2025年10月19日(日)東京・後楽園ホール『RISE 192』にて、SuperFight!のミニフライ級(-49kg)3分3R延長1RでWBKFアジア女子ミニフライ級王者コ・ユナ(韓国/BodyKick GYM)と対戦する、RISE QUEENミニフライ級王者・宮本芽依(KRAZY BEE)のインタビューが主催者を通じて届いた。
宮本は2019年全日本女子ボクシング選手権大会シニアの部バンタム級優勝の実績を持ち、2023年1月のRISEアマチュア大会『RISE NOVA』Aクラスの試合で初回KO勝ち。5月にRISEで山本美憂をセコンドに就けてプロデビューを果たし、RINAから左フックでダウンを奪って勝利を飾ると数島七海、宮﨑若菜、Melty輝、チャ・ミンジュを相手に5戦全勝。2025年5月、小林愛理奈を延長戦で破り、無敗のまま王座を奪取した。
攻防を自分から自発的にやらないと
――チャンピオンとしての初戦が決定しましたけれど、今の心境はいかがですか?
「なぜか分からないけど落ち着いています(笑)」
――いつもだったら緊張しているとか、今までと違う感覚ですか?
「いつもと違うから変な感じがしていて、自分でも『これは試合が終わった後にしか分からない感覚だな』って思っています」
――それは練習をしている時も違う感覚がある?
「練習の時から違いますね。肩に力がグッと入るのが、少し緩まった感じとか」
――良い意味で力みが取れている?
「良いのかもしれないけれど、怖い部分でもあります」
――チャンピオンになって、周りの反響はいかがでしたか?
「前よりも“チャンピオン”っていう肩書きがあるから認知はされやすいですね。だから今回の試合は“国際戦”だけど“防衛戦”って勘違いする人がいて(笑)。でもそうやってチャンピオンとしてみんなに知ってもらえているなっていう部分は前よりもあります」
――5月(小林愛理奈戦)の試合内容を振り返って反省点とか、今だから思うことってありますか?
「あの時はあの時で自分でも精一杯だったので、日常生活はどうしてたんだろうって今でも思います。試合を振り返るとダウンを奪られた事が1番の反省点なので、あそこでヒザ蹴りは練習していたものの、ガードの甘い部分だったりとか、パンチを打っていても甘い部分があるのでそこがすごく反省点です」
――今までにダウンの経験ってありますか?
「ないです」
――ボクシングの時から初めてですか?
「1回あります。その時はTKOだったんですけどそれ以来でした」
――キックボクシングでは初ダウンだったんですね。
「初ダウンです。やっぱりボクシングはグローブがでかい分、衝撃がダイレクトに来ないんですけど、プロのキックボクシングに転向して“効く”っていうダウンを初めて味わいました」
――あの攻撃が効いて、回復するまでには時間がかかりましたか?
「4ラウンドが終わって、5ラウンド目が始まるインターバルの時に記憶が戻りました」
――それくらい記憶がない中でも体は動いていたんですね。
「そうですね。だからハードパンチャーって言われていた小林愛理奈選手をすごいと思ったし、尊敬しています」
――今回の対戦相手は、韓国のチャンピオンのコ・ユナ選手ですが、試合映像は見ましたか?
「はい。送ってくださった試合を見ました」
――どんな印象でしたか?
「カウンターを狙ったりしてリングを大きく使う選手だなと思いました。自分から攻めに行くのは1ラウンドよりも3ラウンド目だから、立ち上がりが遅い方かなと思ったり。でも技術的には小林愛理奈選手の方が怖いっていう印象です。映像を見た時は怖くないって思ったんですよ。でも怖くないからこそ油断するんじゃなくて、そこは自分がどういう攻め方をするのかとか、相手に対しての攻防を自分から自発的にやらないと、捕まえられない選手だなって思いました」
――キックだけではなくて、MMAとかもやっているような選手ですが、その辺りの対策は問題なさそうですか?
「私も総合格闘技の選手とやっているし、5月のタイトルマッチの期間でも色々な選手とスパーリングをやらせてもらって、その相手とまたスパーリングをしてもらった時に『前より組みが強くなっているよ』とか言ってもらえたので、自分も成長しているんだなって感じました。だからそういう部分ではMMAをやっていたからって、それは私もボクシングのバックボーンがあるので一緒だなって思います」
――国際戦はRISEでは2回目となりますけど、アマチュアボクシング時代には、外国人選手との対戦経験はありますか?
「台湾の方と1回戦った事があるくらいで、他の方と比べるとあまり経験がないかもしれないです」
――実際にRISEで外国人選手と戦ってみて、今まで戦ってきた日本人選手と対戦する時と、心境など違う部分などはありますか?
「何も変わらないです」
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気負いすぎたら自分が自分じゃなくなる
――今回はチャンピオンになってから初戦になりますけど、宮本選手にとってはどんな試合になると捉えていますか?
「皆んなからしたら、チャンピオンになってからの1戦目なので期待は大きいと思います。でもそこで気負いすぎたら自分が自分じゃなくなるので、私はそこを冷静に捉えて一つ一つ大事な試合をこなして、自分の段取りでいつもと変わらずにっていうのを自分の中で意識しています」
――普段と変わらない宮本芽依として、チャンピオンとしても気負わずに試合に挑んでいくという感じですね。
「このマインドコントロールが自分の中にあるので、こういう風に安定感を出したいです。他の選手はマインドコントロールをどうやっているのかとかめちゃくちゃ気になりますし、そこは自分なりに調整している途中です」
――試合までの期間中は気持ちの上がり下がりは激しい方ですか?
「激しい方です」
――側から見るとそんな感じは見えないですが、そういった気持ちになった時の宮本選手なりの気持ちの持ち上げ方などはあるんですか?
「私は自分で隠して『頑張ろう。頑張ろう』って言って気持ちを上げるのは無理で、自分の感情をそのまま『バーン』って出して、それに対して少しずつできることをやって、いつものモチベーションに戻るっていうのがいつもの私です」
――一気に表に発散する方法があるんですね。
「そのまま出ますね。落ち込んだら落ち込んだで“シュン”ってなって、いつもTOMOさんに『おい!』って声をかけてもらっています(笑)」
――そういう意味では分かりやすいんですね。
「泣く時は泣くし、笑う時は笑うし、すごく激しいと思います」
――でもそれが素の宮本芽依っていうことですね。
「本当にその通りです」
――今回の試合ではチャンピオンになった事で否が応でもダウンやKOを求められるかなと思うのですが、その辺りについてはプレッシャーになったりしていますか?
「良いプレッシャーになっています。やっぱりKOって常に求められるし、自分も求めているし、そこがいつ合致するんだろうって楽しみです。自分ができる時は絶対に盛り上がっているだろうし、自分の中でも盛り上がっているし、それが皆んなに伝わるし、そういう試合はいつも求めています。だから今回も変わりなくKOを狙っていきます」
――そこを今回は特にファンの方に見ていてほしいですか?
「そこにも注目してもらいつつ、KOって結果では見応えがあるし、良いかもしれないけど、そこだけを見るんじゃなくてキックが好きで見に来てくださる方だから『自分でもちょっと始めてみようかな』とか、そういうきっかけにもなったら良いなと思います。色々な選手をもっと見てほしいですし」
――最後にいつも応援してくれるファンの皆様にメッセージをお願いします。
「いつも応援ありがとうございます。私も色んな思いでやっているんですけど、皆さんも色んな思いで1日1日を過ごしていると思います。10月19日は私のために時間を使ってくれると思うんですけど、私も全力でリングに上がって色んな思いをそこでぶつけたいと思います。皆さんのいつもの愛を返せるように頑張りますので、当日は応援をよろしくお願いします」