はカオムーカイに判定勝ち、2025年2月にルエル・カタランをKO。4月には川上叶の挑戦を受けての初防衛戦で勝利した。8月にはデウンに完勝。戦績は21勝(7KO)3敗1無効試合。 身長173cmのサウスポー。ISKAヨーロッパK-1ルール-59kg王座(2024年)、ISKAヨーロッパK-1ルール-61kg王座(2024年)、ISKA世界K-1ルール-59kg王座(2025年)を獲得。フェザー級ヨーロッパ最強の呼び声も高い選手だという。戦績は14勝(5KO)2敗。2025年4月にMMAの試合も行っており、判定で勝利している。  1R、サウスポーのアブサロンは左ストレートを繰り出し、山田は右インロー。アブサロンの左をもらった山田だが、すぐに右を打ち返す。前に出る山田が右ボディ、アブサロンの左はもらうが右ストレートをビッグヒット。アブサロンは左ストレート、右ボディ。山田の強打をもらってもすぎに打ち返す強さを見せる。  2R、ローの蹴り合いからスタート。前に出る山田が右インロー、アブサロンは左ストレート。徐々に山田の右ストレートの顔面とボディへのヒットが目立ち始める。コーナーに詰まるアブサロンだが左ストレート。山田が首投げも不十分。左ロー、組んでのヒザはアブサロン。右カーフでバランスを崩した山田へワンツー、右アッパーからの左フック、組んでのヒザを打つ。  3Rもローの蹴り合いからスタート。そのローに右ストレート、左フックの山田だがアブサロンも右フック、左ストレート。パンチからヒザにつなぐアブサロン。ローの蹴り合いから足を止めての打ち合いを挑む山田、アブサロンは組んでのヒザ。このヒザが厄介だ。パンチを出す山田に左ミドルも蹴る。山田が得意のボディを打とうとするとアブサロンは組んでヒザを突き刺す。山田が出会い頭の右を2度ヒットさせ、その後も左右フックを当てる。  苦戦を強いられた山田だが判定3-0で勝利。準決勝進出一番乗りを果たした。 [nextpage] ▼第1試合 62.5kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇手塚翔太(Sublime guys・GONG-GYM坂戸/SB日本ライト級3位)延長2回 判定3-0 ※10-9×3×健真(BLACK☆Jr/DEEP☆KICK-60kg王者)※本戦の判定は28-29、29-29、30-29。延長戦の判定は10-9、10-10、9-10。  高いKO率を誇る手塚は、前回10月大会で樋沼朝光とのバチバチの打ち合いの末に1RTKO勝ちで現在11連勝中と勢いに乗る。今回対戦する健真は軽快なステップから繰り出す空手仕込みの蹴りを得意とし、DEEP☆KICKやKAKUMEIでキャリアを重ねてきた関西キック界注目の選手。  手塚は8月のクリスチャン・グイド戦からライト級に階級を上げ、今大会では他団体王者と対戦。手塚がライト級でも連勝記録を伸ばすか、それともDEEP☆KICK王者の健真がSB初参戦で手塚を倒してインパクトを残すか。  1R、序盤は静かな立ち上がり。手塚が鋭いジャブを当て、健真もジャブで応戦。健真は右カーフも蹴る。左フックが交錯する。残り1分、手塚が仕掛けて右ストレート、左フック。健真は右ストレート。手塚はスイッチもして笑顔で余裕を見せる。至近距離での打ち合いで健真は左ハイを繰り出す。  2R、手塚は踏み込んでのワンツー、組むと健真はクリンチアッパー、手塚は投げの体勢に入るがブレイク。健真の左インローで手塚が崩れるがこれはスリップ。立ち上がった手塚はワンツーで前へ行き、健真もワンツー、左ハイで応戦する。左ミドルを蹴る健真に手塚は右を合わせる。  3R、手塚はジャブ連打から右ストレートも空振り。手塚が右を当てると健真も右を当てる。左右フックからの右カーフとコンビを繰り出す健真。手塚は思い切りパンチを振るが空振りが続く。ならばと手塚はヒザ。健真は蹴りのフェイントを見せつつ右ストレートを狙う。健真のジャブをもらう手塚。残り時間間近で手塚が首投げを見舞ったが不十分。手塚の蹴りがローブローになって本戦終了。  本戦の判定は三者三様でドロー、延長戦へ。健真が左右フックで前へ出ると手塚も応戦。健真は右カーフを蹴る。前に出る手塚に右カーフを狙い撃ちする健真に手塚は右フック。健真の右フックもらった手塚だが左三日月を突き刺す。手塚はさらに後ろ廻し蹴りを放つ。健真も蹴りを出して応戦。  延長1Rの判定もドロー。2度目の延長戦へ。健真の右をかわして右を打ち返す手塚。首投げは耐えられて失敗。健真がコンビネーションを繰り出したところで両者バッティング。ワンツーで前に出る健真を手塚は右で迎え撃つ。手塚の左フック、右ストレートにバランスを崩す健真。このラウンドは手塚がパンチを当て、判定3-0で健真を振り切った。  手塚はこれで12連勝。
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