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レポート

【Krush】齋藤紘也が“DARUMA”健太との殴り合いを制して決勝へ、大石昌輝が山際和希に判定勝ちで決勝進出、上遠野寧吾が見事なKO勝ちで決勝進出、安尾瑠輝が大久保世璃とのハイスピードバトルを制して決勝へ、大夢が白幡裕星からダウン奪い勝利、松山勇汰が鮮やかKOで再起

2025/10/25 17:10
Krush.1812025年10月25日(土)東京・後楽園ホール ▼第11試合 第11代Krushウェルター級王座決定トーナメント・準決勝(2) 3分3R延長1R〇齋藤紘也(K-1ジム川口ブルードラゴン)判定2-0 ※30-29、30-30、30-28דDARUMA”健太(K-1ジム蒲田チームアスラ)※齋藤が決勝へ進出。 齋藤は2020年9月からK-1 GROUPに参戦し、3連勝後に塚本拓真に敗れ初黒星。2023年6月にBigbangで安保璃紅を破り、2024年3月にはRISEとの対抗戦で田中佑樹をKOした。2024年9月には佐々木大蔵に挑んだが判定負け。2025年7月、大石昌輝にTKO勝利した。戦績は9勝(6KO)2敗。 DARUMAは2022年7月からKrushに参戦。初戦はKO負けを喫したものの、10月の2戦目からは4連勝を飾った。2024年8月に海斗を右ストレートと右フックでダウンさせての判定勝ち、2025年1月には山際和希にKO勝ちしたが、4月に大石昌輝に判定負け。戦績は6勝(3KO)4敗。  1R、互いに右カーフを蹴り、今度は相手の右カーフにパンチを合わせに行く両者。DARUMAが右強打を放つと、それでスイッチが入ったように一気にラッシュをかける齋藤。そのラッシュが止まったところでDARUMAはボディを攻めていく。さらに右強打を当てていくDARUMA。  2RはDARUMAが左アッパー、左ボディ、右フックを次々と命中させて優勢に。防戦となっていた齋藤だが、中盤からは前へ出てジャブ、ワンツーを打って反撃。しかし、DARUMAの強打をもらってしまう。  3R、打たれては打ち返す、打って打たれつの展開が3分間続いた。前に出るのは齋藤だが、DARUMAも一歩も退かず打ち合い、意地の張り合いのような殴り合いに。それが最後まで続き、決着は判定にもつれ込んだ。  判定は2-0で齋藤が勝利、DARUMAはその場に崩れ落ちた。  これにより、決勝は齋藤vs.大石という組み合わせに。齋藤は「打ち合いしてくれますか?」と大石にマイクを向けると、大石は「ちょっと考えておきます」と笑った。 [nextpage] ▼第10試合 第11代Krushウェルター級王座決定トーナメント・準決勝(1) 3分3R延長1R×山際和希(谷山ジム/第7代Krushウェルター級王者)判定0-3 ※27-30×3〇大石昌輝(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)※大石が決勝へ進出。 山際は2009年に全日本学生キックボクシング連盟ウェルター級王者となり、プロデビュー後も順調に勝ち星を積み重ね、2015年6月にBigbangウェルター級王座を獲得。2017年2月まで11連勝を記録した。K-1 JAPAN GROUPには2013年から参戦し、2020年8月の第7代Krushウェルター級王座決定トーナメントで連続KO勝ちして悲願だったKrush王座に君臨したが、2021年1月の初防衛戦に敗れて王座を失った。2025年1月には“DARUMA”健太にKO負け。近年はホームのBigbangのリングで戦い、2025年6月に松下大紀を判定で破り連敗を脱出した。戦績は41勝(14KO)24敗6分。 フルコンタクト空手界で活躍した大石は4歳で空手を始めジュニア時代から頭角を表し、中学・高校と数々の大会で優勝。2015年から2017年までJKJO全日本一般重量級では3連覇を達成。フルコンタクト空手の統一大会であるJFKO全日本選手権大会でも上位に進出している。空手時代は内廻し蹴りを得意に。2023年3月のKrushでデビューし、1Rわずか52秒でKO勝ちすると、6月のK-1では夜叉猿も1R1分17秒でKOした。3戦目でブハリ亜輝留に判定負けで初黒星。2025年4月、“DARUMA” 健太に判定2-0で勝利して再起を飾ったのもつかの間、7月に齋藤紘也にTKO負け。3勝(2KO)2敗。  1R、山際がミドルを蹴ると大石は重いローを蹴り返していく。蹴り合いになっても大石は重い蹴りを必ず返し、内廻し蹴り、ハイキック、右カーフを当てていく。  2R、大石は右前蹴りからの左ハイ、右カーフと蹴り技主体。山際は右ミドルを蹴っての右ストレートを多用する。山際のミドルが決まるが、大石の重い蹴りのインパクトが強い。  3R、山際は前に出る大石に左右ミドル、右ストレートで迎え撃つ。大石は蹴られながらも前に出て強い右カーフ。これに山際が揺らぐ場面も。大石の右足払いで倒れた山際にダウンがコールされ、山際は驚いた表情を浮かべて立ち上がる。その後、すぐにゴング。  判定3-0で大石が決勝進出を決めた。 [nextpage] ▼第9試合 第5代Krushフライ級王座決定トーナメント・準決勝(2) 3分3R延長1R×海凪(RAUSU GYM)KO 1R 2分50秒 ※3ノックダウン〇上遠野寧吾(POWER OF DREAM)※上遠野が決勝へ進出。 上遠野はKrushに2024年8月から参戦。8月の1回戦では東虎之介に延長Rで判定勝ち。戦績は5勝(3KO)無敗。 海凪はK-1甲子園2023東日本予選 -55kg優勝。Krushには2024年6月から参戦。2024年8月に上遠野、2025年5月に大久保に敗れている。8月の1回戦では有馬大翔に判定勝ち。戦績は5勝(1KO)3敗。 両者とも2006年9月22日生まれの19歳。  1R、サウスポーの両者はジャブの打ち合い。海凪が左右フックでペースを掴み始めたかと思われたところで、上遠野が右ボディからの右フックでダウンを奪う。  立ち上がった海凪に上遠野は圧をかけていき、三日月蹴りから振りかぶっての左フックでダウンを追加。  最後はコーナーへ圧をかけていき、海凪が放った右フックに右フック合わせて壮絶なKO。上遠野が優勝候補らしい圧勝で決勝へ駒を進めた。 [nextpage] ▼第8試合 第5代Krushフライ級王座決定トーナメント・準決勝(1) 3分3R延長1R〇安尾瑠輝(K-1ジム心斎橋チームレパード)判定3-0 ※30-28×2、30-29×大久保世璃(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)※安尾が決勝へ進出。 大久保はK-1甲子園2024 -55kg王者。大久保琉唯の弟。2025年2月のK-1でプロデビューし、3戦3勝。2025年5月には海凪から判定勝ち。8月の1回戦では吉川仁清に判定勝ちした。 安尾は第3代DEEP☆KICK -51kg王者。2022年7月からKrushに参戦し、2024年7月には第3代Krushフライ級王者の悠斗をKOしている。8月の1回戦では渡部蕾を3RでKO。戦績は8勝(5KO)3敗(Krushでは6勝3敗)。  1R、両者ともかなりハイペースで攻撃を交換。一発で終わらず互いに連打とコンビネーションを繰り出していく。大久保の右カーフ、左三日月、ヒザが決まった。  2R、大久保の蹴りに対して左右フックを回転させていく安尾。打ち合いで安尾の右フックに巻き込まれる形で大久保が倒れるが、これはスリップ判定。その後もハイスピードで打ち合いを展開していく両者だが、安尾の強打のヒットが目立った。  3R、パワーと回転力に優る安尾に大久保は左ボディで必死に食らいついていくが、ホールディングやホールディングからの投げなどもあり、逆に安尾の優勢を印象付ける。  判定3-0で安尾が大久保に初黒星を付け、決勝進出を果たした。 [nextpage] ▼第7試合 Krushバンタム級 3分3R延長1R×白幡裕星(K-1ジム総本部チームペガサス)判定0-3 ※28-30×2、28-29〇大夢(WIZARDキックボクシングジム/第4代Krushフライ級王者) 白幡はアマチュアで多数の経験を積み、2018年10月にプロデビュー。2019年12月1日にMuayThaiOpenスーパーフライ級王座を獲得。2021年2月にはKNOCK OUT-REDスーパーフライ級王座も奪取。2022年3月、RIZINで吉成名高に挑むもTKOで敗れている。2023年2月にKrush初参戦で第6代Krushバンタム級王者・吉岡ビギンを判定で破った。2024年は「第9代Krushバンタム級王座決定トーナメント」決勝に進出するも黒川瑛斗に敗れ王座戴冠ならず。2025年1月、林佑哉に判定勝ちで再起。5月には長野翔との大接戦を制したが、7月のK-1で石井一成に惜敗。戦績は18勝(1KO)7敗1分。 大夢は2021年6月からKrushに参戦。4連勝(3KO)を飾ったが、2022年の「初代Krushフライ級王座決定トーナメント」の決勝戦で大久保琉唯に延長戦の末に惜敗。2023年5月に再び「第2代Krushフライ級王座決定トーナメント」に挑んだが、決勝で大鹿統毅に敗れ王座を逃した。10月に宗一郎をKOし、王座挑戦をアピールすると2024年1月に悠斗をKOして第4代王座に就いたが、2025年3月のバンタム級王座挑戦で黒川瑛斗にKOで敗れると王座を返上。バンタム級で再起する。戦績12勝(7KO)4敗。  1R、白幡は右カーフと左インロー、大夢は持ち味の長いリーチからジャブ、右ストレート。大夢が前へ出て圧をかけていきペースを握ったかに見えたが、白幡は左ボディストレートでペースを取り戻す。  2R、白幡が左ミドルを蹴った直後に放った大夢の右ストレートで、白幡は仰向けにダウン。立ち上がるとインローを蹴りながら右ストレート、左フックで攻める白幡だが、大夢もジャブを打つ。  3R、気合いの声を発しながら攻める白幡はインローを蹴ってのパンチ。大夢も右ストレートで応戦する中、白幡の左ローが大夢の急所を直撃。苦痛に顔を歪めて倒れた。再開後、白幡はパンチとヒザで徹底的にボディを攻めていく。大夢はジャブと右ストレートで距離をとって戦い、そのまま試合終了。  ダウンを奪った大夢の勝利となった。 [nextpage] ▼第6試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R〇松山勇汰(ALONZA ABLAZE)KO 2R 0分31秒 ※左顔面ヒザ蹴り×斎藤祐斗(JK TRIBE) 松山はK-1甲子園2020 -60kg王者で、2020年12月のプロデビューからK-1で2連続KO勝利したが、2021年12月の寺田匠とのホープ対決ではダウン応酬の末にKO負け。初黒星を喫した後は2024年3月にRISEとの対抗戦で原口アンドレイに判定勝ちするなど7連勝を飾り、12月に横山朋哉のKrush王座に挑戦したが3RでKO負け。2025年5月の「第6代K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」ではレミー・パラに1回戦でKO負けを喫した。戦績は9勝(7KO)3敗のサウスポー。 斎藤は8歳から始めた新極真空手で全日本大会高1軽量級の部準優勝。26歳でキックに転向し、2017年12月の『鉄拳』でプロデビュー。2018年8月よりK-1 GROUPのKrushに参戦し、連続KOの後は連続KO負けと派手な試合を繰り返す。2023年9月には『RIZIN』で梅野源治とヒジありルールで対戦し、判定負けも不利なルールで大健闘した。前戦は2025年4月に元王者の村越優汰に延長戦で敗れた。戦績は13勝(10KO)10敗。  1R、前足への前蹴りを多用する松山は左右ロー、インロー、ミドル、接近するとヒザ蹴りと蹴りを多用。斎藤が前へ出てくると左ストレートで迎え撃つ。斎藤は左右フックでアタックを仕掛けるが松山の足技に翻弄された印象。  2R、ローの蹴り合いになったところで、松山がいきなり左ヒザを顔面に突き上げるとこれが見事命中。斎藤はダウンし、立ち上がることが出来なかった。  松山は泣き顔でマイクを持つと「2連敗きつくて不安だったんですけれど勝ててよかったです。横山選手とレミー選手にやりかえすためにこれからも鍛えていくのでよろしくお願いします」と、再起を誓った。 宮田充Krushプロデューサーによれば、斎藤はアゴを骨折した疑いがあるとのこと。 [nextpage] ▼第5試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R延長1R〇齊藤龍之介(ドージョー☆シャカリキ)延長R 判定3-0 ※10-9×3×保井広輝(LoT gym)※本戦の判定は30-30×3。  1R、アグレッシブに攻めていくのは齊藤、打ち終わりやリターンを狙うのは保井。齊藤はカーフ、ミドルと蹴りからのパンチを多用。保井は長い距離での右ストレートを打つ。  2Rもアグレッシブに攻める齊藤はバックスピンキック、ハイキック、飛び前蹴りと派手な技も繰り出す。さらに右カーフを蹴り重ねて明らかなダメージも奪った。  3R、パンチ&ローのコンビネーションに左ミドルも織り交ぜる齊藤は、声を出しながら技を出す。互いにバッティングがあり、試合中断。齊藤は何度も打ち合いを仕掛けていくが、右ストレート&左フックでヒットを奪うのは保井。  本戦の判定はドローとなり、延長戦へ。大きな声尾を発しながら技を出す齊藤。パンチで攻め込むがまたもバッティングに。齊藤は打ち合いに行きながらもヒザ蹴り、左ミドルを織り交ぜる。保井も受けて返すを繰り返してしっかり反撃していくが、やはり攻めの姿勢を取ったか齊藤の勝利となった。 [nextpage] ▼第4試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R延長1R〇橋本楓汰(POWER OF DREAM)判定3-0 ※30-27×2、30-26×内田竜斗(チーム・タイガーホーク)  1R、右カーフとジャブの応酬から、橋本が左フックからの左ボディをヒットさせると内田が下がり、橋本が左ボディを叩き込むとダウン寸前に。コーナーへ詰めての連打で一方的に橋本が攻め込み、アゴへのヒザでダウンを奪う。内田はこのラウンド持ちこたえた。  2R、前に出て圧をかけていく橋本だが、このラウンドは内田が先手を取ってパンチを当てていく。橋本は左ボディ、右カーフ。内田のパンチが数多く捉えた印象。  3Rも前に出るのは橋本。左フック、右カーフで攻める。内田も手数を出して対抗していったが、ダウンを奪った橋本が判定3-0での勝利となった。 [nextpage] ▼第3試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R×山本直樹(K-1ジム五反田チームキングス)判定0-3 ※28-30×3〇松本涼雅(月心会チーム侍)  1R、山本は左インローと右カーフ、左ミドルと蹴りを多用して右ストレート。松本はリーチの長さを活かしてのジャブ、右ストレート。相打ちでも松本がヒットを奪う。  2R、松本はジャブを多用し、右アッパー、左右フック。山本が右ストレートを打って身体が伸びきったところに松本が左カーフを蹴り、山本が転倒したところでレフェリーはダウンを宣告。  3R、山本は前に出て右オーバーハンド、左ボディを狙う。松本はコーナーを背にしながらジャブをしっかり当て、右ストレート、右アッパーも山本は右カーフを徹底して蹴り、ノーガードになっての打ち合いを挑んだが、ダウンを挽回することは出来ず。  ダウンが決め手となった松本の判定3-0で勝利となった。 [nextpage] ▼第2試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R×立基(K-1ジム目黒TEAM TIGER)判定0-3 ※28-30×2、29-30〇山本 陸(K-1ジム総本部チームペガサス)  1R、山本はサイドキック、左右の三日月を多用すると口説くなスタイルから右カーフを命中させていく。子のカーフに棒立ちとなる場面もあった立基は右ストレートを放つが、山本の蹴りに近寄れなかった印象。  2R、山本の右カーフに立基はジャブ、ワンツーを合わせ始め、これで蹴りにくくなったか山本はパンチ主体に切り替える。ここで立基は逆に右カーフ、左右のボディで攻め行くが、山本はフックで対抗。  3R、パワフルなワンツーを打つ立基だが、山本はワンツー、左右フックと手数が多い。ジャブ、ワンツー、左右フック、左ボディと手数を増やしてヒットも奪っていく山本は、終盤には内廻し蹴り、飛びヒザ蹴り、バックハンドブローと大技で印象付ける。  判定3-0で山本の勝利となった。 [nextpage] ▼第1試合 Krushライト級 3分3R延長1R〇SEIYA(POWER OF DREAM)判定2-0 ※30-29×2、29-29×龍之介(K-1 GYM BLOWS)  1R、SEIYAは蹴り中心でロー、ミドル、前蹴り。前に出る龍之介はパンチで圧をかけ左右ボディ。後半は龍之介も蹴りを使う。  2R、顔面前蹴りをたびたび放ってヒットを奪うSEIYAに、龍之介は右カーフを蹴っていく。このラウンドはSEIYAの蹴りが多く当たった。  3R、パンチとローで上下に攻撃を散らすSEIYAに龍之介はボディブローで応戦。龍之介がロープに詰めたところでSEIYAが右のカウンターでニアダウンを奪う。龍之介が反撃して打ち合いに行き、SEIYAは自分のペースを崩さず蹴りからのパンチで応戦。  SEIYAが判定2-0で勝利を収めた。
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