2025年9月6日(日本時間7日)、フランス・パリのアコー・アリーナにて『UFC Fight Night: Imavov vs. Borralho』(U-NEXT配信)が開催された。
▼ミドル級 5分5R〇ナッソーディン・イマボフ(フランス)17勝4敗(UFC9勝2敗)※UFC5連勝[判定3-0] ※50-45, 49-46×2×カイオ・ボハーリョ(ブラジル)17勝2敗(UFC7勝1敗)※UFC7連勝でストップ
満員の観衆で埋まるなか、セミファイナルでは、ライト級で“軍神”ブノワ・サン・デニ(フランス)と、メインに続く常勝軍団ファイティング・ナーズ所属のマウリシオ・ルフィ(ブラジル)が対戦した。
▼ライト級 5分3R〇ブノワ・サン・ドニ(フランス)15勝3敗1NC(UFC7勝3敗)[2R 2分56秒 リアネイキドチョーク]×マウリシオ・ルフィ(ブラジル)12勝2敗(UFC3勝1敗)※UFC3連勝でストップ
地元フランスのサン・ドニはライト級13位。MMA14勝3敗1NC(4KO・10一本勝ち)でこれまでの勝利は全てフィニッシュで決めている。
8歳から16歳まで柔道を習い、フランス陸軍に入隊し、特殊作戦旅団隷下の第1海兵歩兵落下傘連隊で従軍。2017年にキックボクシングとブラジリアン柔術を始め、18年からMMAをトレーニング。19年にプロデビューし、21年のUFC初戦こそエリゼウ・ザレスキ・ドス・サントスに判定負けも、以降は5連勝。ダスティン・ポイエー、ヘナート・モイカノ相手に2連敗を喫したが、25年5月にヨエル・アルバレスの代役のカイル・プレポレクを2R 肩固めに極めて復活。29歳。
15位のルフィは、MMA12勝1敗で11KOの戦績を持つ。DWCSを経て、UFCでも3連勝中(2KO)で、ジェイミー・ムラーキーを右アッパーでTKOに下すと、ハメス・ヨントップに判定勝ち。2025年3月の前戦では、ボビー・キング・グリーンに1R 右スピニングホイールキックで衝撃のKO勝ちを収めている。リングネームのルフィは『ONE PIECE』に由来。
1R、オーソのルフィに、サウスポー構えのサン・ドニ。前足を触りに行くサン・ドニ。左ハイも。ガードするルフィはニータップのフェイントから左を放つサン・ドニ。切って回るルフィ。サン・ドニは、ダブルレッグからケージまで押し込み。ボディロックから小外がけでテイクダウン!
UFCでこれまでテイクダウンされたことがないルフィを40秒ほどでテイクダウンしたサン・ドニ。左差しで肩口とクラッチしたサン・ドニはルフィのブリッジを押さえ込んでサイドに。さらにマウント!
下のルフィは背中を見せて立とうとするとサン・ドニは四の字ロック。中腰で前に落としたルフィは、離れてスタンドに。
左ハイからタックルのサン・ドニ。切るルフィをケージに詰めてダブルレッグへ。そこに右ヒザを合わせたルフィだが、被弾しながらもサン・ドニが足を束ねて引き出してテイクダウン。
すぐにケージまで這って金網背に座るルフィ。サン・ドニは左足をかけてパウンドからバック狙い。正面を向いたルフィに肩固めのプレッシャーからマウント。パウンドのスペースで立つルフィ。
正対して体を入れ替えるルフィだが、再び押し込むサン・ドニが細かいヒザを突き、ローブローに。中断。再開。
残り53秒から再開。右アッパーを伸ばすルフィをかわすサン・ドニは、またも左ストレートを見せて右の蹴りから組み。ケージに押し込みヒザ。すぐに体を入れ替えたルフィ。左ストレートのサン・ドニは、左ミドルハイ、さらに左ミドルで詰め。体を入れ替えたルフィに左ハイ。ルフィは手が出せない。ホーン。サン・ドニのラウンドに。
2R、ダブルレッグの動きから左の蹴りにつなげるサン・ドニ。ケージに詰めると、ルフィはサークリング。テイクダウンのフェイントに反応するルフィ。右ストレートは空振り。徐々に圧力をかけるサン・ドニに右跳びヒザ! ヒットするがアゴはかすめて首筋か。サン・ドニは左の蹴りから右を突いてケージに詰める。そこに縦ヒジを狙うルフィだが、サン・ドニはボディロック&小外がけテイクダウン!
ボディロックで押さえ込むサン・ドニの首を巻き込んで左で差して上はルフィ! フルガードのサン・ドニにスタンドを要求。右で飛び込むルフィだが、かわすサン・ドニは左ミドルを当てる。
動きを止めて右を突いたルフィに、サン・ドニは圧力をかけてケージを背負わせて右から左を突いてダブルレッグへ。差し上げて四つに持ち込もうとするルフィだが、またもボディロック&小外のサン・ドニはルフィの立ち際にバックから足を4の字ロック。バックからパウンド。リアネイキドチョークへ。顎上から絞めてタップを奪った。
地元のサン・ドニはアンダードッグの評価を覆しての一本勝ち。ルフィはオクタゴン4戦目でUFC初黒星。初回のサン・ドニの組みでマウントを奪われたことで、テイクダウンプレッシャーで後手に回り、最後は一本負けした。
試合後、サン・ドニは「妻に感謝を伝えたい。1カ月前に2人目の父親になったんだ。まず何よりも、これは生まれたばかりの息子への贈り物だ。次に、スタッフ全員が僕を最高の状態に導いてくれた。周りに最高の仲間がいて、完璧な環境だったんだ。
マウリシオを相手に距離を詰めて倒すのはフェアだ。この戦術を試して仕留めるのは良い選択だった。メディアの誇大報道で、全てが誇張される。結局のところ、檻の中の2人が噛み合うことだ。
そして、トップ10ファイターで対戦相手がいない奴がいたら、今後数週間で何かあれば、自分は代役を務める準備はできてる。マディソン・スクエア・ガーデンでイベントがあるのは知ってる。そこで何かできるかもしれない。俺はまた戦う準備ができてるし、そこに行く準備もできてる。1年前のメインのパフォーマンスと、私を信じてくれたこと、そして我々がファイナルに進んだこと。これからも頑張ろう!」と語った。
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ブカウスカスが引き込むクレイグにヒジでTKO、クレイグはグローブ置く
▼ライトヘビー級 5分3R〇モデスタス・ブカウスカス(リトアニア)19勝6敗(UFC7勝4敗)※UFC4連勝[1R 5分00秒 TKO] ※右ヒジ×ポール・クレイグ(スコットランド)17勝10敗1分(UFC9勝10敗1分)
1R、サウスポーのブカウスカスに、オーソのクレイグ。ブカウスカスは右ローから左右連打で前に。さらに右ロー。クレイグは右ハイで押し戻す。さらに右カーフのブカウスカス。ワンツースリーでケージまで押し込み。クレイグは踵を足に突く、互いにヒザ。オーバーフックのクレイグにブカウスカスは離れる。
ブカウスカスもオーソに戻すと互いに右カーフ。左ハイのクレイグは関節けりも左右で詰めるブカウスカスに電車道で反対側まで押し込むクレイグ。両差しで投げも、残したブカウスカス。
ケージ際で体を入れ替えたブカウスカスが右で差して押し込み。クレイグは左オーバーフックから右は不完全ながら引き込み。それを下に落としたブカウスカスがインサイドガードから強い右ヒジ! ホーンもクレイグは一瞬失神、動けず。そのままTKO負け。
ブカウスカスは試合後、「数発のパンチが当たった時、明らかに彼を傷つけたのが分かった。だから追撃を決めた。ガードを突破できたし、腰を低く保てていたから、あとは思い切り叩き込むだけだと思ったた。言った通り、数発が当たって苦しんでいるのが見えたので、ただ続けるしかなかったんだ。次に望むのはただ一つ、トップ15入りだ。4連勝中で、うち3試合はフィニッシュ勝ち。トップ15への挑戦権を勝ち取った。この機会のために何年も努力してきた。重傷から復帰し、今こそ自分の時代だと感じている。今こそそのレベルに到達する準備はできている。トップ選手たちよりもはるかに上だ」とランキング入りを熱望。
そしてグローブをマットに置いたクレイグにもマイクが渡された。
「みんな、思い出を本当にありがとう。(スタンディングオベーションに)これが、私がこれをやっている理由です。ヤングイーグルたちが育ち、そして私は歳をとっています。思い出をありがとう」と37歳のクレイグは語り、ブカウスカスとハグをかわした。
MMA戦績17勝10敗1分。13のサブミッションでの一本勝ちを誇るクレイグは、UFCのオクタゴンを降りた。
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▼ライト級 5分3R〇メイソン・ジョーンズ(ウェールズ)17勝2敗(UFC3勝2敗)[2R 3分18秒 TKO] ※ヒジ×ボラジ・オキ(ベルギー)10勝3敗(UFC2勝2敗)
※1Rに蹴り足をつかまれての右を被弾しダウンしたジョーンズだが、2Rに小外がけから反り投げてテイクダウン。サイドからヒジ、マウントでパウンド、左ヒジ。
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▼ウェルター級 5分3R〇アクセル・ソラ(フランス)11勝0敗1分(UFC1勝0敗)[3R 2分02秒 TKO] ※左ボディ→パウンド×リース・マッキー(アイルランド)14勝7敗1分(UFC1勝5敗)
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【プレリム】
▼フェザー級 5分3R〇ウィリアム・ゴミス(フランス)15勝3敗(UFC5勝1敗)[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×ロバート・ルハワ(ポーランド)11勝2敗(UFC0勝1敗)
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▼ライトヘビー級 5分3R〇ウマル・シー(フランス)11勝1敗(UFC2勝1敗)[1R 4分42秒 TKO] ※バックマウント→パウンド×ブレンドソン・ヒベイロ(ブラジル)17勝8敗(UFC2勝3敗)
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▼ヘビー級 5分3R〇アンテ・デリア(クロアチア)26勝6敗(UFC1勝0敗)[1R 2分03秒 TKO] ※左ストレート→パウンド×マルチン・ティブラ(ポーランド)27勝10敗(UFC14勝9敗)
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▼ライト級 5分3R〇カウエ・フェルナンデス(ブラジル)11勝2敗(UFC3勝1敗)[1R 3分21秒 TKO] ※左カーフキック×ハリー・ハードウィック(英国)13勝4敗1分(UFC0勝1敗)
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▼ウェルター級 5分3R〇サム・パターソン(英国)14勝2敗1分(UFC4勝1敗)※UFC4連勝[1R 3分01秒 TKO] ※右ストレート×トレイ・ウォーターズ(米国)9勝2敗(UFC2勝2敗)
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▼ミドル級 5分3R〇ロベルト・ブリチェック(ポーランド)18勝6敗(UFC1勝1敗)[3R 1分43秒 KO] ※右ST、左右連打→パウンド×ブラッド・タヴァレス(米国)21勝11敗(UFC16勝11敗)
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▼ウェルター級 5分3R〇リナト・ファクレトディノフ(ロシア)25勝2敗1分(UFC6勝0敗)[1R 0分54秒 TKO] ※左ST→左右連打→パウンド×アンドレアス・ガスタフソン(スウェーデン)12勝3敗(UFC1勝1敗)
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▼女子ストロー級 5分3R〇サム・ヒューズ(米国)11勝6敗(UFC6勝5敗)[2R 1分58秒 リアネイキドチョーク]×ショーナ・バノン(アイルランド)7勝2敗(UFC2勝2敗)