キックボクシング
レポート

【NJKF】109戦・国崇がダウンを奪われながらもヒジで逆転TKO勝ち、真琴が庄司理玖斗にTKO勝ちでフェザー級王座獲得、庄司翔依斗はTKO勝ち

2025/10/28 19:10
NJKF拳之会「NJKF 2025 west 5th」2025年10月19日(日)岡山・倉敷市真備町のマービーふれあいセンター ▼WメインイベントII 日韓国際戦 60kg契約 3分5R ※ヒジあり〇国崇(NJKF拳之会/WKAムエタイ世界フェザー級王者)TKO 2R 2分20秒※ヒジ打ちによるカット→レフェリーストップ×ジョン・ギハン(韓国/RAON/元KTK60kg級王者)  今回の大トリ(Wメイン第2試合)は国崇の復帰戦。ちょうど1年前の同所でユン・ドクジェと対戦した際はキャリア初の体重オーバーも相まって本領にはほど遠く、4R TKO負けを喫した国崇は4月の岡山大会を欠場し、ユンと同じ韓国・RAONジムの元KTK60kg級王者ジョン・ギハンを迎えての再起戦を行った。  1R、国崇のローに、ジョンはパンチを合わせていく。国崇はやや動きが重く感じられるが、中盤からはジャブも出始めたところで、ジョンの左フックを被弾。ダウンを喫する。1年前の敗戦が頭をよぎるものの、再開されてからの国崇はあまりダメージは感じさせず、ローを入れていく。  2Rに入ると、ローからパンチへのコンビネーションも出て、得意の左ボディも炸裂させる国崇。中盤に組み合うと、離れ際に国崇のヒジがヒット! ジョンは顔面をカットしてドクターチェックが入るが、ドクターの意見を聞いたレフェリーは「Next, Stop」とジョンに告げて試合を再開。  パンチで反撃に出ようとするジョンだったが、ロープ際に詰めた国崇はまたも左ヒジをヒットして追い打ち。再びドクターチェックに入るとほどなく試合はストップされ、国崇の2RTKO勝ち。国崇はこれが1年半ぶりの勝利で、通算戦績を109戦61勝(41KO)45敗3分とした。  国崇はマイクで「ジョン選手はすごく心の強い選手でしたが、皆さんの応援のおかげで勝つことができました。僕は今45歳なんですけど、この歳でも頑張れるんだというところを絶対見せたかったので(場内拍手)、ケガばっかりしてるんですけど、何とかこうやって頑張ってます。頑張りゃ何とかなるという精神でやってきましたが、これからも頑張るので、応援よろしくお願いします」と挨拶。観客からは盛大な拍手が送られた。  試合後、国崇は「今回、今までの109戦でトップ3に入るぐらいのコンディションの悪さでした。ケガからの復帰だったんですが、調整の終盤、スパー中に同じところをケガしてしまって。自分でも珍しく不安が大きかったですね。1Rのダウンは1年ぶりの試合ということもあって動きが固く、もらってしまいましたが、起き上がる時にも記憶はあったので、フラッシュダウンみたいな感じでダメージはほとんどありませんでした。そこからは『ヤバい』と思って反撃できて、セコンドからも『2Rはよかったよ』と言われました。離れ際のヒジは練習していたし、会長からの指示も聞こえました。最初は動けてなかったし、今回はいろんな意味で大変だったので、勝てたことはよかったと思います」と試合を振り返った。  45歳、100戦を超えるキャリアでダメージの蓄積もあるものの、今回復活勝利を飾ったことで「次はもっと」の思いが強い。2026年4月25日に岡山コンベンションセンターで行われる次回の拳之会主催興行で連勝を狙う。  今回はWメイン第1試合に庄司理玖斗、セミに庄司翔依斗(かいと)の兄弟が出場。国崇が指導してきた庄司兄弟の成長に「彼らの勢いは感じています。強くなってきた彼らと切磋琢磨して、まだまだ自分も成長できると思います」と、まだ背中を見せる覚悟はしっかりと持ちながら、110戦目を迎えようとしている。「彼らは今は駆け抜けるシーズン。試合を見ると、興行を盛り上げるにはまだまだかなと思います。自分も盛り上げようとしてあんな試合をしているわけじゃないんですけど(笑)。自分も一緒にまだまだ駆け抜けて上がっていきたいですね」と語った。 [nextpage] ▼WメインイベントⅠ NJKFフェザー級王座決定戦 3分5R ※ヒジあり〇真琴(NJKF誠輪ジム/同級1位)TKO 3R 0分33秒 ※ヒジ打ちによるカット→レフェリーストップ×庄司理玖斗(NJKF拳之会/同級2位)※真琴が新王座に就く。  Wメイン第1試合は、庄司理玖斗の初タイトルマッチ。4月にNJKFフェザー級3位の坂本直樹を下して同級2位に浮上した庄司は、同級1位で元NJKFスーパーバンタム級王者の真琴を迎え、NJKFフェザー級王座決定戦に臨んだ。  昨年10月のJAPAN CUP KICKBOXINGトーナメントで体重オーバーして失格となり、スーパーバンタム級王座も返上した真琴はフェザー級に階級を上げて2戦目だが、前王者・大田拓真が返上したことで、早くもチャンスが巡ってきた。  1Rはジャブとローの交換から始まったが、175cmの長身でリーチのある真琴はハイキックからパンチを集めるなど優勢。庄司はローからのパンチを中心に、国崇譲りのボディを叩き込むなどで応戦。  2Rも庄司は果敢に前に出るが、真琴はローや前蹴り、ハイ、パンチで応戦し、庄司に糸口を掴ませない。中盤には真琴のローで庄司の足が流れる場面があり、終盤には左ハイからの左ヒジで庄司はカット。  3Rに入ってすぐにドクターチェックが入るが、ここは再開。庄司は挽回すべくさらに前に出るが、真琴の攻撃で下がったところに足をもつれさせてダウン。様子を見たレフェリーが試合をストップし、真琴が3RTKO勝利。新王者となった。  ベルトを巻いた真琴は「言いたいことはたくさんあるんですけど、スーパーバンタムとフェザーのベルトを獲ったんで、もっと実力と知名度を上げて、大田拓真選手が持ってるWBCムエタイ世界のベルトを僕が獲るんで、見守ってほしいです」と、大田拓真に照準を絞ることを宣言。果たしてその思いは届くのか? [nextpage] ▼セミファイナル 交流戦 フライ級 3分5R ※ヒジあり×ローズ達也(ワイルドシーサーコザ/元WPMF日本フライ級王者)TKO 5R 2分15秒 ※ヒジ打ちによるカット→レフェリーストップ〇庄司翔依斗(NJKF拳之会/NJKFフライ級9位)  セミファイナルは庄司兄弟の弟、庄司翔依斗が初のヒジあり5回戦。WPMF日本フライ級、TENKAICHIバンタム級の2冠を獲得しているベテランのローズ達也と対戦した。  メインの国崇と同い年の45歳になるローズに対し、今年3月にデビューして4戦4勝(1KO)の庄司は1R、右ハイでダウンを奪うと、5Rには左ヒジでローズの眉間をカットしてTKO勝利。デビューからの連勝を5に伸ばすとマイクで「僕は絶対キックボクシングを引っ張っていく存在になるので、これからも庄司翔依斗にご期待ください」と語った。 [nextpage] ▼第8試合 交流戦 スーパーフェザー級 3分5R ※ヒジあり〇祐輝(OU-BU GYM)TKO 1R 2分21秒 ※レフェリーストップ×亮介(BOSS GYM)  第8試合では、KNOCK OUTでも頭角を現し、毎月のように試合に出場している広島の祐輝が、拳之会興行に久々の参戦。亮介を相手に左でダウンを奪い、ワンツーで倒して1RTKO勝利。得意の速攻で勝利を飾った。  祐輝は11月にもKNOCK OUT後楽園大会で試合が決定している。 [nextpage]  第8試合の後には、ミネルヴァから世界のタイトルを獲得した女子王者たちがリングに勢揃い。8月にオーストラリアでWBCムエタイ女子ミニマム級世界王者になった撫子(ミネルヴァ2階級王者)、6月に同じ会場でISKA世界女子アトム級王者になったMARI(ミネルヴァ3階級王者)、K-1女子フライ級王者・SAHO(元ミネルヴァ・スーパーフライ級王者)、そして元ISKAムエタイ女子アトム級世界王者・白築杏奈(ミネルヴァ2階級王者)の4人がベルトを肩に集結し、リング上から挨拶を行った。  真備地区の復興完了宣言後1回目の興行となった今回、後半の5R戦 4試合すべてがTKO決着となり、盛況のうちに終了した。 写真&レポート:高崎計三 [nextpage] ▼第7試合 NJKFミネルヴァ 55.4kg契約 2分3R○珠璃(闘神塾/NJKFミネルヴァ スーパーバンタム級王者)判定3-0 ※30-28×3×あきなZLS(TEAM ZELUS) ▼第6試合 交流戦 55kg 3分3R○利共(TOP RUN GYM)判定2-0 ※30-29、30-28、29-29×大村絆人(魂心舘) ※第5試合 ケガによる選手欠場のため試合中止 ▼第4試合 交流戦 フライ級 3分3R×滑飛シオン(テツジム)判定0-3 ※29-30×2、28-30○林ジャッカル裕人(NJKF心将塾) ▼第3試合 交流戦 ライト級 3分3R○大塲浩史(Blaze)判定3-0 ※30-29×2、30-28×柏野浩平(西田道場) ▼第2試合 NJKFミネルヴァ 47kg契約 2分3R○小町(TEAM TED)判定2-0 ※30-29×2 29-29×橋本結愛奈(BOSS GYM) ▼第1試合 NJKFミネルヴァ スーパーバンタム級 2分3R○凜愛(Studio Player)判定3-0 ※30-29、30-28×2×宮川衣美(魂心舘) 〈オープニングファイト〉 ▼NEXT☆LEVEL提供試合 57.5kg 2分2R○森本瑠倭(RISSHIN GYM)判定3-0 ※20-19×3×土居優斗(Jay's Box)
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