2025年12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催される『師走の超強者祭り』メインで予定される「フェザー級タイトルマッチ」(5分3R)ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス・王者)vs. 朝倉未来(ジャパントップチーム・挑戦者)について、11月5日の会見後の囲み取材で榊原CEOが、決定の経緯と展望を語った。
シェイドゥラエフは、25年5月にクレベル・コイケを62秒 KOでフェザー級王座を獲得。9月28日の『RIZIN.51』で挑戦者ビクター・コレスニックを1R わずか33秒 TKOで退け、王座初防衛。MMA戦績16勝無敗。5KO・TKOと11の一本勝ちで全試合をフィニッシュ勝利している。
王者に挑戦する朝倉未来は、24年7月にヴガール・ケラモフに一本負け後、平本蓮に1R TKO負けで2連敗を喫するも25年5月に鈴木千裕、25年7月の前戦でクレベル・コイケにスプリット判定で勝利し、2連勝中。
「朝倉未来vs.シェイドゥラエフ」には勝負論が全然ある
──朝倉未来vs.シェイドゥラエフの試合が正式決定したのは?
「数日前。最終的には本当に、シェイドゥラエフは極論“誰とでもサトシでも未来でもやる”という考えなので、我々とすると、やっぱりこの10年を振り返った時に、やっぱり朝倉未来っていう存在以上に、RIZINにとってRIZINの顔として今も現役として戦ってくれてる選手っていないんで(託した)。『シェイドゥラエフという過去最強の絶対王者だと思いますけど、挑んでほしい』ということで、いろいろ話を最終して、まあ、未来も『行く』という腹を決めてくれたのが、3日、4日前ですね」
──その決定に未来選手に逡巡は?
「単純に気持ちだけじゃなくて、いろんな条件的なこともいろいろあるじゃないですか。最終的にそういうものが折り合って、よし、行きましょうっていうことになった最終決定が3日、4日前ですね。で、まあそれでシェイドゥラエフが(日本に)来るタイミングまでに決めておくからっていうことで。未来の腹が決まった中で、サトシにもダブルスタンバイ、野村選手にもどうなる・こうなると話して、そこがパズルで言うと、『シェイドゥラエフvs.朝倉未来』が決まることによって、ライト級も──決まらなければ、『サトシvs.シェイドゥラエフ』っていう、そういうことも最終的な調整としてはイメージしながらマッチアップを、パズル合わせをしたって感じです」
──榊原CEOの中では「朝倉未来vs.シェイドゥラエフ」というカードは、力的には勝負論があるカードだと考えますか。
「全然あると思いますね、未来もなんて言うんですか、戦略があるというか、ちゃんと分析をして十分勝機はあると踏んでリングに上がると思いますし。格闘技なので、本当何が起こるか分かんないじゃないですか。あんまり幻想を大きくせずに、シェイドゥラエフの62秒とか33秒(勝利)とか、この直近2試合では、本当のシェイドゥラエフの実力って意外に分かんないかもしれないですよね。だからあまりにも自分の目の前の敵を大きく考えずに、自分でそれに気圧されずに、しっかり彼は相手を丸裸にして準備をして勝機があると(考えている)。彼の戦術とかいろんなものも聞いてますけど、僕がそれを言っちゃうとおかしくなっちゃうんで。本当に面白いことになると思います」
──「シェイドゥラエフvs.朝倉未来」がメインになるか? という質問に、少し榊原CEOに迷いもあるように感じました。他の階級もタイトルマッチがありますが、この試合が「残酷な結末になるかもしれない」というような気持ちもありますか。
「本当に未来に対する熱──さきほどの座席図見てもらうと半分ぐらい『朝倉未来応援シート』じゃん、みたいな。そのぐらいの感覚の中で、僕らはやっぱり未来のファン=RIZINのファンの中で、かなりの部分が未来を応援するっていう形で未来応援シートに座られるんじゃないかなという想定もしています。でも、その意味では『残酷な結果』になって、みんなを本当にお葬式のような形で返すのが得意なんですけど(苦笑)。高田延彦vs.ヒクソン・グレイシーの時のあの衝撃に勝るとも劣らないものは今のところ僕、経験したことが無いんですよ。だからまあ、それも含めて、やっぱり格闘技のダイナミズムというか魅力だと思うので、あんまりそこ(結果)には抵抗がないんですが、最終、今、編成の中で未来vs.シェイドライフがメインと考えていますけど、まだ全部をまとめたわけではないんで、最終的にはそこも含めたバランスをとって決定ってことになればいいかなと思ってます」
──今日の来場時も神戸大会も、シェイドゥラエフ選手への歓声が大きかったです。
「RIZIN始まって以来じゃないですか。今までも外国人選手が、PRIDEの頃は本当、ヒョードルにしても、ノゲイラにしてもミルコにしても、ヒーリングしてもすごい人気があったけど、RIZINではなかなか外国人のスター選手って僕らは作り出せずにいたんですけど、そういう意味では本当にRIZINファンのハートを掴み出している初の外国人選手なんじゃないですか。イリー・プロハースカだとか、マネル・ケイプとかも知名度は上がったけども、ここまでの人気やファンの支持を得られるところまで、RIZINの中でキャリアが積めかったということ、そこまでは僕らも磨きれなかったことは否めないんで。だからすごく一周回ってじゃないけど、RIZINのファンの人たちの見る視点も変わってきてるのかなって気はしますけどね」
──大晦日大会は年越しになりそうですか?
「ならないです。さいたまスーパーアリーナの都合で、22時にはイベントは終わると思います。年越しにせずに22時ぐらいに終わって、皆さん、自宅に帰れるぐらいの。記者の皆さんにも優しい時間で終わらざるを得ないです」
──その分、始まりが早まる?
「神戸で18試合。それでも2時間ぐらい巻きましたけど、それが巻かなかった時の恐怖もある。だから試合の絶対数を神戸よりも当然、かなり少なくしようと思ってます」(※榊原CEO一問一答・後編に続く)