2025年12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催される『師走の超強者祭り』で、24年7月の久保優太戦以来、1年5カ月ぶりに復帰する斎藤裕(パラエストラ小岩・38歳)について、5日の会見後、榊原信行CEOが囲み取材に応じ、大晦日復帰を斎藤のラーメン屋に出向いてオファーした意図を語った。
また、女子スーパーアトム級王者・伊澤星花に挑戦するRENA(SHOOTBOXING/シーザージム)が会見に出席しなかった理由を説明、そして会見最後に乱入したBreakingDownファイターについて苦言を呈した(※榊原CEOコメント前半)。
斎藤には「格闘家としてのケジメをつけるべきだ」と伝えていた
──斎藤裕選手が24年7月以来、1年5カ月ぶりに復帰にあたり、引退を示唆するような発言がありました(※斎藤「皆さん、お久しぶりです。試合空いてて、その間にお店やったり、いろいろ違うことをやってたんですけど、こんなに素晴らしい10周年の記念大会ということで。盛り上げるなら自分も力になれると思ったんで、もう覚悟を決めて試合やることを決めました。とにかく自分の思いとかいろんなことを考えるんですけど、魂とかいろいろなものをリングの上に置いていきたいと思いますので、ぜひ当日会場で応援してもらいたいです。よろしくお願いします」)。これは?
「分からないです。いずれにしても、本当に『引退をかけて』っていうようなことは宣言して上がらないけど、多分、斎藤とするとやっぱりこう今回、7月ぐらいから、僕は斎藤がこのままラーメン屋に転職するじゃないけど、ラーメン屋として道を極めるとするならば、どこかでやっぱり格闘家としての自分の中でケジメをつけるべきだということは伝えていて、ひょっとして斎藤はそういう(引退の)思いがあるのかもしれないし、まあ、それでもラーメン屋も続けながら二足の草鞋を履くのかもしれないですけど──まあ、思いのほかラーメン屋が皆さんも知ってる通り大成功しちゃってるんで、まあまあ忙しいと思うんですよね。だからこの後のラーメン屋として飲食で成功を極めるっていうと多店舗展開になる。そうやって考えると、もっともっと多分自分の個人でやれる範囲だけじゃない。経営的なマネジメント的な業務が増えてきて、それによって格闘家ですっていうことを考えるのも大変なのかなと。でもそこは僕が何か言う話でもないので、また何かの機会に斎藤の思いを聞いてあげてほしいなと思いますけど。まあ、ああいう言葉を僕も聞いて、同じように“ひょっとするとそういうこと(引退)も去来しているのかな”っていう風にちょっと感じましたけどね」
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RENAはタイ合宿で欠席、伊澤の怒りは──
──今日の会見にRENA選手がいなかったのは?
「もともとタイに行くことが決まっていて。本来であれば、あの会見に出るべきなんですけど、もうタイの約束なりがズラせない。伊澤選手の怒りもよくわかるし、タイでもう先にスケジュールが決まってた特別なタイミングの中に、僕らが会見を後から突っ込んじゃったんで、その分、だから3日(神戸大会)に無理して来てもらって神戸で先に出てもらって発表したっていう感じで。実はRENAがあのサポータージュして(怠けて)来なかったというわけではないということは、彼女の名誉のために伝えておきたいんですけど、まあそんなこと関係なく伊澤さんは怒るんで(苦笑)、まあそれはそれで仕方ないかなと思います」
6大王座戦を中心軸に据えること
──タイトルマッチ6試合っていうのは、すごく正統的なマッチメークだと感じます。それだけバリューがみんなについてきて、タイトルマッチで勝負できるということだと思うんですけど、日本の格闘技界的な、大晦日的な仕掛けっていうのも考えられてますか。
「うん。まあ、あのヤマっ気はいつまでたってもあるんですね(笑)。もう一発、二発、ちょっと面白いことをしたいなとは若干はありますけどね。ただまあ本当に10の集大成として、一つの本当にけじめの大会なんで、今回初制定をするヘビー級も含めて6つ(階級)、ようやく高い熱のあるというか、自分たちの中で作り出したタイトルが持てたってことは、今後の未来にやっぱり繋げていきたいし、世界中の格闘家・ファイターたちがやっぱりRIZINのベルトを巻きたいって思わせるようにしていかなくちゃいけないんで。やっぱりそこは本当に格闘技のプロモーションとして、しっかり中心軸には据えることができた。それはそういう意思があるよってことをしっかりファンにも、世界のファイターたちにも伝えていけるイベントになればいいなと思ってます」
──集大成の大晦日ということで、去年は「Decade」ということで2部構成でしたが、今年はそういった何か大会中の仕掛けも考えていますか。
「いろいろなプロダクション的(舞台製作)にもそうだし、観客が来てくれた人たちへの、本当にお礼も含めていろんな仕掛けを考えようと思ってます。かといって試合数をバカみたいに多くはしたくないので、 ある程度、みんながしっかり集中して見られる試合数で厳選したというか、この10年の集大成、このタイミングで過去・現在・未来をつないでいくようなカード編成と、過去にないスケール感のある──この6大タイトルマッチもそうだと思うんですけど、そういうマッチメイクをしながら、当日皆さんに来ていただく上でのウェルカムも含めた、いろんなホスピタリティをしっかり準備をして最高の熱を、熱狂を選手とファンのみんなと一緒に作り上げたいなと思っています」
──タイトルの「師走の超強者祭り」というタイトルは?
「僕らRIZINを旗揚げをして以来、僕らのファンクラブは『強者の巣』っていう名前なんですね。だからまあ本当にこれはファイターも含め、このRIZIN10周年、今のこのタイミングで、やっぱり『超強者』という“強者の中の強者”を集めたいと思ったし、ここまで本当に僕らを盛り上げ押し上げてくれたのはファンなんで、そのファンクラブの強者のみんなの思いも含めた祭りにしようってことで、この『超強者祭り』という「祭り三部作」のトリを取ることになりました。むっちゃ悩んだんですけど、このタイトルで行こうと決めました」
──大晦日大会は年越しになりそうですか?
「ならないです。さいたまスーパーアリーナの都合で、22時にはイベントは終わると思います。年越しにせずに22時ぐらいに終わって、皆さん、自宅に帰れるぐらいの。記者の皆さんにも優しい時間で終わらざるを得ないです」
──その分、始まりが早まる?
「神戸で18試合。それでも2時間ぐらい巻きましたけど、それが巻かなかった時の恐怖もある。だから試合の絶対数を神戸よりも当然、かなり少なくしようと思ってます」
『悪名は無名に勝る』のか?
──最後に乱入者がいました。あれはやらせではない?(BreakingDown参戦中のメカ君。「BreakingDownからわざわざ来たぞ、芦澤やれよ」と主張。鈴木芳彦アナウンサーは「スタッフ把握してますか? 元々予定にないのでマイクをお渡しすることはできません」と返し、スタッフに取り押さえられた)
「いえ、全然。違います。誰? 誰ですかね」
──BreakingDownの選手です。
「そうなんだ」
笹原広報「触れない方がいいです」
──逮捕?
「逮捕した方がいい。ごぼうの党のおっさんのとき(※朝倉未来vs.メイウェザー戦前の花束贈呈で、メイウェザー本人に花束を手渡さず、リングに投げつけた)もそうだけど、結局今ってもう愉快犯で、『悪名は無名に勝る』みたいなつもりで、ああいうことばかり仕掛ける人がいるので。まあだから僕らもセキュリティでしっかりガードしなくちゃいけないし、逆になんか話題にしたりいじってあげると(増長する)。いじってくれるのを待って、そういうことする人とか多かったりするんで。まあでも大きな意味で言えば、それだけの認知を、RIZINが皆さんから得られてきていることの証明でもあるかと思うので。ただそれが選手に被害が及ぶようなことがないように、いろいろ考えなくちゃいかんことではあります」