MMA
レポート

【DEEP JEWELS】前澤智が初防衛に成功。緊急出場中井りんが一本勝ち、渡辺華奈、奈部ゆかりが国際戦勝利、古瀬美月がKAIに競り勝ち、川村虹花が判定負け

2019/10/22 11:10
10月22日(火・祝)『DEEP JEWELS 26』が後楽園ホールで開催された。 メインのDEEP JEWELSアトム級タイトルマッチでは、前澤 智(王者/リバーサルジム 立川 ALPHA)が富松恵美(挑戦者/パラエストラ松戸)を判定5-0で下し、初防衛に成功。セミファイナルでは、タイのダイヤモンドローズ・ザ・ロケット(Tarnthong Gym)と対戦予定だったKINGレイナ(FIGHT CLUB 428)が体重超過で失格も、代わりに急遽、参戦した中井りん(修斗四国道場)がダイヤモンドローズと63kg契約で対戦し、見事一本勝ちを飾った。 ▼第9試合 メインイベント DEEP JEWELSアトム級タイトルマッチ 5分3R○前澤 智(王者/リバーサルジム 立川 ALPHA)47.5kg[判定5-0]※30-27×3,29-28×2×富松恵美(挑戦者/パラエストラ松戸)47.5kg 前澤は中学から大学まで柔道を学び、寝技強化で始めたブラジリアン柔術がきっかけで総合格闘技の道へと進む。2012年にJEWELSでプロデビューすると連敗を喫したが、着実に力をつけてタイトルに近づき、2018年12月に黒部三奈を破り第6代DEEP JEWELSアトム級王座に就いた。今年3月には浅倉カンナとの勝負に挑んだが判定負け、7月の『RIZIN.17』に初参戦を果たすがROAD FC女子アトム級王者ハム・ソヒ(韓国)に初回TKO負けを喫して悔し涙を流した。 富松は女子プロレスを引退後、柔術を始めて2006年10月にMMAプロデビュー。2014年にはDEEP JEWELSストロー級暫定王座にも就いた。長野美香、石岡沙織、SARAMIらから勝利を収めてトップクラスに君臨していたが、2018年に韓国人選手に連敗。しかし、3月大会ではレスリング出身の青野ひかるに一本勝ち、6月大会では古瀬美月にも一本勝ちし、復活を遂げた。今回の王座戦に向け、沖縄で松根良太との特訓も慣行している。 両者は2017年2月に対戦し、前澤が3R1分24秒、リアネイキドチョークで一本勝ちを収めている。前澤の出世試合となった一戦だ。王者となった前澤が返り討ちにするのか、それとも富松が執念で悲願の正規王座を奪取するのか。 1R、ともにオーソドックス構え。頭を上下してステップする前澤。前澤は左で飛び込みヒット、左ミドル、右ローと散らして動く。詰める富松は右ボディ。左ジャブを当て組み付く前澤にアゴを押してヒザを突く富松。左で差す前澤だが突き放す富松が体を入れ替えダブルレッグをトライ。差し上げる前澤。左で呼び戻す形で後方に倒してテイクダウン! そのままバックを奪う。両足をかけさせなかった富松がバックの前澤を振り払い、押し込みゴング。 2R、ワンツーで前に出る前澤はダブルレッグへ。差し返しにくる富松に再度ダブルレッグも差し上げる富松がスタンドバック狙い。アームロック狙う前澤に引き込んだ富松。すぐに正対した前澤がマウントからバックへ! 今度は両足フックへ。しかし正対し足を戻した富松。そこに前澤はパウンドを入れる。下から三角絞めを狙い手首を持つ富松に上体を立て頭抜く前澤は片足を抜きハーフで鉄槌! ゴングにしばらく天井を見たままの富松だがコーナーに戻る。 3R、左右連打を当て金網詰める前澤はレベルチェンジからダブルレッグへ。差し上げ体を入れ替える富松は左で差して押し込むが、すぐに前澤も体を入れ替えワンツー連打!下がる富松はダブルレッグに入るががぶる前さはバック狙い。ガードを取る富松にハーフからヒジを突く前澤! 右で差す前澤だがいったん体を離し、再びパウンドで飛び込み。三角絞めを狙う富松をかついでパスするとバックへ。亀からガードになり左で差してスイープを狙う富松を潰す前澤。ゴング。 判定は、3R通してテイクダウン、打撃でダメージを与えた前澤が5-0で完勝。勝者コールに敗れた富松は前澤の手を挙げて称えた。 試合後、赤いベルトを抱きしめた前澤は「足元が悪い中、来てくださりありがとうございます。富松選手は自分が3試合目のときにメインを張っていた素晴らしい選手で、リング下からすごい選手だなと思って観ていました。1回勝っていますが、富松選手はSARAI選手にも勝っている選手で、今日、自分が勝てて周囲のみんなに恩返しができたと思います。この先のことは分かりませんが、今回が最後かもしれないといつも思って試合をしています。どうか皆さんずっとずっと女子格闘技のファンでいてください。よろしくお願いします」とマイクで語った。 前澤 智「今日のこのパンツは今、被災地にボランティアで行っている友だちが送ってくれました。昨日、ジムの会員さんがこのベルトに向かって“チョモのところにちゃんと帰って来るんだよ”と言ってくれました。明日はジムの姉弟子のKAIさんと『一緒に勝とうね』と約束をしました。明日、戦う全選手が誰かの支えを受けて、誰かのために戦うと思います。私もジムのみんな、ファンの皆さんに支えられてここまでやってこれました。富松さんの奏でるロックは(富松から「メタルです」と指摘)……メタルは激しくて爆音でしょうけれど、私はそれに負けず自分のMMAを踊り続けたいと思います」 富松恵美「3度目の正直でこのベルトを獲る事と、前澤チャンピオンには以前負けている(※2017年2月に前澤が3R、リアネイキドチョークで一本勝ち)ので、そのリベンジを果たして後楽園ホールのメインで記憶に残る素晴らしい試合で一本勝ち、明確な勝ちで前澤選手にリベンジしたいと思います。パラエストラ千葉ネットワークが20周年ということで、さらに勢いに乗せるベルト獲得を必ず達成します」 ▼第8試合 セミファイナル DEEP JEWELS 63kg以下 5分3R○中井りん(修斗四国道場)※21日夜、計量予定[1R 3分20秒 腕十字]×ダイヤモンドローズ・ザ・ロケット(Tarnthong Gym)62.1kg※KINGレイナ(FIGHT CLUB 428)は65.9kg→65.3kg(※失格に) 前日計量でKINGレイナが初回計量で2.9kgオーバー。再計量でも2.3kgオーバーで失格が決定。KINGレイナの代わりに中井りん(修斗道場四国)が緊急参戦し、ダイヤモンドローズ・ザ・ロケット (62.1kg)と63kg契約で試合を行うことが決定した。 中井はUFC参戦を経て2016年7月からは国内に復帰。4連勝を収めたが、2018年7月の『RIZIN』前に猛暑の中で練習中に熱中症となり、急性腎炎を併発してドクターストップ。杉山しずか戦が直前で中止となり、その後も体調が回復しなかったことから戦線離脱が続いていた。 しかし、2019年6月9日の『DEEP JEWELS』で約1年4カ月ぶりの復活。58kg契約でタイのゲオチャイ・プラチャムウォンと対戦し、打撃で圧倒。2R1分56秒、TKO勝ちを収めていた。 中井がスクランブル参戦で対戦する21歳のダイヤモンドローズは、8月の「RIZIN.18」で浜崎朱加と対戦したアム・ザ・ロケットと同門で今回がプロMMAデビュー戦となる。 本名はティタパ・ジュンソークプラン。身長168cm。ムエタイで17勝8敗。柔道で2015年の東南アジア競技大会で5位、アジア選手権にも出場。またサンボでも2016年の清州世界マーシャルアーツマスターシップで2位になるなど、組み技の経験も豊富だ。 中井は柔道の名門・東海大学高輪台高校出身。オリンピックを目指して女子の強豪校・帝京大に進学も直後にヒザを故障し、柔道からMMAに転向している。ダイヤモンドローズにとっては同じストロングポイントの組み技の経験を防御にも活かし、25戦のキャリアを持つムエタイの打撃で優位に立ちたいところだろう。 現在5連勝中の中井りん(21勝2敗1分)にとっては、身長差はあるものの、MMA経験の圧倒的な差でダイヤモンドローズをきっちり仕留めてDEEP JEWELS 2連勝を飾りたい。 1R、ともにオーソドックス構え。左ローはダイヤモンドローズ。さらに右ミドルをヒット。左ハイで牽制し左前蹴りも。右ミドルを当てたダイヤモンドローズ。その蹴り足をつかんで右のフックを打つ中井。右の蹴り足をつかんだ中井。すぐにパスガードするとダイヤモンドローズの頭についた中井はキムラロック狙いから腕十字へ。腕が伸び切り、ダイヤモンドローズは一回タップ。レフェリーがストップした。 緊急出場で見事一本勝ちした中井は「本日はご来場ありがとうございました。私が格闘技を続けられるのはファンの皆さんのおかげです。今回、試合を組んでくださった佐伯代表、ありがとうございます。今回の台風で被害にあわれた方にお見舞い申し上げます。何とか頑張って勇気を出してください」と挨拶。いつものようにケージのなかで勝利の側転からのバック宙を披露した。 ダイヤモンドローズ「今回DEEP JEWELSで試合ができることがとても嬉しいです。KINGレイナ選手は打撃が得意な選手ですが、私も得意な打撃で勝利したいと思います [nextpage] ▼第7試合 DEEP JEWELS フライ級(56.7kg +500g)5分3R○渡辺華奈(FIGHTER'S FLOW)56.9kg[1R 1分48秒 リアネイキドチョーク]×カン・ヒウン(ryeongpromotion/kukjegym)56.6kg 日本vsアジア4対4マッチ。渡辺は柔道で2016年アジアオープン準優勝、ヨーロッパクラブ選手権準優勝などの実績を残し、MMAに転向。2017年12月3日にDEEP JEWELSでプロデビューを果たすと、その26日後に開催されたRIZINにも出場。両団体を主戦場に7勝1分といまだ無敗を誇る。前戦は今年4月のRIZINで真珠・野沢オークレアから一本勝ちしているヤスティナ・ハバから勝利を収めたが、眼窩底骨折を負って試合間隔が空き今回が復帰戦。 今回対戦するカン・ヒウンはプロボクサーからMMAに転向したファイター。プロ戦績は7勝1分で無敗。相手の印象について渡辺は「打ち合いが得意。アマチュアでは全勝で、KOもあるのでテクニカルで強打もあるイメージです」と評し、「自分の苦手分野である打撃を得意とする選手が相手ですが、しっかりとフィニッシュします! 半年ぶりの試合なので、ワクワクしています。楽しんで勝ちたいと思います」と語っている。 1R、開始早々組んで引手をつかんで内股でテイクダウンした渡辺。ハーフガードからパウンド、マウントを奪うとアメリカーナを狙うが背中を向けたヒウンに渡辺はリアネイキドチョーク。タップを奪った。 試合後、渡辺は「半年ぶりでいつもより緊張しましたがしっかり勝ててよかったです。大晦日、試合したいなと思っています。まだまだやることいっぱいありますがもっともっと頑張ります」と大晦日出場をアピールした。 渡辺華奈「4月以来、半年ぶりの試合なので、この半年間やってきたことをしっかり出して、一本勝ちできるように頑張ります」 ▼第6試合 DEEP JEWELS アトム級(※47.6kg +500g)5分3R○アム・ザ・ロケット(Tarnthong Gym / PHUKET TOP TEAM)47.8kg[1R 1分37秒 腕十字]×ホン・ユンハ(Von Jiu Jisu Songtan)47.55kg アムは、これまでムエタイで80戦を超える戦績を誇り、WMC女子ミニフライ級王座を獲得。柔術にも取り組み、JJIF柔術の黒帯で2017年にアジア王者に。2018年4月のアブダビ・ワールドプロ49キロ級では青帯ながら3位入賞。リカ・イシゲにも柔術で勝利した経験がある。 MMA戦績は3勝2敗で、2019年3月の「DEEP JEWSLS」では1R0分34秒、毛利道場の佐藤絵実にリアネイキッドチョークで一本勝ちし、衝撃の日本デビューを果たした。その後、8月にRIZINで女子スーパーアトム級王者の浜崎と対戦しリアネイキドチョークの体勢になるなど追いつめるも、前方に落とされ、腕十字で逆転の一本負けを喫した。 ムエタイ流のこかし、ボディロックからのテイクダウンも強いアムが、金網版DEEP JEWELSで再びケージムエタイを披露するか。今回、アムはアトム級に戻して戦う。 対するユンハは、2016年8月の「DEEP77&DEEP JEWELS13」で浅倉カンナに判定負け、ROAD FCではキャリアの初期に藤野恵実、ARAMIに敗れているが、2017年10月から3連勝中でここ2試合はリアネイキドチョークで連続一本勝ちも決めている。アムを倒せば一気にワールドクラス入りとなる。 1R、オーソドックス構えから右の強烈な蹴りを2発当てるアム。ユンハは金網詰めボディロックでテイクダウンもクローズドガードのアムは手首つかみ、腕十字! 最後はうつ伏せになって極め、1分37秒、アムが一本勝ちした。 試合後アムは天を仰いでから「今回はDEEPのファン、関係者の皆さん、応援ありがとうございます。日本の皆さんに格闘技を楽しんでもらいたいです。私も強くなっていろんなトーナメントで勝っていきたいと思います」と語った。バックステージでアムはRIZINでの浜崎戦に続く試合をあらためて希望した。 アム「お呼びいただきありがとうございます。今回は韓国の選手との対戦となりますが、一本かKOで必ず勝利したいと思います」 ※ユンハは交通事情により遅れて計量 KINGレイナが体重超過で失格を謝罪 第5試合終了後、体重超過で失格となったKINGレイナがケージイン。ファンにお詫びの挨拶を行った。 「このたびは体重超過となってしまい、大変申しわけございませんでした……。(涙声になり)今回の超過により、いちからやっていこうと思いましたし、温かいお声もいただき、しっかりやりたいと思いますので、どうぞ応援をよろしくお願いします。ほんとうにすみませんでした」 ▼第5試合 DEEP JEWELSフライ級(56.7kg +500g)5分2R○奈部ゆかり(HMC JAPAN/リバーサルジム新宿Me,We)57.05kg[1R 3分15秒 TKO]×ゲオチャイ・ザ・ロケット(Tarnthong Gym)56.50kg 奈部は柔道出身で高校生の時に富山県大会優勝、インターハイではベスト8。名門・国際武道大学の柔道部に所属し、韓国に柔道留学も果たしている。2015年5月にDEEP JEWELSでプロデビュー。2018年6月に渡辺華奈に判定負けも、以降、アミバ、高森惟舞、藤森祥子を相手に3連勝中。MMAでは6勝3敗1分で、敗れている相手は渡辺、村田夏南子、杉山しずかと強豪のみ。 今回の相手ゲオチャイは、6月大会で中井りんと対戦したムエタイベースでレスリングの経験も持つ。奈部は「本場のムエタイ選手なので、打撃が上手い印象です。前回の中井りん選手との試合を見て、強いストレートを打つ選手だなと思っています」と評する。 「日本国内では初の外国人選手戦で、ワクワクしています」(2017年6月にドイツで試合経験あり)とモチベーションは高く、「自分のやってきたことが日本以外でも通用するのか試したい気持ちと、久しぶりの試合なので緊張とで、よくわからない感情が生まれています(笑)。MMAスタイルも変わっているので、試合でどんどん出していきたいです」と、いろいろなことを試したいと話す。 1R、低いダブルレッグから組んで払い腰テイクダウンは奈部。パスガードからマウント奪い、パウンド。ブリッジするゲオチャイだが、マウント保つ奈部はパウンド連打。動けないゲオチャイを見てレフェリーが間に入った。 試合後、Me,Weの山崎代表から祝福された奈部は「いろんな選手と世界で戦っていきたいです。もっともっと強くなりたいです。台風のなかで新幹線が動かないなか、家族が来てくれてありがとうございました」と感謝の言葉を語った。 奈部ゆかり「久しぶりの試合になるのでとても緊張しています。あと国際戦なので、自分も世界で戦えることをこの試合で見せたいと思います。今回はMe,Weの方々のおかげで精神的にも安定しているので、いい勝利を目指して頑張ります」 ゲオチャイ「2回目も呼んでいただきありがとうございます。奈部選手を倒せるように頑張ります」 [nextpage] ▼第4試合 DEEP JEWELSアトム級 5分2R○パク・ジョンウン(TEAM STORONG WOLF)47.6kg[1R 2分36秒 TKO]×佐藤絵実(毛利道場)47.85kg 佐藤は結婚・出産後に総合格闘技を始めて1年半で韓国のROAD FCにてプロデビュー。当時人気を誇ったソン・ガヨンと対戦した。プロ2戦目にしてDEEP女子フライ級の絶対女王しなしさとこと対戦して連敗を喫したが、2017年6月にプロ初勝利を飾ると青野ひかる、古瀬美月ら若手ホープから一本勝ちを奪って4連勝。しかし、3月のDEEP JEWELS後楽園ホール大会でアム・ザ・ロケットに1Rわずか34秒で敗れ、今回が再起戦となる。 対するパクはアジア・サンボ選手権で韓国代表に選ばれ、キックボクシングで5戦5勝、MMAでデビューしてからは4勝5敗1分。元DEEP JEWELSライト級暫定王者の富松恵美を破り、黒部三奈と前澤智を苦しめている。また、今年7月にはHEATで鈴木万李弥とキックボクシングマッチで戦い、勝利を収めている。 強敵を迎え撃つことになった佐藤は「若くて才能のある選手だと思います。打撃の上手さが際立って見えるけれど、寝技もできるオールラウンダータイプという印象です」とパクを評する。 3月のDEEP JEWELS後楽園ホール大会では、その後RIZINに出場したアム(タイ)と対戦し、1Rわずか34秒、リアネイキドチョークで敗れた佐藤。世界の壁の厚さを思い知らされた結果となったが、「前回のアム戦以降、しっかりフィジカルから作ってきました。これが私にとって3度目の海外戦になりますが、どんな試合でも絶対に負けない気持ちで挑んでいます!」と、3度目の外国人選手との対戦で初勝利を狙う。 1R、オーソドックス構えのジョンウンにサウスポー構えの佐藤。打撃の交錯からボディロックテイクダウンはジョンウン! すぐにサイドに回り、肩固めへ。外したジョンウンはマウントに移行。パウンドに亀になる佐藤のバックへ。4の字ロックでリアネイキドチョーク狙うジョンウンは佐藤の身体を伸ばしてパウンド、殴られるままの佐藤を見てレフェリーが間に入った。 佐藤絵実「前回のジュエルスは急病で棄権することになってしまい、関係者の皆様にご迷惑をおかけしました。この場でお詫びをさせてください。今回、強くて勢いのあるパク・ジョンウン選手と対戦することが出来て、とても嬉しく思います。夜のDEEPでは毛利道場の当主である毛利明彦も参戦しますので、その前哨戦として毛利道場の家臣である(自分は)前哨戦、絶対に負けられません。一歩も退かないアグレッシブな試合をして盛り上げたいと思います」 ▼第3試合 DEEP JEWELS 49kg以下級 5分2R×KAI(リバーサルジム 立川 ALPHA)48.95kg[判定1-2]※19-19×2マスト判定古瀬、19-19マスト判定KAI○古瀬美月(Y&K MMA ACADEMY)48.85kg KAIは、空手をベースに2014年からDEEP JEWELSに参戦。桐生祐子(鈴木祐子)、北野きゅう、ジェット・イズミに勝利も、両ヒザの手術で戦線を離脱。1年半ぶりの復帰戦となった2019年9月の『DEEP JEWELS 25』では、キック出身のジェット・イズミ(元J-GIRLSミニフライ級王者)を相手にキックルールで判定勝ち。今回は約2カ月という短期の連戦で約1年半ぶりのMMAルールで古瀬と対戦する。 古瀬は柔道をバックボーンに持ち、AbemaTV『格闘代理戦争3rdシーズン』女子トーナメントでは現在『RIZIN』で連勝中のあいから腕十字で見込み一本勝ちを奪い、決勝では現在『ONE』で連勝中の平田樹に敗れるも準優勝。長い手足を活かした打撃も武器とし、今年に入ってからは5月に樋田智子に判定勝ち、6月は富松恵美に一本負け、9月は坂本美香にTKO勝ちとハイペースで試合を行っており、ケージでの試合を望んできた。 1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブの突き合いから押し込む古瀬。ブレーク。左インローから左ストレートを当てるKAI。下がる古瀬に金網際でヒザを突く。右で差し返して体を入れ替える古瀬。KAIも左で差して入れ替え押し込みヒザ突きブレーク。サウスポー構えにスイッチする古瀬。しかし圧力かけるKAIは左右で前進。下がる古瀬だが首相撲からヒザを連打する。 2R、ジャブストレートのKAIに左ハイを合わせに行く古瀬。鼻血出すKAIは左で差し四つに。ヒザ突くKAI。スタンドで右はKAIもそこに左の攻撃を合わせに行く古瀬。パワフルなKAIは押し込む。古瀬の右ハイに前に出るKAI。しかし距離を取る古瀬は右ジャブ左ストレート! 前進続けるKAI。 判定は打撃で優位に立った古瀬がスプリット判定(マスト判定)で勝利。試合後、古瀬はケージのなかで「応援ありがとうございました。大勢の前で勝てると嬉しいです。実力はまだまだなので、目指しているものは変わらないのでそこに向けて頑張ります。11月、12月どこでもいいので試合をさせてください。皆さんに何かを感じてもらいたいので頑張ります」と涙ながらにマイク。大晦日RIZINを目標とする古瀬はあいとの再戦にたどり着けるか。 KAI「古瀬選手は試合前のインタビューで、私のことは大したことないと言っていたらしいんですが、その言葉は明日そのまま拳で返します」 古瀬美月「前回から試合の期間もそんなに空いていなくて、前回の試合のいい感じが残っているので、明日も倒したいと思います」 [nextpage] ▼第2試合 DEEP JEWELS 49kg 5分2R×川村虹花(仮面女子)48.9kg[判定0-3]※19-19×3 マスト判定永尾3者○永尾音波(AACC)48.9kg 仮面女子の川村は総合格闘技の試合を見たことをきっかけに興味を持って自身も習い始め、2017年12月に試合初出場。勝利を収めると2018年3月にプロデビューを果たし、現在2勝4敗。2018年大晦日と2019年6月に連敗を喫し、7月中旬には練習中に首を傷めて9月大会は欠場となり、今回の試合に再起を懸ける。また、今回が初のケージでの戦いに。 対する永尾は16歳の現役女子高生。アマチュアキックボクシングでの試合を経て、3月のDEEP東京大会では同世代の吉川桃加を相手に打撃で上回り判定勝利、プロデビュー戦となった6月のDEEP JEWELSでは 組み技を得意とする國保小枝の組みを断ち切り判定勝利、続く9月大会では同世代のリオンと対戦し、19-19×3の同点ながら、マスト判定によりリオンに惜敗している。 1R、ともにオーソドックス構え。いきなり跳び蹴りで前に出た永尾に川村は右で差し返して金網に押し込むと左右のワンツー! さらに左で差して金網に押し込むがブレーク。川村の左をかいくぐり組み付く永尾。しかし差し返した川村は左で差して押し込みも再度ブレーク。右で前に出る川村。下がる永尾は金網背に。 右を差し返した永尾はスペースを作り右ヒザ。ブレーク。スタンドで永尾は左ハイ! ダウンしヒザを着いた川村に永尾はラッシュも川村は組み付いで凌ぐと金網に押し込む。ブレークから左フック狙う永尾。 2R、左フックから飛び込む永尾。互いに見合いから組み付く川村はそのまま金網まで押し込み右で差すが右ヒザを突く永尾。ブレーク。川村の組み付きをいなす永尾。しかし川村も右ストレートをヒット! さらに右! ダブルレッグは川村も差し上げる永尾。川村はクラッチし、ヒザを突く。それがローブローとなり、2R1分で中断。再開。最初の左の蹴りをつかんだ川村がダブルレッグテイクダウン、ついに背中つかせた川村はパウンド連打! 永尾は右で差して立ち上がったところでゴング。 左ハイでニアダウンを奪った永尾に、終盤でパウンドをまとめた川村。判定はマスト判定で永尾が3-0で勝利した。 川村虹花「前回の試合で首の怪我で欠場となってしまったんですが、またマッチメイクしていただいてありがとうございます。9月に出しきれなかった分、今回は全力で倒しに行きます」 永尾音波「9月1日、MMA初敗戦から1カ月半、強さを求めてしっかり毎日練習漬けの充実した日々を過ごしてきました。応援してくれる方々やAACCの先輩たちの顔を思い浮かべると絶対に負けられないので、しっかりぶっ倒します」 ▼第1試合 DEEP JEWELSミクロ級 5分2R  ○玉田育子(AACC)43.95kg[判定3-0]※20-17,20-18×2×KOTORI(格闘空手勇拳会)42.05kg 玉田はグラップリングからスタートし、2005年7月に修斗でプロデビュー。デビュー戦以降は4敗2分と勝ち星に恵まれなかったが、8戦目から突如覚醒。連勝を重ねて当時のトップ選手たちを破り、2010年6月にトーナメントを制してVALKYRIE女子フライ級王座に就いた。 2015年9月の『VTJ』での浅倉カンナ戦以来、試合から遠ざかっていたが今年3月のDEEP JEWELS後楽園ホール大会で3年半振りに復帰。まど花から改名したマドレーヌに判定勝ちを収めている。MMA戦績は16勝10敗3分。 対するKOTORIは北海道札幌市在住の19歳で、今年3月にDEEP JEWELSでプロデビューしたばかりのKOTORI。空手出身で蹴り技を得意とするが、寝技も下からの仕掛けが上手く、佐伯繁DEEP代表もその将来性に太鼓判を押しているホープだ。デビュー戦ではアマチュア時代に引き分けているにっせーから勝利している。今回が2戦目。 1R、開始早々にダブルレッグテイクダウンは玉田。クローズドガードのKOTORIにインサイドからパウンド。オープンガードになったKOTORIに右で脇差しパスガード、ヒザ突きマウント、バックに回り、背後から鉄槌しゴング。 2R、首投げのKOTORIだが、その回転のままリバーサルする玉田がサイドとなりパウンド。ストレートアームバーを狙う。しかし腰切るKOTORIはフルガードに戻す。玉田はインサイドからパウンドでゴング。 判定はグラウンドで圧倒した玉田が3-0勝利。 (試合前コメント) KOTORI「玉田選手、試合受けてくださりありがとうございます。でもアム選手のことを凄く強くて尊敬しているので、アム選手と試合ができるように頑張ります」 玉田育子「明日の試合、プロ2戦目の子に負けるわけにはいきません。しっかりと勝って第1試合から盛り上げていきたいと思います」
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント