キックボクシング
レポート

【新日本キック】メインは体重超過で減点2の山浦俊一がオリベイラに初回TKO勝ち、NANAが最終Rの猛攻でWMA世界王座を獲得!佐藤“魔王”応紀を破りマフィアがWMA世界王者に、マルコが圧巻のTKO勝ち、UvermiyUとAIKOがフルラウンド打ち合いの熱闘、BreakingDown出身の杉田風夏がミネルヴァ王者に、コルドバ豪快KO勝ち、篤志がカタルーニャ王者に勝利、期待のホープ西田蓮斗がTKO勝ち

2025/10/26 17:10
新日本キックボクシング協会「TITANS NEOS 37」2025年10月26日(日)東京・後楽園ホール ▼第15試合 62kg契約 3分3R×ジョニー・オリベイラ(ブラジル/トーエルジム/元新日本スーパーフェザー級王者)TKO 1R 2分34秒 ※レフェリーストップ〇山浦俊一(新興ムエタイジム/NJKFライト級1位)  山浦は前日計量で体重超過のため減点2からのスタート。  1R、山浦は序盤から右カーフキックを狙い撃ち。オリベイラはそのカーフにパンチを合わせようとするが、山浦は上手く右カーフを当てていく。  オリベイラが得意の組みに持ち込んでも、崩して上になるのは山浦。右カーフでオリベイラの足が流れ始め、ダウン。  立ち上がったオリベイラだが、またも右カーフをもらって2度目のダウン。レフェリーがここでストップし、体重超過した山浦のTKO勝ちというスッキリしない結果となった。 [nextpage] ▼第14試合 ライト級 3分3R〇岩橋伸太郎(エスジム/NJKFライト級2位)判定3-0 ※30-29×2、29-28×岡田彬宏(クボジム・リレイズ東京)  1R、岩橋が左ボディを打てば、岡田は左フック。互いに被弾しながらも打ち合い、ミドルを蹴り合う。終盤、岩橋が左ミドルと左ボディの連続攻撃を見せた。  2R、左ボディを当てる岩橋だが、岡田のワンツー、左フックを被弾。岩橋は左ミドルを多用して岡田の右腕を蹴っていく。岡田もローを蹴り返し、互いに相手の攻撃をもらいながらも返していく。  3R、首相撲勝負となり岩橋はヒザ、岡田はヒジ。離れると左ミドルを蹴る岩橋。打ち合いになると互いに被弾しながらパンチの交換。ここで岩橋が右フックでビッグヒットを奪う。岡田も前へ出てワンツー、左右フック、ヒジで応戦したが、岩橋の判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第13試合 WMA世界女子スーパーフライ級王座決定戦 2分5R〇NANA(エスジム/ミネルヴァ認定スーパーフライ級王者)判定3-0 ※49-48、49-46、49-47×ジェンディ・モーラッソパコーラー(タイ)※NANAが新王座に就く。 NANAは2019年6月にプロデビューした、小柄な体型ながら果敢な打ち合いを挑むタイプ。J-NETWORKで試合経験を積み、2021年1月には「第5代Krush女子フライ級王座決定トーナメント」に出場。7月には『戦場』のリングで初のヒジ打ちありルールに挑戦し、有里から判定勝ち。2022年6月にIMARIとミネルヴァ認定スーパーフライ級王座決定戦を争い、判定勝ちで王座に就いたが11月の初防衛戦でARINAに奪われた。 2024年6月のKNOCK OUTでは『巌流島』でぱんちゃん璃奈に初黒星を付けたルシア・アプデルガリムを破り、10月の新日本キックではワンデートーナメントを制してミネルヴァ認定スーパーフライ級王者に返り咲いた。2024年12月のRWSではカラケッドに惜敗も、3月には初防衛に成功。7月にザリーナ・イスラモバに判定負け。戦績は16勝7敗2分。  1R、NANAは右ローからのワンツー・フックで攻め込む。ジェンディは首相撲に持ち込んでヒザを蹴る。負けじとNANAもヒザを蹴り返し、ヒジも打つ。ジェンディはNANAが入ってくるところにヒジ。互角の展開。  2R、左ミドルを当てるジェンディにNANAはパンチで応戦。右ストレートがジェンディの顔面を捉えると、ジェンディは首相撲に持ち込んでヒザ、これにNANAもヒザで応戦するが、崩した押されてしまう場面が続いた。ジェンディのラウンドか。  3R、ヒザでも蹴り負けず、右ストレートや右フックをヒットさせるNANAだが、ジェンディに右ミドルを綺麗に当てられてしまう。NANAは組んでのヒジも叩きつける。これにジェンディもヒジで応戦。左ミドルも蹴る。  4R、勝負に出たNANAが突進して左右フックをヒットさせるが、ジェンディも左右ミドルをしっかり当てる。組んでのヒザ蹴りは互角も、ジェンディがヒザを押し当てて攻防を終える場面が多い。パンチのヒット数ではNANA、蹴りでジェンディ。  5R、突進するNANAにジェンディはヒジ。左右フックを当てるNANAにジェンディはミドルを蹴り、首相撲に持ち込む。NANAも首相撲で必死の応戦。疲れが見えるジェンディが左ミドルを蹴ったところにNANAがカウンターの右ストレート、さらにもう一発でジェンディを大きくのけ反らせる。さらに攻め込むNANAがジェンディの左ミドルに右ストレートをクリーンヒットさせ、大きくのけ反らせたところで試合終了。  判定は3-0でNANAが勝利! WMA世界王座を獲得し、笑顔でベルトを巻いた。 [nextpage] ▼第12試合 WMA世界女子ライトフライ級王座決定戦 2分5R×佐藤“魔王”応紀(PCK連闘会/アビデッ・シットヒラン杯ライトフライ級王者)判定0-3 ※46-50、46-49、47-49〇マフィア・ペットモンコンデイ(タイ)※マフィアが新王座に就く。 佐藤は東北の格闘技イベント『聖域』(サンクチュアリ)で、アマチュアの聖域チャレンジ女子フライ級王者となり、2019年11月には芳美からダウンを奪ってプロの聖域東北女子フライ級王者となった。2019年6月には祥子・JSKをKOしたこともある。2025年4月には1.2kg体重超過の真美に判定勝ち。アピデッ・シットヒラン杯ライト・フライ級王者。 マフィアは15歳の若さで、50戦近い戦績を持つ。変幻自在の戦い方が出来る器用なムエタイファイターで、スピードを活かしたステップワークからの的確な前蹴り、相手のボディをえぐるような鋭角なヒザ蹴りで苦しめたかと思えば、アグレッシブに前へ出てパンチで追い込む戦いを見せる。2025年2月のK-1に初来日し、K-1女子アトム級王座決定トーナメントで松谷綺にダウンを奪われ判定負け。  1R、佐藤は右インカーフと左カーフを蹴り、組んで首相撲に持ち込む。マフィアも組むとヒザ蹴り。組んでの勝負は互角。  2Rになるとマフィアは左ミドルを多用。左ミドルを次々と当てていく。佐藤はフックから組み付いて首相撲に持ち込むが、マフィアは膝頭をしっかりと突き刺すヒザ蹴り。佐藤がヒザを蹴り返そうとすると崩し倒す。  3R、マフィアのミドルにパンチを合わせようとする佐藤。マフィアはすぐにそれに気付き、ミドルをなかなか蹴らない。佐藤はフックから組み付いてのヒザも、マフィアは自分がヒザを蹴ったらヒザを押し当ててロック。さらに佐藤が組み付いてくるとヒジを連打する。  4R、序盤は組んでのヒザ、ヒジを見せ、左ミドルと左前蹴りをヒットさせたマフィアは終盤になると級に下がり始め、ロープを背にして待ちの姿勢。勝利を確信したか、前に出てくる佐藤の顔面へ前蹴りを当てるが流しモード。  5R、突進する佐藤にマフィアは前蹴り、左ミドル。組むと首投げのようにして投げるか、ヒザを押し当てて動きを制する。佐藤は組んでヒジを当てるが、マフィアのヒザで動きを封じられた。  判定は最大4ポイント差をつけてマフィアが勝利。ベルトを巻いた。 [nextpage] ▼第11試合 75kg契約 3分3R ※ヒジ打ち無し〇マルコ(伊原道場本部)TKO 1R 2分33秒 ※セコンドからのタオル投入×白岩昭人(GRABS)  1R、マルコはワンツーをしっかり当てて前へ出ていく。白岩は右カーフを蹴り、右ストレートを返すがマルコの突進に下がる。  マルコが右ストレートからの右フックでダウンを奪い、白岩はフラフラになりながらも立ち上がる。マルコは片手で組むと右ヒジの連打。白岩がダウンしたところでセコンドからタオルが投入された。 [nextpage] ▼第10試合 ミネルヴァ認定ペーパー級王座決定戦 3分3R〇UvermiyU(T-KIX GYM/同級2位)判定2-1 ※30-28、28-29、29-28×AIKO(AXGYM/同級3位)※UvermiyUが新王座に就く。 1R開始と同時に両者左右フックで打ち合いを開始。前に出るのはUvermiyUだが、AIKOも下がりながら打ち返す。前蹴りで押し返すAIKOにUvermiyUは突進を続ける。  2Rも打たれたら打ち返す打ち合いが続き、場内は盛り上がる。AIKOは組んでのヒザ、UvermiyUは左ボディも。両者ミドルも織り交ぜるがほとんどの時間が打ち合いだ。  3Rも両者打ち合い、組んでも休まずヒザを蹴り合う。UvermiyUが左右フックの連続ヒットで優勢に立ったかと思えばAIKOも前へ出て左右フックとヒザで逆襲。そしてまたUvermiyUが前へ出る。  大熱戦のうちに終了のゴング。両者の熱闘に場内は歓声と拍手に包まれた。判定は2-1でUvermiyUが新王座に就いた。 [nextpage] ▼第9試合 ミネルヴァ認定ピン級王座決定戦 3分3R×上真(ROAD MMA GYM/同級1位)判定0-3 ※27-30×3〇杉田風夏(谷山ジム小田原道場/同級3位)※杉田が新王座に就く。 上真は2024年10月、最軽量級として新設されたペーパー級(-43.09kg)の初代王座決定戦でAIKO(AX GYM)を延長戦で破り、初代王座に就いた。しかし、2025年3月の防衛戦で撫子に敗れている。今回は階級を上げての2階級制覇を目指す。 杉田は12歳から18歳までフルコンタクト空手を学び、17歳の時に極真空手の全国大会で3位になったことがあると言い、アマチュアキックボクシングにも出場。2023年2月19日の『BreakingDown 7』に出場し、朝倉未来チャレンジ2期生として注目を集めていたせりなと対戦。延長戦判定5-0で杉田が勝利し、番狂わせを演じたことで一躍名を挙げた。2024年4月のミネルヴァ興行『GODDESS OF VICTORY II』にてプロデビュー戦を行い、1R1分31秒でTKO勝ち。その後も試合を重ねて4勝(1KO)1敗1分となっている。  1R、打撃は出会い頭しかなく、両者組んで崩すという展開が続く。  2R、1Rよりは両者打撃は出たが、組んでブレイクが続く。その中でも杉田が組んでヒザを蹴り、崩しを見せる。  3Rも同じ展開も、出会い頭に前蹴りやミドルを一発当てるのは杉田。組んでもヒザを蹴るのは杉田で、上真は組んでねじ伏せるようにする。  判定3-0で杉田が勝利。BreakingDown出場からプロの王者にまで登りつめた。 [nextpage] ▼第8試合 68kg契約 3分3R×ヴェジーチョル(伊原道場本部)判定0-3 ※27-30、26-30、29-27〇風成(エスジム/アマチュアEXPROSION初代ミドル級王者)  1R、右カーフを蹴って右ストレートを打つ風成に、ヴェジーチョルはいきなり左右フックで突進を見せる。これに打ち合う風成が逆ストレートからの左フックでダウンを奪う。その後もたびたび打ち合いとなり、ヴェジーチョルも左右フックを当てるが、風成のヒットが目立った。  2R、風成のワンツー、大きな左右フックをもらっても怯まず前へ出て負けじと左右フックを振り回すタフなヴェジーチョル。風成は後半、右カーフを蹴っていった。  3R、左右フックを振り回して突進したヴェジーチョルだが、風成が左右ミドルを蹴ると近付けなくなり、ローを蹴り返す。疲れが見える風成はヴェジーチョルのローで転倒するが、最後まで逆転を許さず判定勝ち。  風成は勝利者トロフィーを受け取ると、声を上げて泣いた。 [nextpage] ▼第7試合 59kg契約 3分3R〇アルナウ・コルドバ(Campio Sabadell/WKNスペインK1王者、WKAナショナルK1王者)KO 1R 1分51秒 ※右ミドルキック×伊達(GRABS)  1R、パワフルなパンチと蹴りを放つコルドバに、サウスポーの伊達も強い左ローと左ミドルで応戦。しかし、コルドバのパワーは強く、左右フック、右カーフに場内がどよめく。  右ストレートから倒れ際にヒザも見舞ったコルドバがダウンを奪い、コルドバがラッシュ。バランスを崩して倒れかけた伊達にコルドバが右ミドルを蹴り上げ、KO勝ち。  コルドバはマットに突っ伏して勝利を喜んだ。 [nextpage] ▼第6試合 60kg契約 3分3R×オスカル・カサド(Biel Metralleta/AEMMAカタルーニャ Striking MMA王者、WKAカタルーニャK1王者)判定0-3 ※29-30、28-29、28-30〇篤志(バトルフィールドチームJSA)  1R、序盤はサウスポーの篤志が左ストレートと組みヒザで優勢だったが、中盤を過ぎるとカサドが右ストレートで逆襲。前へ出ていく。  2R、カサドの右ストレートを右フックで迎え撃ち、左ストレートをフォローする篤志。カサドはパンチをもらいながらも前進をやめない気の強さを見せ、スーパーマンパンチ、飛びヒザ、ハイキックを繰り出す。  3R、パンチで前へ出ながらバックハンドブロー、バックキックと大技も出すカサドに、篤志は右フック、左ストレートをしっかり当てていく。カサドはもらいながらも最後まで前に出て戦った。  判定勝ちが告げられた篤志は大喜び、セコンドと抱き合い、歓喜しながらトロフィーを受け取った。 [nextpage] ▼第5試合 フライ級 3分3R〇西田蓮斗(伊原道場越谷/日本アマチュア5冠王者、現タイ国南部3冠王者)TKO 2R 2分30秒 ※セコンドからのタオル投入×RIKIYA T-KIX(T-KIX GYM)  1R序盤から右カーフと左三日月を狙い撃ちにしていく西田。RIKIYAは左ミドルを蹴っていくが、西田の右カーフにダウン。さらに西田は右カーフでダウンを追加する。  2R、飛び二段蹴り、ハイキックを放つ西田。RIKIYAは右ストレートで応戦するが、西田の右カーフ、左ミドル、左三日月が次々と決まり、最後は右カーフでダウンしたところでRIKIYAのセコンドからタオルが投入された。  西田は「来月スペインで世界タイトルマッチが決まっているので、みんなの期待に応えられるようにします」とマイクアピールした。 [nextpage] ▼第4試合 アマチュア 女子45kg契約 2分2R ※首相撲無制限、回転技あり、ヒジ打ちなし〇西田結菜(伊原道場越谷/タイ国南部2冠王者)ドロー 判定1-0 ※20-19、20-20、19-19×工藤優愛(GRABS)  1R、右ミドル&右前蹴りと右の蹴りを中心に戦う西田に、工藤は右ストレートを合わせにいく。両者組んでのヒザは互角。  2R、荒々しく攻め込む工藤に西田は右ミドル。両者組んでの攻防はポジションを入れ替える。  判定は両者決め手なくドローとなった。 [nextpage] ▼第3試合 ミネルヴァ スーパーフライ級ランキング戦 2分3R〇紗耶香(格闘技スタジオBLOOM/ミネルヴァ認定同級6位)判定3-0 ※30-29×2、29-28×松藤麻衣(KNOCK OUTクロスポイント吉祥寺/ミネルヴァ認定同級10位)  1R、組んでのヒザ蹴りに持ち込む松藤に紗耶香は左右フックの連打で応戦。パワーで優る紗耶香のパンチが目立った。  2R、松藤は右ストレートで応戦するが、紗耶香の左右フックを出しながらの突進に押される。組むと投げる紗耶香。  3Rも連打で突進する紗耶香に押される松藤。応戦するが勢いに押され、紗耶香の判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第2試合 ミネルヴァ 女子55kg契約 2分3R×MEGU(KICK-SPARK)判定0-3 ※27-30×3〇朱乃(CORE)  1R、MEGUは首相撲からのヒザを仕掛けるが、離れると朱乃へ右ストレートを直撃。さらに顔面前蹴りで鼻血を出させる。  2Rも朱乃が顔面前蹴りを連続でヒットさせ、右ストレートも顔面直撃でさらに流血をひどくさせた。  3Rはスタミナ切れも、朱乃がボディへの前蹴り、右フックもぶん回して最後はハイキック。判定3-0の完勝を収めた。 [nextpage] ▼第1試合 アマチュア 49kg契約 2分2R ※首相撲あり、顔面ヒザ蹴り・ヒジ打ちなし〇ツカサ(伊原道場越谷/DEADHEAT34kg初代王者、エクスプロージョン第17代45kg級王者)TKO 2R 1分14秒 ※セコンドからのタオル投入×ディエゴ・アンビテ(MEGURO CASTILLA)
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