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【UFC】マハチェフがマダレナを5R完封、ライト&ウェルター級の二階級制覇。シェフチェンコがウェイリーにフルマーク判定勝ち防衛、モラレスが1R TKOでMMA19戦無敗に! プラテスがエドワーズを左ST KO、サン・デニがダリウシュを16秒KO、ニッカルがヴィエイラを左ハイKO、ブランチフィールドがコルテスに一本勝ち

2025/11/16 08:11
 2025年11月15日(日本時間16日)、米国ニューヨーク州ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンにて『UFC 322: Della Maddalena vs. Makhachev』(U-NEXT/UFC Fight Pass配信)が開催された。 『UFC 322: Della Maddalena vs. Makhachev』速報 現地2025年11月15日(日本時間16日)米国ニューヨーク州ニューヨーク/マディソン・スクエア・ガーデン 【メインイベント】 ▼UFC世界ウェルター級選手権試合 5分5R〇イスラム・マハチェフ(ロシア)28勝1敗(UFC17勝1敗)※UFC16連勝・UFC世界ライト級王者 170lbs/77.11kg[判定3-0] ※50-45×3×ジャック・デラ・マダレナ(豪州)18勝3敗(UFC8勝1敗)※UFC8連勝でストップ 169.8lbs/77.02kg※マハチェフがライト級に続きウェルター級新王者に。二階級制覇  豪州でラグビー、ボクシングを経験後、MMAファイターとなったマダレナは、2016年のプロデビューから2連敗後、驚異の18連勝でUFC王座を戴冠。25年5月にベラル・ムハメドを5R 判定勝ちで破って以来、初めての王座防衛戦となる。  ダゲスタンでハビブ・ヌルマゴメドフの盟友のマハチェフは、2022年10月にチャールズ・オリベイラに一本勝ちでライト級王座を戴冠後、アレクサンダー・ヴォルカノフスキーを2度撃破するなど、4度の王座防衛に成功。2025年1月のヘナート・モイカノ戦の一本勝ち後、練習仲間のムハメドがマダレナに敗れたことでウェルター級転向を決意した。2階級制覇を目指して新たな道を進む。  1R、両者サウスポー。カーフを蹴るマハチェフに左右のパンチで出たマダレナ。距離を取るマハチェフ。マダレナは頻繁にスイッチを繰り返す。ジャブ、ボディストレートをヒット。詰めたところにマハチェフが左フックを入れる。マハチェフが飛び込むとシングルレッグ。軸足を払ってテイクダウンしたマハチェフ。ハーフで押さえ込んだマハチェフ。押さえ込んだまま右でパウンドを入れていく。  マダレナは腕でスペースを作るとスクランブルで逃れようとするが、マハチェフはこらえてバックについた。両足をフックしてバックマウントに。マダレナは向き直って正対するとハーフに戻した。ハーフからパウンドを入れるマハチェフ。残り1分。ハーフからダースチョークを狙うマハチェフだが、ガードに戻したマダレナ。下から足を抱えたマダレナ。そのまま蹴り上げるが、片膝をついた体勢のマハチェフの顔面にも入ってしまう。反則をアピールしたマハチェフ。1R終了。  インターバル中にレフェリーからグラウンド顔面蹴りの注意を受けるマダレナ。  2R。マダレナのミドルをキャッチしようとしたマハチェフ。足を引いて防いだマダレナ。マハチェフ左ハイ。さらにアッパーを入れると組んでケージに押し込む。マダレナが小手投げを狙ったが、こらえたマハチェフがまたハーフにして押さえ込んだ。ヒジを落とすマハチェフ。体を起こそうとしたマダレナだが、また押さえ込まれる。マハチェフはマダレナの左脇に頭を突っ込んで肩固めを狙う。解除したマダレナだがマハチェフがヒジを落とす。残りわずかで亀になり立ち上がったマダレナ。マハチェフが放さずにテイクダウンを狙ったところで2R終了。  3R。マハチェフがジャブを見せる。マダレナはハイ、インローを軽く蹴って牽制する。カーフを蹴るマハチェフ。さらにワンツーをヒット。マハチェフが首相撲に捕らえると、左右のパンチを打ち込んで引き剥がすマダレナ。マハチェフがダブルレッグに入る。テイクダウン。ハーフから体を起こそうとしたマダレナだが、マハチェフがダースを仕掛けると、ディフェンスのために背中をマットにつけた。再びマハチェフが押さえ込む展開に。ハーフの足を抜こうとするマハチェフ。マダレナが半身になると、またダースチョークのプレッシャーを掛ける。ヒジを落とすマハチェフ。残り10秒でマダレナが亀になると首をギロチンに抱えるが、ラウンド終了のホーン。  マダレナは下になると、ダースチョークのプレッシャーを掛けられて、脇を差して頭を上げて逃れようとする動きができない。  4R。オーソドックスに構えたマダレナ。マハチェフは左ミドルをボディに入れる。ジャブで牽制するマダレナだが、強い打撃を出すことが出来ない。サウスポーに構えるとマハチェフがカーフキック。すぐに蹴られた足を引いてスイッチするマダレナ。マハチェフがダブルレッグで飛び込んでテイクダウン。またハーフで押さえ込んだマハチェフ。マダレナは亀になり前転してスクランブルで脱出しようとしたが、マハチェフが足をフックしてバックマウントに。マダレナの左腕ごと足でクラッチする。回転して逃れようとするマダレナ。マハチェフは無理にポジションをキープするより、ハーフで押さえ込むことを選択した。残り30秒でハーフからアームロックを狙ったマハチェフ。残り時間わずかで背中を向けて立ち上がるマダレナ。4R終了。  5R。マダレナがパンチで出ていくが、マハチェフがタックルに入りテイクダウン。背中を付けずに逃れようとしたマダレナだが、またもマハチェフが押さえ込む。パスしてサイドに出たマハチェフ。マダレナはハーフに戻す。マハチェフがまたダースチョークを狙う。外したマダレナは、柔術コーチののクレイグ・ジョーンズ直伝のバギーチョークを下から狙おうとしたが、押さえ込まれて入れることができない。最後の10秒、立ち上がろうとするマダレナに、マハチェフがバックからクリンチしたままタイムアップ。 ジャッジ3者50-45のフルマークで、マハチェフがウェルター級新王者となり、UFC11人目の二階級制覇を達成。  マハチェフは試合後のインタビューで、「ファイトプランは見たとおりだよ。特に秘密も何もない、減量がなくて最高だった。これ(二階級制覇)が夢だったんだ。ずっとこのために努力してきたんだよ」とコメントした。 [nextpage] 【コメイン】 ▼UFC世界女子フライ級選手権試合 5分5R〇ヴァレンティナ・シェフチェンコ(キルギスタン)26勝4敗1分(UFC15勝3敗1分)※UFC女子王座防衛8回 124.6lbs/56.52kg[判定3-0] ※50-45×3×ジャン・ウェイリー(中国)26勝3敗(UFC10勝3敗)※UFC女子ストロー級王者 124.6lbs/56.52kg※シェフチェンコが王座防衛  女子フライ級タイトルマッチ5分5R。ウェイリーはストロー級1位。  キルギス出身のシェフチェンコは37歳。UFC14勝3敗(4KO・2一本勝ち)、キャリアでは25勝4敗1分(8KO・7一本勝ち)。母がキルギスムエタイ協会の会長だったため、幼少の頃から姉とともに格闘技を始めている。現在はペルーの国籍も取得。2023年にアレクサ・グラッソの挑戦を受けると、4Rにバックブローを放ち背中を向けたところでチョークに捕まり一本負けでフライ級初黒星。その後2度目の再戦で判定勝ちし、王座を取り戻した。2023年から2年間、グラッソとだけ戦い続けてきたが、その間タイトル挑戦権を争ってきたマノン・フィオロと今年5月に対戦。僅差の判定となったが、王座防衛に成功している。  中国のウェイリーは36歳。UFC10勝2敗(2KO・2一本勝ち)、キャリアでは26勝3敗(11KO・8一本勝ち)。散打ベースのストライカーだったが、一度王座から陥落して以降はグラップリングも強化され、アマンダ・レモスとヤン・シャオナンからは6度のテイクダウンを奪いドミネイト勝利。前戦はレスリング世界選手権銅メダリストのタチアナ・スアレスで、さすがにこの相手に組みで対抗するは厳しいかと思われたが、テイクダウンを奪われたのは1Rの最初のみ。あとは14度のテイクダウンをすべて防ぎ、逆にテイクダウンを奪って完勝した。11年前のデビューから2戦は60kg契約での試合だったが、それ以降はフライ級以上のリミットでは試合をしていない。勝てばUFC11人目の二階級制覇王者となり、女子ではバンタムとフェザーを制したアマンダ・ヌネス以来。  オッズはシェフチェンコ1.74倍、ウェイリー2.14倍。  1R、サウスポーのシェフチェンコに、ウェイリーはオーソドックス。飛び込んで右を一発ヒットさせたウェイリー。前後にステップするウェイリーに左ミドルをヒットさせたシェフチェンコ。スーパーマンパンチを出した。左ハイはウェイリーがバックステップでかわす。ウェイリーが飛び込む。パンチが交錯するが、ケージに詰めたところでシェフチェンコがヒザをボディに入れる。崩れるように下になったウェイリー。  下からバタフライガードで浮かせたウェイリーが立ってスタンドに。ウェイリーの飛び込みに得意のバックブローを狙うシェフチェンコ。ウェイリーはそのままケージに押し込む。ウェイリーが下がって距離を取ろうとしたのに合わせてシェフチェンコが詰めてテイクダウン。またバタフライガードで浮かせようとするウェイリーだが、シェフチェンコは右足を超えてハーフで押さえ込む。そのまま1R終了。  2R。ウェイリーが飛び込んで右。サイドキック。飛び込んだウェイリーだがシェフチェンコが四つで組み止めるとテイクダウン!ハーフから足を抜いてサイドに出たシェフチェンコ。上半身を固めながら肩パンチを入れる。足で腕を踏みつけてマット・ヒューズポジションを狙うが、腕を抜いて防ぐウェイリー。下から右脇を差したウェイリーが返そうとするが、体重をかけて返させないシェフチェンコ。ガードに戻したウェイリーがスイープを狙うが、こらえたシェフチェンコはまたハーフにすると肩パンチ・パウンドを入れる。身動きが取れないウェイリー。ホーン。グラップリングの展開になると、フィジカル・組み力の差がある。  3R。左ハイを出すシェフチェンコ。ウェイリーは飛び込んで右を打ち込む。前蹴り。組みを警戒して遠い間合いから打撃を出すウェイリー。右ミドルを出したところにシェフチェンコの右がカウンターでヒット。首がのけぞったウェイリー。距離を詰めたウェイリーにバックスピンキックをヒットさせるシェフチェンコ。ウェイリーが詰めて右ミドルを入れたが、そこで組み付いたシェフチェンコ。ウェイリーはケージに押し込む。ヒザを入れるシェフチェンコに対し、ウェイリーはヒジを入れて離れた。シェフチェンコのヒザがボディに入るとウェイリー後退。ボディが効いているか。ハイを出すウェイリーだが、シェフチェンコに距離を取られ空振り。ミドルを出したところで組み付いたシェフチェンコ。サバ折りでテイクダウンを狙う。こらえようとしたウェイリーだがテイクダウンを許す。残り1分半。ハーフで押さえ込んだシェフチェンコ。押さえ込んで肩パンチを入れる。ガードに戻して足で離そうとするウェイリーに上からパウンドを落とした。3R終了。  ここまでの3Rを取ったことが濃厚なシェフチェンコ。  4R。飛び込んで関節蹴りを放つウェイリー。シェフチェンコの左ミドルがボディにヒットすると下がるウェイリー。ウェイリーがまた前に出て打撃を出すが、シェフチェンコは下がってかわす。今度は左ハイを入れたシェフチェンコ。首相撲に抱えるとヒザを入れる。ヒジで引き剥がしたウェイリー。三日月蹴りを腹に入れたシェフチェンコ。間合いを詰めると、ウェイリーの飛び込みにカウンターを狙っていく。ウェイリーがミドルを放ったが、キャッチしたシェフチェンコがテイクダウン。ハーフで押さえ込んだ。残り1分。また肩パンチを打ち込むシェフチェンコ。4R終了。  5R。パンチからミドルを入れたウェイリー。組まれたが、すぐに脇を差してテイクダウンを防ぐウェイリー。四つから腹にヒザを入れて離れたシェフチェンコ。シェフチェンコのミドルがボディに入るが、詰めてパンチを入れたウェイリー。また詰めたところで四つに組んだシェフチェンコ。左脇を差しているウェイリーだが、ヒジを出したところで両脇を差される。シェフチェンコがサバ折りテイクダウン。ガードから右足を超えてハーフで押さえ込んだシェフチェンコ。ウェイリーはここから逃れることができていない。右腕で枕を取ったまま、右肩で顔面に肩パンチを入れる。密着したままパウンドを打ち込むシェフチェンコ。クローズドガードに戻したウェイリーが下から蹴り上げる。シェフチェンコは立ち上がると、そのままタイムアップ。  ジャッジ3者が50-45のフルマークでシェフチェンコがフライ級王座防衛。シェフチェンコは「一番大事なチャレンジと思って準備した、相手はKOパワーがあるので距離を取ってグラップリングを活かした」とコメント。敗れたウェイリーは「フライ級に残るかどうかは後で考える」とコメントした。 [nextpage] 【メインカード】 ▼ウェルター級 5分3R〇マイケル・モラレス(エクアドル)19勝0敗(UFC7勝0敗)※UFC7連勝 170.6lbs/77.38kg[1R 3分27秒 TKO] ※右オーバーハンド→ラッシュ×ショーン・ブレイディ(米国)18勝2敗(UFC8勝2敗)※UFC3連勝でストップ 169.4lbs/76.84kg  ウェルター級。ブレイディ2位、モラレス8位。この試合の勝者が次期タイトル挑戦者となることを、ダナ・ホワイトが明言している。  ブレイディは32歳。UFC8勝1敗(4一本勝ち)、キャリアでは18勝1敗(3KO・6一本勝ち)。もともとは柔術ベースのグラップラーだったが、UFCで戦ううちに打撃も向上。3月の前戦は元王者レオン・エドワーズ戦で、エドワーズの敵地イギリスでの試合だったが、1Rにハイペースに打撃を打ち込み、スタンドの展開でも優位を作ると、2R以降はテイクダウンしたブレイディがグラウンドで圧倒する展開となり、4Rにマウントからのギロチンで一本勝ち。しかしエドワーズの元気の無さも目に付く試合だったので、これがそのままブレイディの実力かどうかはわからない。  エクアドルのマイケル・モラレスは26歳。UFC6勝0敗(4KO勝ち)、キャリアでは18勝0敗(13KO・1一本勝ち)。レスリングとムエタイでエクアドル王者となっている。UFC参戦当初は、打撃に威力がありながらも、ディフェンスの甘さも見られた。昨年8月に、ベテランでランカーの門番・ニール・マグニーと対戦し、タックルからスタンドバックを奪われた体勢からバックヒジでダウンを奪い、後は常に上のポジションをキープしながらパウンドを打ち込み、1RKO勝ち。今年5月の前戦は、元タイトル挑戦者のギルバート・バーンズとの対戦で、柔術世界王者バーンズ相手にテイクダウンを奪われたところから瞬時にリカバリー。パンチのラッシュを打ち込み、ランカーを2試合連続で1RKOしている。しかしバーンズは3連敗中で調子を崩している状態だったことを割り引く必要があるかもしれない。  オッズはブレイディ1.77倍、モラレス2.10倍。昨年から今年にかけて、無敗ファイターが初黒星を喫するケースがUFCでは多いが、キャリア無敗のモラレスが若干のアンダードッグ。  1R、両者オーソドックス。中央で構えるモラレスの回りをサークリングするブレイディ。ジャブを突くモラレス。タックルを警戒した低い構えからジャブを出していく。ワンツーで出たモラレスに距離を取るブレイディ。モラレスのパンチが入り動きが止まったブレイディ。詰めてクリンチからアッパー。組んでしのごうとしたブレイディだが引き剥がしたモラレス。再びアッパーで飛び込むモラレス。右オーバーハンド。ブレイディがタックルを見せたところで右のダブルを入れるモラレス。ガードを下げたモラレス。右オーバーハンドから返しの左をヒットさせるモラレス。さらに右アッパーから左を打ち込むとヒットしてブレイディダウン! パウンド連打! レフェリー止めた!  1R3分27秒、モラレスKO勝ち。これでデビュー以来19連勝。 「ヘイ、ボス、ディナ。ニューヨーク、愛してるぜ。ここにいるエクアドル出身のみんな、ラテンアメリカ出身のみんな、ニューヨーク出身のみんなへ。彼は俺にすごく親切にしてくれた。これは母さんへのものだ。母さん、ここから見えるよ。あなたがいるから俺はここにいるんだ。愛してるよ。相手はウェルター級の屈強な選手だと分かっていた。コーチ陣は『重心を低く保て』と指示した。ノックアウトを狙うタイプだからな。少し規律に欠けたが、戦略は成功したと思う。観客も試合を楽しんだはずだ」と語った。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇カルロス・プラテス(ブラジル)23勝7敗(UFC6勝1敗)169.6lbs/76.93kg[2R 1分28秒 KO] ※左ストレート×レオン・エドワーズ(英国)22勝6敗(UFC14勝5敗)170lbs/77.11kg  ウェルター級。エドワーズ4位、プラテス9位。  ジャマイカ出身・イギリス在住のエドワーズは34歳。UFC14勝4敗1NC(3KO・1一本勝ち)、キャリアでは22勝5敗1NC(7KO・3一本勝ち)。2022年8月に、当時アンデウソンのUFC最多連勝記録まで1と迫っていた王者のウスマンのタイトルに挑戦。1Rこそテイクダウンを奪ったものの、2R以降はレスリングで上回るウスマンに押される展開で、判定負けが濃厚な5R残り1分で、左ストレートからの左ハイでウスマンの意識を飛ばし、UFC史上に残る大逆転劇で王座を獲得した。ダイレクトリマッチでも勝利、さらにコルビー・コビントンにも完勝して2度の王座防衛に成功した。しかし、昨年7月の3度目の防衛戦では、ベラル・ムハメド相手にプレスされケージを背負う展開となり、そこからタックルでテイクダウンを奪われ、9年ぶりの敗戦で王座から陥落。さらに今年3月には、地元イギリスでショーン・ブレイディと対戦。1Rに打撃で押されると、2R以降はテイクダウンを許しグラウンドでは一方的に攻められる展開に。最後はギロチンを決められてタップし、まったく良いところがなく終わっている。  ブラジルのプラテスは32歳。UFC5勝1敗(5KO勝ち)、キャリアでは22勝7敗(17KO・3一本勝ち)。ファイティングナーズ所属で、昨年2月にUFCデビューしてから4連勝・4連続フィニッシュ・4連続パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト受賞の活躍により、2024年のニューカマー・オブ・ザ・イヤーを各メディアで受賞している。フィニッシュのほとんどが左のパンチからによるもの。今年4月に、UFCデビューからの8連勝が止まった元プロスペクトのイアン・マシャド・ガリーと対戦したが、対策されて左ストレートが不発。テイクダウンを奪われる展開で、判定勝ちがほぼ絶望的となった5Rにパンチで猛攻を仕掛けたものの、逃げ切られてUFC初黒星を喫した。8月の再起戦では、ベテランのジェフ・ニールを1Rから積極的にパンチで攻め込み、1R終了間際にバックヒジをヒットさせて快勝。再起に成功している。同門のファイティングナーズ勢は、今年9月にボハーリョ・ルフィ・シウバが立て続けにUFC初黒星を喫しており、一足早く再起したプラテスが流れを断ち切りたいところ。  オッズはエドワーズ2.64倍、プラテス1.51倍。ここ2戦元気がない元王者エドワーズがアンダードッグに。  1R、両者サウスポー。カーフを蹴るエドワーズ。プラテスもカーフ、インカーフを蹴る。牽制の蹴り合い。エドワーズがタックルに入る。四つで組み止めたプラテスがケージを背負ってこらえる。押し込みながらヒザを入れるエドワーズ。足を踏む。レフェリーは動きがないと見てブレイクをかける。プラテスがガードを下げて圧を掛ける。テンカオ。さらに左ストレートを入れた。エドワーズはまたタックルに入る。今度は両足を束ねてテイクダウン。背中を向けて立ちに行くプラテスに両足をフックして背中に乗ったエドワーズ。残り1分。エドワーズの左腕を2オン1で掴むプラテスに、後ろから右腕で殴るエドワーズ。足のフックを解除したエドワーズが降りると、すぐに外掛けでテイクダウン。再びバックにつく。残りわずかでバックマウントからチョークを狙うが、ディフェンスするプラテス。1R終了。  2R。カーフを蹴るプラテス。もう一発カーフを出したところに左フックを当てたエドワーズ。さらにカーフを蹴ると、エドワーズの足が流れる。プラテスが左フック。ジャブ、ボディへのヒザをヒット。エドワーズがオーソにスイッチするが、そこに詰めたプラテスの左ストレートがアゴにヒット! エドワーズ仰向けにダウン! パウンド! KO!  2R1分28秒、プラテスKO勝ち。  プラテスは試合後のインタビューで、「ニューヨークのみんな、元気か? ありがとう、本当に感謝してる。初めてのニューヨークで、君たちのおかげでホームのような気持ちになれた。またここに戻ってくるのが待ちきれないよ。ありがとう。君たちは最高だ。それに俺は世界貿易センター級で一番面白い男だと思う。だから誰かが重要な時に俺をグラップリングしようとしても、考えないんだ。君たちは何のためにチケットを買った? 血まみれの激しい戦いのためだろ。(UFCで初めてレオン・エドワーズをノックアウトした男となったことは、君にとって大きな勝利だ。しかも、たった一発のパンチでそれを成し遂げたのだから)この相手との試合のために、俺はとても多くのトレーニングを積んできた。メイン(のウェルター級タイトルマッチ)の勝者とフェイスオフしたい」とコメントした。 [nextpage] ▼ライト級→157.2lbs 5分3R〇ブノワ・サン・ドニ(フランス)16勝3敗(UFC8勝3敗)155.6lbs/70.58kg[1R 0分16秒 KO] ※左フック×ベニール・ダリウシュ(米国)23勝7敗1分(UFC17勝7敗1分)157.2lbs/71.30kg ※体重超過※ダリウシュが規定体重をオーバー。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のサン・ドニに報奨金の20%を支払う  ダリウシュは36歳。UFC17勝6敗1分(3KO・5一本勝ち)、キャリアでは23勝6敗1分(5KO・8一本勝ち)。イラン生まれで9歳の時にアメリカに移住した。グラップリングが一番の武器だが、打撃でも打ち合える。2018年から22年まで8連勝し、ランキングも4位まで上昇。しかし、元王者チャールズ・オリベイラ、アルマン・ツァルキャンに連続1RKO敗けで、タイトル戦線からは一歩後退した。6月の前戦はへナート・モイカノ相手に1Rにダウンを喫したものの、2R以降はグラップリングで上回り判定勝ち。しかし3戦連続でダウンを喫しており、ダメージの蓄積が気になるところ。  フランスのサン・ドニは29歳。UFC7勝3敗(3KO・4一本勝ち)、キャリアでは15勝3敗(4KO・11一本勝ち)と全フィニッシュ勝利。フランス特殊部隊に所属していた。バックボーンは柔道とキックボクシングで、重い打撃を武器としている。5連勝でトップランカーに挑戦するチャンスを得たが、昨年はダスティン・ポワリエとへナート・モイカノに連敗。今年に入り再起すると、9月の地元フランス大会では、UFC無敗のブレイクスルーファイター・マウリシオ・ルフィをテイクダウンからコントロールし、2Rにチョークで一本勝ち。ルフィにUFC初黒星を与え、再びトップ10ファイターに挑戦する資格を手に入れている。  オッズはダリウシュ2.54倍、サン・ドニ1.54倍。  1R、両者サウスポー。カーフを蹴るダリウシュ。もう一発入れるとバランスを崩したサン・ドニ。すぐに詰めたダリウシュが首相撲に抱えて左ヒザを突くが、そこにサン・ドニが左フックを打ち込むと頭からマットに崩れ落ちたダリウシュ! KO!  1R0分16秒、サン・ドニKO勝ち。  サン・ドニは、アメリカではベテラズデー(退役軍人の日)の週に当たるため、「まず第一に、今週は退役軍人の週間です。退役軍人の皆様のご尽力に感謝申し上げます。UFCにも感謝します。彼らは足を失った元特殊部隊員に活躍の場を与えてくれました。今日もその場を提供してくれており、私はフランスから彼らを連れてくることができました。アメリカとフランスが共に血塗られた戦いの歴史を共有していることを忘れてはなりません。私はこの国と皆を愛しています。MSGで神のために戦えることに、これ以上ない喜びと光栄を感じています」とコメント。  続けて「私が追い求める全ては、素晴らしい道程にあります。私の心には二つの目標があります。BMFとライト級ベルトです。私はそれを追い求めます。(すぐにタイトル戦に挑みたい? それとも他に考えている相手はいる?)あのBMFベルトは最高ですが、UFCの指示には従います。私は兵士です。でも、いつも試合を楽しみにしています」と語った。 [nextpage] 【プレリム】 ▼ミドル級 5分3R〇ボー・ニッカル(米国)8勝1敗(UFC5勝1敗)185.8lbs/84.28kg[3R 2分24秒 KO] ※左ヘッドキック×ホドルフォ・ヴィエイラ(ブラジル)11勝4敗(UFC6勝4敗)186lbs/84.37kg  ミドル級。Tapologyのランキングでは70人中ニッカル37位、ヴィエイラ33位。  ニッカルは29歳。UFC4勝1敗(1KO・2一本勝ち)、キャリアでは7勝1敗(2KO・4一本勝ち)。UFC6戦目で初めてプレリムでの出場となる。レスリングエリートで、大学時代はNCAA D-1を3度制覇。2021年の東京五輪出場権を賭けた米国予選決勝でのちに金メダルを獲得したデイヴィッド・テイラーに敗れ出場を逃すと、翌年MMAプロデビュー。4戦目でUFCデビューしてから3連続フィニッシュ勝利を含む4連勝をあげたものの、ランカー初挑戦となる5月のライニアー・デ・リダー戦では、1Rに組みの展開で消耗すると、2Rに腹へのヒザでダウンし、KO負けでキャリア初黒星を喫している。今回が再起戦。  ブラジルのヴィエイラは36歳。UFC6勝3敗(5一本勝ち)、キャリアでは11勝3敗(1KO・9一本勝ち)。柔術世界王者で、寝技は強いが、テイクダウンと打撃は強くないため、グラウンドに持ち込めないと苦戦を強いられることが多い。UFCでの6戦すべてが大会場での試合となるニッカルに対し、ヴィエイラはコロナ禍の初戦が大会場での試合だった後は、6戦連続でAPEXでの試合。今回、4年ぶりにアリーナでの試合となる。  オッズはニッカル1.43倍、ヴィエイラ2.90倍。ニッカルは、ちょうど1年前に寝技が強いポール・クレイグと対戦した際には、接触を避けて距離を取っての打撃戦に終始し、勝ったものの大ブーイングを浴びる試合となったが、そこから成長が見られるか。  1R、サウスポーのニッカル、オーソドックスのヴィエイラ。ジャブを入れたニッカル。左ミドル。ニッカルが組み付いてバックに回ると抱えあげて投げた。バックに回り右のパウンド連打。立ち上がるヴィエイラの頭部にヒザを入れる。正対したヴィエイラが入れ替えてテイクダウンを狙うがこらえるニッカル。ニッカルのハイをかいくぐってタックルに入ったヴィエイラだが、ニッカルがギロチンに捕らえる。下になりディフェンスするヴィエイラ。ニッカルが放すと背中を向けて立ち上がる。離れた。ジャブを突くニッカル。三日月蹴り。残り1分。ヴィエイラが間合いを詰めるが、先にニッカルの打撃をもらう展開が続く。1R終了。  2R、ヴィエイラが右フックをヒット。ニッカルは左ミドルを入れる。左フックからまた左ミドルを入れる。ヴィエイラがパンチの手数を増やしてきたが、打撃戦ではニッカルに余裕が見える。ジャブで削るニッカル。ヴィエイラがタックルに入るが、ニッカルはケージを背負うと、差された腕を小手に巻いてこらえる。離れた。ニッカルが右をヒット。さらに左オーバーハンド。ぐらついたヴィエイラ。ニッカルが蹴りを放った際にスリップしたが、すぐに立ち上がる。ヴィエイラタックル。がぶったニッカル。2R終了。  3R。ジャブを放つニッカル。間合いに入れさせない。ヴィエイラが飛び込んでパンチを出そうとすると、バックステップで距離を外す。見合いでブーイングが飛ぶが、ニッカルの左ハイがビッグヒット!もらったヴィエイラが仰向けにダウンしKO!  3R2分24秒、ニッカルKO勝ち。  ニッカル復活の勝利。左ミドルを何度も打ち込まれたヴィエイラの腕のガードが下がったところに左ハイを入れた。  試合後、ニッカルは「これがスポーツの醍醐味さ。子供の頃から何度も負けてきた、いつも痛い目に遭ってきた。でも俺は必ず立ち直る。このために生きているから、戦い続けるんだ。この仕事が大好きだ。世界で一番楽しい仕事だ。早く家に帰って妻と二人の息子に会いたいよ。ESPNで放送中だから汚い言葉は使えないけど、クソったれどもめ。ブーイングしたかと思えば応援するなんて。どっちか決めろよ。俺を愛するか憎むか、選べ。 (みんな君の才能を知っているから、どんなパフォーマンスでも、期待通りにいかなければ観客はブーイングする)正直言うと、俺もちょっと燃えちゃうんだ。でも、それがいいんだよ。最高さ。君たちが応援してくれようがブーイングしようが、どうでもいい。見てくれて、俺が楽しめたんだから、どっちでも構わない。 (でも明らかに、あの敗戦が火をつけたんだろ?)ジョー。変な話だけど、初めての敗北を喫したことで、これまでのどんな勝利よりも自分を信じる力が湧いたんだ。今夜の試合は、その証だ。既に積み上げてきたものの結果に他ならない。今こそそれを披露する時だ。人々が気づいていないのは、俺が5歳の頃から格闘技に人生を捧げてきたってことだ。ただ毎日練習に来て、形だけこなすような献身じゃない。俺は狂ったように努力を積み重ねてきた。普通の人なら一生かけても到達しないレベルを、俺はたった一日で記録したんだ。でも何より、ここでショーを繰り広げるのが好きなんだ。さっきも言ったけど、試合後は家族に会えるのが楽しみだ」と語った。 [nextpage] ▼ミドル級 5分3R〇グレゴリー・ロドリゲス(ブラジル)18勝6敗(UFC9勝3敗)185.8lbs/84.28kg[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×ロマン・コプィロフ(ロシア)14勝5敗(UFC6勝5敗)185.2lbs/84.01kg  ミドル級。両者ともランキング目前で、Tapologyのランキングでは70人中コプィロフ24位、ロドリゲス15位。  ロシアのコプィロフは34歳。UFC6勝4敗(5KO勝ち)、キャリアでは14勝4敗(12KO勝ち)。コンバットサンボがバックボーンだが、MMAではボクシングを武器に戦う完全なストライカー。一方、テイクダウンされグラウンドに持ち込まれるのが負けパターンとなっている。前戦は元タイトル挑戦者のパウロ・コスタとのストライカー対決で、1Rにダウンを喫すると、2R以降手数が減り判定負け。ランキングからも外れている。  ブラジルのロドリゲスは33歳。UFC8勝3敗(6KO勝ち)、キャリアでは17勝6敗(10KO・3一本勝ち)。バックボーンは柔術・レスリングだが、こちらもUFCでは重いパンチで勝負するストライカーと化している。今年2月にUFCで初めてメインに抜擢され、ランカーのジャレッド・キャノニアに挑んだものの、序盤に打撃で押す展開から、徐々に劣勢となり、逆転KO負けを喫した。前戦は元ランカーのジャック・ハーマンソンとの対戦で、1Rに左フックを打ち込みハーマンソンの意識を飛ばしてKO勝ち。ハードパンチャー振りを見せて再起に成功している。  オッズはコプィロフ2.40倍、ロドリゲス1.60倍。  1R、オーソのロドリゲスにコプィロフはサウスポー。カーフキックで牽制するコプィロフにパンチを返したロドリゲス。さらに右ボディ。ワンツーを打ち込む。右ストレートから右ミドルを入れるロドリゲス。ロドリゲスがシングルレッグを仕掛けるが、倒せないと見てすぐに放した。右ミドル。さらにワンツー。詰めたロドリゲスが右ハイ。さらにテンカオをボディに入れる。シングルレッグからボディロックに切り替えたが、コプィロフが投げてテイクダウン。しかし自ら立った。寝ているロドリゲスが下から蹴り上げると距離を取る。1R終了。  2R、ロドリゲスが間合いを詰める。テンカオ。キャッチしたコプィロフがテイクダウンしたがが、ロドリゲスが下から足関!膝十字→ヒールフックと仕掛けるが、コプィロフが足を引き抜いて離れスタンドに戻した。距離を詰めるロドリゲス。ジャブを突いて出る。ミドルをキャッチしたコプィロフだが、ロドリゲスはこらえて離れる。また詰めるロドリゲス。右を打ち込んだ。右ボディ。プレッシャーを掛けられ続けたコプィロフは消耗が見えてきた。ロドリゲスがパンチからヒザを入れる。顔を背けて距離を取ろうとするコプィロフを追っていくロドリゲス。コプィロフが蹴りをキャッチして倒したが、グラウンドには付き合わず立たせた。圧を掛けるロドリゲス。右をヒット。ケージに詰めた。コプィロフが左ハイを放つが腕でブロックしたロドリゲス。ロドリゲスがケージに詰めてバックヒジを放ったところで2R終了。  3R、すぐに圧を掛けるロドリゲス。右ボディ。コプィロフも下がらず出るが、そこにジャブをもらった。コプィロフが飛び込んで左をヒット。一瞬ぐらついたロドリゲスだが、すぐに右を打ち返して追撃をさせない。コプィロフが圧を掛けてロドリゲスが下がる展開に変わってきた。ワンツーを放つコプィロフ。右をヒットさせる。距離を取るコプィロフ。コプィロフが左を当てるが、ロドリゲスも右を返して出る。残り1分。打たれながらも打ち返していくロドリゲス。ケージを背負ったロドリゲスに右ハイを放ったが、腕でブロックしたロドリゲス。パンチからの左ハイも腕にヒット。タイムアップ。  30-27×2、29-28の3-0でロドリゲス勝利。ロドリゲスが打撃戦を制した。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇エリン・ブランチフィールド(米国)14勝2敗(UFC8勝1敗)125.8lbs/57.06kg[2R4分44秒 リアネイキドチョーク]×トレイシー・コルテス(米国)12勝3敗(UFC6勝2敗)125.6lbs/56.97kg  女子フライ級。ブランチフィールド4位、コルテス8位。セミで行われるフライ級タイトルマッチの次期挑戦権を争うカード。  ブランチフィールドは26歳。UFC7勝1敗(3一本勝ち)、キャリアでは13勝2敗(2KO・4一本勝ち)。地元ニューヨーク生まれ。バックボーンは柔術のグラップラー。シェフチェンコ相手にスプリット判定負けだったタイラ・サントス相手に組みで上回って判定勝ちし、トップランカーとなったが、マノン・フィオロに敗れてタイトル戦からは一歩後退。昨年11月のローズ・ナマユナス戦では打撃戦で互角以上に渡り合い判定勝ち。6月にはメインでメイシー・バーバー戦が組まれていたが、入場直前になりバーバーがメディカルチェックをクリアできずに試合が消滅している。そのため、今回は1年以上のブランク明け。  コルテスは31歳。UFC6勝1敗(6判定勝ち)、キャリアでは12勝2敗(1KO・1一本勝ち)。テイクダウンからの押さえ込みが武器の手堅いスタイル。2019年のUFCデビューから、たびたび欠場をはさんでおり、ずっと年1試合のペースで戦ってきたが、7年目にして初の年2試合目となる。じわじわとランキングを上げ、ついにトップ5ランカーとの対戦までたどり着いた。UFCで唯一の敗戦は、昨年のローズ・ナマユナス戦だが、その時は2週間前に急遽出場が決まった試合だった。  両者は6年前にInvicta FCで対戦経験がある。当時はコルテスが4勝1敗の25歳、ブランチフィールドは3勝1敗の19歳で、試合はコルテスがスプリット判定勝ち。勝ったコルテスはその年にDWCSで勝利してUFCとの契約を決め、UFCデビュー戦も行い勝利している。一方、ブランチフィールドがUFCとの契約を決めたのは、その2年後だった。  オッズはブランチフィールド1.41倍、コルテス3.00倍。  1R、両者オーソドックス。パンチで出るブランチフィールドにコルテスはインローを蹴る。右を打ち込んだ。ブランチフィールドもワンツーを返す。タックルのフェイントを見せるコルテス。ブランチフィールドは右ハイからパンチのコンビネーションを入れるが、すぐにパンチを返すコルテス。さらに首相撲ヒザ。ブランチフィールドのパンチをバックステップでかわし、打ち終わりにパンチを返すコルテス。コルテスが組んでヒザを入れる。先手を取るコルテス。ワンツー。ギアを上げてきたコルテス。ブランチフィールドがパンチの連打で出て組むと右のヒジをヒットさせ、1R終了。  1Rはコルテスがパンチの手数で上回った。  2R。コルテスがパンチで先手を取る。タックルに入りテイクダウン。立ち上がろうとするブランチフィールドのバックについた。しかし足をフックさせる前に反転して上を取ったブランチフィールド。コルテスはケージを使って立ち上がる。ブランチフィールドはケージに押し込みながらボディロック。ダブルレッグに切り替えてテイクダウンを狙う。こらえるコルテス。ブランチフィールドがパンチを入れて離れた。  左右のパンチを入れたブランチフィールドだが、打ち終わりにコルテスもパンチを返す。ブランチフィールドが胴タックルへ。大内刈テイクダウン。ハーフから肩固めを狙いながら押さえ込んだ。パスを狙う。バックについたがコルテス立った。しかし立ち際に反対コーナーまで走ってダブルレッグ。そのままドライブしてテイクダウン。立ち際にリアネイキドチョーク! 足のフックがかかっていないが、コルテスが上を取り返そうとして差し込んだシングルレッグの片手を両足で挟んだブランチフィールド。腕が喉元に入っている。コルテスタップ!  2R4分44秒、リアネイキドチョークでブランチフィールド勝利。リベンジに成功したブランチフィールドは、「最高だよ。この勝利をぜひ取り戻したかったんです。それに、ヴァレンティナとウェイ・リーと同じカードで戦えるのが本当に嬉しいです。あの試合には絶対に注目しています」と語った。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇イーサン・ユーイング(米国)9勝2敗(UFC1勝0敗)145.2lbs/65.86kg ※緊急参戦[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×マルコム・ウェルメーカー(米国)10勝1敗(UFC2勝1敗)143.6lbs/65.14kg  フェザー級。本来は両者ともにバンタム級だが、ユーイングが試合2日前の緊急出場となったため、フェザー級で行われる。Tapologyのランキングではバンタム級82人中ウェルメーカー47位、ユーイングはUFCデビュー戦のためランク外。  当初はウェルメーカーとセリー・シディの対戦が組まれていたが、シディが欠場。代役にコーディ・ハドンが自ら名乗りをあげたものの、試合2日前になって負傷欠場となり、急遽ユーイングがUFCと契約してデビューすることになった。  ウェルメーカーは31歳。UFC2勝0敗(2KO勝ち)、キャリアでは10勝0敗(6KO・2一本勝ち)。カウンターが得意なストライカー。今年2月のUFCデビュー戦はUFC3勝2敗のキャメロン・サーイマンに1RKO勝ち。2ヶ月後に地元のジョージア州で組まれた2戦目では、元王者ショーン・オマリー相手に殴られても前に出続けるゾンビファイトを見せて印象を残したクリス・モウティーニョと対戦し、右フックでモウティーニョの意識を飛ばしてまたも1RでKO勝ちした。今回もフィニッシュして勝てば、今年のニューカマー・オブ・ザ・イヤーの有力候補となる。  ユーイングは27歳。UFCデビュー戦。キャリアでは8勝2敗(6KO・1一本勝ち)。MMAデビューから2戦はフェザー級で連敗したが、3戦目からバンタムに落とすと8連勝。先週、ユライア・フェイバー主催のA-1コンバットで組まれたバンタム級王座決定戦で1RKO勝ちし、王座を獲得したばかり。バックボーンはレスリング。  オッズはウェルメーカー1.24倍、ユーイング4.10倍。  1R、オーソドックスのユーイングにサウスポーのウェルメーカー。前手を伸ばして距離を測るウェルメーカーに対し、ユーイングが飛び込んで右を放つ。間合いを詰めるウェルメーカー。左ハイを放った。前に出るユーイングに右フックをかぶせる。ぐらついたユーイング。圧を掛けるウェルメーカーに四つに組んだユーイング。ウェルメーカーがヒジを入れて離れた。前蹴りを入れたウェルメーカー。プレスするウェルメーカー。ケージを背負ったユーイングがサークリングするが追っていくと、ユーイングが出たタイミングで右フックを入れる。四つに組んだユーイング。ウェルメーカーが大外刈りを狙ったが、投げ返したユーイングがテイクダウン。すぐに背中を向けて立ったウェルメーカーがケージ際で向き直り正対。ユーイングはケージに押し込みながらヒジを入れる。放して左右のパンチを打ち込んだが、すぐに間合いを詰めるウェルメーカー。外掛けでテイクダウンを狙う。こらえたユーイングががぶりからヒザを頭部に入れる。ホーン。  ウェルメーカーはUFC3戦目で初の2R突入。  2R。ウェルメーカーが詰めるが、ユーイングの左ハイがヒット。さらに左右のパンチを打ち込む。右ボディ。ウェルメーカーもジャブ、右を返す。左ボディを入れたウェルメーカー。ケージに押し込んだが、入れ替えたユーイングが左右のパンチを入れて離れる。ユーイングが左右のパンチから左ハイをヒット。ウェルメーカーが右をヒットさせて出る。ウェルメーカーがケージに詰めてパンチを入れるが、ユーイングがコンパクトに左右のパンチをヒットさせる。ウェルメーカーがケージに詰めるがユーイングがタックルへ。テイクダウン。立ち際にがぶりからヒザを入れるユーイング。ウェルメーカーがバックヒジを返したが、打ち終わりにパンチを返すユーイング。ホーン。  3R、すぐに間合いを詰めるユーイング。ウェルメーカーが左アッパーから右ストレートをヒットさせるが、ユーイングが引かずに出てジャブをヒットさせる。ユーイングが詰めて右ボディをヒットさせる。間合いを詰めたウェルメーカーがパンチから組んでスタンドバックに回る。正対したウェルメーカーだが、消耗した表情を見せる。入れ替えてヒザを入れたウェルメーカー。離れたが前に出るのはユーイング。ウェルメーカーの単発のパンチに連打を返す。四つになり、外掛けテイクダウンを狙ったウェルメーカーだが、こらえたユーイング。消耗しているウェルメーカー。至近距離での打ち合いでパンチをヒットさせるユーイング。残り40秒でテイクダウン。スクランブルで逃れようとするウェルメーカーのバックに回る。正対したウェルメーカーが逆転を狙いパンチを打ち込んだが、タイムアップ。  30-27、29-28、29-28の3-0でユーイング勝利。  緊急UFCデビュー戦で無敗のウェルメーカーを下したユーイング。試合後のインタビューでは、「木曜日に契約の電話がかかってきたが、寝坊していたので何度も電話がかかってきたんだ。マジソン・スクエア・ガーデンで試合ができて嬉しい。しかも強いウェルメーカーに勝てたのだから幸せだ」とコメントした。 [nextpage] 【アーリープレリム】 ▼ミドル級 5分3R〇カイル・ドーカス(米国)17勝4敗(UFC4勝4敗)※CFFCミドル級王者 186lbs/84.37kg[1R 0分50秒 ダースチョーク]×ジェラルド・マーシャート(米国)37勝21敗(UFC12勝13敗)185.6lbs/84.19kg  ミドル級。Tapologyのランキングでは70人中ドーカス22位、マーシャート41位。  ドーカスは32歳。UFC3勝4敗1NC(1KO・1一本勝ち)、キャリアでは16勝4敗1NC(2KO・11一本勝ち)。2020~22年にUFCと契約していたが、7戦で2勝しかできずリリース。ローカルイベントでキャリアを積んでいた。8月に欠場選手の代役として緊急UFC再契約。2年8か月ぶりにUFC復帰を果たすと、元ランカーのミシェウ・ペレイラからわずか43秒でKOし、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞している。デビュー後、ずっとKO勝ちがないグラップラーだったが、ここ2戦はKO勝ち。リリース前と比べて打撃のスキルの成長が見えた。ニューヨークに隣接するペンシルベニア州のフィラデルフィア出身・在住。  マーシャートは37歳。UFC12勝12敗(1KO・11一本勝ち)、キャリアでは37勝20敗(6KO・29一本勝ち)。生粋のグラップラーだが、打撃のウィークポイントと、寝技でも大味な攻めでピンチを招き、フィニッシュされることも多い。37勝で判定勝ちはわずか2度。現在3連敗中で後がない。  オッズはドーカス1.27倍、マーシャート3.95倍。  1R、両者サウスポーに構える。ドーカスが右を打ち込むとタウン気味に倒れたマーシャート。下から左で脇を差して立とうとしたところに、右でオーバーフックしたドーカスはすぐにダースチョーク! マーシャートタップ!  1R0分50秒、ダースチョークでドーカスが一本勝ち。 ドーカスはUFC再デビューから2試合続けて1分以内の秒殺勝利。試合後のインタビューでは「夢のようだ。50秒でフィニッシュ出来たんだよ。兄とペンシルベニアでジムを開いて、奥さんは出産予定なんだ。最高だ」とコメントした。マーシャートはこれで4連敗に。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇パット・サバティーニ(米国)21勝5敗(UFC8勝2敗)145.6lbs/66.04kg)[判定3-0] ※30-27×3×チェペ・マリスカル(米国)18勝7敗(UFC5勝1敗)※UFC5連勝でストップ 145.6lbs/66.04kg  フェザー級。Tapologyのランキングでは78人中サバティーニ15位、マリスカル21位。アーリープレリムに組まれているが、両者ともにランキング間近。  サバティーニは35歳。UFC7勝2敗(3一本勝ち)、キャリアでは20勝5敗(2KO・12一本勝ち)。子供の頃にタン・スードーから格闘技を始め、柔術・サンボも習得した。大学時代はレスリングでNCAA D-1で戦っている。組みの強さが武器で、前戦ではジョアンダソン・ブリートを毎ラウンドすぐにテイクダウンして押さえ込む展開で、ドミネイトしての判定勝ち。コントロールタイムはUFC随一。  マリスカルは32歳。UFC5勝0敗(1KO勝ち)、キャリアでは18勝6敗1NC(7KO・3一本勝ち)。柔道がバックボーンで、試合でも柔道スローからの攻めが武器。スタンドではカーフキックやミドルなどの蹴りも多い。UFCでの5勝のうち、ジャック・ジェンキンスを投げた際に、ジェンキンスがマットに手をついて脱臼して負傷TKOとなった試合が唯一のフィニッシュ決着で、判定が多いのと、体重オーバーの試合もあるため、5連勝でもランカーとの対戦が組まれなかった。  オッズはサバティーニ1.77倍、マリスカル2.10倍。  1R、両者スイッチを頻繁に繰り返す。マリスカルが詰めるが間合いに入らない。サバティーニが先にワンツーを入れた。飛び込んだマリスカルにカウンターのシングルレッグに入ったサバティーニ。テイクダウン。バックにつく。立ち上がったマリスカルを投げてテイクダウンすると四の字ロック。マリスカルに反転させずにバックコントロールするサバティーニ。しかし足のフックを外したマリスカルが反転して上に。下からハイガードに。立ち上がるマリスカルにKガードを狙ったが、マリスカルが振りほどいて離れスタンドに。サバティーニのバックブローをかいくぐって組んだマリスカル。投げを狙ったがこらえるサバティーニ。終了間際にヒジを打ち込んだマリスカル。サバティーニが額をカット。1R終了。  2R。サバティーニがシングルレッグからボディロックに切り替えてテイクダウンを狙う。ケージにもたれてこらえるマリスカルだが、バッククリンチから投げてテイクダウンすると両足をフックして背中に乗る。しかしマリスカルが立ち上がると降りた。バックから投げて膝をつかせたサバティーニ。足をフックさせずに立ち上がったマリスカルだが、立ち際にまたタックルに入りテイクダウン。マリスカルのガードに。起き上がろうとしたマリスカルのバックに回るが、マリスカルが反転して立ち上がった。詰めたマリスカルが四つでケージに押し込んだが、四つからバックに回ったサバティーニがテイクダウン。残り10秒でパウンドを打ち込むサバティーニ。2R終了。  3R。サバティーニのタックルを切ったマリスカル。しかしパンチをかいくぐってタックルに入るサバティーニ。テイクダウン。マリスカルのガードに担ぎパスを狙っていく。マリスカルを引っくり返して亀にすると、バックから両足をフックして四の字ロックに捕らえた。反転しようとするマリスカルだが、背中について離れないサバティーニ。残り30秒でマウントに移行する。マリスカルはハーフに戻してタックルに入りながら立ち上がるが、勝利を確信したサバティーニが距離を取る。タイムアップ。  三者30-27でサバティーニ勝利。  サバティーニがテイクダウンからのグラウンドコントロールで勝利。マリスカルはUFCデビューから5連勝していたが、6戦目で初黒星を喫した。 [nextpage] ▼女子ストロー級 5分3R〇ファティマ・クライン(米国)9勝1敗(UFC3勝1敗)※UFC3連勝115.4lbs/52.34kg[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×アンジェラ・ヒル(米国)18勝16敗(UFC13勝16敗)115.6lbs/52.44kg  ヒルは40歳。UFC13勝15敗(2KO・1一本勝ち)、キャリアでは18勝15敗(5KO・1一本勝ち)。11年前の女子ストロー級初代王者を決めるTUFに出場し、現在も生き残っている選手。他に生き残っているのは、元ストロー級王者のローズ・ナマユナスと、ティーシャ・ペニントン(トーレス)。ムエタイがバックボーンのストライカーだったが、キャリアを重ねるうちに組みの強さも増していき、組み勝つ試合も増えてきている。前戦はトップ10ランカーのヤスミン・ルシンドとの対戦で、中盤までは互角に戦っていたものの、終盤は17歳年下のルシンドの攻めに消耗し、下になって制圧される展開で判定負けした。29試合はUFC女子史上2位。女子最多ボーナス(11回)の記録も持っている。  開催地ニューヨーク出身・在住のクラインは25歳。UFC2勝1敗(2KO勝ち)、キャリアでは8勝1敗(4KO・1一本勝ち)。柔術黒帯のグラップラーで、打撃も強い。UFC初戦は直前の代役だったため、階級上のフライで出場し、しかも相手がランカーのジャスダビシアスという厳しい試合だったが、判定負けしたものの健闘。ストローに落とした2戦目はテイクダウンしてからのパウンド・ヒジでKO勝ち。7月の前戦は、タックルはすべて切られたものの、打撃の手数で上回り、最後は左ハイでダウンを奪ってのパウンドでKO勝ちしている。この後に試合が組まれているエリン・ブランチフィールドのスパーリングパートナー。  オッズはヒル4.60倍、クライン1.21倍。ノーランカーのクラインが大差のフェイバリット。  1R、両者オーソドックス。間合いを詰めるヒルだが、入れ替えたクラインがケージに詰めてタックルに入りテイクダウン成功。ガードのヒルにパンチを打ち込む。ヒルは下から蹴り上げで距離を作り立ち上がるが、立ち際に再び組み付いたクライン。四つの攻防で差し返したヒル。離れた。サウスポーにスイッチしたクラインがワンツーを放つ。前蹴りを入れたクライン。ヒルのバックスピンキックに合わせてタックルに入りテイクダウンを奪う。頭部にヒジを打ち込むとハーフで押さえ込んだ。ガードに戻すヒル。残り1分。立ち上がってパウンドを落とすクラインにヒルが蹴り上げを狙ったが、足をサバいたクラインがパスしてサイドにつく。ヒルの左腕にキムラを狙うが1R終了。  2R。ヒルがすぐに間合いを詰めるとパンチを出していくが、クラインが左右のパンチを打ち返すとタックルへ。ケージに押し込む。ヒジを入れて離れたクライン。再びタックルでケージに押し込んだクラインだが、両脇を差したヒルが押し返して離れる。またタックルに入るクライン。受け止めたヒルが四つからヒザを打ち合う。ヒジで引き剥がすクライン。左ミドルをヒットさせる。前蹴り・ミドルで腹を蹴るクライン。ヒルから間合いを詰めて四つに組んだ。ヒザの打ち合いで2R終了。  3R。ジャブを突くクライン。カーフキック。手数を出していく。ヒルも単発でジャブを放つが、クラインは連打を返す。間合いを詰めるヒル。四つに組んでケージに押し込もうとしたが、入れ替えたクラインが大内刈りでテイクダウン。ガードを取るヒル。パウンド・ヒジを落とす。足をサバいてバックに回る。立ったヒルが正対すると離れる。四つからのテイクダウンをこらえたヒルだが、押し倒したクラインがサイドから鉄槌の連打。亀になったヒルからバックマウントを奪いパウンドを連打する。ヒルが逃れて立ち上がったがタイムアップ。  30-27×2、29-28の3-0でクライン勝利。  ランカーのヒルを下したクラインだが、「フィニッシュできると思っていたので、自分には失望している。ここから学んでもっと上手くなる」と反省のコメントを残した。 [nextpage] ▼ミドル級 5分3R〇バイサングル・ススルカエフ(ロシア)11勝0敗(UFC2勝0敗)185.2lbs/84.01kg[3R 1分38秒 KO]×エリック・マッコニコ(米国)10勝4敗1分(UFC1勝2敗)185.2lbs/84.01kg  ミドル級。Tapologyのランキングでは70人中ススルカエフ58位、マッコニコ63位。  ロシアのススルカエフは24歳。UFC1勝0敗(1判定勝ち)、キャリアでは10勝0敗(8KO・1一本勝ち)。ミドル級王者ハムザト・チマエフのスパーリングパートナー。今年8月のDWCSでは6日前に急遽出場が決まり、1Rに腹への前蹴りでKOすると、UFCとの契約と、その週末に行われるUFC319でのインターバル3日でのデビュー戦が決まった(メインはチマエフがタイトルに挑戦する試合)。相手のエリック・ノーランは本来ウェルターの選手で、ススルカエフの相手として急遽UFCとの契約が決まった選手のため、オッズでは大差がついていたが、試合では余裕を見せたものの、パンチを被弾してぐらつく場面もあるなど、楽勝とは行かず。2Rにバックを取って一本勝ちしたが、事前の期待値は下回った。  マッコニコは35歳。UFC1勝1敗(1判定勝ち)、キャリアでは10勝3敗1分(4KO・3一本勝ち)。蹴りが武器のストライカー。今年2月、欠場選手の代役として急遽UFCと契約しデビューしたが、良いところが出せないまま2RKO負け。8月の2戦目は、UFC12戦(5勝5敗1分1NC)のベテラン・コーディ・ブランデージとの対戦で、フラッシュダウンを奪う一方、何度もテイクダウンを奪われる僅差の展開に。結果、3Rすべてでジャッジが割れるという接戦で判定勝ち。UFC初勝利を挙げている。ブランデージがテイクダウンしてからもその先の攻めがないことに救われての勝利だが、一方でテイクダウンディフェンスのウィークポイントも露呈してしまった。  オッズはススルカエフ1.13倍、マッコニコ6.75倍。ススルカエフは、今度は準備万端で挑む2戦目で、またも大幅なフェイバリット。  1R、オーソドックスのススルカエフにマッコニコはサウスポーに構える。すぐに距離を詰めてパンチで出たマッコニコ。ケージに押し込むが、ススルカエフが入れ替える。ヒザを打ち合う両者。両脇を差したススルカエフがボディにヒザを打ち込んでいく。マッコニコが差し返して入れ替えるとヒジを一発入れた。離れてパンチを入れるマッコニコ。ケージに詰まったススルカエフだが、右を打ち込んで出る。しかしマッコニコが右のヒジからパンチで詰めると、またケージに押し込んだ。小手投げを狙ったススルカエフだが、こらえたマッコニコ。ススルカエフは入れ替えるとボディロックにして投げてテイクダウン。すぐに立ち上がったマッコニコをバッククリンチからまた投げる。また立ち上がったマッコニコ。今度は正対すると、ススルカエフはバックヒジを入れる。パンチ・前蹴りで詰めるススルカエフにマッコニコもパンチを打ち返し1R終了。  2R。パンチで詰めるマッコニコにススルカエフは右オーバーハンド、右ミドルをヒットさせる。ワンツー、前蹴りを入れるススルカエフ。ケージまで下がったマッコニコにワンツーから飛びヒザを放った。しかしマッコニコの前蹴りが正面から股間にヒットしローブロー。タイムストップが取られる。座って休んでいたススルカエフだが、立ち上がり再開。ジャブ、前蹴りを入れるススルカエフ。ケージに詰めてパンチを入れると、四つに組んだマッコニコに小手投げ。こらえたマッコニコにヒザを入れた。四つからケージに押し込んだススルカエフがシングルレッグでテイクダウンを狙うが、片足でこらえるマッコニコ。離れたススルカエフにマッコニコがパンチで出るが、カウンターの右をヒットさせたススルカエフ。マッコニコは間合いを詰めてヒジを入れる。四つの展開で2R終了。  2Rは打撃のヒットとテイクダウンでススルカエフが押し気味のラウンドに。  3R。ススルカエフが前蹴り、右を打ち込んで出ていく。ケージまで下がったマッコニコに右ミドル、前蹴り。ボディブローを打ち込んだススルカエフだが、低く打ち込んでローブローに。再開。ススルカエフがパンチで出る。カウンターの右で顎を撃ち抜くとマッコニコが頭からマットに倒れ込みダウン! KO!  3R1分38秒、ススルカエフKO勝ち。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇マテウス・カミロ(ブラジル)10勝3敗(UFC1勝1敗)155.8lbs/70.67kg[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×ヴィチェスラフ・バルショフ(ロシア)8勝7敗(UFC3勝6敗)155.8lbs/70.67kg  ライト級。Tapologyのランキングでは94人中バルショフ64位、カミロ84位。試合1週間前に急遽追加されたカード。  ロシアのバルショフは33歳。UFC3勝5敗1分(2KO勝ち)、キャリアでは8勝6敗1分(6KO勝ち)。チーム・アルファメール所属。キックがバックボーンのストライカーだ。テイクダウンディフェンスと寝技に難があるため、なかなか勝ち星が上がってこないが、タックルを切ってスタンドを維持できる相手なら持ち味を出せる。勝利後にコサックダンスを見せるのが恒例となっている。  ブラジルのカミロは24歳。UFC0勝1敗。キャリアでは9勝3敗(4KO・2一本勝ち)。昨年12月、韓国でコリアンゾンビが主催するZFNに出場。対戦相手は、昨年のUFCアブダビ大会の試合前記者会見で、客席からUFCで戦わせてくれとアピールしたことで注目されていたタジキスタンのナボトフだったが、注目度に反してナボトフがまったくの期待外れで、レスリングも強くなく、スタミナもなかった。試合はカミロが危なげなくテイクダウンから封じ込めて判定勝ちしている。その勝利でUFCとの契約を決めたカミロだったが、5月のUFCデビュー戦は、UFC2勝3敗で負け越しているゲイブ・グリーンに2Rチョークで一本負け。間接的に、ナボトフの評価をさらに下げている。  オッズはバルショフ2.35倍、カミロ1.65倍。  1R、両者オーソドックス。バルショフが間合いを詰めると、カミロはじわじわと後退する。ケージ際で詰まったがサークリング。バルショフはカーフキックで牽制する。さらに左ミドル。カミロはジャブを突くが、まだ間合いが遠くヒットしない。ジャブの刺し合い。カミロがダブルレッグで飛び込みテイクダウン。すぐに立ち上がったバルショフのバックに付いたカミロだが、バルショフが正対して引き剥がす。スイッチしながら蹴りを出していくバルショフ。ワンツー。カミロも右、ジャブを返すが手数が少ない。パンチを出しながら詰めるバルショフに、カミロが再びタックルでテイクダウン。今度は寝かせることに成功したが、1Rの残り時間は30秒。バルショフが下から足で浮かせて立ち上がった。1R終了。  2R。カーフを蹴るカミロ。バルショフがこのラウンドも前に詰めていく。三日月蹴り。左右のパンチのコンビネーションを打ち込む。ケージ際をサークリングするカミロに左右のパンチをヒットさせるが、入れ替えたカミロがタックルに入り、両足を束ねてテイクダウン。立とうとするバルショフのバックに回りバックマウント。向き直ろうとするバルショフからマウントを奪う。上半身を固めたカミロに対し、バルショフはハーフに戻す。バルショフが亀になり、ケージを使って立ち上がりスタンドへ。離れたカミロだが、再びタックルへ。バルショフは消耗したのか粘ることなく倒されたが、カミロも足にしがみつくのみ。バルショフがクラッチを振りほどき立ち上がる。パンチで出るバルショフ。カミロも消耗したか。バルショフがボディ、顔面にパンチを入れる。カミロは足も止まっている。2R終了。 前半はテイクダウンからコントロールしたカミロだったが、終盤はバルショフがパンチのヒットで盛り返した。  3R。バルショフがジャブを突いて出る。カミロもワンツー、カーフキックを返す。カミロがタックルに入るが切られた。バルショフが打撃の手数を出していくのに対し、カミロは手数が減る。左ボディ、カーフキックを入れたバルショフ。カミロもワンツーを返したが、再びカーフを蹴られると足が流れる。残り1分半でタックルに入ったカミロがテイクダウン成功。バックに回ろうとしたがやや慌てた動きで、両足のフックがかかっておらず、反転したバルショフが上を取る。自ら立ってスタンドに戻したバルショフ。残りわずかでパンチを出していくバルショフを、カミロがシングルレッグで倒したが、バルショフは押さえ込まれる前に立ち上がる。タイムアップ。  判定は30-27、30-27、29-28の3-0でカミロ勝利。カミロのテイクダウンからのコントロールが支持される判定となった。
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