MMA
インタビュー

【RIZIN】桜庭大世の勝利の理論「めっちゃ強いチョキを持ってても、めっちゃあんま強くないグーには負けるじゃないですか」脱・父親は入場曲から

2025/11/03 23:11
 2025年11月3日(月・祝)兵庫・GLION ARENA KOBEにて開催された『RIZIN LANDMARK 12 in KOBE』。  宇佐美正パトリック(Battle-Box)に3R1分33秒、膝十字で勝利した桜庭大世(サクラバファミリア)がインタビューに答えた。以下、その全文。 強い選手じゃなきゃ意味はない ――試合を終えた率直な感想は? 「気持ちいいです(笑)」 ――ローブローを受けた影響は? 「全然。ローブローはちょっと痛いぐらいだったんで大丈夫なんですけど、パンチが凄くて『うわーっ!』ていう感じになりました。 ――思っていたよりも速かったとか強かったとか? 「一回多分入って、グラッとなって、やべぇって思いながらやりました」 ――そこは冷静でいられた? 「絶対そこで引いたら、相手も詰めてくるだろうし、ここで来てもやってやるぞって気持ちでとりあえずいました」 ――自分の得意技を極められた? 「僕的にはアームロックとかの方が得意だと思ってるんで。でも、あの膝十字も練習でよくやるので、一回足絡んだ状態の時はここで急がないようにしようって思いながら極めに行きました」 ――今後の展望、目標は? 「年末出たいです。とりあえず」 ――足を引きずっていたのは? 「わかんないですけど、いっぱいキックしたのが、宇佐美選手にもカットされたりしてたんで。多分それでですね。宇佐見選手がガードするのがうまくて、僕がちゃんと当てられなかったみたいな感じです」 ――試合の序盤から左のキックを何度も出していたが、それで距離を取るのは最初から作戦通り? 「矢地さんとの試合の時も話したんですけど、キックが大世は強いって打撃の先生に言ってもらえるので、自分の得意なことを出すっていうことの一つで、どんどん蹴っていこうと思ってました」 ――最後、膝十字で極めたが、実況解説陣はクインテットルールで戦ったことが活きたんじゃないかと。 「いや、関係ないと思います(笑)。普通に普段練習してることが出ただけだと思います」 ――3R、桜庭選手の方から打撃で距離を詰めていって、組みついてっていう展開があった。そこは判定に行くとまずいなっていう考えがあった? 「3Rに入る時に、判定は行きたくないなと思ったのもあるし、1・2R目よりもガチャガチャが多かったんで、やってやるぞってなっていただけだと思います」 ――結果的にそこからフィニッシュにつながっていったので、前に出る重要性を試合中に感じのでは? 「そうですね。自分は寝技が得意だから、打撃から逃げて寝技に行くっていうイメージが嫌で。ストライカーの方でもグラップラーの方でも一緒だと思うんですけど、こっちができないからこっちの勝負はしないみたいな考えが、ペーペーの僕が言うのもあれなんですけど、僕にはハマらないなって思ってて。どっちもガンガン攻撃できればどっちもいけるっていう、どっちも相手が怖がってくれたらどっちもいけると思ってるので。絶対組みじゃなきゃパトリック選手に勝てないとも思ってなかったし、打撃もどんどん出せばその分寝技もより入りやすくなると元々思ってたんで、それで多分うまく組みに行けたかなとも思います」 ――大晦日は具体的にどういう選手と戦いたい? 「僕はないですけど、強い選手じゃなきゃ意味はないと思うので、強い方とやりたいです」 ――今日ライト級の試合が桜庭選手の前に2つあったが、それは見た? 「軽くざっと」 ――キ・ウォンビン選手とかズマガジー選手とかはどう? 「いや、いいんですけど。凄いマッチョだなって思いながら見てたんで、ちょっと怖いですね(笑)」 ――今日、お父さんの桜庭和志選手がセコンドにはいなかった。試合はご覧になってる? 「多分見てないと思います。たまたま来れなくて」 ――試合後にメッセージも? 「まだ(連絡)してないですけど、これから『見たか!』だけ送っとこうかなと思ってます」 [nextpage] 負けたら本当にバカ息子みたいになる ――3Rにローシングルでタックル狙いに行ったけれど、なかなか取れなくてダブルレッグに切り替えた。その意図は? 「多分意図は…あんまり覚えてないですけど、多分その時にそっちが多分出ただけかなと思います」 ――自然に身体が動いた? 「そうですね。はい」 ――あと膝十字はサドルロックから入ったが、それは得意な形? 「名前はあまり分かんないですけど、あの形からはよく入っていると思います」 ――ヒールフックじゃない? 「ヒールはできなくて。それこそ先週にクインテットでヒールで負けちゃったんで、ヒールやりてえって思ってヒール狙ったんですけど入らなくて(笑)。膝十字でいいやって感じでしたね」 ――宇佐美選手にMMAファイターとして打撃で対抗するというのは? 「やっぱり寝技で来られるのをビビってたら寝技のフェイントをかけて打撃が当たるだろうし、もっと細かく言ったらパンチの人にはパンチのふりしたらパンチ合わせてくるだろうから蹴りは当たるだろうし。そういう相手がチョキ出してきたらグー出すみたいなじゃないですけど、そこでめっちゃ強いチョキを持ってても、めっちゃあんま強くないグーには負けるじゃないですか。合ってるか分かんないですけど、そんなイメージですね。ひとつで戦わなくてもいいと思ってるんで」 ――MMAファイターとして勝った、と? 「その言い方が一番カッコいいかもしれないです。それでお願いします(笑)」 ――試合後のマイクで喋りたいことを忘れてしまったと言っていたが、いま改めてどうか? 「なんとなくですけど、凄く嬉しくて、試合終わってから。っていうのは、前回大介さんに負けて悔しかったし、父親の名前を使って出てる分、それこそ勝てば官軍、負ければ賊軍じゃないですけど、勝てば誰も文句言わないと思うんですけど、負けたら本当にバカ息子みたいになっちゃうじゃないですか。そういうのもあったんで、今回は本当にパトリック選手が強いのもあるし、試合前も言いましたけど、凄いストライカーと僕はやったことがないんで、そういう怖さもありながら、試合前、今からきついことするの嫌だなってずっと思ってたんで、本当に勝ててよかったな、みたいなことを言おうとしたんですけど、みんなの前で言っても話長いだろうし、かといってもうちょっと何か言った方がいいかなあも思いながら諦めました(笑)」 ――お父さんに『見たか!』と伝えたいと言っていたが、それはどういう想いが込められたものなのか? 「いつも小言を凄いグチグチグチグチ言われるんで、見返してやるじゃないですけど。多分これでも次会ったら何かしら文句は言われると思うんですけど、とりあえず見たかって言いたいですね」 ――今回はそもそもお父さんがセコンドにつかないのは決めてた? 「一昨日ぐらいに来られなくなっちゃって。本当にたまたまって感じです」 ――当初はセコンドについてくれる予定? 「一応…でも本当にあんま仲良くないというか(笑)。必要最低限にしか喋らないので。来る予定ではあったとは思うんですけど、たまたま来られなくなって、レンタル要員で友だち入れたって感じです」 ――密着映像では一緒に練習をされている様子が公開されているが、あれはどのぐらいのペースで? 「週1、2回ぐらいは練習一緒なんでやるんですけど、本当に会話は『お願いします』と『ありがとうございます』ぐらいです。たまに裏では他の大人に僕の文句を言ってるって感じです。あいつはどうだ、あいつは全然できてないとか言ってるらしいです。それに対して、さっきの『見たか!』っていう感じです」 ――次の試合はまたセコンドについてもらう予定? 「一応、そうですね。お客さんもお父さんのこと多分見たい人もいるだろうし。でも一応心は通じてると僕は思ってるんで。絶対につけるとかでは特にないです。ついてるかもしれないし、ついてないかもしれないです」 ――入場曲が『YAH YAH YAH』だったのは? 「それもお父さんにすげえ文句言われて(笑)。あの曲(SPEED TK RE-MIX)は俺の歌だ、みたいな。それもまたいろんな大人の人に言ってたらしくて、いろんな人から言ってるよ、みたいな。けど、別に大世くんの好きな曲でいいと思うよみたいな。これも言っていいのか分かんないんですけど。でも自分自身もお父さんの曲で入るっていうことに対しては迷ってたんで、ずっと。お父さんのファンに向けてお父さんの曲を使うべきか。それだといつまで経っても桜庭和志の入場曲からは抜け出せないとも思ってたんで。文句言われたし、タイミングいいから変えようかなって思って変えました」 ――選んだ理由は? 「僕っぽいかなっていう感じと、サビに入る前に『殴りに行こうか』って言うじゃないですか、ちょうどいいなと思って。僕、昔の歌が好きなんでよく聞くんで選びました」 ――これからも? 「あれを聞いたら桜庭大世が思い浮かべるようにしたいですね」
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