2025年9月27日(土)東京・後楽園ホール『Krush.180』にて、Krushライト級3分3R延長1Rで児玉兼慎(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)との再戦に臨む大谷翔司(KNOCK OUTクロスポイント渋谷)のインタビューが主催者を通じて届いた。
両者は2023年6月にもKrushで対戦しており、この時は大谷が判定勝ちしている。
目指してるのは彼に勝つことじゃない
──カード発表会見の時点では、この2試合の勝者が次期挑戦者として有力という感じでしたが、その後正式に、勝者2人の中から11月の大岩龍矢選手への挑戦者に選ばれると発表されました。それを聞いて、またモチベーションが上がったのでは?
「そうですね…でも、その発表がある前から、今Krushライト級で次の挑戦者は、この4人の中から選ばれるのがふさわしい、そういう試合だと思っていたので、そんなに心境の変化的には大きいものはないですね。ただ、それが確定になったという意味ではうれしいです」
──今回は1年9カ月ぶりのKrush参戦で、2年3カ月ぶりの児玉兼慎戦。改めて、あの時の児玉選手の印象と、その後の児玉選手の戦いの印象を教えていただけますか?
「前回の対戦の時は、普通にいい選手だなと思いましたね。スピードもあるし、気持ちも強いし、まさにKrushを象徴するというか、あのリングで力を発揮するタイプの選手だなと感じました。その後は、ファイトスタイルはそんなに大きく変わっている印象はないですけど、体つきとか見ても当時とは全然違うし、全体的に一つ一つ、すごくレベルアップしてるなというのは感じます」
──今回、一番警戒するところというと?
「気持ちですかね。やっぱり後半、2R、3Rと進むにつれて気持ちの勝負になるんじゃないかなと思うので。スタミナもある選手なので、自分も削り合いの試合になるということをずっと頭に入れて練習しています」
──前回はフルラウンドの判定決着でした。今回はその続きみたいな感覚はありますか?
「全然ないです。前回の試合を見返しても、2人とも今と全然違うし、今から比べると『弱いな』という感じなので、今回は全く違う展開…展開というか、別人同士のような試合になると思います」
──ではその上で、どういう試合をしてどう勝ちたいと思っていますか?
「今、目指してるのは彼に勝つことじゃなくて、大岩選手に挑戦して勝つことですからね。まずはその挑戦権を得なければいけないので、そういう勝ち方をしたいです」
──同日に行われる篠原悠人vs.瑠久戦と、明確に内容、勝ち方も比べられることになります。そこに対しても自信はある?
「今まで、そういう大事な試合で力を発揮できない自分がいて。何でそうできないのかと考えた時に、いろいろ見えてくるものがあったんですよね。今回もそういう意味では、ちょっと力んじゃう試合じゃないですか。力が入って、前に出そうになる試合だと思うんですけど、そこをうまく自分でコントロールして、結果的にはいい結果が得られるようなマインドを作っていきたいなと思っています。まあ、ざっくり言うと『普段通り』ですね。そういう意識でいます」
──それは「気合を入れる」というのとは、また別の次元の話なんですか?
「そうですね。人にもよると思うんですけど、自分は気合いが入っても、空回りしちゃうタイプなので。そういう時はやっぱりいい結果が出ないし、KOもできないので、そこを抑えるというか、うまくコントロールして空気に呑まれないというか。そこが一番自分にとって大事だなと感じて、修正できている部分でもあります」
──久々、そして待望していたKrushの舞台ですが、そこも大きく影響はしない?
「はい、そういうところも含めて、呑まれないようにしようと思います」
──KNOCK OUTとKrushでは、ルールも実際細かく違う点がありますが、戦う際には意識しているんでしょうか?
「基本的にはあまり変わらないかなと思います。KNOCK OUTはワンキャッチ・ワンアタックですが、自分は特にキャッチは使わないですし。逆にキャッチされないという意味では、自分的にはK-1ルールはより得意なルールだなとも思いますし。正直、自分の力を最大限に生かせるルールだと思っています」
【写真】初対決では2度のダウンを奪って勝利した大谷──しかし、5月にKNOCK OUTのタイトルを、K-1 GROUPから来た大沢文也選手に奪われて、それからこのチャンスが巡ってくるとはというのも面白いですね。
「そうですね。KNOCK OUT側からは『やり返してこいよ』というプレッシャーも感じます。チャンピオンではなくなってしまいましたけど、KNOCK OUTを背負って戦いに行くという気持ちです」
──仮定の話で恐縮ですが、Krush王座を獲ったら大沢選手と3回目…みたいな気持ちもありますか?
「やりたいですね。お互いがチャンピオンになってまたやったら、盛り上がると思うんですよね」
──しかも立場が逆ということになりますからね。
「ただ、どこのリングでやるかっていうのは難しい問題だと思いますけど(笑)」
──でも、そういう期待も膨らむ流れではありますよね。
「そう思います。そういう意味で、KNOCK OUTも盛り上げたいという気持ちも強いので。それが自分のためでもあるし、やっぱりそのためにはKNOCK OUTをしっかり盛り上げなければいけないと思ってるので、ここでしっかり仕事をしてベルトを獲って、さらにKNOCK OUTとKrushの両方を盛り上げられるような選手になりたいと思いますね」
──では最後に、改めて今回の試合への“決意”をいただけますか?
「本当はKNOCK OUT王者としてKrushの現チャンピオン、大岩選手とやりたかったところ、ちょっと違う形になってしまいましたけど、本当にリスペクトを持って大岩選手に挑戦して、勝利してベルトを奪い取りたいと思ってるので、『待ってろよ』という感じです。『見とけよ』と」