2025年9月23日(火・祝)東京・後楽園ホールで開催された『KNOCK OUT.57』の第10試合で行われた、KNOCK OUT-BLACK女子アトム級王座決定戦3分3R延長1RのKiho(KNOCK OUT GYM調布)vs.山田真子(GROOVY)の判定が試合後物議をかもした。
試合は確かに一進一退だった。前に出てパンチと右カーフで攻める山田に対し、Kihoは下がりながらも蹴りを合わせ、前蹴りでは山田を吹っ飛ばした。接近戦での山田のパンチにはヒザで対抗し、本戦の判定は三者三様のドロー。
山田有利に見えたが、王座決定戦ということもあり、もっと明確な差をつけるべきとされてもおかしくない僅差。しかし、延長戦は山田のパンチにKihoが蹴りで応戦。パンチで前に出てのアタックを繰り返す山田をKihoが前蹴りで下がらせる場面もあったが、山田のフックがヒットした印象が強かった。
判定はジャッジ2名が10-9でKiho、10-9で山田の判定2-1でKihoが新王座に就いた。
試合後、山口元気KNOCK OUT代表は「Kiho選手に入れたのはムエタイを軸に見ているジャッジの人たちだったので、違うジャッジで11月に再戦してもらおうと思っています。すぐに再戦です。主催者預かりが出来るならしたいくらいです。それくらいKNOCK OUTの存在意義が揺らいでしまった。ムエタイじゃないので前蹴りでコカしたから勝ち、イニシアチブを握っていたから勝ちというのはない。あくまでも倒しに行く姿勢をとらないと選手が倒しに行かなくなってしまう。
あれで勝ちにされたKiho選手もかわいそうです。選手は一生懸命戦っているだけなので、Kiho選手に罪はないです。なので再戦して欲しい。その再戦の時は、ムエタイ式の見方をするジャッジは外させて欲しいと審判団にハッキリと言いました。こういうジャッジがあると信用されなくなるし、選手に出てもらえなくなってしまう。運営と選手とジャッジの三権分立なのであまり口を出してもいけないことですが、KNOCK OUTの採点基準はKNOCK OUTが作るものですから、それと違うジャッジをされたら決断しないといけないかと思います」と、11月15日(土)東京・後楽園ホール大会で再戦を組む意向であることを示した。
Kihoにベルトは巻いたものの、手を挙げなかったという山口代表。リング上で「自分で分かってるでしょう? これはチャンピオンじゃないから再戦ね。手は挙げないから」とKihoに告げ、Kihoはその悔しさからリング上で号泣したという。
Kihoも山田もダイレクトリマッチを望んでおり、怪我の回復次第で11月に組まれる可能性が高そうだ。
また、KNOCK OUTからは山口代表名義で「本日開催された KNOCK OUT.57第10試合『山田真子vs Kiho』に関しまして、KNOCK OUTプロモーションは審判団に対し、正式に異議を申し立てました。当該試合の採点は、KNOCK OUT公式ルールの採点基準、及びKNOCK OUTが掲げる『倒しに行く姿勢を最大限評価する』という理念から大きく逸脱したものであり、当イベントの根幹を揺るがしかねない重大な問題であると認識しております。私たちは本件について、審判団としての正式な見解と説明を強く求めております。今後もKNOCK OUTは、選手の真価を正しく評価し、ファンの皆さまに対し誠実で公正なリングを提供するため、全力を尽くしてまいります」との声明文がリリースされた。