兄が巻いていたベルトへ向けて準決勝に臨む大久保(C)K-1
2025年10月25日(土)東京・後楽園ホール『Krush.181』にて、第5代Krushフライ級王座決定トーナメント・準決勝3分3R延長1Rで安尾瑠輝(K-1ジム心斎橋チームレパード)と対戦する、大久保世璃(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)のインタビューが主催者を通じて届いた。
大久保はK-1甲子園2024 -55kg王者。大久保琉唯の弟。2025年2月のK-1でプロデビューし、3戦3勝。8月の1回戦では吉川仁清に判定で勝利している。

──8月の一回戦、吉川仁清戦は判定勝ちでしたが、今振り返ると?
「自分の作戦がうまくハマったなという感じですね。全部が全部、思うようにでき
たわけじゃないですけど、練習してきたことが出せたかなと思います」
──勝って周りからはどういうことを言われましたか?
「強い相手だったので、『おめでとう』とは言われたんですけど、トーナメントなので、『すぐ次に切り替えてやっていこう』という感じでした」
──判定勝利という点については?
「特にないですね。判定もKOも、自分ではどっちでもいいかなと思ってるので。トーナメントは勝ったら正義だと思ってるので、そこに関しては気にしてないです」
──同じ日の安尾瑠輝選手の一回戦についてはどう見ましたか?
「別に、何も変わってないかなと思いました。自分がやっていることを出せば勝てるなって」
──安尾選手は、あの日の一回戦4試合の中で唯一、KO勝ちで勝ち上がりました。なおかつ、無敗だった渡部蕾選手に初黒星をつけたわけですが、そういう部分も関係ない?
「そうですね。相手が自分じゃなかっただけというか、自分じゃない相手を倒しただけなので」
──改めて、安尾選手の印象、特に強いと感じる部分は?
「このトーナメントの8人の中だったら一番、パッと見でも体はデカいと思うんで、その分厚さはすごいなと思います。やってみないと分からないですけど、正面で戦った時にどれぐらい圧力があるのかなとは思います。でも、印象は特にはないです」
──攻撃面で警戒するところもない?
「もしかしたら倒すパワーはあるかもしれないですけど、攻める時のスキが多いので、別に攻撃もそこまで気にならないですね」

──自分の持っているスピードだったりを駆使すれば十分勝てる?
「スピードもですけど、今はパーソナルもやっていて、だんだん自分の体つきも変わってパワーもついてきたので、スピード+パワーで圧倒したいなと思います」
──最終的にはどう勝ちたいですか?
「本当に変わらないんですけど、この3試合全部、判定でもいいので、泥臭く勝ってやろうかなと思います」
──なるほど。特にKrushでは「Krushだから倒さないと」とか、「絶対に倒して勝ちたい」と言う選手が多いんですが、そういう思いもない?
「確かに、このトーナメントで勝ってチャンピオンになってからは倒したいという気持ちはもちろんあるんですけど、そんなに倒そう倒そうと考えても、優勝しなきゃまず何も始まらないので。とりあえず勝てばいいとしか思ってないです」
──逆にここまでプロでは3戦3勝で来て、負けることへの怖さや不安はありますか?
「まだ『負ける』っていう感覚も分からないですからね。しかもこんなに練習して、こんなに相手のことを考えて、逆にどうやったら負けるんだろう?みたいな感じです」
──負ける想像がつかない?
「負けないためにやっているので、負けることは考えないです」
──では「勝つ」以外の部分は、チャンピオンになってからでいいという感じですか?
「優勝しないと話にならないので、今は本当に勝つことだけしか考えてないです」
──王座には確実に一つずつ近づいているわけですが、そこについては?
「ベルトを獲りたいという気持ちは一回戦からあるんですけど、やっぱり勝っていくごとにどんどん強くなってきているので、前回に比べたら『ここで勝たなきゃ』という気持ちは強くなってはいます。またここで勝ったら、決勝に向けて「勝ちたい」という気持ちがもっと強くなると思いますし」

──また勝ち進んでいくにつれて、周りの期待の声も大きくなっていると思うんですが。
「周りはたぶん、最初から自分のことを信じて応援してくれていると思うので、勝ち進んでいることに関しては関係ないのかなと、自分的には思います」
──お話を聞いていると、18歳で4戦目にしては、考え方がすごく冷静ですね。
「それはたぶん、アマチュアの頃から試合を重ねて来たからだと思います。自分では、プロになってもそこは同じだと思うんですよね。プロだからと気負うこともなくて、一戦一戦勝つという気持ちに関しては、アマチュアの頃から一緒だと思ってるので。プロになって成長スピードが上がってるなとかは」
──そこにプラスして、お兄さんの姿を見ているというのも大きそうですね。
「そうですね。やっぱりデビュー前から見てきて、プロの選手がどう準備しているのかとか、いろいろ経験させてもらいましたし、それが生きているのかなとは思います」
──では最後に、改めて今回の試合に向けての“決意”をいただけますか?
「自分が一番強いというところを見せるためにも、ここは何が何でも、決勝に向けていい形で勝てればなと思ってます」





