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レポート

【ONE】アバソフがウェルター級新王者に。アーセルがホルツケンに圧勝! 徳留一樹が2連勝、内藤大樹は鮮烈TKO勝ち、武尊と対戦したジュングアンが那須川と対戦したローマをKO

2019/10/25 20:10
ONE Championshipは10月25日(金)、インドネシア・ジャカルタのイストラ・セナヤンにて「ONE:DAWN OF VALOR」を開催した。 メインイベントのウェルター級世界タイトルマッチでは、挑戦者のキャムラン・アバソフが、2度目の防衛に挑んだ王者のゼバスチャン・カデスタムを判定3-0で下し、新王者に輝いた。また、コー・メインイベントのライト級キックボクシング世界タイトルマッチでは、王者レギン・アーセルが挑戦者ニキー・ホルツケンを判定で下し、初防衛に成功した。 日本勢は2戦全勝。第2試合のフライ級ムエタイで、内藤大樹がアレクシ・セレピソスをTKOで下し、ONE白星デビュー。第4試合のMMAライト級では、徳留一樹がジョニー・ヌネスを判定で退け、ONE2連勝を飾った。 その他では、第10試合のバンタム級で元UFCのジョン・リネカーが、ONEデビュー戦でムイン・ガフロフに判定勝利。また格闘技新興国インドネシアの地元選手が大いに会場を沸かせた。第7試合では、新旧エース対決が行われ、ベテランのステファー・ラハルディアンが、連勝中の新エース、エイドリアン・マティスとの接戦を判定勝利。第12試合では、インドネシア格闘クィーンのプリシラ・ヘルタティ・ルンバン・ガオールがスタンド状態での蹴りでイエローカードを受けながら、ボツヘナ・アントニアとの打撃戦を判定で制している。 ONE Championship「ONE:DAWN OF VALOR」2019年10月25日(金・現地時間)インドネシア・ジャカルタ イストラ・セナヤン ▼ONE世界ウェルター級(※83.9kg)選手権試合 5分5R×ゼバスチャン・カデスタム(王者/スウェーデン)[判定0-3]〇キャムラン・アバソフ(挑戦者/キルギスタン)※アバソフが新王者に かつてPANCRASEにも参戦したオマー・ブイシェ、さらにK-1&HERO'Sで活躍したオーレ・ローセンを師と仰ぐカデスタムはPXCウェルター級王者から、2018年11月にタイラー・マグワイアをKOに降し、ONE世界ウェルター級王者となった。2019年3月にはカザフスタンのゲオルギー・キシギンを退け王座防衛に成功している。 対する26歳のアバソフは2018年12月のマレーシア大会で地元の英雄アギラン・タニをクリンチボクシングで殴り、豪快に投げてパウンド、最後はリアネイキドチョークで絞め上げタップを奪う無慈悲な勝利を挙げている強豪だ。2018年8月に、ボンサイ柔術のマスコス・ソウザをノーコンテストながら一度はTKO状態にまで追い込んだヌルスルタン・ルジボエフに判定勝ち。2019年5月には岡見勇信を2R パウンドでTKOに下している。 1R、ともにオーソドックス構え。PANCRASEのバッテンマークをパンツの前後につけたカデスタムはいきなり滑るように右ローをヒット! バランスを崩すアバソフ。カデスタムの右ミドルをつかむアバソフはパンチから前へ。金網に詰め右で差すアバソフが崩そうとするが、崩れないカデスタム。両脇を差すアバソフだがヒザ蹴りが金的に。 再開。右ハイでバランスを崩したカデスタム。詰めるアバソフだが戻すカデスタム。ステップし足に的を絞らせない。詰めてボディロックしたアバソフはテイクダウン! ガードを取るカデスタムはオーバーフックで凌ぐと、金網背に上半身を立てるとアバソフはノーアームギロチンへ。しかし残り10秒をカデスタムは落ち着いて凌ぐ。 2R、後ろ蹴り、さらに右ローを当てるカデスタムは右ヒジの打ち下ろしも! アバソフも右ローを返す。カデスタムの左ハイをブロックするアバソフはワンツーで前へ。そこに首相撲で応戦するカデスタムはアバソフを突き離す。しかしアバソフはダブルレッグテイクダウン! 出血するアバソフに下のカデスタムは背中を見せつつも正対して立つ。シングルレッグで力を使うアバソフだが片足立ちでヒジを入れるカデスタム! ついに離れるカデスタムはロー。左フックで飛び込むアバソフだがカデスタムはブロックしてローを返す。 3R、左から右アッパーで入り、右からも入るアバソフだが、かわすカデスタム。しかし、アソフフも前足を相手の外足にかけて足払いテイクダウン! 中央で背中をつけるカデスタムは鉄砲で上に! しかしすぐに上体を立てるアバソフはスタンドでボディロックでサイドスープレックス! サイド奪い右で脇差しヒザを頭部突くが単発。しかし2発目の左ヒザでカデスタムが側頭部から出血! カデスタムは腰を切り片足ずつ足を戻し、フルガードに。残り30秒。カデスタムも下からヒジを突く。 4R、早々に右を当てて連打するアバソフ! 詰めてダブルレッグテイクダウン! パウンド。しかし汗で滑る後半で抑え込めずカデスタムが立つ。勝負所で再度クラッチを組みテイクダウンするアバソフ! サイドからカデスタムの足首を持つがケージウォークするカデスタム。サイドから脇腹にヒザを突くアバソフ。防御するカデスタム。 最終5R、互いにハグしてスタート。先に右ローはアバソフ。右フックを当てるカデスタムからテイクダウン狙いへ。切るアバソフはバックフィスト狙いへ。かわすカデスタムだが、4Rまでに削られたか手数が出ない。ワンツーはカデスタム。ブロックするアバソフは逃げ切り体勢。バックヒジを狙うカデスタム。さらに打ち下ろしの縦ヒジを打つがヒットせず。残り10秒、詰めるカデスタムだが、アバソフはかわす。 判定は3-0でテイクダウン&コントロールのアバソフが勝利。新王者に輝いた。日本勢ではアバソフに敗れている岡見勇信、タニに敗れた秋山成勲、エルナニ・ペルペトゥオに勝利した手塚基伸らがウェルター級戦線でいかに上位にからむか。アバソフ同様に岡見に勝利しMMA12勝無敗のジェームス・ナカシマが次期挑戦者候補となりそうだ。 ▼ONE Super Seriesキックボクシング世界ライト級選手権試合 3分5R〇レギン・アーセル(王者/オランダ)[判定3-0]×ニキー・ホルツケン(挑戦者/オランダ)※アーセルが初防衛に成功 2019年5月大会の再戦。前回はアーセルが判定3-0でホルツケンに勝利し、ONEライト級キックボクシング初代世界王者に輝いている。 ダイレクトリマッチに臨む王者アーセルは名門ジム「シットヨートン・アムステルダム」所属。ONEでタイトルを獲得する前は、ラスベガスを本拠地とするLion Fightでスーパーミドル級世界王者に、ドイツのMFC(Mix Fight Championship)でもキックボクシング世界王者となった。 南アメリカのスリナム共和国生まれで、4歳の時、新天地を求めた家族とともにアムステルダムに移住。護身術を身に付け、8歳でテコンドーを始めた。キックボクシングでも成果を残し、プロ転向。長い手足をフル活用して繰り出すキックや、強烈な跳びヒザ蹴りを得意としている。 対するホルツケンは元GLORY世界ウェルター級王者。10歳の時にボクシングを始め、のちにキックボクシング、ムエタイも学び、競技の幅を広げた。 16歳でラモン・デッカーに師事し、重ねた白星は100以上に上る。うちKOがキックボクシングで約50回、ボクシングで11回という驚異的な記録を持つ。 2007年にはK-1 WORLD MAX 2007世界一決定トーナメント開幕戦に出場。1回戦でブアカーオに敗北。2009年の同トーナメントでは準決勝進出もまたもブアカーオに敗れ、その後はGloryを主戦場に。 GLORYではマーセル・グローエンハートに連勝するなどウェルター王座を防衛もセドリック・ドゥンベに敗れ王座陥落。アリム・ナビエフにも判定で敗れ、2013年からはボクシングにも出場して連勝。WBSS参戦を果たしている。 ONEでは2018年11月にコスモ・アレキサンドラを2R KO。2019年2月にムスタファ・ファイダに判定勝ちと2連勝も、2019年5月にレギン・アーセルに判定負けでライト級王座獲得ならず。今回が再戦となる。 1R、アーセルvsホルツケン、5カ月ぶりの再戦。ともにオーソドックス構え。上下打ち金網に詰めるアーセルは右跳びヒザ! ダウンするアーセルだが大成レフェリーはフラッシュダウンと判断しノーダウンに。 アーセルは左ロー、顔面、ボディと上下に散らして金網に詰めて右のヒザは顔面まで届く。さらに右ハイを当てて、右ストレート! ダウン! しかし、立つホルツケンはアーセンに右の跳びヒザ! 下がるアーセル。起死回生のホルツケンの跳びヒザ、続く右フックにアーセルは金網詰まるもゴングに救われる。 2R、右ローを突くアーセル。ホルツケンも左ローを返す。しかしアーセルの右ミドルにホルツケンの動きが止まる。ワンツーから前蹴りと多彩な技を繰り出すアーセルに後ろ廻し蹴りを見せるホルツケン。しかし、アーセルも後ろ廻し蹴り、さらに左テンカオ。ガード固めるホルツケンにその上からアーセルは左右ハイ。そして右ローを突く。 3R、右ローから入るホルツケンにワンツーローのアーセル。それをこかすホルツケン。手数多いアーセルはハイから跳びヒザへとつなぐ。さらに歩いて前蹴り、サウスポー構えから左のテンカオ。オーソドックス構えに戻すアーセルは左ボディストレート、左インロー、さらにスーパーマンパンチで飛び込む。ホルツケンは手が出ない。 4R、左のダブルの蹴りを上下に打ち分けるアーセル。さらに左ローから右ハイの対角線攻撃。ワンツー右アッパー、左ミドルと的を絞らせないアーセル。ホルツケンは左ジャブ、打ち返しを狙うが、アーセルのコンビネーションに阻まれる。 5R、左ミドルのダブルはアーセル。さらに高い右の後ろ蹴り! ガードするホルツケンは圧力をかけていくが、前蹴り・ジャブで阻むアーセル。さらに左ローの連打にホルツケンの身体がくの字になる。 ゴング後の音楽に早くも勝利の行進を見せるアーセル。判定はユナニマスでアーセルが完勝。初防衛に成功した。試合後アーセルは「アメージングだ。ニキーと戦えてモチベーションが高まった。セコンドのみんな、インドネシア・ジャカルタのファンのみんな、最高だ」と挨拶した。 ▼女子アトム級(※52.2kg)5分3R〇プリシラ・ガオール(インドネシア)[判定3-0]×ボツヘナ・アントニア(ミャンマー) 地元ガオールはウーシュー出身でONE6勝4敗。前戦は5月、カンボジアのノウ・スレイ・ポブに判定勝ち。対するアントニヤはONE3勝1敗。唯一の黒星は2018年10月のリカ・イシゲ戦。 1R、サウスポー構えのガオールにオーソドックス構えのアントニア。遠い間合いのガオールにアントニアは右で飛び込み左ミドルまで打ち込む。 金網に詰まりカウンターの前蹴りでこかすガオールだが、倒れたアントニアの立ち際に反則のサツカーキック。顔面に受けたアントニアだが鼻血を出しながらも試合続行。ガオールにはイエローカード(20パーセントの減点)が出される。右のサイドキックで距離を取るガオールだが、アントニアは右のスーパーマンパンチへ。かわすガオールはカウンターのダブルレッグテイクダウン。しかしすぐに立つアントニアは金網まで押し込み両脇を差すと右の小外掛けでテイクダウン! 背中を見せて立つガオールの背中に飛びつきリアネイキドチョーク狙い引き込む。 2R、蹴りの間合いはガオールだが、詰めるアントニア。ガオールは右ハイをブロックの上から当てる。ワンツーの左フックはアントニア。サイドキックはガオールも単発。しかし、アントニアの入り際に左ミドルを当てる。3R、スイッチしての右ローはガオール。さらに左ミドルもアントニアはブロック。圧力をかけてきたアントニアにカウンターのダブルレッグテイクダウンはガオール! 下からギロチン狙いのアントニアだが、ガオールが頭を抜くと地元のガオールに大歓声。クローズドガードのアントニアにインサイドからガオールはパウンド! しかしアントニアは抱き着いて凌ぐ。判定を待つアントニアの額の中央にはガオールの反則のサッカーキックで腫れ上がった跡がくっきりと残る。20パーセントの減点もあったガオールだが、ホームでの後半の攻勢は観客の後押しも受け、好印象を残した。3Rトータルジャッジの判定は3-0でガオールが勝利。アントニアにとっては厳しい裁定となった。 [nextpage] ▼キックボクシング・ストロー級 3分3R×フェデリコ・ローマ(アルゼンチン)[1R 2分19秒 KO]〇ワン・ジュングアン(中国) ONEで興味深い一戦が実現した。ローマは空手を皮切りにボクシングにも取り組み、19歳でキックボクシングに転向。WKNムエタイ世界スーパーバンタム級王者、WKN K-1世界スーパーバンタム級王者の二冠王となったサウスポー。今年3月の『RISE WORLD SERIES 2019 1st Round』に初来日し、世界トーナメント1回戦で那須川天心と対戦。3Rまで粘ったが、最後は3R1分35秒、那須川の片手倒立してのハイキック=天心キックでマットに沈んだ。 一方、ワンは中国の『GLORY OF HEROES』の第1回57kg4人トーナメントで優勝。2017年7月の『Krush』で行われた日本vs中国全面対抗戦に初来日し、その際に“中国の武尊”と呼ばれていると紹介された。その試合では里見柚己に判定2-0で勝利し、リングサイドで観戦していた武尊に挑戦をマイクアピール。武尊もそれに応え、両者は同年9月のK-1でK-1 WORLD GPフェザー級タイトルマッチとして対戦。ワンは後ろ回し蹴りやバックハンドブロー、顔面前蹴りを繰り出し、打ち合いも繰り広げたが判定3-0で武尊に敗れている。 ケージでのボクシンググローブのキック戦。 1R、オーソドックス構えのワンにサウスポー構えのローマ。右ストレートをガード上に当てるワン。がっちりガードを固めるローマだが、ワンの前蹴りに後方に飛ばされる。 さらにワンは左フックでダウンを奪うと、立つローマに、ワンはジャブ&ロー。ガードを固めて前に出るローマだが、ワンは金網背にしながら右フック! ローマは2度目のダウン。 武尊がKrush時代にやっていたラウンドガールを両脇に抱いて舌を出すポーズも一気に金網まで詰めたワンは右の4連打から左2連打でローマを釘付け。レフェリーが間に入った。 ▼バンタム級(※83.9kg)5分3R〇ジョン・リネカー(ブラジル)[判定3-0]×ムイン・ガフロフ(タジキスタン) 2008年にMMAデビューのリネケルはMMA31勝9敗のベテラン。2012年にUFCに初参戦し、UFC12勝4敗と大きく勝ち越すも、フライ級で4度の体重超過でバンタム級へ。ONEでの水抜き禁止の計量はいかにリネケルにフィットするか。 対するムイン・ガフロフは、MMA16勝2敗。現在MMA5連勝中で5試合連続1R KO・TKO勝ち。前戦でONEデビューし、レアンドロ・イッサを1R KOに下している。 1R、ともにオーソドックス構え。リネカーはいきなり右のカーフキックから入るとガフロフはバランスを崩す。さらに右ロー。ガフロフは遠間から後ろ廻し蹴りを放つ。 右ローを効かされ前足を変えたガフロフ。左の蹴りでそのままオーソに戻すが、リネカーは右を入れると首相撲ヒザ、さらにボディ打ちと上下に散らす。 リネカーの右ローにガフロフはカウンターの左フック! しかしリネカーは激しい打ち合いから右ミドル! 下がるガフロフにリネカーは右ボディ、左フック! 2R、ダブルレッグに来たガフロフにギロチンチョークはリネカー! 頭を抜いたガフロフに立つリネカー。しかしガフロフはボディロックからテイクダウン。金網使い立つリネカーにスタンドのギロチンチョークはガフロフも、リネカーは頭を抜いてガフロフを突き倒す! 後ろ廻し蹴りをボディに突くガフロフ! 今度は高さを変えて顔面に後ろ廻し蹴り! かわしながらももらったリネカーはこのラウンドは手数が減る。3発目の後ろ廻し蹴りは空振りに。しかしワンツーからダブルレッグに入るガフロフだが、リネカーは小手に巻いて凌ぐ。 3R、序盤サウスポー構えのガフロフに右ローをインローで当てるリネカー。オーソドックスに戻すガフロフの攻撃は大きい。低いダブルレッグに再三入るガフロフだが、切るリネカーはさらに右ロー。その打ち終わりにガフロフはローシングルもリネカーは切る。しかし、再三ダブルレッグテイクダウントライはガフロフ。最後に後ろ廻し蹴りを放ち、リネカーがブロックしたところで試合終了。 判定はリネカーが3-0勝利。ONEで初めてのジャッジに不安な顔を見せていたリネカーは、アメリカントップチームのTシャツを着こみ両手を挙げて歓喜した。 バンタム級タイトル戦線へと駒を進めたリネカー。同級では佐藤将光、竹中大地、上久保周哉らがしのぎを削っているが、いかに上位戦線にからむか。 ▼バンタム級(※83.9kg)5分3R〇マーク・フェアテックス・アベラルド(ニュージーランド)[判定3-0]×アイデン・ジュマイ(中国) ※オーソドックス構えから左右のヒジを突くアベラルド、左ミドルでジュマイに両手を着かせる。さらに詰めて至近距離で右ヒジでダウンも奪う。 ▼フライ級(※52.2kg)5分3R〇エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)[1R 0分19秒 TKO]※エビンが負傷、レフェリーストップ×カジ・エビン(フィリピン) ▼ストロー級(※56.7kg)5分3R×エイドリアン・マテイス(インドネシア)[判定0-3]〇ステファー・ラハディアン(インドネシア) ▼ライト級(※77.1kg)5分3R〇ピーター・バウシュト(オランダ)[判定3-0]×トニー・カルーソ(豪州)※バウシュトはONE2連勝、MMA7連勝 ▼フライ級(※61.2kg)5分3R×ルーディ・アグスティアン(インドネシア)[判定0-3]〇アブロ・フェルナンデス(インドネシア) [nextpage] ▼ライト級(※77.1kg)5分3R×ジョニー・ヌネス(米国)[判定0-3]○徳留一樹(日本) 徳留は5月10日の「ONE: Warriors of Light」にて、11月大会で下石康太に勝利しているエイドリアン・パン(豪州)とライト級(※77.1kg)で対戦。サウスポー構えから左の攻撃を当て、最後は左ヒジでパンをカット。2R TKOでONE初勝利を挙げた。 ONE初戦は急遽対戦相手がエリック・ケリーからジャダンバ・ナラントンガラグに代わり、第2戦もエミリオ・ウルティアからクリスチャン・リーに変更されながら試合を受け、連敗を喫していた徳留だが、フェザー級(※70.3kg)戦だったナラントンガラグ戦、73キロ契約だったリー戦から、ONEライト級(※77.1kg)への階級変更でパン戦では、左ストレートからダブルレッグテイクダウン、立ち際にヒザ&ヒジと力強く流れるような動きを見せていた。今回のジャカルタ大会でもONEライト級にフィットした戦いを見せるか。 対戦相手のヌネスはMMA公式戦7勝1敗の強豪。2012年のプロデビューから4連勝で2014年3月にWSOFデビュー。その後TUFシーズン22ではチーム・フェイバーの一員として参加し、ライアン・ホール、デイビッド・ティーマーに敗れ、シーズン25でもジェームス・クラウスに敗れている(非公式戦)が、2018年9月の前戦、Bellator 205ではジョシュ・ウィックに判定勝ちを収めている。 クラウスの腰を落とさせた左右パンチの前進力、粘り強いダブルレッグなど詰めてのファイトを得意とするヌネスは、近距離を課題としていた徳留にとって困難な相手だ。しかしオーソドックスのヌネスに対し徳留はサウスポー。パン戦で見せた組み技へのトランジッションがヌネス相手にどんな変化を見せるかも注目だ。 1R、サウスポー構えの徳留に対し、オーソドックス構えのヌネス。ヌネスの右の入りに左ストレートをいきなりヒットさせた徳留にヌネスは右の3連打で3発目を当て強引に金網まで詰めるが、下がりながらの徳留の左ショートアッパーでダウン気味に前のめりになったヌネスを徳留はテイクダウン。徳留は両足を束ね、右で脇差し細かいパウンド、サイドにいったん移るとパウンド狙いもヌネスはスクランブルから立つ。 ヌネスの右のダブルの2発目をもらった徳留だが、下がりながら左! 腰を落としたヌネスに徳留はノーアームギロチンチョーク! 外したヌネスのバックを奪うが、ヌネスは立つ。 ヌネスは左右を闇雲に振り詰めてダブルレッグも、両足を後方に飛ばしてがぶる徳留。スタンド。左ハイは徳留も蹴り足をつかんだヌネスがテイクダウン。徳留は下からゴゴプラッタを狙う。 2R、左前蹴りは徳留。続くワンツーをかいくぐり組み付いてくるヌネスを突き放す徳留。アッパー、ジャブ、ヒジを突く徳留。近距離になると四つに組み小外掛けでテイクダウン! 上から徳留はハーフになり、左で差して背中を着かせ、右で枕に巻いてから左で細かいパウンド。 さらに残り10秒で体を離し、中腰からパウンドを放つ。 3R、頭下げて右を打つヌネスにカウンターのヒジを打つ徳留。しかしヌネスはダブルレッグテイクダウン。金網で上体を立てる徳留はノーダメージで立つとボディロックから回して小外を合わせてテイクダウンの逆襲! ハーフからヒジを打つ徳留。ヌネスの潜りをはがしパウンド、ニンジャチョークを狙う。ハーフから右足を抜く徳留だが、その瞬間に逆の足にからむヌネス。背中を譲りながらも徳留を前方に落としてゴング。 判定は予告通りテイクダウン&コントロールで勝負した徳留が3-0勝利。2連勝を飾った徳留はケージのなかで「疲れました。何とか生き残れてよかったです。テレマカシー!(ありがとう)」と、最後は現地のインドネシア語で挨拶した。 ▼ストロー級(※56.7kg)5分3R×エギー・ロステン(インドネシア)[1R 2分00秒 リアネイキドチョーク]○エリピツア・シレガー(インドネシア) ▼プレリム第2試合 ムエタイ・フライ級(※61.2kg)5分3R×アレクシ・セレピソフ(ニュージーランド)[3R 2分48秒 TKO]※レフェリーストップ○内藤大樹(日本/SB/BELLWOOD FIGHT TEAM)  内藤は2011年7月の高校1年生時にシュートボクシングでプロデビュー。連勝を重ねて2014年11月にSB日本スーパーバンタム級王座を獲得すると、2015年8月の「BLADE FC CUP 2015 -55kgトーナメント」に出場。1回戦で工藤政英、準決勝で村越優汰を破って決勝へ進出したが、那須川天心にKO負けを喫した。  そこからは打倒・那須川を目指し、各団体のトップ選手たちと対戦。2017年11月に開催された「RISE DEAD OR ALIVE -57kg TOURNAMENT」で原口健飛、工藤政英、MOMOTAROを破って優勝。2018年11月、ついに那須川との再戦へ漕ぎつけたがKOで返り討ちに。  再起戦となった今年6月には若手シュートボクサー笠原弘希に再々延長戦の末に惜敗するも、9月に行われた「ONE JAPAN SERIES -Road to CENTURY-」では渡辺優太を1R1分22秒、右ハイキックで衝撃のKO勝ち。ONE本戦出場へのチケットを手にした。  対戦相手のセレピソスは、これまで2つのムエタイ世界王座、3つの国内王座、2つのトーナメント王座を獲得したほか、ボクシングやラウェイにも挑んだという。今年1月にONEデビューを果たし、タイ人のモンコンペットを相手にワンツー&ローでどんどん前へ出るスタイルで奮戦したが、判定で敗れている。  1R、序盤は右ローの応酬。内藤はカーフキックをバンバンと連打して面白いようにヒットさせ、セレピソスは早くも左足を上げる。内藤は右ストレート、左フックからの右カーフキック。下がっていくセレピソスに内藤は顔面・ボディへパンチをまとめにいく。内藤の右ストレートがクリーンヒットし、大きく下がるセレピソスだが、内藤が詰めに行くと左右フックを振り回して対抗する。  2R、セレピソスはサウスポーに構えてカーフキックが効いている左足を後ろに。内藤はパンチを打っては回り込み、今度は左のカーフキック。セレピソスはパンチを出しながら前へ出て首相撲に持ち込む。内藤は組み際に右ヒジを打つ。前へ出て組み付くセレピソス。  3Rもワンツーを出しながら前へ出るセレピソス。内藤は左フック、右ストレート、右ヒジを放ち、セレピソスの前進を回り込んでかわす。内藤はセレピソスが打ってくるところへ左フックから右フックのカウンター。ガードの隙間からねじ込むような右フックから、倒れかかったセレピソスの頭部へ左ローを見舞い、内藤がダウンを奪う。  下がるセレピソスにパンチ上下のコンビネーション。ガードを固めて防戦一方のセレピソスに、内藤はアッパーを連打。一方的な展開になったところでレフェリーが試合をストップした。  ONE本戦デビューを見事なTKO勝ちで飾った内藤は、勝利者インタビューで「(勝因は)気持ち、ハートの部分だと思います。ONEのスーパーシリーズ・フライ級には世界の強い選手がたくさんいて日本人が勝つのは難しいですが、その中で僕が勝ち抜いていきたいと思います」と、タイ人一流選手を中心に強豪揃いのONEスーパーシリーズ・フライ級で勝ち抜いて行くと宣言した。 ▼プレリム第1試合 ストロー級(※56.7kg)5分3R×アンジェロ・ビモアジ(インドネシア)[1R 1分04秒 TKO]※右ヒザ蹴り ○アディ・パルヤント(インドネシア)
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