2025年11月15日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD MAX 2025~-70kg世界最強決定トーナメント・決勝ラウンド~』の追加対戦カード発表記者会見が、10月10日(金)都内にて行われた。
第8代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定戦3分3R延長1Rで、朝久泰央(朝久道場)vs.稲垣柊(K-1ジム大宮チームレオン)の注目の日本人対決が決定。
会見で朝久は「僕はライト級のベルトを巻いて、次は階級を上げてこのスーパー・ライト級のベルトになるんですけれど、このベルトが8代目ということで。大怪我で2~3年いろいろあって、その中で飼っていた愛犬の“ハチ”が空に帰ってしまったんですけれど、そのハチがこうして8代目のベルトの形として戻ってきてくれたと思っているので、これはもう俺が獲るべきベルトだなと思っています。それと今日が父と母の結婚記念日なので、これほどメモリアルな日はない。これはもう俺が勝つべくして勝つ試合、勝って当然だと思っています」と挨拶。
続けて「相手の印象は、みんなが見ても分かる通り真面目で、強くて、正義感に溢れたいい選手だと思いますけれども、敵として戦うからにはそういう認めているだけの部分ではいけないと思っているので、敵としてしっかりぶちのめしたいと思います。必ず俺が王者になります」と意気込む。
稲垣は「5月31日の敗戦を経て、復活は年始一発目かなと自分で思っていた中で、こんな最高のチャンスをいただいて。5月31日から本当にいろいろあって、人として成長してきたのでキックボクシングの強さだけではなく、人としても強くなった稲垣柊を見せられると思うので、試合に注目していてください」と挨拶。
続けて「朝久選手の印象は、K-1愛が強くて空手家だと思うけれど、僕がしっかりK-1世界王者になって、KrushとK-1のスーパー・ライト級の顔になりたいと思います」と、スーパー・ライト級は自分が引っ張っていくと宣言した。
朝久は、7月の試合前にアバラが折れていたことが試合後に分かったが、「前回はアバラが2本折れていて練習も1カ月、やっと歩いたり、リハビリ的なゆっくりした練習しか出来ず、試合当日のアップでなんとなく動いたくらいだったので不安なところがありましたけれど、その中でも積み重ねてきた強さを少しでも試合で見せることが出来たと思います。
なにより前回戦ったダニラ選手ってめちゃくちゃ強いと思っているし、ハッキリ言ってこのベルトを持っていた前王者よりも強いと思っているし、もちろん稲垣くんよりも強かったと思っています。そういう選手に勝てたことは自信にもなりましたし、自分は65kgでも全然勝てると思っているし、なんならまだ上の階級のヤツにも勝てると思っているので、階級にアジャストしたというよりも朝久泰央の強さを見せられる時が来た、と改めて思いますね」と、自信を付けたとする。
稲垣は朝久が階級を上げてきたことをどう思ったかと聞かれ、「階級が一個下だったので対戦相手として見たことはなくて。毎回アツい試合をしますし、K-1愛が強いので人としても素晴らしい選手だと思っています。そこから階級を上げて対戦相手として見るようになって。朝久選手も言っていましたがそういう気持ちだけで対戦するわけにはいかないので、僕も殺す気持ちで試合が決まってから見ています」と言い放ち、ダニラ戦については「見ていました。やっぱりアツい試合をしていましたね。でも、そのダニラ選手が僕よりも強いと仰っていましたが、そこに関してはナメんなと思うので11月が楽しみです」とした。
「いろいろ作戦も立てています。でも最後は気持ちだと思うので。僕も3度目のK-1タイトル挑戦なので、三度目の正直で僕も強い気持ちを持って挑みたいと思います」と、朝久に気持でも負けないと話した。
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自分のプライドとか愛を捨てて金を取ったクズ(朝久)
前王者のヨードクンポンが、自身のSNSにてONE Championshipと契約したことを匂わせていたことについて、朝久は「自分が階級を上げてヨードクンポン選手にやろうと対戦をアピールして、自分もダニラ選手に勝ってタイトルマッチ実現が現実味を帯びてきたところで、100gオーバーで体重を落とせなくなって逃げているのかなと思っていました。その結果、SNSでONE移籍どうのが出てきて、逃げたんだなと思います。
仮にやっても自分が勝てていたので関係ないけれど、自分はK-1を捨ててONEに行ったヤツらって、K-1愛もそうだし、小さい頃から憧れていたK-1とか、格闘技界最高のK-1に世界中から敬意を持って海外の選手が来てくれるわけじゃないですか。そういったところを捨ててONEに行くのは、自分のプライドとか愛を捨てて金を取ったクズだと思っているので。
そう考えるとヨードクンポンは、お前もそういうクズな人間だったのかと思う。どの団体へ行こうと、俺が怪我さえなければ世界で一番強いと思っているので、他所へ行きたいヤツは行けばいいし、戻って来た時にぶっ飛ばしてあげるよって。そういう考え方です」と怒りをぶちまけた。
稲垣は「僕は2回負けているのでやり返したい気持ちはありますけれど、僕はK-1のベルトしか見ていないので。立ちはだかるのは朝久泰央選手。今はそこしか見ていません」と、目の前の試合に集中するだけとした。
会見中、稲垣が発言しているところを視線を離さずにずっと観察していた朝久。その目線は気にならなかったか、と聞かれた稲垣は「目線は感じていました(笑)。でも試合が決まる前は仲良くしてもいいと思いますけれど、試合が決まっても裏で仲良くする選手もいます。僕は、それは違うと思っていて、試合が決まったからには終わるまでは敵。殺さないといけないので馴れ合いはしたくないです」と、朝久を無視するという。
これに朝久は「まさか稲垣くんの口から、敵として見て殺すつもりで戦うと、自分より先に言われるとは思わなかったです。稲垣くんもかましてくれるじゃんかと思いますし、自分もそのつもりで最初からいるので。倒した後で踏みつけてやるくらいの、思い切りぶち殺すくらいの気持ちでしまやかして(※筑豊弁で終わらせるの意味)やろうと思います」と、望むところだと返答した。
現在のK-1日本人同士のトップ対決。注目度の高い試合になったが、稲垣が「年間最優秀(試合)賞を狙っていますし、アツい試合をする朝久選手と僕の試合は間違いなく盛り上がる。どちらかがリングで倒れていると思うので、目を離さないで欲しいです」と言えば、朝久は「年間最優秀(試合)賞もそうですし、最優秀選手賞、ベストKO賞、全てが朝久泰央で文句ないかなと。そういう試合を見せたい。いま言葉に出たように、どちらかが倒れるというのは、稲垣君が倒れる考えも多少は向こうにあると思う。だから自分がぶっ倒そうと思っています。自分はバンタム級のスピードで、70kgの威力を出せると思っているのでそれを出します」と言い放った。
また、朝久はその発言から「K-1風紀委員みたいなイメージ」と言われ、他団体で強さを見せる考えはあるかと問われると「須藤プロデューサーも新しい風を吹かせてくれて。自分は怪我からの復帰戦を大好きなKrushでやらせてもらって、RIZINで大晦日と東京ドームで試合を経験させてもらいました。他流試合は背負っているものがあります。
Krushで戦っているKrushファイターが、次はK-1のベルトを狙いますと言うのが情けないなと思っていて。ONEが騒がれる中で、K-1の不満をぶちまけているのは恥をさらしていると思っていますし。べつに風紀委員とかではなくて、愛がなければやっていけなくない? と思っています。他流試合をやれと言われれば全員倒すし、来ても倒すだけ。まずは稲垣くんという強い選手に全集中し、思い切りぶちのめしてやるつもりです」と答えた。