5名ジャッジ制の導入も検討、グローブ変更

回答を受けて山口代表は「その回答をもらって、審判部が判定を覆さないとの答えをした以上、僕らが判定結果を変えることはできない。ルール上、不満があれば異議を唱えて判定が覆るか覆らないかの議論をしてもらう問題提起は出来ます。それは各ジム各選手に託された権利なんですけれども、その審議結果に従うことがルールとなっています。なので判定結果が覆らないとなった以上、判定結果は変わらずKiho選手の勝利とする以外ないです。
SNSに(ファンが)ノーコンテストにしろ、ベルトを返上させろと書かれているんですけれども、それをやると無政府状態になってしまう。そういうことから、審判部が出した答えは尊重しなければいけないし、それを守らなければいけないのは競技としての存在意義だと思っております。そのため判定結果は通常通りKiho選手が勝利、チャンピオンとして認定されます。このことは両陣営に伝えさせていただきました」と、当日の裁定通りとすると発表。
そして「改めて12月30日の代々木大会で防衛戦として2人の再戦を組ませていただきたい」と、タイトルを懸けたダイレクトリマッチを行うことも発表した。
ただし「再発防止の取り組みをしていきたい」と山口代表。「今までも審判団とは毎回大会が終わる毎に綿密にやってきました。それを重ねると同時に、今回2名の判断基準はKNOCK OUTのBLACKルールとしては運営としては納得がいかないものでもあるだけに、ジャッジを誰にするかは和田審判部長の権利で僕らが指名する権利はないので、審判部長に人選を考えてくださいとの申し入れはしました」とし、「今後タイトルマッチにおいては5名のジャッジ導入を検討しています」とのこと。
さらに「女子は男子の階級と同じグローブでやるのは無理がある。12月からは通常の6オンスグローブではなく、女子用の6オンスグローブというものがあってそれを採用します。来年は女子50kg以下は4オンスを採用していきたいと考えています」との変更を発表した。
最後に山口代表は「ジャッジも真剣にやっています。毎回ミーティングしていますし、それぞれの価値観の違いが出てくるのはしょうがない。でも、それを少しずつでもなくしていく努力をしていきたい。なるべく文句が出ない体勢で万全にしていきたい」と語った。
質疑応答

――運営側が異議申し立てをするのは極めて異例とのことだが、ルール上は可能なのか?
「規制はされていません。その文言がないので、意義があれば申し立てができるとなっています。ただ、本来はやっちゃいけないことだと思うんですよ。僕の行為が正しかったとしても、無言の圧力をかけることによって逆忖度が働く。忖度はないと思っています。なぜならば、KNOCK OUT専属のジャッジの方たちではなくて、KNOCK OUTの選手に忖度する必要がないからです。しかし、僕が頻繁におかしいと言うことは無言の圧力をかけることになります。今回も非常に迷ったんですけれども、ルール上の大きな改正をしたことがKNOCK OUTのジャッジ基準を大きく変えさせたことになっているので、その部分でこれは違うんじゃないかと思ったので。異例です。今回限りにしたいです」
――ルール上、KOを狙いに行くのが一番大事だというのは明文化されているのか?
「『アグレッシブ』になっています。なので今回から『KOを狙いに行く攻撃』と明文化しようと思っています」

――女子の試合は互いに気が強いせいか、両者が前に出て組んでもみ合ってしまうことが多い。この試合でも多かった。これを防ぐ方法は考えているか?
「3人のジャッジの見解に重要な点があって、『組み付きも多く延長も山田の勝ちにしました』というのがポイントだと思います。なぜなら、REDルールは組むことが認められているので組むこと自体に逃げという概念はないです。組んでヒザを蹴ったりヒジを打てば、近距離の攻防を嫌がって組むことが逃げには当たらない。ただBLACKルールは組まずに攻防を行いなさいと。組んでもワンキャッチワンアタックのみというルール上の規定があるため、Kiho選手の場合、組み付いた後の攻撃がなかったり、顔を背けてしまったという場面があり、これは明確な減点行為。攻防で負けているということになります。その部分を取らないといけない。
そういうジャッジをすることによってREDルールとBLACKルールの違いが選手に生まれてくると思うんですよ。こういうジャッジの仕方、こういうレフェリングの仕方があるから、こういう行為をしたら自分のポイントにならない、ということで練習内容が高まっていくと僕は思っています。先日の常磐大会でもあったんですが、BLACKルールでパンチを打った後に組んでしまうことが非常に多い選手がいて、減点を課したんですね。減点されると負けに直結するので組まなくなったので、攻防が生まれてKOが生まれました。BLACKルールの場合はなるべく早く組み付きに対して減点を取るのが、組むという行為に対しての再発防止になるのかなと思うので、それはレフェリーの方に進言しました」


