2025年10月30日(木)東京・後楽園ホールで開催されたキックボクシングフェス『GOAT』のメインイベントで、チャラームダム・ナヨックエータサラ(タイ/NayokAThasala GYM)を1R1分38秒、右バックキックで鮮やかにKOした那須川龍心(TEAM TEPPEN)。
試合後、リングサイドで弟を見守っていた兄の那須川天心がインタビュースペースに訪れ、龍心の試合の感想を語った。
「やることはやったなっていう。地上波映えする試合をしてくれたなっていうのがあります。正直今回の試合なんて仕事ですよ。それでもよくやったなっていうのがありますね。地上波でどれだけ見られるか分からないじゃないですか。でもこうやって新しい団体に飛び込んでやるっていうのは、いろいろ言われることはあると思うんですけれど、ちゃんと仕事はやったと思うし、自分のやることをやった」と、プロの仕事をやってのけたと評価。
「右も左も分からない状況から、人に見られるってことが分かってきているなっていうのがあるので、戦い方もそうだし、一個一個に躍動感だったりとか、華がついてきたなって思いますね」と、龍心の成長を評価した。
試合後のマイクで龍心が「天心がキックボクシングを引退して前より盛り上がりが下がっている状況が続いていますが、この状況を変えられのは俺しかいないと思います」と宣言したことについては、「彼しかいないなと最近の活躍見ると思えますし、弟だからどうというよりも人に見られるっていうことを意識しないといけないので。ただ応援してください、ありがとうございました、試合しますので、というのだと広がらない。
なぜこの人は格闘技をやっているのか。野球、サッカー、いろいろなスポーツがあるじゃないですか。なぜいろいろなスポーツが盛り上がっている中で、キックボクシングをやっているのかってことを見せないと、応援してもらえないと思うので。だから完璧でなくてもいいので、しっかりと人間味というものを見せて欲しい。龍心だけでなく格闘技やっている選手みんなに思っています」と、他のキックボクサーにも要望する。
19歳の頃の自分と比較するとどうか、との質問には「19歳の時は俺どうだったんだろうな…。(龍心は)僕が活躍しているのを見ているので、こういうKOで勝ったりとか、地上波出たりとか、恋愛リアリティショー出たとしたとて、だからなんだって感覚なんですよ。普通のこの年齢だったらちやほやされて天狗になったりすると思うけれど、僕を見ているから全然そういうのないんですよね。
だからいい部分もありつつ、もうちょっと弾けて欲しいなって思うのもあったり。僕は僕で龍は龍なので、自分の色をもっと出して欲しいなって思います。19でここまで来れるっていうのは最初想像していなかったですね。来年20歳なので来年はメイウェザーに勝って欲しいなって(笑)」と、想像していた以上の活躍ぶりだと話す。
ホームのRISEが11月2日にビッグマッチを開催することや、現RISEスーパーフライ級王者・花岡竜とのタイトルマッチが流れたことで批判の声もあったが、天心は「やっぱり皆さん村の住人ですから。格闘技村でずっとやってると外が見えないじゃないですか。その村を大きくしていかないといけないんですよ。ずっとそこにいると自分たちの世界が一番盛り上がっていると思うじゃないですか。でもいざ客観的に見るともっと盛り上がっているところがあるし、いろいろなエンターテインメントがあるし、格闘技やキックボクシングをやる母体を増やさないといけない。その役割を彼はやっているってことを、皆さんには理解してもらいたいと思いますね」と、龍心の役割を分かってもらいたいとする。
「俺なら中1日で出ていたけどね」と付け加えることも忘れなかった。
そして、11月24日に行われる自身のWBC世界バンタム級王座決定戦、井上拓真(大橋ジム)戦について聞かれると「しっかりつないでもらいましたし、毎回試合をするたびにお互い強くなっているというのを。たまにしか一緒に練習しないんですよ。だけどこういう試合で確認できるというのがあるので。あいつもしっかりかましたし、俺もしっかりやるよねって。そういう切磋琢磨というのを…相手が拓真からではなく。だからたくましくなりましたね(笑)」と、天心節で語った。