2025年10月23日、アラブ首長国連邦ドバイのコカコーラアリーナにて開催された『QUINTET.5』(Lemino配信)で満身創痍のグラップリングを戦った中村大介(夕月堂本舗)が、QUINTET引退を表明した。
中村は、5対5の対抗戦の1回戦で、副将対決でアンドレ・ルイズにニーバーを極められタップ、左ヒザを負傷した。続く決勝ではまともに戦えないことが明らかなため「置き大将」として5人目に配置された。
しかし、決勝は副将同士がドロー。相手のノゲイラチームが勝利を確信するなか、入場時に左足をひきずっていた中村は「行きます」と出場を志願。左ヒザにサポーターを着けてマットに進み、38.8kg重い相手の大将プーヤ・ラフマニと対戦した。
@nakamurauzukido
開始早々とらえられた中村は、足、首への猛攻を凌ぎながら、残り40秒の腕がらみ(キムラロック)をクラッチして防御。頭をまたいでいるラフマニが残り6秒でクラッチを切って左腕を背中側に回してえげつない角度で絞り上げるも中村はタップせず。体重をかけて曲げると、関節が外れたか、骨が折れたか。中村のヒジがあらぬ方向に曲がり、抵抗が無くなった腕を外したラフマニは、頭を抱えて悲痛な表情で座り込む。中村はヒジを指して外れたと伝えた。
試合後、中村はXに「すいません…試合2回とも一本負け、決勝でまたタップせずケガをしたのですが、それが何故か賞賛されてグレイシーチームの選手に肩車されちゃいました…タップせずケガするのは絶対にダメな事ですが…外国での試合で色々な国の選手や観客に何か感じてもらい、讃えて頂いたのはホント嬉しかったです」と投稿。
続けて、「桜庭さんにはお伝えしましたが、これでQUINTETはラストにさせていただきます」と、45歳でのQUINTET引退を表明した。
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「けっこう前から、自分が出るより若いグラップラーが出た方が良いと…ずっと思っていました。とても楽しい、貴重な体験を、たくさんたくさんさせていただきました。QUINTET、大好きです! ありがとうございましたッ!」と、団体グラップリング戦は今回が最後で後進に道を譲るとした。
さまざまな負傷を抱えるなかで、5年前にはヒジの負傷で握力が25kgに減っていたという中村は、1年前の投稿で「最近は箸もちゃんと持てなくなってきているけど、綱が少し登れるようになってキタッ! ぶら下がるのもぜんぜん無理だったのに!」と綱上りの動画を公開していた。
しかし、今回の大将戦の負傷により、再び治療・回復に努めることになる。
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「自分の中で『最後だろうな』と思って出場したQUINTET、最後にこのチームで挑めて本当によかった。イゴールもハイサムもマジカッコよくて、ずっと応援します! 大世くんも聡承くんも、これからそれぞれの業界を引っ張っていく未来…本当に楽しみ!」と、みな自身より年下のファイターたちに期待を寄せると、最後に「…あ引退ではないので、自分もまだまだ頑張るッ!」と、チームを背負うQUINTETは引退するものの、格闘技は現役続行を宣言している。
MMAでは、25年4月の『RIZIN男祭り』で桜庭大世を2R 腕十字に極めたばかり。草魂・中村大介の戦いはまだまだ続きそうだ。